鼠蹊そけい部ぶ

鼠蹊そけい部ぶ（そけいぶ、鼠径そけい部ぶ）とは、左右さゆうの大腿だいたい部ぶの付つけ根ねにある溝みぞの内側うちがわにある下腹かふく部ぶの三角形さんかっけい状じょうの部分ぶぶん。解剖かいぼう学がく的まとには恥骨ちこつの左右さゆうの外側そとがわ・股関節こかんせつの前方ぜんぽう部ぶにあたる。股間こかんを構成こうせいする主要しゅよう部分ぶぶんの1つである。

この部分ぶぶんの下方かほうには鼠蹊そけい靭帯じんたい（鼠径そけい靭帯じんたい）があり、その下したを下肢かしへと向むかう動脈どうみゃく・静脈じょうみゃく・リンパ管りんぱかん・神経しんけいなどが走はしっている。 鼠蹊そけい靭帯じんたい、長内おさない転てん筋すじ、縫ぬい工こう筋すじにかこまれた部位ぶいを「スカルパの三角さんかく（大腿だいたい三さん角かく）」と呼よぶ。 鼠蹊そけい靭帯じんたいの内側うちがわには並行へいこうするように鼠蹊そけい管かん（鼠径そけい管かん）が腹壁ふくへきの筋肉きんにくを貫つらぬくように走はしっている。これは男性だんせいが誕生たんじょうする直前ちょくぜんに精巣せいそうが腹腔ふくこうから陰嚢ふぐりへ移動いどうする際さいに通とおるルート（蹊路/径路けいろ）となる。

ちなみに、「鼠蹊そけい部ぶ/鼠径そけい部ぶ」という名称めいしょうの由来ゆらいは精巣せいそうの移動いどうを鼠ねずみの移動いどうする様子ようすになぞらえたところから。誕生たんじょう後ごの鼠蹊そけい管かんは男性だんせいの場合ばあいは精せい索さくが、女性じょせいの場合ばあいには子宮しきゅう円えん索さくを通とおすのみで閉鎖へいさされる。