連邦れんぽう倒産とうさん法ほう第だい13章しょう

連邦れんぽう倒産とうさん法ほう第だい13章しょう（れんぽうとうさんほうだい13しょう）とは、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくの個人こじんが、連邦れんぽう倒産とうさん裁判所さいばんしょの監督かんとくの下したに、経済けいざい的てき再建さいけんを遂とげる方法ほうほうについて規定きていする法律ほうりつであり、その手続てつづきによる法的ほうてき処理しょりそのものを指さすこともある。連邦れんぽう倒産とうさん法ほうは、第だい13章しょうの目的もくてきとして、収入しゅうにゅうのある債務さいむ者しゃが裁判所さいばんしょによって認可にんかされた計画けいかくを遂行すいこうすることによって再建さいけんすることを想定そうていしている。これに対たいして、第だい7章しょうによる救済きゅうさいは、多おおくの過酷かこくな債務さいむからの即効そっこう性せいのある完全かんぜんな救済きゅうさいを提供ていきょうするものである。

他たの手続てつづきとの比較ひかく[編集へんしゅう]

返済へんさいに行いき詰づまった個人こじん債務さいむ者しゃは、第だい7章しょう（清算せいさんあるいは破産はさん）、第だい11章しょう（再建さいけん）、第だい12章しょう（農業のうぎょう従事じゅうじ者しゃの再建さいけん）、もしくは第だい13章しょう（再建さいけん）のいずれかに基もとづく倒産とうさん手続てつづきを申もうし立たてることができる。

第だい7章しょうと第だい11章しょうのもとでは、債務さいむ者しゃは、債権さいけん者しゃの申立もうしたてにより倒産とうさん手続てつづきの開始かいしを余儀よぎなくされることもある。しかし、ほとんどの場合ばあいには債務さいむ者しゃがどの章しょうのもとで倒産とうさん手続てつづきを開始かいしするか選択せんたくすることができる。さらに、債権さいけん者しゃ申立もうしたてにより第だい7章しょう手続てつづきもしくは第だい11章しょう手続てつづきが開始かいしされた場合ばあいには、債務さいむ者しゃはこれを他たの章しょうに基もとづく倒産とうさん手続てつづきに変更へんこうすることができる。

債務さいむ者しゃの財産ざいさん状況じょうきょうと求もとめる救済きゅうさいの類型るいけいが、章あきらの選択せんたくに当あたって大おおきな役割やくわりを果はたす。第だい13章しょう再建さいけん計画けいかく（後述こうじゅつ）の実行じっこうに必要ひつような資金しきんを捻出ねんしゅつするのに必要ひつような可か処分しょぶん所得しょとくを債務さいむ者しゃが有ゆうしない事案じあんであれば、第だい13章しょうによる申立もうしたては不可能ふかのうになる。さらに、第だい109条じょう（e）により、第だい13章しょうに基もとづく倒産とうさん手続てつづきの申立もうしたてをすることのできる個人こじんの債務さいむの限度げんど額がくが定さだめられている。その金額きんがくは、2007年ねん4月がつ1日にち現在げんざいで、担保たんぽ付づけでない債務さいむの場合ばあい336,900ドル、担保たんぽ付づけ債務さいむの場合ばあい1,010,65ドルであり、この額がくは毎年まいとし消費しょうひ者しゃ物価ぶっか指数しすうに対応たいおうして調整ちょうせいされる。

第だい13章しょうのもとでは、債務さいむ者しゃはその債務さいむを3年ねんないし5年ねんの期間きかんで債権さいけん者しゃに弁済べんさいするための計画けいかくを提示ていじする。これは書面しょめんによる計画けいかくであり、計画けいかく期間きかん中ちゅうに起おこる全すべての取引とりひきとその期間きかんを詳細しょうさいに定さだめなければならない。また、再建さいけん計画けいかくに基もとづく支払しはらいは、手続てつづき開始かいし後ご30日にちから45日にち以内いないに開始かいしされなければならない。この期間きかん内ないは、債権さいけん者しゃは、倒産とうさん裁判所さいばんしょを介かいする場合ばあいを除のぞいて、債務さいむ者しゃが従前じゅうぜん抱かかえていた債務さいむの取立とりたてを行おこなうことができなくなる。通常つうじょうは、債務さいむ者しゃは自みずからの資産しさんを保持ほじし、債権さいけん者しゃは債権さいけん額がくよりも少すくない弁済べんさいしか得えることができなくなる。

第だい13章しょう手続てつづきのデメリット[編集へんしゅう]

個人こじん破産はさんの申立もうしたてのデメリットは、申立もうしたての記録きろくが最大さいだい10年間ねんかん（第だい7章しょう手続てつづきの場合ばあいは7年ねん、第だい13章しょう手続てつづきの場合ばあいは10年ねん）に渡わたって、個人こじんの信用しんよう情報じょうほうに残のこることである。第だい13章しょう事件じけんが係属けいぞくしている間あいだは、債務さいむ者しゃは、倒産とうさん裁判所さいばんしょの許可きょかなくしては追加ついかの信用しんよう供与きょうよを受うけることが許ゆるされない。それ以前いぜんに、債権さいけん者しゃが、このような個人こじんに金かねを貸かす危険きけんを冒おかそうとはしないと思おもわれる。しかし、こうしたデメリットは何なにも第だい13章しょうに特有とくゆうのものではない。このようなことは、第だい11章しょう事件じけんや第だい12章しょう事件じけんが係属けいぞく中ちゅうの債務さいむ者しゃや、第だい7章しょう事件じけんが係属けいぞく中ちゅうあるいは最近さいきんまで係属けいぞくしていた者ものにも当あてはまることである。

