国泰寺こくたいじ (高岡たかおか市し)

国泰寺くにたいじ
禅堂ぜんどう
所在地しょざいち	富山とやま県けん高岡たかおか市し太田おおた184
位置いち	北緯ほくい36度ど48分ふん39秒びょう 東経とうけい137度ど00分ふん39秒びょう
山号さんごう	摩ま頂山いただきやま
宗旨しゅうし	臨済宗りんざいしゅう
宗派しゅうは	国泰寺こくたいじ派は
寺格じかく	本山もとやま
本尊ほんぞん	釈迦如来しゃかにょらい
開山かいさん	慈雲じうん妙みょう意い
開基かいき	不ふ詳しょう
正式せいしき名めい	護国ごこく摩ま頂いただき巨きょ山やま 国こく泰たい仁王におう万まん年ねん禅ぜん寺てら
札所ふだしょ等とう	北陸ほくりく三さん十じゅう三さんヵ所かしょ観音かんのん霊場れいじょう 第だい24番ばん 越中えっちゅう観音かんのん霊場れいじょう 第だい3番ばん
文化財ぶんかざい	前田まえだ利家としいえ安堵あんど状じょう（高岡たかおか市し指定してい文化財ぶんかざい）
法人ほうじん番号ばんごう	4230005006338

国泰寺くにたいじ（こくたいじ）は、富山とやま県けん高岡たかおか市しにある禅ぜん寺てらで臨済宗りんざいしゅう国泰寺こくたいじ派はの本山ほんざん。山号さんごうは摩ま頂山いただきやま。本尊ほんぞんは釈迦如来しゃかにょらい。

歴史れきし

• この寺てらは、1296年ねん（永えい仁ひとし2年ねん）慈雲じうん妙みょう意いが二上山にじょうざんに立たてた草庵そうあんに始はじまるとされる。その後ご、妙みょう意いは草庵そうあんを訪おとずれた孤こ峰みね覚さとし明あきらの勧すすめを受うけ、覚さとし明あかりの師しで普ふ化か宗むねの祖そ心地ここち覚さとし心こころ（法燈ほうとう国師こくし）に師事しじした。その後ご1299年ねん（正安まさやす元年がんねん）二上山にじょうざんに戻もどり、悟さとる後ごの修行しゅぎょうに励はげまれた。やがてその禅ぜん風ふうを慕したって雲水うんすいが集あつまり、1304年ねん（嘉よしみ元もと2年ねん）には草庵そうあんを寺てらとして摩ま頂いただき山東さんとう松寺まつでらを開ひらけ創そうされた。
• 1328年ねん（嘉よしみ暦れき3年ねん）後醍醐天皇ごだいごてんのうから護国ごこく摩ま頂いただき巨きょ山国やまくに泰やすし仁王におう万まん年ねん禅ぜん寺てらの号ごうが下賜かしされたと伝つたえる。戦国せんごく時代じだいには、二上山にじょうざんに築きずかれた守山もりやま城じょうをめぐる兵火へいかにより焼失しょうしつしたが、神保じんぼ氏しの支援しえんにより復興ふっこうされた。
• 戦国せんごく時代じだい末期まっきの1585年ねん（天正てんしょう13年ねん）閏うるう8月がつに前田まえだ利家としいえの命いのちで方丈ほうじょうが没収ぼっしゅうされ守山もりやま城じょうの書院しょいんに転用てんようされた。江戸えど時代じだいに入はいると5代だい将軍しょうぐん徳川とくがわ綱吉つなよしはこの寺てらを法燈ほうとう派はの本山ほんざんに指定していしたという。この当時とうじの国泰寺くにたいじは将軍しょうぐんに挨拶あいさつ出来できるほど高たかい格式かくしきを持もち、徳川とくがわ家かに近ちかい存在そんざいであったという。
• 明治めいじ初年しょねんには普ふ化か宗むねの解体かいたいなどにより衰退すいたいして臨済宗りんざいしゅう相国寺しょうこくじ派はに統合とうごうされたが、1905年ねん（明治めいじ38年ねん）に臨済宗りんざいしゅう国泰寺こくたいじ派はとして独立どくりつした。廃仏毀釈はいぶつきしゃくの余波よはを受うけたが、山岡やまおか鉄舟てっしゅうの尽力じんりょくで、天皇てんのう殿どのの再建さいけんをはじめ諸しょ堂宇どううの修造しゅうぞうに努つとめた。
• 僧堂そうどう開ひらき単たんは1893年ねん（明治めいじ26年ねん）道みち津つ雪ゆき門もん老師ろうしの時ときである。
• 近年きんねんは、哲学てつがく者しゃの鈴木すずき大拙だいせつや西田にしだ幾太郎いくたろうらが禅ぜんの修行しゅぎょうをしている。
• 2020年ねん10月、近藤こんどう勇いさむが身みに着つけ、山岡やまおか鉄舟てっしゅうにより寄贈きぞうされたとされる甲冑かっちゅうが所蔵しょぞう文化財ぶんかざいの調査ちょうさにより発見はっけんされた。

