水道 方式
![](https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/1/1d/Suidou-houshiki-tairu1.jpg/220px-Suidou-houshiki-tairu1.jpg)
概要 [編集 ]
命名 について[編集 ]
一般 から特殊 へ- タイルのシェーマ
五 ・二進法 - 1あたり
量 量 の理論 (内包 量 と外延 量 )- カンヅメとビンヅメ
筆算 重視
といった
タイルによる10進 法 の教授 法 [編集 ]
空位 の「0」の重視 [編集 ]
なお、
筆算 中心 の計算 体系 [編集 ]
複雑 な思考 過程 や演算 の過程 を、まずもっとも単純 な過程 -素 過程 -に分解 する。素 過程 を複 合 して最 も一般 的 で典型 的 な複 合 過程 -水源 地 -を設定 する。典型 的 な複 合 過程 をしだいに特殊 化 し。退化 させていって、あらゆる場合 におよぼす。[19]
計算 問題 の分類 方法 [編集 ]
繰 り上 がりの出 てこないものを最初 にやる。- 「0」が
出 てくるものは後回 しにする。 標準 型 から少 しずつ型 崩 れの問題 に移 ってゆく。
として
指導 方法 の概略 [編集 ]
一 位 の自然 数 の足 し算 [編集 ]
これを、
「
足 して五 未満 になる数 (1+1=2, 1+2=3, 1+3=4, 2+1=3, 3+1=4)足 して五 (V) になる数 (1+4=5, 2+3=5, 3+2=5, 4+1=5)
といった
五 と五 以上 の数 の和 で繰 り上 がりが生 じるもの五 以上 の数 どうしの和 によって繰 り上 がりが生 じるもの五 未満 の数 と五 以上 の数 の和 において繰 り上 がりが生 じないものといった (1+5=6, 1+6=7, 1+7=8, 1+8=9, 2+5=7, 2+6=8, 2+7=7, 3+6=9)「型 崩 れ」問題 の正誤 によって「どこで躓 いたのか」を明 らかにする。
これを「
とはいえ、
繰 り上 がりの無 い場合 。加数 が0の場合 。被加数 が0の場合 。加数 と被加数 の両方 が0の場合 。繰 り上 がりがあって和 が2けたの場合 。繰 り上 がりがあって和 が10になる場合 。
となり、これを
整数 の足 し算 [編集 ]
- (1)
計算 は筆算 の形 で行 わせる。
と
- (2)
素 過程 による計算 の原理
![](https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/5/5f/Elementary_process_of_addition_by_tiles.jpg/220px-Elementary_process_of_addition_by_tiles.jpg)
3
タイルを
- (2)
複 合 過程 の展開
- 22+22
型 - 22+20
型 - 20+22
型 - 20+20
型 - 22+2
型 (22+02) ……十 の位 が「空位 (空 っぽ)」という。「無 の0」がそのまま「位取 りの0」となる[25]。 - 2+22
型 (02+22) ……一 の位 が空位 (空 っぽ)。 - 20+2
型 (20+02) - 2+20
型 (02 + 20)
「22+22
このあとは「
- 29+29
- 29+21
- 29+9……
十 の位 が0になった「退化 型 」 - 9+29……
退化 型 - 29+1……
退化 型 - 1+29……
退化 型
このように
素 過程 を暗記 するほど徹底的 にマスターさせる。水源 地 を学習 し、それを元 に特殊 化 した型 に進 む。
という
整数 の引 き算 [編集 ]
- 9-2
- 9-0
- 2-2
- 0-0
- 12-9
- 10-9
- 99-22
である。
整数 のかけ算 [編集 ]
- 234×2
は
- 200×2, 30×2, 4×2
ではなく、
- 2×2, 3×2, 4×2
の
かけ
- 3×2
- 3×0
- 0×2
- 0×0
- □×□ = □□……
積 が十 の位 に繰 り上 がる型 。 - □×□ = □0……
同上 の型 。
整数 の割 り算 [編集 ]
![](https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/8/83/Algorithm_for_division.jpg/220px-Algorithm_for_division.jpg)
![](https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/9/96/Choujohou-to-tanjohou.jpg/220px-Choujohou-to-tanjohou.jpg)
600÷2、40÷2、8÷2 ではなく、
6÷2、4÷2、8÷2 の
- 7÷3
- 6÷3
- 2÷3
- 0÷3
- 13÷3
- 27÷3
