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薬物やくぶつ治療ちりょう

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

薬物やくぶつ治療ちりょう(やくぶつちりょう、英語えいご: pharmacotherapy)とは、くすり使用しようしておこな医学いがくてき治療ちりょうのことである。

概要がいよう

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医学いがくてきおこなわれる治療ちりょうには、手術しゅじゅつ心理しんり療法りょうほうなどの様々さまざま治療ちりょうがあるが、そのなかで薬物やくぶつ患者かんじゃ投与とうよする治療ちりょう総称そうしょうして薬物やくぶつ治療ちりょうとよぶ。薬物やくぶつ患者かんじゃ投与とうよすることで、病気びょうき治癒ちゆ、または患者かんじゃQOL(クオリティ・オブ・ライフ)の改善かいぜん目指めざ治療ちりょうである。ころせ細胞さいぼう作用さよう物質ぶっしつ使用しようする、しゅとしてがんたいしておこな薬物やくぶつ治療ちりょうとく化学かがく療法りょうほう(chemotherapy)とぶ。

プロトコルにもとづく薬物やくぶつ治療ちりょう管理かんり

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2010ねん医師いし以外いがい医療いりょうスタッフが実施じっし可能かのう業務ぎょうむ内容ないよう整理せいりされた、厚生こうせい労働省ろうどうしょう政局せいきょくちょう通知つうち医療いりょうスタッフのきょうはたらけ連携れんけいによるチーム医療いりょう推進すいしんについて(せいはつ0430だい1ごう)」[1]により発出はっしゅつされた概念がいねんで、英語えいごのProtocol-Based Pharmacotherapy ManagementをりゃくしてPBPMばれる。

日本にっぽんにおけるPBPMの開始かいし以前いぜんに、欧米おうべいCollaborative Drug Therapy Management; CDTMという呼称こしょうでのみが実践じっせんされ、米国べいこくでは医療いりょう過疎かそ地域ちいきでの医療いりょう提供ていきょうを、英国えいこくでは医師いし不足ふそく解消かいしょう目指めざしたが、日本にっぽんでは薬剤師やくざいしによるくすり処方しょほう検査けんさのオーダーなどがみとめられないため、欧米おうべい制度せいどをそのまま導入どうにゅうするのはきわめて困難こんなんである[2]

日本にっぽん病院びょういん薬剤師やくざいしかい推奨すいしょうするPBPMは、2016ねん

  • 医師いし薬剤師やくざいしとう事前じぜん作成さくせい合意ごういしたプロトコールにもとづき
  • 薬剤師やくざいし薬学やくがくてき知識ちしき技能ぎのう活用かつようにより
  • 医師いしとうきょうはたらかして薬物やくぶつ治療ちりょう遂行すいこうすること

定義ていぎしている[2]

疑義ぎぎ照会しょうかい簡素かんそプロトコール」が、一対一いちたいいち医療いりょう機関きかん薬局やっきょく地域ちいき基幹きかん病院びょういん複数ふくすう薬局やっきょく地域ちいき複数ふくすう基幹きかん病院びょういん地域ちいき薬剤師やくざいしかいなど、さまざまなわせでまれ、運用うんよう開始かいしされた[3]。「疑義ぎぎ照会しょうかい効率こうりつプロトコル」とばれる場合ばあいもある[4]

薬物やくぶつ治療ちりょう管理かんり一環いっかんとして、調剤ちょうざいじょう形式けいしきてき変更へんこうともな疑義ぎぎ照会しょうかい簡素かんそし、患者かんじゃへの薬学やくがくてきケアの充実じゅうじつ処方しょほう保険ほけん薬局やっきょくでの業務ぎょうむ負担ふたん軽減けいげんはか目的もくてき運用うんようされている。参画さんかく希望きぼうする場合ばあい合意ごういしょわすことを必須ひっす条件じょうけんとしているれいもある[5][6]

実施じっしれい

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  • 2016ねん4がつ京都きょうとかつら病院びょういんは、慢性まんせい閉塞へいそくせいはい疾患しっかん(COPD)の吸入きゅうにゅう療法りょうほう導入どうにゅう薬剤師やくざいしがCOPD患者かんじゃいちにんひとりに最適さいてき吸入きゅうにゅうデバイスを、プロトコルに沿って選択せんたく決定けっていする[7]
  • 大阪おおさか基幹きかん病院びょういん5施設しせつと、天王寺てんのうじ薬剤師やくざいしかいは、成分せいぶんめい同一どういつ銘柄めいがら変更へんこうざいがた変更へんこうべつ規格きかくがある場合ばあい規格きかく変更へんこう―など7項目こうもくについて疑義ぎぎ照会しょうかい省略しょうりゃく可能かのうとしていて、このうち、成分せいぶんめい同一どういつ銘柄めいがら変更へんこうは、併売へいばいひん変更へんこう対応たいおうしたもので、おおくの地域ちいき省略しょうりゃく可能かのう項目こうもくにしている[3]
併売へいばいひんとは、ことなる製薬せいやく会社かいしゃどういち成分せいぶん薬剤やくざいことなる商品しょうひんめい販売はんばいしたり、おな商品しょうひんめいことなる製薬せいやく会社かいしゃ並行へいこうして販売はんばいすること[3]
れいDPP-4阻害そがいざいシタグリプチンリンさん塩水えんすい和物あえものの「ジャヌビア」と「グラクティブ」[3]

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ 医療いりょうスタッフのきょうはたらけ連携れんけいによるチーム医療いりょう推進すいしんについて(せいはつ0430だい1ごう 厚生こうせい労働省ろうどうしょう政局せいきょくちょう通知つうち平成へいせい22ねん4がつ30にち (PDF)
  2. ^ a b プロトコールにもとづく薬物やくぶつ治療ちりょう管理かんり(PBPM)の円滑えんかつすすかた具体ぐたいてき実践じっせん事例じれい(Ver.1.0) 日本にっぽん病院びょういん薬剤師やくざいしかい平成へいせい28ねん3がつ31にち (PDF)
  3. ^ a b c d 連載れんさい〈5〉薬局やっきょく併売へいばいひん変更へんこう製薬せいやく企業きぎょう戦略せんりゃく影響えいきょう疑義ぎぎ照会しょうかい簡素かんそ”. 日刊にっかんやくぎょう (2019ねん12月16にち). 2019ねん12月19にち閲覧えつらん
  4. ^ 平成へいせい30年度ねんど患者かんじゃのための薬局やっきょくビジョン推進すいしん事業じぎょう 大阪おおさか健康けんこう医療いりょうやくつとむ大阪おおさか薬剤師やくざいしかい (PDF)
  5. ^ 院外いんがい処方しょほうにおける疑義ぎぎ照会しょうかい簡素かんそプロトコール」の運用うんようについて IMS三芳みよし総合そうごう病院びょういん
  6. ^ 院外いんがい処方しょほうせんにおける疑義ぎぎ照会しょうかい簡素かんそプロトコル」の運用うんようについて 京都大学きょうとだいがく医学部いがくぶ附属ふぞく病院びょういん(2015ねん6がつ25にち
  7. ^ COPDの吸入きゅうにゅう療法りょうほうにPBPMを導入どうにゅう 最適さいてき吸入きゅうにゅうデバイスを薬剤師やくざいし選択せんたくするあらたなこころ ベーリンガープラス(2018ねん12がつ

関連かんれん項目こうもく

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