捕捉ほそくレーダー

捕捉ほそくレーダー（英語えいご: acquisition radar）は、目標もくひょう捕捉ほそく (target acquisition) を担当たんとうするレーダー。

概要がいよう

追尾ついびレーダーでは、高こう精度せいどの方位ほうい分解能ぶんかいのうを実現じつげんするためにビーム幅はばはかなり狭せまくなっており、目標もくひょうの捜索そうさくには不向ふむきである。このため、捜索そうさくレーダーと併用へいようして、まず捜索そうさくレーダーによって目標もくひょうの概略がいりゃく位置いちを把握はあくしたのちに、その周辺しゅうへんに追尾ついびレーダーのビームを指向しこうして、目標もくひょうを探知たんち・識別しきべつおよび位置いち決定けっていを行おこなって、追尾ついびに移行いこうすることが多おおい。このような追尾ついびへの移行いこう処理しょりのことを捕捉ほそく処理しょりと称しょうする。そして、この目標もくひょう捕捉ほそく手順てじゅんを実行じっこうする機能きのうを有ゆうするレーダーを捕捉ほそくレーダーと称しょうする。

このような性格せいかくから、捕捉ほそくレーダーは追尾ついびレーダーよりも探知たんち距離きょりが長ながく、しかも追尾ついびレーダーによってただちに目標もくひょうを捕捉ほそくするに足たる精度せいどでの目標もくひょう探知たんちが求もとめられる。このため、追尾ついびレーダーと比ひしてパルス幅はばが長ながく、パルス繰くり返かえし周波数しゅうはすう（PRF）が低ひくくなる傾向けいこうがある。

専用せんようの捕捉ほそくレーダーのほか、追尾ついびレーダーに捕捉ほそくモードを組くみ込こむかたちで実装じっそうされることもある。また、更さらに捜索そうさくレーダーも兼任けんにんする場合ばあいもあるほか、その別称べっしょうとして用もちいられる場合ばあいもある。

参考さんこう文献ぶんけん

• 吉田よしだ, 孝こう『改訂かいてい レーダ技術ぎじゅつ』電子でんし情報じょうほう通信つうしん学会がっかい、1996年ねん。ISBN 978-4885521393。 
• アダミー, デビッド『電子でんし戦せんの技術ぎじゅつ 拡充かくじゅう編へん』東京電機大学とうきょうでんきだいがく出版しゅっぱん局きょく、2014年ねん。ISBN 978-4501330309。 
• アダミー, デビッド『電子でんし戦せんの技術ぎじゅつ 新しん世代せだい脅威きょうい編へん』東京電機大学とうきょうでんきだいがく出版しゅっぱん局きょく、2018年ねん。ISBN 978-4501332907。