- 10÷3
割 り算 の筆算 4拍子
長 除法 と短 除法 の対立
分数 と小数 [編集 ]
![](https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/7/72/Suidou-tail-bunsu.jpg/220px-Suidou-tail-bunsu.jpg)
割合 分数 の問題 点 [編集 ]
理論 の実験 結果 [編集 ]
評価 [編集 ]
また
水道 方式 の研究 者 [編集 ]
新居 信正 [編集 ]
主 な著書
- 『つるかめ
算 :楽 しい文章 題 への道 方程式 入門 』仮説 社 1983.8 - 『また
女 の先生 か』昌平 社 出版 1976 - 『
小学校 の現場 から』フレ ーベル館 1980 - 『あとにムナシサだけが
残 る実践 からの訣別 』仮説 実験 授業 ガリ本 図書館 編 、キリン館 1993.3
荒井 公 毅 [注 11]との共著
- 『
均等 分布 と1あたり(国土 社 の算数 えほん); 6』国土 社 1993.3 - 『
国土 社 の算数 えほん<割合 > 1(割合 っておもしろい)』国土 社 1990.4 - 『
国土 社 の算数 えほん<割合 > 2(割合 をとく)』国土 社 1990.4 - 『
国土 社 の算数 えほん<分数 > 1(分数 ってなんだ!)』国土 社 1989.9 - 『
国土 社 の算数 えほん<分数 > 2(分数 たす・ひく)』国土 社 1989.10 - 『
国土 社 の算数 えほん<分数 > 3(分数 かける・わる)』国土 社 1989.9
- その
他 の著書
- 『
分数 ものがたり(算数 と理科 の本 )』銀 林 浩 ・新居 信正 文 、村田 道 紀 絵 、岩波書店 1981.6
水道 方式 のテキスト[編集 ]
荒井 公 毅 『毎日 たのしく算数 ドリル(ダウンロード版 )』仮説 社 、2020年 。仮説 社 サイトで購入 可能 数学 教育 協議 会 /小林 道正 ・野崎 昭弘 編 『算数 ・数学 つまずき事典 』日本 評論 社 、2012年 。ISBN 978-4-535-78565-6。小林 道正 編 ・数学 教育 協議 会 『活用 力 アップ!子 どもがよろこぶ算数 活動 シリーズ全 6巻 』国土 社 、2009年 。- 『わかる さんすう 1~6』
遠山 啓 監修 、むぎ書房 、1965年 。[注 12]。むぎ書房 ・学習 書 「テキスト」のサイトで購入 可能 。 遠山 啓 『さんすうだいすき全 10巻 』日本 図書 センター、2012年 。ISBN 978-4-284-20215-2。
脚注 [編集 ]
注釈 [編集 ]
- ^
遠山 らは海外 の算数 教育 については調査 しているが、大正 時代 のタイル[5]や九 九 暗記 不要 論 [3]などの先行 研究 にはまったく言及 していないし、反対 派 との論争 にも使 っていない[2]。 - ^
遠山 は「「水道 方式 」という名 は仮 の名 のつもりだった。強 いて本名 を付 けるとすれば「分析 総合 方式 」とでもしたら良 かっただろう。しかし,それではあまりにまともすぎて面白 みがないので、仮 の名 の方 が良 く使 われることになった。ところがその仮 の名 がいつの間 にか広 がって本名 になってしまったのである」と述 べている[9]。 - ^ タイルという
命名 は遠山 啓 によるもので、子 どもの身近 にあるものとして選 ばれた。四角 とか正方形 とかでは、図形 そのものを指 しているかどうか紛 らわしいから、あえて命名 したという[10]。 - ^ これに
対 して戦前 の国定 教科書 編集 に携 わり、暗算 中心 の教科書 を編集 した元 文部省 図書 監修 官 の塩野 直道 (1898-1969) は、激 しく水道 方式 に反対 した。塩野 は国定 教科書 の暗記 主義 について「強硬 手段 によって暗算 を詰 め込 む」ことが必要 であると主張 して、筆算 中心 の水道 方式 に反対 した[15]。 - ^
遠山 が筆算 を重視 したのは、1935年 (昭和 10年 )から使 われた『尋常 小学 算術 (通称 緑 表紙 )が、暗算 中心 の方式 をとった結果 、子 どもの計算 力 が低下 したという結果 を踏 まえてのことだった[16]。 - ^
遠山 は「最近 面白 い研究 が出 ている。総 九九 を教 えても、子 どもが成長 していくと、半 九 九 だけ、つまり3×7=21だけ使 って、7×3=21はだんだん使 わなくなるという結果 になるようです」と述 べている[31]。 - ^
遠山 は「余 りのあるものを先 にやるというと、とんでもないばかなやり方 だというかもしれません」と述 べている[38]。 - ^
英語 のlong divisionは「筆算 」を意味 し、short divisionが「暗算 」を意味 するので、日本語 の用法 とは異 なる。日本 ではそろばんの伝統 があったので、道具 を使 わない西洋 数学 はすべて筆算 と呼 んでいた。 - ^ たとえば『
