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フッ酸素さんそ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
フッ酸素さんそ
識別しきべつ情報じょうほう
略称りゃくしょう FOOF
CAS登録とうろく番号ばんごう 7783-44-0
PubChem 123257
ChemSpider 109870 チェック
ChEBI
Gmelin参照さんしょう 1570
特性とくせい
化学かがくしき O2F2
モル質量しつりょう 69.996 g mol−1
融点ゆうてん

-154 °C, 119 K, -245 °F

沸点ふってん

-57 °C, 216 K, -71 °F (推定すいてい)

溶媒ようばいへの溶解ようかい 分解ぶんかい
関連かんれんする物質ぶっしつ
関連かんれん物質ぶっしつ 過酸化水素かさんかすいそ
フッ酸素さんそ
フックロリル
フッ硫黄いおう
特記とっきなき場合ばあい、データは常温じょうおん (25 °C)・つねあつ (100 kPa) におけるものである。

フッ酸素さんそ(にフッかにさんそ、えい: dioxygen difluoride)は、化学かがくしきが O2F2あらわされる酸素さんそフッ化物ばけものである。オレンジしょく固体こたいで、-163 °Cけて赤色あかいろ液体えきたいとなる[1]強力きょうりょく酸化さんかざいで、-160 °C でさえ1にちに4 %の割合わりあい分解ぶんかいしてフッ酸素さんそ酸素さんそしょうじる[2]

合成ごうせい[編集へんしゅう]

フッ酸素さんそは、低圧ていあつ (7-17 mmHg) のフッ素ふっそガスと酸素さんそガスの1:1混合こんごうぶつに、2.1-2.4 kVの電圧でんあつをかけて25-30 mAで放電ほうでんをすることでられる。これは、Otto Ruff によって1933ねんはじめて合成ごうせいされたさい使つかわれた方法ほうほうである[3]。もう1つの合成ごうせいほうは、O2 と F2 を-196 °C冷却れいきゃくしたステンレススチールかんなか混合こんごうし、数時間すうじかん3 MeVで制動せいどう放射ほうしゃする方法ほうほうである。

構造こうぞう[編集へんしゅう]

O2F2 なかでは、酸素さんそは+1の非常ひじょうめずらしい酸化さんかすうをとる。化合かごうぶつなかでは、酸素さんそ通常つうじょう-2の酸化さんかすうをとる。

フッ酸素さんそ構造こうぞうは、90ちかめんかくをもつ過酸化水素かさんかすいそ H2O2類似るいじしている。この構造こうぞうVSEPRそくによる予測よそく一致いっちしている。O-O 結合けつごうちょうは、酸素さんそ O2 なかの O=O じゅう結合けつごうながさ120.7 pmより1 pmだけながい。

二フッ化二酸素の構造
フッ酸素さんそ構造こうぞう

フッ酸素さんそちゅう結合けつごうは、とく非常ひじょうみじかい O-O 結合けつごうちょうながい O-F 結合けつごうちょうのため、すう年間ねんかんわたって相当そうとう推論すいろん対象たいしょうであった。Bridgeman は、O-O “三重みえ結合けつごう”および O-F たん結合けつごうは、フッ素ふっそ原子げんしじょう孤立こりつ電子でんしたいと O-O πぱい結合けつごう反発はんぱつによって不安定ふあんていながくなる、というせつ提案ていあんした[4]フッ素ふっそ孤立こりつ電子でんしたい反発はんぱつは、フッ素ふっそ分子ぶんしながよわ共有きょうゆう結合けつごう原因げんいんでもある。

反応はんのうせい[編集へんしゅう]

フッ酸素さんそ包括ほうかつてき性質せいしつは、すべての反応はんのうが-100 ℃付近ふきんおこなわれなければならないにもかかわらずはげしく反応はんのうする、その酸化さんかりょくにある[5]BF3PF5反応はんのうさせると、対応たいおうするジオキシゲニルしおあたえる[2][6]

また、ウラン酸化さんかぶつプルトニウム酸化さんかぶつ対応たいおうするろくフッ化物ばけもの変化へんかさせる[7]

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ Kirshenbaum, A. D.; Grosse, A. V. (1959), “Ozone Fluoride or Trioxygen Difluoride, O3F2”, Journal of the American Chemical Society 81 (6): 1277, doi:10.1021/ja01515a003 
  2. ^ a b Holleman, A. F.; Wiberg, E. (2001), Inorganic Chemistry, Academic Press, ISBN 0-12-352651-5 
  3. ^ Ruff, O.; Mensel, W. (1933). “Neue Sauerstofffluoride: O2F2 und OF”. Zeitschrift für anorganische und allgemeine Chemie 211 (1-2): 204-208. doi:10.1002/zaac.19332110122. 
  4. ^ Bridgeman, A. J.; Rothery, J. (1999), “Bonding in mixed halogen and hydrogen peroxides”, Journal of the Chemical Society, Dalton Transactions 1999 (22): 4077-4082, doi:10.1039/a904968a 
  5. ^ Streng, A. G. (1963), “The Chemical Properties of Dioxygen Difluoride”, Journal of the American Chemical Society 85 (10): 1380-1385, doi:10.1021/ja00893a004 
  6. ^ Solomon, I. J.; et al. (1964), “New Dioxygenyl Compounds”, Inorganic Chemistry 3 (3): 457, doi:10.1021/ic50013a036 
  7. ^ Atwood, D. A. (2006), “Fluorine: Inorganic Chemistry”, Encyclopedia of Inorganic Chemistry, John Wiley & Sons, doi:10.1002/0470862106.ia076 

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]