稲葉いなば心こころ田老たろう師しと利生りしょう塔とう

時どきの将軍しょうぐん足利尊氏あしかがたかうじは、天下てんか人心じんしんの安定あんていを求もとめる方策ほうさくの一ひとつとして、夢ゆめ窓まど国師こくしのすすめに従したがい、全国ぜんこく六ろく十じゅう六ろく州しゅう二に島とうに一いち寺てら一いち塔とうを造立ぞうりゅうすることとなり、寺てらを安国寺あんこくじ、塔とうを利生りしょう塔とうと称しょうした。 稲葉いなば心こころ田たが1964年ねん（昭和しょうわ39年ねん）国泰寺くにたいじに住山すみやま以来いらい、「生命せいめい尊重そんちょう」を説といてきたが、いまなお世界せかいの各所かくしょで戦火せんかが絶たえず、軍備ぐんび拡張かくちょうの競争きょうそうはなかなか下火したびにならないことから、生命せいめい尊重そんちょう・平和へいわ推進すいしんのメッカ、そのシンボルとも称しょうすべき利生りしょう塔とうを、国泰寺こくたいじに再建さいけんすることを発願ほつがんした。　

伽藍がらん

• 大だい方丈ほうじょう（1686年ねんに建立こんりゅう）
• 法ほう堂どう（1720年ねん頃ごろに再建さいけん）
• 禅堂ぜんどう
• 山門さんもん
• 総門そうもん
• 観音堂かんのんどう（1967年ねんの再建さいけん）
• 鐘楼しゅろう
• 庫裡くり（1936年ねんに再建さいけん）
• 台所だいどころ（1975年ねんの再建さいけん）
• 利生りしょう塔とう（1981年ねんに建立こんりゅう）戦死せんし者しゃ追善ついぜん、国家こっか安穏あんのんのため、当時とうじの管長かんちょうである稲葉いなば心こころ田た老師ろうしによって建立こんりゅうされた。
• 天皇てんのう殿どの
• 多た聞蔵きくぞう
• 開山かいさん堂どう（三重みえ塔とう）
• 客きゃく寮りょう
• 鎮守ちんじゅ社しゃ

主おもな行事ぎょうじ

• 降誕こうたん会かい　5月8日にち　釈尊しゃくそんの誕生たんじょうを祝いわう法会ほうえ。「甘茶あまちゃ」を誕生たんじょう仏ふつにかけて供養くようします。
• 開山かいさん忌き　6月2、3日にち　開山かいさん慈雲じうん妙みょう意いの忌日きじつの法要ほうよう。開山かいさん忌きには、全国ぜんこくから虚無僧こむそうが多数たすう参列さんれつして、尺八しゃくはちで献けんじ笛ふえする。因ちなみに国泰寺くにたいじは虚無僧こむそう妙音みょうおん会かいの本山ほんざんである。
• 献けんじ茶ちゃ式しき　6月11日にち　茶道さどう表千家おもてせんけの奉仕ほうしで、本堂ほんどうにて開山かいさん 慈雲じうん妙みょう意いに献けんじ茶ちゃが行おこなわれる。
• 千日参せんにちまいり　8月がつ11日にち　観音堂かんのんどうで法要ほうようが行おこなわれる。
• 地蔵じぞう盆ぼん　8月がつ24日にち　観音堂かんのんどうで法要ほうようが行おこなわれ、地域ちいきの子供こどもたちのお祭まつりとして参詣さんけい者しゃが多おおい。
• 法燈ほうとう忌き　11月12、13日にち　開山かいさん慈雲じうん妙みょう意いの師しである法燈ほうとう国師こくし（無む本もと覚さとし心こころ）の忌日きじつ法要ほうよう。当日とうじつも開山かいさん忌きと同様どうよう虚無僧こむそうが参列さんれつする。

文化財ぶんかざい

• 前田まえだ利家としいえ安堵あんど状じょう（高岡たかおか市し指定してい文化財ぶんかざい。天正てんしょう13年ねん閏うるう8月がつに発給はっきゅう。方丈ほうじょうを守山もりやま城じょうの書院しょいんに転用てんようするために没収ぼっしゅうを命めいじたうえ、境内けいだいの小寺こでら・山林さんりんを安堵あんどした内容ないよう。）

関連かんれん項目こうもく

• 臨済宗りんざいしゅう国泰寺こくたいじ派は

外部がいぶリンク

• 摩ま頂山いただきやま 国泰寺こくたいじ
• 富山とやま県けん高岡たかおか市し・太田おおた雨晴あまはらし観光かんこう協会きょうかい
• 高岡たかおか市内しない文化財ぶんかざい一覧いちらん（高岡たかおか市し）