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鯛たいの浦うら

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出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア（Wikipedia）』
特別とくべつ天然記念物てんねんきねんぶつ、鯛たいの浦うらタイ生息せいそく地ち。海面かいめんに浮上ふじょうした真鯛まだいの群むれ。（2011年ねん10月がつ10日とおか撮影さつえい）
1912（明治めいじ45）年頃としごろの妙みょうの浦うら
小湊こみなと漁港ぎょこう防潮ぼうちょう堤つつみから妙みょうの浦うら方面ほうめんを望のぞむ

鯛たいの浦うら（たいのうら）は、千葉ちば県けん鴨川かもがわ市しの内浦湾うちうらわんから入道にゅうどうが崎さきにかけての沿岸えんがん部ぶの一部いちぶ海域かいいき。タイの群生ぐんせい地ちとして知しられる[1]。地名ちめいは妙みょうの浦うら[2]。

概要がいよう

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「鯛たいの浦うら」は、マダイが群ぐん泳およげすることで知しられ、鯛たいの浦うらタイ生息せいそく地ちの名称めいしょうで、国くにの特別とくべつ天然記念物てんねんきねんぶつに指定していされている。天然記念物てんねんきねんぶつ指定してい地域ちいきは、 200ヘクタールの海域かいいきと陸地りくちで[2]、海域かいいき内ないでは釣つり等とうの遊漁ゆうぎょが禁止きんしされている。

本来ほんらい、マダイは比較的ひかくてき深ふかい層そうを回遊かいゆうする魚さかなであり、鯛たいの浦うらのような水深すいしんの浅あさい海域かいいき（水深すいしん10-20 m）に「根ねつき」になることはない。古来こらいより名物めいぶつとされ、手て漕こぎの和船わせんでタイ見物けんぶつをさせていた。この現象げんしょうは昭和しょうわに入はいってから広ひろく知しられるようになり[3]、タイの群むれる様子ようすを見みせる動力どうりょく式しきの観光かんこう遊覧ゆうらん船せんの運航うんこうが1952年ねんより行おこなわれる[3][4]。船ふなべりを叩たたく音おとに反応はんのうして鯛たいの群むれが海面かいめんに来きて、与あたえられた餌えさをとらえる様子ようすが、21世紀せいきの現代げんだいでも見みられる[5]。群むれの大だい部分ぶぶんがマダイで、他たにクロダイ、イスズミ、メジナなどが混まざる[5]。鯛たいの浦うらでマダイが群むれる原因げんいんは2012年ねん現在げんざい、科学かがく的てきに完全かんぜんには解明かいめいされていない[6]。

歴史れきし

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※日蓮宗にちれんしゅうによる歴史れきし年表ねんぴょうも存在そんざいする[4]。

伝説でんせつ

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小湊こみなとは日蓮宗にちれんしゅうの開祖かいそ日蓮にちれんの生誕せいたん地ちであり、日蓮にちれんが誕生たんじょうした際さい、この場所ばしょには鯛たいが飛とび跳はね、ハスの花はなが咲さき乱みだれたい伝いつたえから地元民じもとみんはこの海域かいいきを「鯛たいの浦うら」と名付なづけて漁りょうを禁きんじたことに由来ゆらいするとされる[9]。また、日蓮にちれんが両親りょうしんの供養くように小舟こぶねで訪おとずれた際さい、海うみに題目だいもくを唱となえると、海面かいめんに題目だいもくの文字もじが現あらわれ、次ついで現あらわれた鯛たいの群むれが題目だいもくを食たべつくしたと伝承でんしょうされる[4]。

地名ちめいと地震じしん

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元禄げんろく地震じしん（1703年ねん）の際さいに、小湊こみなと海岸かいがんは陥没かんぼつして当時とうじの誕生寺たんじょうじ前庭ぜんていは海中かいちゅうに入はいり、現在げんざいの鯛たいの浦うらが現出げんしゅつしたとある[10]。この地ちは、明あかり応おう地震じしんや元禄げんろく地震じしんの地震じしんと津波つなみによって激はげしく変化へんかをとげたため、日蓮宗にちれんしゅう門もんの僧そうが、妙法みょうほう蓮華れんげ経けいの五ご字じを使つかい、「妙みょうの浦うら」、「法ほうが台だい」、「蓮華れんげが淵ふち」、「経巻きょうかん掘ほ」と名付なづけたと伝つたわる[11]。

