事業じぎょう主ぬし

事業じぎょう主ぬし（じぎょうぬし、じぎょうしゅ）とは、事業じぎょうを経営けいえいする主体しゅたいのことをいう。大別たいべつすると、自然人しぜんじんであるもの（個人こじん事業じぎょう主ぬし）と法人ほうじんであるものとがあり、法人ほうじんである場合ばあい、その法人ほうじんそのものが「事業じぎょう主ぬし」である。

法律ほうりつ上じょうは、主おもに労働ろうどう関係かんけいにおける使用しよう者しゃ側がわのことを指さすことが多おおい。もっとも、法令ほうれいにより、「使用しよう者しゃ」・「事業じぎょう主ぬし」の定義ていぎは異ことなっていて、「使用しよう者しゃ = 事業じぎょう主ぬし」である法令ほうれいもあれば、使用しよう者しゃと事業じぎょう主ぬしとの定義ていぎを異ことならせている法令ほうれいもある。

→「使用しよう者しゃ」も参照さんしょう

労働ろうどう法ほうでの事業じぎょう主ぬし

労働ろうどう基準きじゅん法ほう

労働ろうどう基準きじゅん法ほう第だい10条じょうでは「この法律ほうりつで使用しよう者しゃとは、事業主じぎょうぬし又または事業じぎょうの経営けいえい担当たんとう者しゃその他たその事業じぎょうの労働ろうどう者しゃに関かんする事項じこうについて、事業じぎょう主ぬしのために行為こういをするすべての者ものをいう。」としていて、労働ろうどう者しゃを雇用こようし、事業じぎょうを行おこなう事業じぎょう主ぬしはもとより、事業じぎょう主ぬしとともに経営けいえいを担当たんとうする者もの（取締役とりしまりやくなど）や労務ろうむ担当たんとう者しゃ・人事じんじ担当たんとう者しゃ・工場こうじょう長ちょうなど「その事業じぎょうの労働ろうどう者しゃに関かんする事項じこうについて、事業じぎょう主ぬしのために行為こういをするすべての者もの」を使用しよう者しゃに含ふくめている。従したがって、「事業主じぎょうぬし ⊆ 使用しよう者しゃ」と解ほぐされる。

労働ろうどう契約けいやく法ほう

労働ろうどう契約けいやく法ほう第だい2条じょうでは「この法律ほうりつにおいて「使用しよう者しゃ」とは、その使用しようする労働ろうどう者しゃに対たいし、賃金ちんぎんを支払しはらう者ものをいう。」として、基本きほん的てきに「事業じぎょう主ぬし = 使用しよう者しゃ」と解かいしている。

雇用こよう保険ほけん法ほう

雇用こよう保険ほけん法ほうにおいては、業務ぎょうむ取扱とりあつかい要領ようりょうにて同どう法ほうにおける「事業じぎょう主ぬし」とは、「当該とうがい事業じぎょうについての法律ほうりつ上じょうの権利けんり義務ぎむの主体しゅたいとなるものをいい、従したがって、雇用こよう関係かんけいについては、雇用こよう契約けいやくの一方いっぽうの当事とうじ者しゃとなるものである。」としている。

• 事業じぎょう主ぬしは、自然人しぜんじんであると、法人ほうじんであると又または法人ほうじん格かくがない社団しゃだん若もしくは財団ざいだんであるとを問とわない。法人ほうじん又または法人ほうじん格かくがない社団しゃだん若もしくは財団ざいだんの場合ばあいは、その法人ほうじん又または社団しゃだん若もしくは財団ざいだんそのものが事業じぎょう主おもであり、その代表だいひょう者しゃが事業じぎょう主ぬしとなるのではない。また、事業じぎょう主ぬしが数すう事業じぎょうを行おこなっている場合ばあい、各かく事業じぎょうの責任せきにん者しゃは事業じぎょう主ぬしではなく、委任いにんを受うけて事業じぎょう主ぬしの代理人だいりにんとなり得えるにとどまる、
• 雇用こよう保険ほけんに係かかる保険ほけん関係かんけい及および労災ろうさい保険ほけんに係かかる保険ほけん関係かんけいの成立せいりつしている事業じぎょうのうち建設けんせつの事業じぎょうについては、徴収ちょうしゅう法ほう第だい8条じょうの規定きていによる請負うけおい事業じぎょうの一括いっかつが行おこなわれた場合ばあいであっても、被ひ保険ほけん者しゃに関かんする届出とどけでの事務じむ等ひとし、法ほうの規定きていに基もとづく事務じむについては、元もと・請負人うけおいにん、下しも請負人うけおいにんがそれぞれ別個べっこの事業じぎょう主ぬしとして処理しょりしなければならない（雇用こよう保険ほけん法ほう第だい7条じょう）。

関連かんれん項目こうもく

• 社長しゃちょう
• 事業じぎょう者しゃ