平安へいあん遺文いぶん

平安へいあん遺文いぶん（へいあんいぶん）は、歴史れきし家か竹内たけうち理り三さんが平安へいあん時代じだいの文書ぶんしょを編へん年ねんでまとめた史料しりょう集しゅうである。古文書こもんじょ編へん、金石かねいし文ぶん編へん、題跋だいばつ編へん、索引さくいん編へんの全ぜん15巻かん。

概要がいよう

竹内たけうちが長年ながねん筆写ひっしゃしてきた史料しりょうを広ひろく利用りようできるよう企画きかくされたもので、『寧楽ねいらく遺文いぶん』に続つづき、戦時せんじ中ちゅうから出版しゅっぱん準備じゅんびが進すすめられていた。古文書こもんじょ編へんは平安へいあん時代じだいの古文書こもんじょを網羅もうらすることを目指めざし、年代ねんだい順じゅんにまとめている（個人こじん的てきな内容ないようの消息しょうそく類るい、類型るいけい的てきな除目じもく申文もうしぶみ、『類聚るいじゅう三さん代だい格かく』『朝野ちょうや群ぐん載の』『本朝ほんちょう文ぶん粋いき』等とうの編纂へんさん書しょは原則げんそくとして除のぞく）。1947年ねん（昭和しょうわ22年ねん）に東京とうきょう堂どう出版しゅっぱんから刊行かんこうを始はじめ、1957年ねんまでに9巻かんを刊行かんこう。781年ねん（天てん応おう元年がんねん）から1185年ねん（元もと暦こよみ2年ねん）の古文書こもんじょを収おさめる。その後ご、第だい10巻かん（拾遺しゅうい、1962年ねん)、第だい11巻かん（総そう目録もくろく・解説かいせつ、1967年ねん)を追加ついかした。古文書こもんじょの総数そうすうは5万まん5千せん通つう余あまりに及およぶ。

また、金石かねいし文ぶん編へん（1巻かん、1960年ねん）、題跋だいばつ編へん（1巻かん、1968年ねん）、索引さくいん編へん（2巻かん、1978年ねん・1980年ねん）が刊行かんこうされている。1998年ねんに『平安へいあん遺文いぶん CD-ROM版ばん』が出でている。

「戦後せんごにおける平安へいあん時代じだいの社会しゃかい経済けいざい史し・国家こっか史し研究けんきゅうの飛躍ひやく的てき進展しんてんは、主しゅとしてこの『平安へいあん遺文いぶん』によってなされたもの」（坂本さかもと賞しょう三さん）、「平安へいあん時代じだい史し研究けんきゅうに革命かくめいをもたらした資料集しりょうしゅう」（黒田くろだ日出男ひでお）と高たかく評価ひょうかされている。

参考さんこう文献ぶんけん

• 坂本さかもと賞しょう三さん「平安へいあん遺文いぶん」『国史こくし大だい辞典じてん 12』（吉川弘文館よしかわこうぶんかん 1989年ねん）

外部がいぶリンク

東京大学とうきょうだいがく史料しりょう編纂へんさん所しょの公式こうしきサイトに「平安へいあん遺文いぶんフルテキストデータベース」がある[1]。

関連かんれん項目こうもく

• 寧楽ねいらく遺文いぶん
• 鎌倉かまくら遺文いぶん
• 南北なんぼく朝あさ遺文いぶん - 1980年ねんから九州きゅうしゅう編へん、中国ちゅうごく四国しこく編へん、関東かんとう編へん、東北とうほく編へんと刊行かんこう。
• 室町むろまち遺文いぶん - 2018年ねんから関東かんとう編へんを刊行かんこう。
• 戦国せんごく遺文いぶん - 1989年ねんから後のち北条ほうじょう氏し編へん、武田たけだ氏し編へん、古河ふるかわ公方くぼう編へん、佐々木ささき六角ろっかく氏し編へんなどを刊行かんこう。