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立方りっぽうじん

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

立方りっぽうじんとは、n×nの方陣ほうじんをnだんかさねたn×n×nの立方体りっぽうたいについて、上下じょうげ左右さゆう前後ぜんごななめのいずれのれつについても、そのれつ数字すうじ合計ごうけいおなじになるもののことである。とくに1から立方りっぽうじんのマスの総数そうすうまでの数字すうじを1つずつ過不足かふそくなく使つかったものをう。英語えいごでは方陣ほうじん:magic squareにたいして、magic cube とばれる。

このときのいちれつは、

計算けいさんできる。

立体りったいでは、なな方向ほうこうにあたる方向ほうこうについて、表面ひょうめん平行へいこうめん正方形せいほうけいたいかく方向ほうこう成分せいぶんおよび、立体りったいてき中心ちゅうしんとおって反対はんたい頂点ちょうてんむかたいかく方向ほうこう成分せいぶんとある。n=3およびn=4では、完全かんぜんにそのすべてをそろえることができず、一方いっぽうのみ合計ごうけいそろえたものがつくれる。

3×3×3の(じゅん立方りっぽうじん

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1×1×1の立方りっぽうじんあきらかであり、2×2×2の立方りっぽうじん存在そんざいしない。3×3×3では、上下じょうげ左右さゆう前後ぜんこう立体りったいあたり平行へいこう方向ほうこうと、立体りったい中心ちゅうしんとお対角線たいかくせんじょう合計ごうけいそろえた立方りっぽうじん存在そんざいする。

4×4×4の(じゅん立方りっぽうじん

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4×4×4では、表面ひょうめん平行へいこうめんたいかく成分せいぶん または、中心ちゅうしんとおって反対はんたい頂点ちょうてんむかう4ほんたいかく成分せいぶんの、どちらかの合計ごうけいを、あたり平行へいこう成分せいぶん合計ごうけい一致いっちさせたものが存在そんざいする。

5×5×5 および 6×6×6の立方りっぽうじん

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ながらくこの存在そんざい不明ふめいだったが、コンピュータを使つかってすべてのたいかく成分せいぶんふくめて1れつなら数字すうじ合計ごうけいひとしくなる立方りっぽうじんが2003ねんにTrumpらによって発見はっけんされた。

7×7×7の立方りっぽうじん

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7が素数そすうであることから、比較的ひかくてき容易よういつくれる。1866ねんにA.Hフロストが発表はっぴょうしている。

8×8×8の立方りっぽうじん

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4の整数せいすうばいで、2のべきじょうでもあることから、比較的ひかくてき容易よういつくれる。

いちへんおおきさが十分じゅうぶんおおきい素数そすうnからなるn×n×n立方りっぽうじん

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nが素数そすうであることから、おおきさn×n×nのラテン方陣ほうじん立体りったいばん容易よういにつくることができる。 このラテン立方りっぽうじん3わせてn進数しんすう3けたからなる立方りっぽうじんつくることができる。 以下いかにそのれいしめす。


n>7 つまりn=11以上いじょう素数そすう

たとえば xじく方向ほうこうに+1、yじく方向ほうこうに+2、zじく方向ほうこうに+4ずつずらして数字すうじ配置はいちすると

L[x][y][z] ≡ x+2*y+4*z (mod n) とくと 3次元じげん配列はいれつL[x][y][z](0≦x,y,z<n)では

xじく方向ほうこう、yじく方向ほうこう、zじく方向ほうこう および、対角線たいかくせん方向ほうこうとしてのx±y方向ほうこう、y±z方向ほうこう、z±x方向ほうこう立体りったいてきたいかく方向ほうこう x±y±z方向ほうこうの26方向ほうこういずれにおいても0からn-1までの数字すうじが1れつならぶ。なぜならば、 αあるふぁβべーたγがんまに0または±1を代入だいにゅうしたときαあるふぁ+2*βべーた+4*γがんま全部ぜんぶが0でないかぎり±1から±7までのいずれかのをとり素数そすうnとは、もと関係かんけいになるからである。

ある(x,y,z)位置いちでのL[x][y][z]と,その隣接りんせつ位置いちにあるL[x+αあるふぁ][y+βべーた][z+γがんま]とのは0でなくnともとだけの増減ぞうげんとなり、その(αあるふぁ,βべーた,γがんま方向ほうこうにn連続れんぞくする範囲はんいには、nの剰余じょうよけいにつき0からn-1まで数字すうじがすべてならぶこととなり、n数字すうじ合計ごうけいは、どの方向ほうこうでもていをとる立体りったいのラテン方陣ほうじんができあがる。

これをn進数しんすう3けた数字すうじわせをかんがえた場合ばあい同様どうようで、つぎのように3次元じげん配列はいれつ定義ていぎするとこれは立方りっぽうじんとなる。

C[x][y][z] = n*n*MOD(x+2*y+4*z, n) + n*MOD( 2*x+4*y+z, n) + MOD( 4*x+y+2*z, n) +1 
ここで(0≦x,y,z<n)、MOD(r,p)は剰余じょうよ関数かんすうすなわちrをpでったあまりをしめす。


同様どうように4じく以上いじょうに +8、+16、....という具合ぐあい増分ぞうぶんあたえるようにして4次元じげん以上いじょうの ちょう立方体りっぽうたい方陣ほうじんをつくることができる。

たとえば、n>15 つまり n=17以上いじょう素数そすうにおいて、4次元じげん方陣ほうじん

T[x][y][z][w] = 
n*n*n*MOD(   x+2*y+4*z+8*w , n)
+ n*n*MOD( 2*x+4*y+8*z+  w , n)
+   n*MOD( 4*x+8*y+  z+2*w , n)
+     MOD( 8*x+  y+2*z+4*w , n)
+ 1

という具合ぐあいつくることができて、任意にんい次元じげんでの多次元たじげん方陣ほうじんをつくることができる。