狭野弟上娘子さののおとがみのおとめ

狭せま野の弟おとうと上じょう 娘むすめ子こ（さののおとがみ の おとめ、生なま没年ぼつねん不ふ詳しょう）は、奈良なら時代じだいの下級かきゅう女官にょかん。狭せま野の茅ちがや上じょう 娘むすめ子こ（さののちがみの おとめ）とも表記ひょうきされる。

経歴けいれき

斎宮いつきあるいは後宮こうきゅうの下級かきゅう女官にょかんであったともいわれている。天平てんぺい12年ねん（740年ねん）頃ごろに中臣宅守なかとみのやかもりと結婚けっこんするが、夫おっとは越前えちぜん国こくに配流はいるされた。一説いっせつには娘むすめ子この身分みぶんが問題もんだい視しされ罪ざいに問とわれたとされる。

配流はいる先さきの夫おっとを想おもう和歌わかが『万葉集まんようしゅう』に採録さいろくされている。

代表だいひょう歌か

• 君きみが行いく　道みちのながてを　繰くり畳たたみね　焼やきほろぼさむ　天てんの火ひもがも（巻まき15‐3724）
• 天地あまち（あめつち）の　底そこひのうらに　吾われが如しく　君くんに恋こいふらむ　人ひとは実みあらじ（巻まき15‐3750）
• 帰かえりける　人ひと来らいたれりと　言げんひしかば　ほとほと死しにき　君きみかと思おもひて（巻まき15‐3772）

関連かんれん項目こうもく

• 舞まいあがれ!…巻まき15-3724の歌うたの本歌ほんか取とりの和歌わかを登場とうじょう人物じんぶつの一人ひとりが詠よんでいる。

外部がいぶリンク

• ウィキクォートには、狭野弟上娘子さののおとがみのおとめに関かんする引用いんよう句くがあります。