影印本えいいんぼん

左ひだり頁ぺーじは1頁ぺーじに4頁ぺーじ分ぶん影印えいいん、右みぎ頁ぺーじは1頁ぺーじをそのまま影印えいいん 三希みき堂どう法帖ほうじょう釈しゃく文あや

写本しゃほんの影印えいいん 山水さんすい並なみ野形のがた図ず

影印本えいいんぼん（えいいんぼん）とは、底本ていほん（通常つうじょうは古ふるい時代じだいの貴重きちょうな書物しょもつ）を写真しゃしん撮影さつえいし、それを原版げんばんにしてオフセット印刷いんさつなどの方法ほうほうによって印刷いんさつした「複製ふくせい本ほん」のこと。景けい印しるし本ほんあるいは影印えいいんとも言いう。

底本ていほんが書かかれた当時とうじの絵えや文字もじをそのまま参照さんしょうすることができ、また、複製ふくせいによる新あらたな誤植ごしょくや書かき換かえの生しょうじる恐おそれが無ないため、専もっぱら研究けんきゅう用ようの資料しりょうとして使用しようされる。

木版もくはん印刷いんさつによって複製ふくせいした場合ばあいは、覆刻ふっこく本ほんと呼よばれて区別くべつされる。また、複製ふくせい本ほんに限かぎらないが、活字かつじを用もちいて印刷いんさつした本ほんは排はい印しるし本ほんあるいは鉛なまり印しるし本ほんと呼よばれる。

底本ていほんは印しるし刷本すりほんでも書写しょしゃ本ほんでも関係かんけいなく、その複製ふくせい本ほんの寸法すんぽうは原寸げんすん通どおりに再現さいげんされていなくてもよい。ただし、原本げんぽんよりも縮刷しゅくさつされるのは構かまわないが、拡大かくだい印刷いんさつを行おこなうことは好このまれない。

参考さんこう文献ぶんけん

• 堀川ほりかわ貴司たかし,　書誌しょし学がく入門にゅうもん 古典こてん籍せきを見みる・知しる・読よむ、勉つとむ誠まこと出版しゅっぱん,　東京とうきょう, 2010
• 図書館としょかん用語ようご辞典じてん編集へんしゅう委員いいん会かい、最新さいしん 図書館としょかん用語ようご大だい辞典じてん, 柏書房かしわしょぼう, 2004

関連かんれん項目こうもく

• ファクシミリ (書誌しょし学がく)
• 漢籍かんせき - 漢籍かんせきの印刷いんさつ方法ほうほうの区分くぶんについての解説かいせつがある。