瘻孔

瘻孔（ろうこう、英えい: fistula）とは、血管けっかん、腸ちょう、または他たの管かん腔臓器き間あいだなどで、体内たいないと体外たいがいとの間あいだ、2つの中空なかぞら空間くうかん（厳密げんみつには2つの上皮じょうひ化かされた表面ひょうめん）の間あいだの異常いじょうな接続せつぞくのこと。 瘻孔は通常つうじょう怪我けがや手術しゅじゅつによって引ひき起おこされるが、感染かんせんや炎症えんしょうによっても起おこる。瘻孔は一般いっぱん的てきには病状びょうじょうを指さすが、治療ちりょう上じょうの理由りゆうから外科げか的てきに発生はっせいさせることもある。

植物しょくぶつ学がくでは、形容詞けいようし形がたで最もっとも一般いっぱん的てきであり、中空ちゅうくうまたは管状かんじょう構造こうぞうによって区別くべつされる種たねを指さすための二に項こう命名めいめい法ほうで使用しようされる。 例たとえば、ヤグルマハッカ（Monarda fistulosa）は管状かんじょうの花はなを持もっている。Eutrochium fistulosumは管状かんじょうの茎くきを持もっている。 ネギ（Allium fistulosum）は中空ちゅうくうまたは管状かんじょうの葉はをもち、Acacia seyal ssp. fistulaは中空ちゅうくうの棘とげを持もつ亜種あしゅ。

概要がいよう

原因げんいんとしては炎症えんしょうが多おおいが、ほかに先天せんてん性せい耳みみ瘻孔のように先天せんてん性せい奇形きけいによるもの、口蓋こうがい瘻のように外傷がいしょうや医い原ばら性せいに発生はっせいするものもある。また、嚥下えんかが不可能ふかのうな患者かんじゃに対たいする栄養剤えいようざいの注入ちゅうにゅうのための胃い瘻や、消化しょうか管内かんない腔の減圧げんあつ等とうを行おこなうために人工じんこう的てきに造みやつこ設しつらえされる、皮膚ひふから直接ちょくせつ消化しょうか管かんへ繋つながる穴あなのことも指さす。

日本にっぽんでは、特とくに児童じどう出産しゅっさんに伴ともない発症はっしょうする産科さんか瘻孔（Fistula of vagina to large intestine、Vesicovaginal fistula）を、フィスチュラと呼よぶ。

関連かんれん項目こうもく

• 胃い瘻

参考さんこう文献ぶんけん

• 高田たかだ隆たかし他た 『口腔こうくう病理びょうりアトラス』 文光ぶんこう堂どう 2006年ねん ISBN 4830670037