羽二重はぶたえ

羽二重はぶたえ

羽二重はぶたえ（はぶたえ、英えい: habutae silk）は、平織ひらおりと呼よばれる経糸たていと（たていと）と緯糸よこいと（よこいと）を交互こうごに交差こうささせる織おり方かたで織おられた織物おりものの一種いっしゅ。絹きぬを用もちいた場合ばあいは光ひかり絹きぬ（こうきぬ）とも呼よばれる。

通常つうじょうの平織ひらおりが緯糸よこいとと同おなじ太ふとさの経糸たていと1本ほんで織おるのに対たいし、羽二重はぶたえは経糸たていとを細ほそい2本ほんにして織おるため、やわらかく軽かるく光沢こうたくのある布ぬのとなる。 織機しょっきの筬おさの一いち羽わに経糸たていとを2本ほん通とおすことからこの名ながある。

白しろく風合ふうあいがとてもよいことから、和服わふくの裏地うらじとして最さい高級こうきゅうであり、礼装れいそうにも用もちいられる。

日本にっぽんを代表だいひょうする絹織物きぬおりものであり『絹きぬのよさは羽二重はぶたえに始はじまり羽二重はぶたえに終おわる』といわれる。

歴史れきし

羽二重はぶたえは日本にっぽんでは近世きんせいから始はじめられたと伝つたわっている伝統でんとう的てきな織物おりものである。明治めいじ10年ねん頃ごろから京都きょうとや群馬ぐんま県けん桐生きりゅうなどで機織はたおり機きの研究けんきゅうが進すすめられ、明治めいじ20年ねん頃ごろには福島ふくしま県けん川俣かわまた、石川いしかわ県けん、福井ふくい県けんなどで生産せいさんされるようになった。明治めいじ時代じだい、日本にっぽんの絹織物きぬおりものの輸出ゆしゅつは羽二重はぶたえが中心ちゅうしんであり、欧米おうべいに向むけてさかんに輸出ゆしゅつされ、日本にっぽんの殖産しょくさん興業こうぎょうを支ささえた。羽二重はぶたえは国内こくない向むけのものと輸出ゆしゅつ向むけのものがあり、輸出ゆしゅつされるものを「輸出ゆしゅつ羽わ二に重じゅう」と呼よんだ。

福井ふくい県けんでは、細井ほそい順子じゅんこが高性能こうせいのうだが操作そうさが難むずかしいバッタン機きの操作そうさ方法ほうほうを習得しゅうとくし、福井ふくい織お工こう会社かいしゃの工員こういんへ指導しどうする。その結果けっか、明治めいじ14年ねんに開ひらかれた第だい二に回かい国内こくない勧業かんぎょう博覧はくらん会かいにおいて、同社どうしゃが出品しゅっぴんした越前えちぜん傘かさ地ちと越前えちぜんハンカチーフが優秀ゆうしゅう賞しょうを獲得かくとくする。これを皮切かわきりに、福井ふくい県けんにおける羽二重はぶたえの出荷しゅっか量りょうが増加ぞうかし、大正たいしょう8年ねんには羽二重はぶたえの生産せいさん額がくが1億おく7,000万まん円えん（全国ぜんこく輸出ゆしゅつ額がくの60%）となる。

関連かんれん項目こうもく

• 羽二重はぶたえ餅もち
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