啓 林 』1956年 12月 号 の4ページには、暗算 論 者 の塩野 直道 の水道 方式 に反対 する論文 を載 せている[40]。 - ^
新居 がこのように述 べている背景 には、遠山 が戦前 の「暗記 偏重 の緑 表紙 の国定 教科書 」[52]や戦後 の「生活 単元 学習 の指導 要領 や教科書 」によって算数 の学力 低下 を招 いたとしてを厳 しく批判 した[53]結果 、1962年 (昭和 37年 )当時 の京都 市 教育 委員 会 の教育 長 が京都 市 の小学 校長 宛 に、「水道 方式 には下記 のような問題 点 があるので各 学校 においては、その取 り扱 いについて充分 留意 されるように」という通知 を出 したり[54]、「数 教 協 のスタッフたちがたちまちにして日教組 や東京 都 教 組 の数学 分科 会 を牛耳 るようになった」「数学 分科 会 が次第 に偏向 して悪 くなった」などという批判 [55]や、「暗算 中心 の教科書 」を作 っている出版 社 や執筆 者 が「(水道 方式 に沿 った)そういう教科書 を出 すと文部省 の検定 では不 合格 になるぞ」という警告 を、遠山 らに協力 していた教科書 会社 に出 した[56]ことなどがあった。 - ^ あらいきみたけ。
当時 東京 都 の小学校 教員 。数学 教育 協議 会 と仮説 実験 授業 研究 会 の会員 。 - ^ このテキストは
当初 、遠山 らが教科書 会社 の光村 図書 から1958年 に依頼 されて書 いた検定 教科書 だったが、啓 林 館 や文部省 の様々 な水道 方式 への妨害 で取 りやめになり、麦 書房 から出版 したもの[57]。
出典 [編集 ]
- ^
小野 健司 2005b, p. 66-67. - ^ a b c
遠山 啓 1980. - ^ a b
小野 健司 2020. - ^
小野 健司 2005a. - ^ a b
小野 健司 2005b. - ^
小野 健司 2005c. - ^
小野 健司 2005a, pp. 41–42. - ^ a b c
遠山 啓 1980, pp. 136–137. - ^
遠山 ・銀 林 1960, p. 11. - ^
遠山 啓 1979, p. 276. - ^
遠山 啓 1981, p. 17. - ^
遠山 啓 1980, pp. 31–32. - ^
遠山 啓 1980, p. 29. - ^
遠山 啓 1980, pp. 38–39. - ^
遠山 啓 1981, pp. 129–135. - ^
遠山 啓 1981, p. 16. - ^
遠山 啓 1980, pp. 32–33. - ^
遠山 啓 1980, p. 38. - ^
遠山 啓 1981, p. 11-12. - ^
遠山 啓 1980, pp. 40–41. - ^ a b
遠山 啓 1980, pp. 144–151. - ^
遠山 啓 1980, p. 33. - ^
遠山 啓 1980, pp. 134–136. - ^
遠山 啓 1980, p. 59. - ^
遠山 啓 1980, p. 134. - ^
遠山 啓 1980, p. 117. - ^
遠山 啓 1980, pp. 152–161. - ^ a b
遠山 ・銀 林 1960, p. 19. - ^
遠山 啓 1980, pp. 162–171. - ^
遠山 啓 1980, p. 164. - ^
遠山 啓 1980, p. 167. - ^
遠山 啓 1980, p. 169. - ^ a b
森下 友昭 2010, p. 41. - ^
森下 友昭 2010, p. 38. - ^
遠山 啓 1980, pp. 174–175. - ^
遠山 啓 1980, p. 174. - ^
遠山 啓 1980, p. 175. - ^ a b c
遠山 啓 1980, p. 176. - ^
遠山 啓 1980, pp. 172–181. - ^
遠山 啓 1981, p. 129-133. - ^
新居 信正 1976, pp. 82–83. - ^
遠山 啓 1980, p. 196. - ^ a b
遠山 啓 1980, p. 197. - ^
遠山 啓 1980, p. 199. - ^
新居 信正 1970, pp. 143–150. - ^
遠山 啓 1980, p. 41. - ^
板倉 聖 宣 1988, p. 379. - ^
遠山 啓 1981, p. 13. - ^
遠山 啓 1979, p. 277. - ^
新居 信正 1970. - ^
新居 信正 1970, p. 144. - ^
遠山 啓 1981, p. 74-77. - ^
遠山 啓 1981, p. 65-67. - ^
遠山 啓 1981, p. 125. - ^
遠山 啓 1981, p. 146. - ^
遠山 啓 1981, p. 92. - ^
遠山 啓 1981, pp. 77–83.
