立会川たちあいがわ

立会川たちあいがわ
立会川たちあいがわ 奥おくは京急けいきゅう本線ほんせん（上部じょうぶ）と立会たちあい川鉄橋かわてつきょう（下部かぶ）
水系すいけい	二に級きゅう水系すいけい 立会川たちあいがわ
種別しゅべつ	二に級きゅう河川かせん
延長えんちょう	7.4 km
水源すいげん	碑文谷ひもんや池ち・清水しみず池いけ（目黒めぐろ区く）
河口かこう・合流ごうりゅう先さき	東京とうきょう湾わん（品川しながわ区く勝島かつしま）
流域りゅういき	東京とうきょう都と

立会川たちあいがわ（たちあいがわ）は、東京とうきょう都と目黒めぐろ区くおよび品川しながわ区くを流ながれ東京とうきょう湾わんに注そそぐ二に級きゅう河川かせん。全長ぜんちょう7.4 km。

昭和しょうわ20年代ねんだいまでは魚さかなやザリガニが棲すむきれいな小川おがわであり、子供こどもたちの絶好ぜっこうの遊あそび場ばであったが、昭和しょうわ36年ねん10月がつの東京とうきょう都市とし計画けいかく河川かせん下水道げすいどう調査ちょうさ特別とくべつ委員いいん会かい 委員いいん長ちょう報告ほうこく（いわゆる「36答申とうしん」）を踏ふまえて、下水道げすいどう幹線かんせんとして利用りようすることが決定けってい。

月見つきみ橋きょうまでの下水道げすいどう利用りよう部分ぶぶん（立会川たちあいがわ幹線かんせん）は暗渠あんきょとされ、上部じょうぶは道路どうろ（立会たちあい道路どうろ）や、緑みどりの豊富ほうふな遊歩道ゆうほどう、公園こうえんなどとして利用りよう、平常へいじょう時じ、本来ほんらいの流水りゅうすいと流域りゅういきの生活せいかつ雑ざつ排水はいすいは暗渠あんきょ部ぶ終端しゅうたんの月見つきみ橋きょう付近ふきんから勝島かつしまポンプ場じょうを経へてすべて森もりケ崎さき水すい再生さいせいセンターへ流ながされている。

月見つきみ橋きょうより下流かりゅうの開ひらき渠みぞ部ぶについては、通常つうじょう時じ、東日本旅客鉄道ひがしにほんりょかくてつどう（JR東日本ひがしにっぽん）総武そうぶ快速かいそく線せんの総武そうぶトンネルからの塩分えんぶんを含ふくんだ湧水わきみずが流ながされ、感かん潮しお部ぶは勝島かつしま運河うんがからの汽水が遡上そじょうしている。ただし、荒天こうてん時じ、森もりケ崎さき水すい再さい処理しょりセンターへ流ながしきれない汚水おすい（月見つきみ橋きょうに設置せっちされた越えつ流りゅう堰せきを越こえる分量ぶんりょうの汚水おすい）は構造こうぞう上じょう、未み処理しょりのまま開ひらけ渠みぞ部ぶ～勝島かつしま運河うんがへと越えつ流りゅうするため、開ひらき渠みぞ部ぶおよび勝島かつしま運河うんがの水質すいしつ汚濁おだくの原因げんいんとなっている。

地理ちり

東京とうきょう都と目黒めぐろ区くにある碑文谷ひもんや池ちと清水しみず池いけに源みなもとを発はっし、南東なんとう方向ほうこうへ流ながれる。品川しながわ区くの西小山にしこやま駅えき、荏原町えばらまち駅えき、西大井にしおおい駅えき、大井おおい町まち駅えき、立会川たちあいがわ駅えき付近ふきんを通とおり東京とうきょう湾わんの勝島かつしま運河うんがに注そそぐ。

昭和しょうわ後期こうきに非ひ感かん潮しお部ぶのほぼすべてを下水道げすいどう立会川たちあいがわ幹線かんせんとして転用てんよう、開ひらき渠みぞ部ぶでは平常へいじょう時じには自然しぜん河川かせん水すいがほぼ見みられない状態じょうたいとなったことに加くわえ、荒天こうてん時じには汚水おすいがそのまま流下りゅうかすることから、1996年ねん度どには開ひらけ渠みぞ部ぶの生物せいぶつ化学かがく的てき酸素さんそ要求ようきゅう量りょう（BOD）が都内とないの中小ちゅうしょう河川かせんで最悪さいあくとなっていた。

