大だい天使てんし聖ひじりミカエルへの祈いのり

大だい天使てんし聖ひじりミカエルへの祈いのり（だいてんしせいミカエルへのいのり）は、かつて1965年ねんはじめまでカトリック教会きょうかいのミサの終おわりに唱となえられていた祈いのり。レオ13世せいの祈いのりとも呼よばれる。

概要がいよう

1886年ねんに教皇きょうこうレオ13世せいがミサ典てん書しょに付加ふかしたため、『レオ13世せいの祈いのり』と呼よばれることもある。カトリック教会きょうかいのミサ（トリエント・ミサ）の終おわりに、『終おわりの福音ふくいん』に続つづけて唱となえられていた。典礼てんれい書中しょちゅうの『祓はらい魔ま式しき(Exsorcista)』の部ぶにはこの祈いのりは存在そんざいしない。第だい2バチカン公こう会議かいぎの典礼てんれい刷新さっしんによって1964年ねん9月26日にちに正式せいしきに廃止はいしされた。

日本にっぽんのカトリック教会きょうかいで使用しようされてきた公おおやけ教会きょうかい祈祷きとう文ぶんには、この祈いのりとは別べつの『大だい天使てんし聖ひじりミカエルに向むかう祈いのり』が掲載けいさいされている。

逸話いつわ

教皇きょうこうレオ13世せいがミサ中ちゅうに人事不省じんじふせいに陥おちいったことがあって、意識いしき回復かいふく後ごこの祈いのりをミサに加くわえることを決定けっていした、という話はなしが伝つたわっているが、公式こうしきの資料しりょうには残のこっていない。

祈祷きとう文ぶん

ラテン語らてんご

Sancte Michael Archangele, defende nos in proelio:
contra nequitiam et insidias diaboli esto praesidium;
Imperet illi Deus, supplices deprecamur;
tuque, Princeps militiae caelestis,
Satanam aliosque spiritus malignos, qui ad perditionem animarum pervagantur in mundo,
divina virtute in infernum detrude. Amen.

日本語にほんご（文語ぶんご）

大だい天使てんし聖きよしミカエル、戦たたかいにおいて我われらを護まもり、悪魔あくまの凶悪きょうあくなるはかりごとに勝かたしめ給たまえ。

天主てんしゅの彼かれ治おさめ給たまわんことを伏ふして願ねがい奉たてまつる。

ああ天てん軍ぐんの総帥そうすい、

霊魂れいこんをそこなわんとてこの世よを徘徊はいかいするサタンおよびその他たの悪魔あくまを、天主てんしゅの御ご力ちからによりて地獄じごくに閉込とじこめ給たまえ。アーメン。

大だい天使てんし聖ひじりミカエルに向むかう祈いのり（公おおやけ教会きょうかい祈祷きとう文ぶん）

天てん軍ぐんの栄さかえある総帥そうすい、大だい天使てんし聖ひじりミカエルよ、

かつて悪魔あくまの大軍たいぐんが全能ぜんのうなる天主てんしゅに反はんきし時じ、御身おんみは『たれか天主てんしゅにしくものあらん』と叫さけび、あまたの天使てんしを率ひきいてかれらを地獄じごくの淵ふちに追おい落おとし給きゅうえり。

故ゆえに公おおやけ教会きょうかいは御身おんみをその保護ほご者しゃとなし、特とくに日本にっぽん公こう教会きょうかいは、御身おんみをその守護しゅご者しゃと崇あがめ奉たてまつる。

願ねがわくは霊れい戦せんに当あたりてわれらを助たすけ、悪魔あくまを退しりぞけ給たまえ。

われらをして御身おんみにならいて、常つねに天主てんしゅに忠実ちゅうじつならしめ、その御ご旨むねを尊とうとみ、その御ご戒いましめを守まもるを得えしめ給たまえ。

かくてわれら相しょう共ともに天国てんごくにおいて、天主てんしゅの御ご栄さかえを仰あおぐに至いたらんことを。御身おんみの御ご取次とりつぎによりて天主てんしゅに願ねがい奉たてまつる。アーメン。