鯛たい供養くよう

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地元じもとでは、毎年まいとし1月がつに『鯛たい供養くよう』が行おこなわれる。「鯛たい供養くよう」とは網あみにかかったタイを供養くようするもの[12]。両親りょうしん閣かく妙蓮寺みょうれんじの「小湊こみなと妙たえの浦うら弁天べんてん祭さい」ともいわれるもので、タイのいる洋上ようじょうに舟ふねで出でて、「南無妙法蓮華経なむみょうほうれんげきょう」の題目だいもく（日蓮宗にちれんしゅうの読経どきょう）をささげるというもの[3][12][13][14][15][16]。

また、ここの鯛たいは日蓮にちれんの化身けしんとされ[12]、地元じもとでは同どう海域かいいきの鯛たいを食くえせず、タイがエビ網もうなどの網あみにかかっても生いきていれば放流ほうりゅうし[3]、死しんだ場合ばあいは漁協ぎょきょうの冷凍庫れいとうこで保存ほぞんし、一定いってい数すうになると誕生寺たんじょうじ境内けいだいのタイ塚づかに埋葬まいそうする[13]。昭和しょうわ時代じだいには「鯛たいのお葬式そうしき」も行おこなわれた[17]。

文化財ぶんかざい

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  • 鯛たいの浦うらタイ生息せいそく地ち - 特別とくべつ天然記念物てんねんきねんぶつ。1922年ねん（大正たいしょう11年ねん）3月がつ8日にち、天然記念物てんねんきねんぶつに指定してい、1967年ねん（昭和しょうわ42年ねん）12月27日にち追加ついか指定していにより特別とくべつ天然記念物てんねんきねんぶつ[7][18]