参考 文献 [編集 ]
著書
遠山 啓 『数学 教育 への招待 遠山 啓 著作 集 数学 教育 論 シリーズ0』太郎 次郎 社 、1979年 。全国 書誌 番号 :80010434遠山 啓 『水道 方式 とはなにか遠山 啓 著作 集 数学 教育 論 シリーズ3』太郎 次郎 社 、1980年 。全国 書誌 番号 :81011377遠山 啓 『水道 方式 をめぐって遠山 啓 著作 集 数学 教育 論 シリーズ4』太郎 次郎 社 、1981年 。全国 書誌 番号 :81014174遠山 啓 、銀 林 浩 『水道 方式 による計算 体系 (現代 教育 全書 )』明治 図書 、1960年 。全国 書誌 番号 :60015672新居 信正 『また女 の先生 か』昌平 社 出版 、1976年 。全国 書誌 番号 :71013480
論文
新居 信正 「授業 書 〈分数 の除法 〉とその解説 」『科学 教育 研究 』第 2巻 、国土 社 、1970年 、143-176頁 。全国 書誌 番号 :00003453小野 健司 「鈴木 筆太 郎 と算数 教育 の実験 的 研究 仮説 実験 的 な教育 研究 の先駆 者 第 1回 「おいたちと明治 時代 の教育 」」『たのしい授業 2005年 06月 号 』第 296巻 、仮説 社 、2005a、33-45頁 。小野 健司 「鈴木 筆太 郎 と算数 教育 の実験 的 研究 仮説 実験 的 な教育 研究 の先駆 者 第 2回 「教 数 盤 の使 い方 とその実験 」」」『たのしい授業 2005年 07月 号 』第 297巻 、仮説 社 、2005b、60-78頁 。小野 健司 「鈴木 筆太 郎 と算数 教育 の実験 的 研究 仮説 実験 的 な教育 研究 の先駆 者 第 3回 「教具 をめぐる模倣 と創造 」」『たのしい授業 2005年 08月 号 』第 297巻 、仮説 社 、2005c、101-116頁 。森下 友昭 「私 のやってきたわり算 の筆算 指導 ゼロを大切 にし、水道 方式 をたよりとする」『たのしい授業 2010年 11月 号 』第 371巻 、仮説 社 、2010年 、34-52頁 。小野 健司 「教育 の歴史 から学 ぶ《研究 組織 論 》〈九 九 の暗記 〉廃止 論 者 ・田籠 松三郎 と忘 れられた算術 教授 法 」『たのしい授業 2020年 02月 号 』第 501巻 、仮説 社 、2020年 、88-115頁 。板倉 聖 宣 「授業 科学 とは何 か」『仮説 実験 授業 の研究 論 と組織 論 』、仮説 社 、1988年 、376-384頁 。全国 書誌 番号 :89021394
辞書 類
倉田 令 二 朗 「遠山 啓 」『現代 人物 事典 』、朝日新聞社 、1977a、894-895頁 。全国 書誌 番号 :77012518倉田 令 二 朗 「銀 林 浩 」『現代 人物 事典 』、朝日新聞社 、1977b、430頁 。全国 書誌 番号 :77012518
関連 項目 [編集 ]
外部 リンク[編集 ]
数学 教育 協議 会 ご案内 (2024年 1月 20日 閲覧 )数学 教育 研究 会 (2012年 ). “算数 に強 くなる!水道 方式 ”. 2020年 1月 8日 閲覧 。- むぎ
書房 ・学習 書 「テキスト」 仮説 社