革労協かくろうきょう元もと幹部かんぶ内うちゲバ殺人さつじん事件じけん

革労協かくろうきょう元もと幹部かんぶ内うちゲバ殺人さつじん事件じけん（かくろうきょうもとかんぶうちゲバさつじんじけん）とは、1989年ねん（平成へいせい元年がんねん）6月25日にちに埼玉さいたま県けん川口かわぐち市しで発生はっせいした内うちゲバ殺人さつじん事件じけん。

日本にっぽんの新しん左翼さよくの革労協かくろうきょう狭間はざま派はが起おこした事件じけんである。

事件じけんの発端ほったん

1986年ねん頃ごろから革労協かくろうきょう狭間はざま派はの間あいだで路線ろせん対立たいりつが激化げきかした。狭間はざま嘉明よしあき率ひきいる武闘ぶとう派は路線ろせんの狭間はざまグループと、テロ・ゲリラの必要ひつよう性せいを認みとめながらも大衆たいしゅう闘争とうそうを通つうじた組織そしき拡大かくだいを訴うったえる永井ながい啓之ひろゆき率ひきいる穏健おんけん派は路線ろせんの永井ながいグループの対立たいりつである。成田空港なりたくうこう問題もんだいでも、狭間はざまグループは北原きたはら派はを支持しじし、永井ながいグループは北原きたはら派はから分裂ぶんれつした小川おがわ派はを支持しじしていた。

約やく2年間ねんかんの内部ないぶ闘争とうそうの結果けっか、永井ながいグループは敗やぶれ去さり、1988年ねん1月がつ21日にちに「同志どうしを権力けんりょくに売うり渡わたした」などとして永井ながいは除名じょめいされた。しかし永井ながいの影響えいきょう力りょくは除名じょめい後ごも残のこった。

1988年ねん8月がつに側近そっきんが狭間はざま派はに襲撃しゅうげきされて重傷じゅうしょうを負おうなどの事態じたいを受うけ、1989年ねん4月がつに永井ながいはついに独自どくじの機関きかん紙し『通信つうしん』を発行はっこうするなど分派ぶんぱ活動かつどうに踏ふみ切きり、「革労協かくろうきょう永井ながい派は」を旗揚はたあげしようとしていた。

事件じけんの概要がいよう

1989年ねん6月がつ25日にち午前ごぜん3時じ30分ふん頃ごろ、永井ながいが住すむ埼玉さいたま県けん川口かわぐち市しのアパート2階かいに黒くろヘルメットを被こうむった6・7人にんの賊ぞくが梯子はしごを伝つたってベランダから押おし入いり、就寝しゅうしん中ちゅうの永井ながいを寝袋ねぶくろに押おし込こんで自動車じどうしゃで拉致らちした。凶行きょうこうに当あたっては周辺しゅうへんの電話でんわ線せんを切断せつだんするという周到しゅうとうさであった。

同日どうじつ午前ごぜん11時じ頃ごろ、永井ながいは自宅じたくから約やく40キロ離はなれた茨城いばらき県けん牛久うしく市しのトンネル内うちで寝袋ねぶくろに入いれられ、ビニールシートに包つつまれた状態じょうたいで撲殺ぼくさつ体たいとなっているのが通行人つうこうにんによって発見はっけんされた。鈍器どんきで全身ぜんしんを滅多めった打うちされたために顔かおも判別はんべつできないほど遺体いたいの損傷そんしょうが酷ひどく、警察けいさつは指紋しもんからようやく永井ながいだと判別はんべつできた。

司法しほう解剖かいぼうの結果けっか、死亡しぼう推定すいてい時刻じこくは午前ごぜん5時じ頃ごろで、胸むねや腹部ふくぶを強打きょうだしたことによる外傷がいしょう性せいショック死しであることが分わかった。

6月28日にち、革労協かくろうきょう狭間はざま派はは記者きしゃ会見かいけんし「わが党とう、同盟どうめいによって去年きょねん除名じょめい、その後ご敵前てきぜん逃亡とうぼうし、加重かじゅう処分しょぶんの対象たいしょうとなっていた永井ながいが、永井ながいをめぐる組織そしき防衛ぼうえい上じょうの活動かつどうの過程かていで肉体にくたい的てき変調へんちょうを来きたし放はなしたが、マスコミ報道ほうどうによるとその後ご死亡しぼうした」と述のべ、殺意さついは否定ひていしたものの、拉致らちと内部ないぶ抗争こうそうによるリンチであることを認みとめた。

事件じけんが与あたえた影響えいきょう

この内うちゲバ事件じけんにより、革労協かくろうきょう狭間はざま派はに残のこっていた反はん狭間はざまグループ（労働ろうどう者しゃグループ・関西かんさいグループなど）は続々ぞくぞくと集団しゅうだん脱退だったいすることになった。

狭間はざまらは11月に逮捕たいほされた。

参考さんこう文献ぶんけん

• 月刊げっかん治安ちあんフォーラム編集へんしゅう室しつ 編へん『過激かげき派は事件じけん簿ぼ40年ねん史し』立花たちばな書房しょぼう、東京とうきょう〈別冊べっさつ治安ちあんフォーラム〉、2001年ねん8月がつ20日はつか。ISBN 4803714088。 

関連かんれん項目こうもく

• 新しん左翼さよく