周辺しゅうへん情報じょうほう

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脚注きゃくちゅう

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[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]
  1. ^ 「鴨川かもがわ市し 鯛たいの浦うらタイ生息せいそく地ち」、「第だい2弾だん 貴重きちょうな動物どうぶつに会あいに行いこう! リーフレット（PDF：275KB） 千葉ちば県けん (PDF) 」 どちらも2013年ねん1月がつ14日にち閲覧えつらん。
  2. ^ a b 鯛たいの浦うらタイ生息せいそく地ち／日本にっぽんの特別とくべつ天然記念物てんねんきねんぶつ【動物どうぶつと植物しょくぶつ】 社団しゃだん法人ほうじん農林のうりん水産すいさん・食品しょくひん産業さんぎょう技術ぎじゅつ振興しんこう協会きょうかい 2013年ねん1月がつ14日にち閲覧えつらん。
  3. ^ a b c d 地域ちいき支ささえるマダイに感謝かんしゃ 鴨川かもがわ 住民じゅうみんら100人にん参列さんれつし鯛たい供養くよう2010年ねん1月がつ18日にち、タイ供養くようし海上かいじょう安全あんぜん祈願きがん 鴨川かもがわ 120人にん参列さんれつし「妙みょうの浦うら弁天べんてん祭さい」2012年ねん1月がつ18日にち、どちらも 南みなみ房総ぼうそう安房あわ地域ちいきの日刊にっかん紙し 房ぼう日び新聞しんぶんニュース 2013年ねん1月がつ22日にち閲覧えつらん。
  4. ^ a b c 鯛たいの浦うらの歴史れきし 鯛たいの浦うら遊覧ゆうらん船せん（南みなみ房総ぼうそう・鴨川かもがわ小湊こみなと） 2013年ねん1月がつ22日にち閲覧えつらん。
  5. ^ a b 鯛たいの浦うらの歴史れきし 特別とくべつ天然記念物てんねんきねんぶつに指定していされた理由りゆう 2013年ねん1月がつ22日にち閲覧えつらん。
  6. ^ 【羽成はなり哲郎てつろうのぴーなっつ通信つうしん】千葉ちば・鴨川かもがわ タイが群むれる不思議ふしぎ MSN産経さんけいニュース産経新聞さんけいしんぶん 2012.8.18 07:00 2013年ねん1月がつ14日にち閲覧えつらん。
  7. ^ a b c 1967年ねん（昭和しょうわ42年ねん）12月27日にち文化財ぶんかざい保護ほご委員いいん会かい告示こくじ第だい75号ごう「天然記念物てんねんきねんぶつ鯛たいの浦うらタイ生息せいそく地ちを追加ついか指定していする等ひとしの件けん」
  8. ^ 1989年ねん（平成へいせい元年がんねん）9月がつ8日にち郵政省ゆうせいしょう告示こくじ第だい569号ごう「平成へいせい元もと年度ねんどお年玉としだま付づけ郵便ゆうびん葉書はがきを発行はっこうする件けん」
  9. ^ 日本にっぽんおさかな雑学ざつがく研究けんきゅう会かい 『頭あたまがよくなる おさかな雑学ざつがく大だい事典じてん』 p.46 幻冬舎げんとうしゃ文庫ぶんこ 2002年ねん
  10. ^ 企画きかく展示てんじ 大だい地震じしんと県民けんみんの安全あんぜんを考かんがえる (PDF) 4頁ぺーじ 2009年ねん3月がつ 千葉ちば県立けんりつ図書館としょかん 2013年ねん1月がつ22日にち閲覧えつらん。
  11. ^ 鯛たいノ浦うらの歴史れきし|「鯛たいの浦うら」と「妙みょうの浦うら」2つの名前なまえ小湊こみなと妙たえの浦うら遊覧ゆうらん船せん協業きょうぎょう組合くみあい 2013年ねん1月がつ22日にち閲覧えつらん。
  12. ^ a b c 千葉ちば・鴨川かもがわで「たい」供養くようの祭まつり2013年ねん1月がつ19日にち0時じ29分ふん NHKニュース 2013年ねん1月がつ22日にち閲覧えつらん。
  13. ^ a b 東京とうきょう新聞しんぶん:タイ供養くようし安全あんぜん祈願きがん　鴨川かもがわで恒例こうれい「弁天べんてん祭さい」:千葉ちば(TOKYO Web)2013年ねん1月がつ19日にち東京とうきょう新聞しんぶん 2013年ねん1月がつ22日にち閲覧えつらん。
  14. ^ 船上せんじょうで題目だいもく唱となえ鯛たい供養くよう 小湊こみなと妙たえの浦うら弁天べんてん祭さい 鴨川かもがわ2013年ねん01月がつ19日にち11:44 ちばとぴ ちばの耳みみより情報じょうほう満載まんさい 千せん葉よう日報にっぽうウェブ 2013年ねん1月がつ22日にち閲覧えつらん。
  15. ^ 鯛たい供養くよう:僧侶そうりょが遊覧ゆうらん船せんの甲板かんぱんから読経どきょう−鴨川かもがわ・妙みょうの浦うら／千葉ちば 毎日まいにちjp(毎日新聞まいにちしんぶん)毎日新聞まいにちしんぶん2013年ねん01月がつ19日にち地方ちほう版ばん 2013年ねん1月がつ22日にち閲覧えつらん。
  16. ^ 日蓮にちれんゆかり 海上かいじょうの鯛たい供養くよう 千せん葉よう2013年ねん1月がつ20日にち YOMIURI ONLINE（読売新聞よみうりしんぶん） 2013年ねん1月がつ22日にち閲覧えつらん。
  17. ^ 鯛たいのお葬式そうしき｜鯛たいの浦うら遊覧ゆうらん船せん（南みなみ房総ぼうそう・鴨川かもがわ小湊こみなと）2013年ねん1月がつ22日にち閲覧えつらん。
  18. ^ 鯛たいの浦うらタイ生息せいそく地ち（1922年ねん〈大正たいしょう11年ねん〉3月がつ8日にち指定してい、1967年ねん〈昭和しょうわ42年ねん〉12月27日にち追加ついか指定してい、特別とくべつ天然記念物てんねんきねんぶつ）、国くに指定してい文化財ぶんかざい等とうデータベース（文化庁ぶんかちょう） 2015年ねん10月がつ11日にち閲覧えつらん。

関連かんれん項目こうもく

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ウィキメディア・コモンズには、鯛たいの浦うらに関連かんれんするカテゴリがあります。

外部がいぶリンク

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座標ざひょう: 北緯ほくい35度ど7分ふん6秒びょう 東経とうけい140度ど11分ふん28秒びょう / 北緯ほくい35.11833度ど 東経とうけい140.19111度ど / 35.11833; 140.19111

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