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罨法あんぽう

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

罨法あんぽう(あんぽう、poultice)は、漢方かんぽう医学いがく治療ちりょうほうひとつでもあり、身体しんたい一部いちぶあたためたりやしたりして病状びょうじょう好転こうてんはか治療ちりょう方法ほうほうのこと。基礎きそ看護かんご技術ぎじゅつひとつ。「罨」というには「おおう」「かぶせる」という意味いみがあり、ぬのなどを使つかって局所きょくしょをおおったりすることからこの表現ひょうげん使つかわれてる。あたためる場合ばあいは「ゆたか罨法あんぽう」といい、やす場合ばあいは「冷罨法れいあんぽう」という[1]

通常つうじょう医師いし指示しじによっておこなわれるものだが、医師いし指示しじあおがずに看護かんご判断はんだんによって実施じっしすることもできる。

罨法あんぽう原則げんそく

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  • 罨法あんぽう選択せんたく - 発熱はつねつ原因げんいん疾患しっかん障害しょうがいこう体温たいおんてい体温たいおんべつ炎症えんしょう有無うむ悪寒おかん有無うむなどにより、ゆたか罨法あんぽう冷罨法れいあんぽうのどちらを使つかうのかを慎重しんちょう検討けんとう
  • 罨法あんぽう部位ぶい場所ばしょ選択せんたく - どの部位ぶい効果こうか期待きたいできるか、またぬる罨法あんぽうでは、たんぽカイロなどを長時間ちょうじかん使用しようして火傷かしょうになることもあるので、直接ちょくせつ皮膚ひふ接触せっしょくしないように注意ちゅうい
  • その - 容器ようき点検てんけん内容ないようぶつ準備じゅんび、カバー、貼用ちょうよう観察かんさつがえ[2]

ゆたか罨法あんぽう

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ゆたか罨法あんぽう(hot compress)をおこなうと、血管けっかん拡張かくちょうされるため血液けつえきリンパ液りんぱえき循環じゅんかんがよくなり、細胞さいぼう新陳代謝しんちんたいしゃ期待きたいできる。効果こうかとしては、いたみをやわらげたり、ちょう蠕動ぜんどう(ぜんどう)運動うんどう改善かいぜんされて排便はいべんうながすことができる。さらに、にゅうねむり促進そくしんリラクゼーションのほか、体温たいおんがっている場合ばあいには保温ほおん効果こうかもある[1]

ゆたか罨法あんぽうおおきく「湿性しっせいゆたか罨法あんぽう」と「乾性かんせいゆたか罨法あんぽう」の2種類しゅるいかれ、湿性しっせいゆたか罨法あんぽうタオルぬのにおひたして患部かんぶあたためるものから、あつし湿布しっぷゆたかパップなどを使つかう。乾性かんせいゆたか罨法あんぽうは、たんぽ、カイロ、電気でんき毛布もうふ電気でんきあんかなどを使つかってあたためる。たんぽは、よこにしておいておそそぐ。3ぶんの2くらいまで、おは60°C[3]出血しゅっけつ傾向けいこう知覚ちかく麻痺まひ消化しょうかかん穿孔せんこうなどがあるときや、身体しんたい衰弱すいじゃくしているときはひかえること。

冷罨法れいあんぽう

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冷罨法れいあんぽう(cold compress)をおこなうと、ゆたか罨法あんぽうぎゃくに、血管けっかん収縮しゅうしゅくし、血液けつえきリンパ液りんぱえき循環じゅんかんおさえられる。それによって組織そしき代謝たいしゃ減少げんしょう細胞さいぼう活動かつどう抑制よくせいされるので、細菌さいきん増殖ぞうしょくおさえることが出来できる。つまり炎症えんしょうおさえ、発熱はつねつ場合ばあいは、解熱げねつ目的もくてき使つかえる。おも使つかわれるのは、ひょうのう、氷枕こおりまくらひや湿布しっぷやしタオルなど。神経痛しんけいつう場合ばあいは、症状しょうじょう悪化あっかさせることもあるので罨法あんぽうひかえる。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ a b いまさらけない「あの用語ようご」word06 罨法あんぽう 2018ねん5がつ11にち閲覧えつらん
  2. ^ 井上いのうえ幸子さちこ平山ひらやまあさこ、金子かねこ道子みちこ看護かんごがく体系たいけい8 看護かんご方法ほうほう3 日常にちじょう生活せいかつ行動こうどう援助えんじょ技術ぎじゅつ日本にっぽん看護かんご協会きょうかい出版しゅっぱんかい 1991ねん p.156
  3. ^ 井上いのうえ幸子さちこ平山ひらやまあさこ、金子かねこ道子みちこ看護かんごがく体系たいけい8 看護かんご方法ほうほう3 日常にちじょう生活せいかつ行動こうどう援助えんじょ技術ぎじゅつ日本にっぽん看護かんご協会きょうかい出版しゅっぱんかい 1991ねん p.157

外部がいぶリンク

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