蚕種さんしゅ

蚕かいこの成虫せいちゅうと卵たまご（蚕種さんしゅ）

蚕種さんしゅ（さんしゅ）は、蚕かいこの卵たまごのことをいう。蚕蛾かいこがに産卵さんらんさせた紙かみを蚕紙さんし（蚕種さんしゅ紙し）といい、蚕種さんしゅ製造せいぞう業者ぎょうしゃによって製造せいぞうされた。養蚕ようさん農家のうかは蚕種さんしゅ紙しを購入こうにゅう、孵化ふかさせて蚕かいこを飼育しいくし繭まゆを生産せいさんした。

蚕種さんしゅ製造せいぞう業者ぎょうしゃは蚕かいこの品種ひんしゅ改良かいりょうを重かさね、飼育しいくが容易よういで高こう品質ひんしつかつ大だい糸いと量りょうを得えられる繭まゆを作つくる蚕かいこ品種ひんしゅを開発かいはつし、また飼育しいく法ほうを指導しどうし養蚕ようさん農家のうかを支ささえた。

蚕種さんしゅ製造せいぞう業ぎょうには多おおくの資本しほん投下とうかと知識ちしき集約しゅうやくが必要ひつようであったため、豪農ごうのう、名望めいぼう家か層そうから転てんじて専業せんぎょう化かしていったものが多おおかった。

かつて、日本にっぽんの蚕かいこ品種ひんしゅはフランス、イタリアと並ならぶ優すぐれたものであったが、戦後せんごは蚕業さんぎょうの衰退すいたいとともに蚕種さんしゅ製造せいぞう業ぎょうも衰退すいたいした。

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