しかし2002年ねん7月がつ7日にちから、東日本旅客鉄道ひがしにほんりょかくてつどう（JR東日本ひがしにっぽん）が総武そうぶ快速かいそく線せん馬喰町ばくろちょう駅えき - 東京とうきょう駅えき間あいだの総武そうぶトンネル内ないに湧わき出でる地下水ちかすいの下水げすい費用ひよう対策たいさくと立会川たちあいがわの水量すいりょう増加ぞうか・水質すいしつ改善かいぜん策さくを兼かね、トンネルより12kmの配水はいすい管かんを敷設ふせつして立会川たちあいがわへの送水そうすいを開始かいし、水質すいしつが大幅おおはばに改善かいぜんした。2003年ねんには海うみで孵化ふかしたボラの稚魚ちぎょが大群たいぐんで現あらわれて話題わだいとなった。その他た、開ひらき渠みぞ部ぶに曝気施設しせつや高こう濃度のうど酸素さんそ溶解ようかい施設しせつを設置せっちするなどの試こころみが行おこなわれている。 なお現在げんざい、越えつ流りゅうに対たいする抜本ばっぽん的てきな対策たいさくとして、月見つきみ橋きょうより勝島かつしまポンプ場じょうまで下水道げすいどう第だい二に立会川たちあいがわ幹線かんせんの新設しんせつ工事こうじが推進すいしんされており、工事こうじ開通かいつう後ごは１時じ間あいだあたり50mmの降水こうすいまで対応たいおうが可能かのうとなり、越えつ流量りゅうりょうの大幅おおはばな減少げんしょうが見込みこまれている（浜川はまがわポンプ場じょうは廃止はいしされ、排水はいすい機き場じょうに用地ようちが転用てんようされる予定よてい。勝島かつしまポンプ場じょうでの越えつ流りゅうは京浜けいひん運河うんがの汽水で希釈きしゃくの上うえ、京浜けいひん運河うんがへ吐出はきだされる）。

河口かこうで接続せつぞくしている勝島かつしま運河うんがは、東京とうきょう港こうとして高潮こうちょう対策たいさく整備せいびの防潮ぼうちょう堤つつみが整備せいびされ、高潮こうちょう時じの安全あんぜん対策たいさくが行おこなわれているが、立会川たちあいがわの開ひらき渠みぞ部ぶはこれまで用地ようちの余裕よゆうがないことなどから護岸ごがんは完全かんぜんには整備せいびされておらず、老朽ろうきゅう化かしている部分ぶぶんもある。このため、万まん一いち高潮こうちょう・津波つなみが発生はっせいした場合ばあいは開ひらけ渠みぞ部ぶから海水かいすい（汽水）が後背こうはい地域ちいきに越えつ流りゅうする懸念けねんがあり、護岸ごがんの嵩上かさあげ整備せいび、河口かこう部ぶへの樋とい門もん・排水はいすい機き場じょう設置せっち等とうの対応たいおうが検討けんとうされている。

名称めいしょうの由来ゆらい

以下いかのように複数ふくすうの説せつがあるが、定説ていせつとなるものはない。

• その昔むかし、川かわを挟はさんで小競こぜり合あいがあったことから「太刀たち会川あいかわ」とした。
• 鈴ヶ森すずがもり刑場けいじょうへ送おくられる罪人ざいにんを、その親族しんぞくや関係かんけい者しゃが最後さいごに見送みおくる（立たち会あう）場所ばしょであることから「立会川たちあいがわ」となった。
• 中延なかのぶの滝たき間あいだ（たきあい）という地ちを流ながれていたので滝たき間あいだ川がわ（たきあいがわ）と呼よばれ、それが現在げんざいの立会川たちあいがわに変かわった。

橋梁きょうりょう

• 月見つきみ橋きょう - 本ほん橋梁きょうりょうより上流じょうりゅうは暗渠あんきょとなる。
• 桜さくら橋きょう
• 昭和しょうわ橋きょう
• 立会川たちあいがわ橋きょう - 国道こくどう15号ごう（第だい一いち京浜けいひん）
• 立会川たちあいがわ鉄橋てっきょう - 愛称あいしょう「ボラちゃん橋きょう」。京急けいきゅう本線ほんせん直下ちょっか。元もとは高架こうか化か前まえの同線どうせんの橋梁きょうりょう。
• 弁天橋べんてんばし
• 浜川はまがわ橋きょう
• 医い専せん橋きょう - 昭和医科大学しょうわいかだいがく旗はたの台だいキャンパス付近ふきんの橋はし