演壇えんだん

演壇えんだん上じょうでスピーチを行おこなうスウェーデン国王こくおう「グスタフ5世せい」

フランスの古代こだい遺跡いせき。石柱せきちゅうの下したの部分ぶぶんが基壇きだん。

MTB競技きょうぎでの表彰台ひょうしょうだい。中央ちゅうおうに立たつ勝者しょうしゃと、その右みぎ（写真しゃしん左ひだり）に2位いの選手せんしゅ、左ひだり（写真しゃしん右みぎ）には3位いの選手せんしゅ。そしてメダルを渡わたしたプレゼンターが拍手はくしゅで選手せんしゅたちを称たたえる。

演壇えんだん（えんだん）とは、その周辺しゅうへんより高たかいところに演説えんぜつ者しゃなどを上あげるために用もちいる高台たかだい。

英語えいごのポディウム、ポディアム(Podium)は、ギリシャ語ごの足あし（πόδι）に由来ゆらいし、載のせるものも人ひとに限かぎらない。なお、一段いちだん高たかくした演壇えんだんをロストラム(Rostrum)というが、これは古代こだいローマの軍船ぐんせんの船ふね嘴くちばしのことで、捕獲ほかくした敵てき船せんからこの部分ぶぶんを切きり取とって飾かざったことに由来ゆらいする。

スポーツにおいては、オリンピックのようなイベントでトップ3人にんの競技きょうぎ者しゃに敬意けいいを表ひょうするために表彰台ひょうしょうだいが用もちいられる。オリンピックでは3段だんの台だいが使つかわれ、真まん中なかの最もっとも高たかい段だんに金きむメダリスト、その右みぎのやや低ひくい段だんに銀ぎんメダリストが立たつ。金きむメダリストの左ひだりに、銅どうメダリストのためのさらに低ひくい段だんがある。多おおくのスポーツでは、競技きょうぎのトップ3に残のこることを「表彰台ひょうしょうだいに上あがる」または「表彰台ひょうしょうだいを得える」と呼よぶ。いくつかの個人こじん競技きょうぎでは、表彰台ひょうしょうだいに上のぼることは公認こうにんの成績せいせきであり、選手せんしゅがシーズンまたは生涯しょうがいの間あいだに成なし遂とげた、3位い以内いないの結果けっかの数かずに言及げんきゅうする。

ポディアム

建築けんちくでは、「ポディアム」は古代こだい建築けんちくの建物たてものを載のせることができる基礎きそ部分ぶぶんの大だい規模きぼな台だい（基壇きだん）で、現代げんだいにおいては高層こうそうビル等とうに見みられる商業しょうぎょうテナントなどの低てい階層かいそうエリアを意味いみする。ホテル建築けんちくでは客室きゃくしつ以外いがいの施設しせつ部分ぶぶんを指さし、この場合ばあい、最上階さいじょうかいレストランなども含ふくまれるため全すべてが低てい階層かいそうであるとは限かぎらない（客室きゃくしつ部門ぶもんに対たいするポディアム部門ぶもん）。

「ポディアム」は、本来ほんらいの語かたりであるレクタン（lectern、書見しょけん台だい）とは別べつに、演説えんぜつ者しゃの前まえに置おく書類しょるいや本ほんを載のせる台だいそのものも指さす。

オリンピックにおける最初さいしょの使用しよう

ウェスタンオンタリオ大学だいがくオリンピック研究けんきゅう国際こくさいセンターの創設そうせつ者しゃで名誉めいよ教授きょうじゅのロバート・K・バーニーによると、メダルを受うけ取とるときに、勝利しょうりを得えたアスリートを台だいに上あがらせるというアイデアは、1930年ねんオンタリオ州しゅうハミルトンのカナダ人じんの考かんがえから生うまれた。

バーニー教授きょうじゅによる25ページの研究けんきゅう報告ほうこく「オリンピック研究けんきゅうの国際こくさいジャーナル」では、1930年ねんにハミルトンで開催かいさいされたブリティッシュ・エンパイア・ゲームズ（現在げんざいのコモンウェルスゲームズ）と、続つづく1932年ねんロサンゼルスオリンピック夏季かき大会たいかいとレイクプラシッド冬季とうきオリンピックの間あいだに最初さいしょに使用しようしたとされている。

モータースポーツでの使用しよう

モータースポーツの多おおくの形態けいたいでは、レースの上位じょうい3人にんのドライバーはトロフィー授賞じゅしょう式しきのために表彰台ひょうしょうだいに立たつ。国際こくさい的てきな大会たいかいにおいて、勝利しょうりを得えたドライバーとそのチームまたはメーカーの国歌こっかが演奏えんそうされる場合ばあいがあり、そしてドライバーの国旗こっきが彼かれらの頭上ずじょうに掲かかげられる。

トロフィー授与じゅよの後のち、互たがいのドライバーや眼下がんかから見みているチームメイトたちにシャンパンをかけ合あう。この伝統でんとうは、1967年ねんのル・マン24時じ間あいだレースのときにダン・ガーニーによって始はじめられた。

レース中ちゅうに死亡しぼうまたは重大じゅうだいな事故じこが発生はっせいした場合ばあいは、ドライバーたちは通常つうじょう、シャンパンをかけ合あうことを控ひかえている。

ドライバーが上位じょうい3人にんに残のこるかどうかを表あらわす「表彰台ひょうしょうだいを得える」、「表彰台ひょうしょうだいを逃のがす」または英語えいごで「ポディアムフィニッシュ」などの表現ひょうげんがメディアでの共通きょうつうの用語ようごとなっている。

アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくのストックカーレース最高峰さいこうほうであるNASCAR（ナスカー）スプリントカップ・シリーズでは、各かく戦せんまたはシーズン成績せいせきに表彰台ひょうしょうだいを使つかわない。その代かわり、勝利しょうりを得えたドライバーとチームは「ビクトリーレーン」で祝いわい、そして5位い以内いないと10位い以内いないがシーズン成績せいせきに認みとめられる。

IRLインディカー・シリーズは、インディ500またはボンバルディア・リアジェット550では表彰台ひょうしょうだいを使つかわない。テキサス・モーター・スピードウェイ支配人しはいにんのエディ・ゴセージは、ビクトリーレーンがレースの勝者しょうしゃのために確保かくほされていなければならないと述のべ、インディ500は勝利しょうりを得えたドライバーとチームをビクトリーレーンで祝いわわせるのが長ながい伝統でんとうとなっている。しかし、シリーズは特とくにロードコース戦せんなどの他ほかの全すべてのレースでは表彰台ひょうしょうだいを使用しようしている。

関連かんれん項目こうもく

• ソープボックス (演説えんぜつ) ‐ 英語えいご圏けんで政治せいじ演説えんぜつを行おこなう台だいとして使つかわれたため、"get up on a soapbox"（ソープボックスに上あがる＝演説えんぜつを行おこなう）などの慣用かんよう句くとしても使つかわれる。日本にっぽんでは、ミカン箱ばこやビールケースが街頭がいとう演説えんぜつで使つかわれる。