信用しんよう貨幣かへい

信用しんよう貨幣かへい（しんようかへい）とは、信用しんようの存在そんざいを前提ぜんていとして流通りゅうつうする名目めいもく貨幣かへいの一種いっしゅ。銀行ぎんこう券けん・預金よきん通貨つうかなどを指さす。

概要がいよう

基本きほん的てきには支払しはらい手段しゅだんとしての貨幣かへい機能きのうから生しょうじたもので、「貨幣かへい支払しはらい約束やくそく書しょ」としての性格せいかくを有ゆうする。すなわち、期日きじつ指定してい・一覧いちらん払ばらいを問とわず、現実げんじつの貨幣かへい（本位ほんい貨幣かへい）への兌換だかん性せい・同一どういつ性せいが保証ほしょうされている必要ひつようがある。一方いっぽう、同おなじ名目めいもく貨幣かへいでも流通りゅうつう手段しゅだんとしての貨幣かへい機能きのうから生しょうじた政府せいふ貨幣かへいや補助ほじょ貨幣かへいを信用しんよう貨幣かへいとみなすことは出来できない。最初さいしょに商業しょうぎょう信用しんように基もとづいて発行はっこうされる商業しょうぎょう手形てがたが信用しんよう貨幣かへいになったが、銀行ぎんこう信用しんようの発展はってんに伴ともなってこれを基礎きそにして流通りゅうつうする銀行ぎんこう券けんが今日きょうにおける代表だいひょう的てきな信用しんよう貨幣かへいとされる。もっとも、今日きょうの銀行ぎんこう券けん（日本にっぽんにおける日本銀行にっぽんぎんこう券けん）は不換紙幣ふかんしへいであり、発行はっこう者しゃ（同おなじく日本銀行にっぽんぎんこう）には貨幣かへい支払しはらい約束やくそくの義務ぎむあるいはその保証ほしょうがなく、また発行はっこう者しゃにとっては債務さいむにはあたらないため、信用しんよう貨幣かへいとしての要件ようけんが備そなわっておらず、信用しんよう貨幣かへいとは言いえないとする見方みかたもある。

参考さんこう文献ぶんけん

• 浜野はまの俊一郎しゅんいちろう「実物じつぶつ貨幣かへい・信用しんよう貨幣かへい」（『社会しゃかい科学かがく大だい事典じてん 8』鹿島かしま研究所けんきゅうじょ出版しゅっぱん会かい、1975年ねん ISBN 978-4-306-09159-7）