第だい13章しょう手続てつづきのメリット[編集へんしゅう]

第だい13章しょうの第だい7章しょうを上回うわまわるメリットとしては、次つぎのものがある。抵当ていとう物ぶつ受戻権けんの喪失そうしつ手続てつづきを中止ちゅうしすること（もっとも当該とうがい手続てつづきは倒産とうさん手続てつづきが完了かんりょうすれば復活ふっかつするが）。第だい7章しょうの下したでは免責めんせきの対象たいしょうとならない種類しゅるいの債務さいむについても免責めんせきを得えられ（super discharge）ること。担保たんぽ物件ぶっけんを保全ほぜんできること。担保たんぽ債権さいけん者しゃが過大かだいな利息りそくを取とっている場合ばあい、または、その債権さいけんが担保たんぽ物ぶつの価値かちとの関係かんけいで担保たんぽ過剰かじょうになっている場合ばあい（あるいはその双方そうほうの場合ばあい）に、その担保たんぽ物ぶつを動産どうさん担保たんぽ権けんから分離ぶんりし、一部いちぶの債務さいむの内容ないようを強制きょうせい的てきに変更へんこうすることができる（cram down）こと。事件じけんが係属けいぞくしている間あいだ、申立もうしたてをしていない連帯れんたい債務さいむ者しゃに対たいする債権さいけん回収かいしゅうを防ふせぐことができること。

第だい13章しょう再建さいけん計画けいかく[編集へんしゅう]

第だい13章しょう再建さいけん計画けいかくは、債務さいむ者しゃが第だい13章しょうによる申立もうしたてとともに、又または申立もうしたてをした後のちすみやかに提出ていしゅつされる文書ぶんしょである。

この計画けいかくは、倒産とうさん裁判所さいばんしょに提出ていしゅつされた破産はさん申立もうしたてに関かんして、債務さいむや先取せんしゅ特権とっけんの取扱とりあつかい、債務さいむ者しゃが保有ほゆうし又または負担ふたんする資産しさん及および負債ふさいへの担保たんぽの設定せってい状じょう況きょうを詳述しょうじゅつするものである。この計画けいかくが認可にんかされるための条件じょうけんは第だい1325条じょうに列挙れっきょされているが、その中なかには次つぎのようなものがある。

無む担保たんぽ債権さいけん者しゃが、第だい13章しょう再建さいけん計画けいかくを通つうじて、少すくなくとも第だい7章しょう清算せいさんにおいて得えられるであろう配当はいとうと同額どうがく以上いじょうの返済へんさいを受うけること。
次つぎのいずれかが満みたされていること。
- 債権さいけん者しゃが計画けいかくに反対はんたいしていないこと。
- 債権さいけん者しゃに債務さいむ全額ぜんがくを支払しはらうこと。
- 債務さいむ者しゃの可か処分しょぶん所得しょとくの全すべてを、少すくなくとも3年間ねんかん（平均へいきんをこえる所得しょとくを得えている債務さいむ者しゃの場合ばあいには5年間ねんかん）第だい13章しょう再建さいけん計画けいかくに組入くみいれること。

2003年ねんの統計とうけい[編集へんしゅう]

個人こじんによる破産はさん申立もうしたては、以下いかのとおり。

第だい7章しょうの申立もうしたて　　1,156,284
第だい11章しょうの申立もうしたて　　　　　959
第だい13章しょうの申立もうしたて　　 468,562

企業きぎょうによる破産はさん申立もうしたては、以下いかのとおり。

第だい7章しょうの申立もうしたて　　　　21,008
第だい11章しょうの申立もうしたて　　　　9,185
第だい12章しょう（英語えいご版ばん）の申立もうしたて　　　　　698
第だい13章しょうの申立もうしたて　　　　5,201

破産はさんの総数そうすうはその前まえの12か月げつ間あいだに比くらべて7.4％増加ぞうかした。これらの合計ごうけいは2003年ねん9月がつ30日にちを末日まつじつとする12か月げつ間あいだについてのものである。

出典しゅってん：2003年ねん11月14日にちの合衆国がっしゅうこく裁判所さいばんしょ事務じむ総局そうきょく報道ほうどう発表はっぴょう^[1]

2004年ねんの統計とうけい[編集へんしゅう]

破産はさんの総数そうすうは、以下いかのとおり

第だい7章しょうの申立もうしたて　　1,153,865
第だい11章しょうの申立もうしたて　　　10,368
第だい12章しょうの申立もうしたて　　　　　238
第だい13章しょうの申立もうしたて　　 454,412

合衆国がっしゅうこく裁判所さいばんしょ事務じむ総局そうきょくによれば、連邦れんぽう裁判所さいばんしょに申もうし立たてられた破産はさん事件じけんは、2004年ねん暦年れきねんで2.6％減少げんしょうした。2004年ねん9月がつ30日にちを末日まつじつとする12か月げつ間あいだでは、1,618,987件けんの破産はさんが申もうし立たてられ、2003年ねん暦年れきねんに申もうし立たてられた1,661,996件けんからは減少げんしょうした。