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競合きょうごう阻害そがい

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

競合きょうごう阻害そがい(ひきょうごうそがい、えい: non-competitive inhibition)、拮抗きっこう阻害そがい競争きょうそう阻害そがいは、阻害そがいざい酵素こうそ活性かっせい減少げんしょうさせ、酵素こうそ基質きしつ結合けつごうしているかいないかにかかわらずおなじようによく結合けつごうする酵素こうそ阻害そがい機構きこう一種いっしゅである[1]

基質きしつ結合けつごうしているかいないかにかかわらず阻害そがいざい酵素こうそ結合けつごうできるが、一方いっぽう状態じょうたいたいして他方たほうよりたか親和しんわせいしめ場合ばあいは、混合こんごうがた阻害そがいざいばれる[1]

用語ようご[編集へんしゅう]

すべての競合きょうごう阻害そがいざい酵素こうそのアロステリック部位ぶい(すなわち活性かっせい部位ぶい以外いがい場所ばしょ)に結合けつごうするが、アロステリック部位ぶい結合けつごうするすべての阻害そがいざい競合きょうごう阻害そがいざいではないことを注記ちゅうきしておくことが大切たいせつである[1][2]実際じっさい、アロステリック阻害そがいざい競合きょうごう競合きょうごう競合きょうごう阻害そがいざいとして作用さようしうる[1]

おおくの文献ぶんけんはこれら2つの用語ようご一緒いっしょにしたり[3][4]、アロステリック阻害そがい定義ていぎ競合きょうごう阻害そがい定義ていぎとしてしるつづけている。

機構きこう[編集へんしゅう]

競合きょうごう阻害そがいあるいは混合こんごうがた阻害そがい可能かのうせいがある機構きこう

競合きょうごう阻害そがいは、どんなときでも阻害そがいざいならびに基質きしつとも酵素こうそ結合けつごうできるけいのモデルをつくる。基質きしつ阻害そがいざい両方りょうほう結合けつごうするとき酵素こうそ-基質きしつ-阻害そがいざいふく合体がったい生成せいせいぶつつくることができず、酵素こうそ-基質きしつふく合体がったいあるいは酵素こうそ-阻害そがいざいふく合体がったいもどることだけができる。競合きょうごう阻害そがい一般いっぱんてき混合こんごうがた阻害そがいとは阻害そがいざい酵素こうそ酵素こうそ-基質きしつふく合体がったいたいしてひとしい親和しんわせいゆうするてん区別くべつされる。

競合きょうごう阻害そがいもっともよくられる機構きこうは、阻害そがいざいアロステリック部位ぶいへの可逆かぎゃくてき結合けつごうふくむが、活性かっせい部位ぶいへの直接的ちょくせつてき結合けつごうふくむその方法ほうほうによって阻害そがいざい作用さようすることが可能かのうである。競合きょうごう阻害そがいとは、阻害そがいざい結合けつごう基質きしつ結合けつごうさまたげず(ぎゃくもまた同様どうよう)、一定いってい時間じかん単純たんじゅん生成せいせいぶつ形成けいせいさまたげるてんことなっている。

このたね阻害そがいは、基質きしつたいする触媒しょくばいかけの結合けつごう親和しんわせい(Kmappミカエリス・メンテンしき参照さんしょう)を変化へんかさせることなく、化学かがく反応はんのう最大さいだい速度そくど減少げんしょうさせる。

しき[編集へんしゅう]

競合きょうごう阻害そがいざい存在そんざい酵素こうそかけの親和しんわせい実際じっさい親和しんわせいひとしい。ミカエリス・メンテン反応はんのう速度そくどろん観点かんてんからは、Kmapp = Kmである。これはルシャトリエの原理げんり結果けっかることができる。阻害そがいざい酵素こうそ酵素こうそ-基質きしつふく合体がったいのどちらにもひとしく結合けつごうできるため、平衡へいこう維持いじされる。しかしながら、一部いちぶ酵素こうそ基質きしつ生成せいせいぶつへの変換へんかんつね阻害そがいされているため、酵素こうそ有効ゆうこう濃度のうど低下ていかする。

数学すうがくてきには以下いかとおりである。

れい: CYP2C9酵素こうそ競合きょうごう阻害そがいざい[編集へんしゅう]

CYP2C9酵素こうそ競合きょうごう阻害そがいざいにはニフェジピントラニルシプロミンフェネチルイソチオシアネート6-ヒドロキシフラボンがある。コンピュータによるドッキングシミュレーションやアミノ酸あみのさん置換ちかん変異へんいたいもちいた実験じっけんから、6-ヒドロキシフラボンの競合きょうごう結合けつごう部位ぶいは、CYP2C9酵素こうそ報告ほうこくされているアロステリック結合けつごう部位ぶいであることがしめされている[5]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ a b c d Types of Inhibition”. 2012ねん4がつ2にち閲覧えつらん
  2. ^ Non Competitive Inhibitors”. 2014ねん9がつ9にち閲覧えつらん
  3. ^ Noncompetitive inhibition and allosteric inhibition”. Biology Online (forum). 2012ねん4がつ2にち閲覧えつらん
  4. ^ Noncompetitive Inhibition”. 2012ねん4がつ2にち閲覧えつらん
  5. ^ Si Dayong, Wang Y, Guo Y, Wang J, Zhou H, Zhou Y-H, Li Z-S, Fawcett JP (2009). “Mechanism of CYP2C9 inhibition by flavones and flavonols”. Drug Metab. Dispos. 37 (3): 629-634. doi:10.1124/dmd.108.023416. PMID 19074529. http://p4502c.googlepages.com/dmd2.pdf. 

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

  • Berg, Jeremy M.; Tymoczko, John L.; Stryer, Lubert (2000), Biochemistry (5th ed.), New York: WH Freeman & Co., ISBN 0-7167-6766-X