出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
愛知県立海翔高等学校(あいちけんりつ かいしょうこうとうがっこう)は、愛知県弥富市六條町大崎に所在する公立の高等学校。
設立を巡る混乱[編集]
愛知県立海翔高等学校は愛知県立海南高等学校と愛知県立蟹江高等学校の統合という形で設立されたが、校舎は海南高校のものを引き続き使用している。そのため、地元では蟹江高校が海南高校に統合されると受け取られ、設立に際し蟹江高校の卒業生や地元蟹江町による反対運動も起きている。
1979年(昭和54年)開校の海南高校に比べ1971年(昭和46年)開校の蟹江高校の方が相対的に歴史が古く、2003年(平成15年)10月に愛知県による県立高校再編整備実施計画が発表された際の報道でも、海南高を蟹江高に統合するとされていた[2]。
その後目立った反対運動などは起きなかったが、2004年(平成16年)の始めに一転して海南高校の校舎を使用するとの決定がなされたため、計画の撤回を求めて卒業生や蟹江町による反対運動が行われることとなった。2004年(平成16年)の10月には蟹江町による陳情書とともに蟹江高校の卒業生を中心とする1万291人分の署名が県側に提出されるに至ったが、結局計画は撤回されることはなかった。
海南高校の校舎が使われることになった理由として愛知県側は、海南高校の方が地元中学出身者の比率が高かったことや、校舎の耐震診断の結果が良かったこと[3]を挙げているが、海南高校がある旧十四山村周辺に県立普通科高校がなかったことも校舎存続に有利に働いたと思われる。
- ^ 海南高校は2007年(平成19年)3月まで海翔高校に併存。蟹江高校は2004年(平成16年)度を最後に新規入学者の募集を停止した。
- ^ 鈴木啓太 (2015年3月25日). “「希望の丘広場」 水害時避難も 旧蟹江高跡地に町が整備”. 中日新聞 (中日新聞社): p. 朝刊 県内版 28
- ^ 「対象4組が固まる 県立高校の統廃合」『朝日新聞』2003年10月1日付朝刊、愛知2、第29面
- ^ 「蟹江高の統合巡りOBら撤回要望『新設校で校舎利用を』」『朝日新聞』2004年9月11日付朝刊、愛知2、第26面