商しょう慣習かんしゅう

商しょう慣習かんしゅう（しょうかんしゅう）とは、商しょう取引とりひきの過程かていにおいて形成けいせいされた慣習かんしゅうのことで、そのうち慣習かんしゅう法ほうとして発展はってんしたものを特とくに商しょう慣習かんしゅう法ほうとも呼よぶ。

このような商しょう慣習かんしゅうは世界せかい各地かくちにあり、イングランドでは中世ちゅうせいにおける商しょう慣習かんしゅうが商事しょうじ慣習かんしゅう法ほう（Law Merchant）として法ほう源げんの1つにもなった。

日本にっぽんにおいて商しょう法典ほうてんが導入どうにゅうされる際さいに、日本にっぽんの商しょう慣習かんしゅうは前ぜん近代きんだい的てきで排除はいじょされるべきとする考かんがえ方かたとどこの社会しゃかいにも商しょう慣習かんしゅうの存在そんざいを無視むしした商しょう法典ほうてん体系たいけいは存在そんざいしないという考かんがえ方かたが対立たいりつした。

現在げんざいの日本にっぽんでは商法しょうほう1条じょう及および法ほうの適用てきように関かんする通則つうそく法ほう3条じょうによって、商事しょうじについては商法しょうほうを優先ゆうせんとして商法しょうほうを破やぶる商しょう慣習かんしゅう法ほうは存在そんざいし得えないとし、商法しょうほうに該当がいとうするものが無なければ商しょう慣習かんしゅう法ほうに基もとづき、それでも明あきらかで無ない事例じれいについては民法みんぽうを適用てきようすることとなっている。これについて、成文法せいぶんほうである民法みんぽうが慣習かんしゅう法ほうである商しょう慣習かんしゅう法ほうより下位かいに置おかれるのはおかしいという見解けんかいや実際じっさいの商しょう取引とりひきの慣行かんこうに基もとづいて成立せいりつした商しょう慣習かんしゅう法ほうこそが実情じつじょうに沿そったものであり、商しょう慣習かんしゅう法ほうが商法しょうほうを一概いちがいに破やぶれないものとするのはおかしいとする見解けんかいも存在そんざいする。