堀ほり利とし煕ひろし

凡例はんれい 堀ほり 利とし煕ひろし
『高名こうみょう像ぞう伝でん : 近世きんせい遺のこ勲くん. 天てん』
時代じだい	江戸えど時代じだい
生誕せいたん	文政ぶんせい元年がんねん6月19日にち（1818年ねん7月がつ21日にち）
死没しぼつ	万延まんえん元年がんねん11月6日にち（1860年ねん12月17日にち）（42歳さい没ぼつ）
改名かいめい	利忠としただ、利り煕ひろし
別名べつめい	（通称つうしょう）省三郎しょうさぶろう、織部おりべ、織部おりべ正ただし （字じ）欽文、士し績 （号ごう）有ゆう梅うめ、梅花ばいか散人さんじん
戒名かいみょう	爽烈院いん殿どの粛誉利り煕ひろし欽文居士こじ
墓所はかしょ	東京とうきょう都と文京ぶんきょう区く源みなもと覚さとし寺てら
氏族しぞく	堀ほり氏し
父母ちちはは	父ちち：堀ほり利とし堅けん、母はは：林はやし述じゅつ斎ときの娘むすめ
子こ	利り孟はじめ
特記とっき 事項じこう

堀ほり 利とし煕ひろし（ほり としひろ、文政ぶんせい元年がんねん6月19日にち（1818年ねん7月がつ21日にち） - 万延まんえん元年がんねん11月6日にち（1860年ねん12月17日にち））は、江戸えど時代じだい末期まっき（幕末ばくまつ）の旗本はたもと、幕臣ばくしん。通称つうしょうは織部おりべ、織部おりべ正ただし、省しょう之の助すけ。字じは欽文、士し績虎。号ごうは有ゆう梅うめ、梅花ばいか山人さんじん。初はつ名なは利忠としただ。プロイセンとの不平等ふびょうどう条約じょうやくである日にち普ふ修好しゅうこう通商つうしょう条約じょうやく交渉こうしょう中ちゅうに自決じけつした。

経歴けいれき

嘉よしみ永ひさし7年ねん（1854年ねん）、日にち露ろ和親わしん条約じょうやく調印ちょういん前まえに国境こっきょう設定せっていの調査ちょうさとして樺太からふと・蝦夷えぞ地ちの巡回じゅんかいを行おこない、そのまま箱はこ館かん奉行ぶぎょうとなる。奉行ぶぎょう在任ざいにん中ちゅうにも巡回じゅんかいを行おこなった。同行どうこう者しゃに武田たけだ斐三郎さぶろう、玉虫たまむし左ひだり太夫たゆう、榎本えのもと武揚ぶよう、郷ごう純じゅん造づくり、島しま義勇よしたけがいる。安政あんせい5年ねん（1858年ねん）には新設しんせつされた外国がいこく奉行ぶぎょうに就任しゅうにん、神奈川かながわ奉行ぶぎょうも兼任けんにんして諸しょ外国がいこく大使たいしとの交渉こうしょうに尽力じんりょくした。横浜よこはま港こう開港かいこうに尽力じんりょくし、通商つうしょう条約じょうやくでは日本にっぽん全権ぜんけんの一人ひとりとして署名しょめいしている。

万延まんえん元年がんねん（1860年ねん）、プロイセンの外交がいこう官かんフリードリヒ・アルブレヒト・ツー・オイレンブルクとの条約じょうやく交渉こうしょうを行おこなっていたが、このときに利り煕ひろしがプロイセンと裏うら交渉こうしょうしているという風聞ふうぶん、並ならびにプロイセンではなくドイツ連邦れんぽう（当時とうじ、ドイツはまだ統一とういつされておらず、利り煕ひろしがプロイセン一いち国こくだけではなくオーストリアとも秘密ひみつ交渉こうしょうを行おこなっていたというまことしやかな風聞ふうぶんが流ながれたらしい）との秘密ひみつ交渉こうしょうなどが行おこなわれていたことなどが露見ろけんして、幕府ばくふから追及ついきゅうされる。利り煕ひろしはそれに対たいして何なんの弁解べんかいも行おこなわず、プロイセンとの条約じょうやく締結ていけつ直前ちょくぜんに切腹せっぷくした。享年きょうねん43。プロイセン側がわには病死びょうしと伝つたえられたが、自決じけつの噂うわさは伝つたわっており、条約じょうやく締結ていけつ前まえになってオイレンブルクがプロイセンのみならず、他たの多数たすうの近隣きんりん諸国しょこく（関税かんぜい同盟どうめい、ハンザ同盟どうめい都市とし）のために交渉こうしょうしていたことが判明はんめいし、これを事前じぜんに理解りかいしていなかったことが堀ほりの失態しったいとなり、それに責任せきにんを感かんじての自決じけつととらえられた。

死後しご、村むら垣かき範はん正ただしがオイレンブルクとの交渉こうしょうを引ひき継ついで日にち普ふ修好しゅうこう通商つうしょう条約じょうやくを結むすんだ。

家族かぞく

父ちちは大目おおめ付づけの堀ほり利とし堅けん、母ははは林はやし述じゅつ斎ときの娘むすめ。母方ははかたのおじに鳥居とりい耀蔵ようぞう、林はやし復ふく斎とき、従兄弟いとこに岩瀬いわせ忠震ただなり、異母弟いぼていにパリ万国博覧会ばんこくはくらんかい使節しせつ団だんの徳川とくがわ昭武あきたけ伝つて役やくで初代しょだい帝室ていしつ博物館はくぶつかん長ちょうの山高やまたか信しん離はなれ（石見いわみ守まもる）がいる。子こに堀ほり利とし孟はじめ

年譜ねんぷ

• 嘉よしみ永ひさし5年ねん（1852年ねん）2月がつ10日とおか - 小姓こしょう組ぐみ徒と頭あたま。
• 嘉よしみ永なが6年ねん（1853年ねん）5月14日にち - 目付めつけ。
• 嘉よしみ永なが7年ねん（1854年ねん）
  • 2月がつ8日にち - 松前まさき表おもて御用ごよう。北きた蝦夷えぞを視察しさつ。従者じゅうしゃとして蝦夷えぞ地ちに同行どうこうしたのが榎本えのもと釜がま次郎じろう（のちの榎本えのもと武揚ぶよう）。
  • 7月がつ21日にち - 箱はこ館かん奉行ぶぎょう。
• 安政あんせい5年ねん（1858年ねん）
  • 5月8日にち - 外国がいこく奉行ぶぎょう。
  • 8月がつ3日にち - 仏蘭西ふらんす国こく之の使節しせつ与あずか及引会かい候こう儀ぎ全権ぜんけん。
• 安政あんせい6年ねん（1859年ねん）6月4日にち - 神奈川かながわ奉行ぶぎょう兼任けんにん。
• 万延まんえん元年がんねん（1860年ねん）
  • 9月15日にち - 神奈川かながわ奉行ぶぎょう免職めんしょく。
  • 11月6日にち - 自刃じじん。

関連かんれん項目こうもく

• 箱はこ館かん丸まる
• 大橋おおはし訥庵とつあん
• 日にち独どく関係かんけい

外部がいぶリンク

• 普ひろし魯士条約じょうやく並なみに堀ほり織部おりべ正ただしの自殺じさつ『幕末ばくまつ外交がいこう談だん』田辺たなべ太一たいち(冨山とやま房ぼう, 1898)