12の戦たたかい

12の戦たたかい ^[1] （ペルシア語ご: دَوازدَه رُخ‎ Davazdah Rokh ）とは、イランの文学ぶんがく作品さくひんシャー・ナーメ（王おう書しょ）の中なかの物語ものがたりで、ペルシアとトゥーラーンの国境こっきょうにおける両国りょうこくの勇者ゆうしゃ間あいだの戦たたかいである。

シャー・ナーメ全体ぜんたいのおよ60,000の対句ついくのなかで約やく2,500の対句ついくを占しめるこの長ながい物語ものがたりは、そのプロット、劇的げきてきな描写びょうしゃ、また人間にんげん性せいへの洞察どうさつの観点かんてんから、シャー・ナーメの最高さいこうの物語ものがたりの1つと紹介しょうかいされることもある ^[1]。

戦たたかいの始はじまり[編集へんしゅう]

カイ・ホスロー王おうのペルシアとアフラースィヤーブ王おうのトゥーラーンは、対立たいりつ状態じょうたいにあった。ペルシアの勇者ゆうしゃたちの長ちょうはグーダルズ、トゥーラーンの勇者ゆうしゃたちの長ちょうはピーラーンである。ピーラーンの兄弟きょうだいであるフーマンがペルシア軍ぐんに挑いどみ、一騎打いっきうちでグーダルズの孫まごのビージャンに殺ころされ戦たたかいが始はじまる。2つの軍隊ぐんたいは何なん度ども戦たたかうが、勝敗しょうはいがつかない。このため最終さいしゅう的てきに、両国りょうこくは互たがいの軍隊ぐんたいの勇者ゆうしゃ（英雄えいゆう）間あいだでの一騎打いっきうち（ mard o mard ）による戦たたかいに同意どういし、12の戦たたかいが始はじまった。

双方そうほうの勇者ゆうしゃによる戦たたかい[編集へんしゅう]

　　　（ペルシア側がわ）　　　　（トゥーラーン側がわ）

ファリーボルズ　対たい　ゴルバード　ヴィセ
ギヴ　対たい　ゴルイェ　ゼレ
ゴラゼ　対たい　トゥーラーンのスィアマク
フォルハル　対たい　ザンゴラ
ロハム　対たい　バルマン
ビジャン対たい　ルーイン
ホジィル　対たい　セパフラム
ザンゲイェ　シャヴァラン　対たい　アフヴァスト
ゴルギン　対たい　アンダリマン
バルタ　対たい　コフラム
グーダルズ　対たい　ピーラーン
ゴスタハム　対たい　ラッハクとファルシャド

すべての戦たたかいにおいて、ペルシア側がわの勇者ゆうしゃが勝利しょうりした。最後さいごにグーダルズがピーラーンを殺ころし、戦争せんそうは終了しゅうりょうする。他方たほう、ゴスタハムは、ペルシアの王おうカイ・ホスロ―によりトゥーラーンと戦たたかうためには選えらばれなかったが、ピーラーンの兄弟きょうだいであるラッハクとファルシャドを追おいかけ、彼かれらを殺ころす。しかし重傷じゅうしょうを負おい、ビジャンは彼かれをカイ・ホスローのところに連つれて行いき、カイ・ホスロ―はゴスタハムの腕うでに傷きずを癒いやす聖せいなるビーズの腕輪うでわを着用ちゃくようさせて命いのちを救すくう。戦争せんそうはトゥーラーンの王おうアフラースィヤーブの死しで終おわる。

シャー・ナーメのいくつかの写本しゃほんでは、物語ものがたりは Yazdah Rokh （11の戦たたかい）と題だいされており、ゴスタハムとピーラーンの兄弟きょうだいの間あいだの最後さいごの戦たたかいは数かぞえられていない。

戦争せんそうはイランの勝利しょうりで終結しゅうけつし、カイ・ホスロー王おうとグーダルズ率ひきいるペルシア軍ぐんに敬意けいいを表ひょうする祝祭しゅくさいが開ひらかれた。

12の戦たたかいがあった場所ばしょ[編集へんしゅう]

シャー・ナーメによれば、戦たたかいの場所ばしょは、イランのホラーサーン州しゅうのズィーバッド城しろまたはゴナバードの黒くろい山やまの近ちかくの地域ちいきであった [1] [2] ^[3]

ギャラリー[編集へんしゅう]

ビジャン対たいルーイン
カイ・ホスローの閲兵えっぺい
カイ・ホスローのペルシアへの到着とうちゃく^[4]
12の戦たたかいの勝利しょうり
カイ・ホスローとアフラースィヤーブ
ラッハクとファルシャド
バルタ対たいコフラム
12の戦たたかいを描えがいた細密さいみつ画が

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

^ ^a ^b Khaleghi-Motlagh. “DAVĀZDAH ROḴ”. ENCYCLOPÆDIA IRANICA. 2020年ねん5月がつ20日はつか閲覧えつらん。
^ ““Bayasanghori Shâhnâmeh” (Prince Bayasanghor’s Book of the Kings)”. 2009年ねん8月がつ5日にち時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2020年ねん5月がつ20日はつか閲覧えつらん。
^ (Location of Davazdah Rokh): Zibad
^ Departure of Kai Khosrow mother and grandmother toward Iran. (Kay Khosrow is seen with the old man in the middle)

ソース[編集へんしゅう]

Ferdowsi university Simorgh Magazine,No 9 August 28, 2018 page 81-89 Location of Davazdah Rokh combats

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]

hamshahrionline：a festival in the place of Davazdah Rokh war[3]
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[iranica-1] Khaleghi-Motlagh. “DAVĀZDAH ROḴ”. ENCYCLOPÆDIA IRANICA. 2020年ねん5月がつ20日はつか閲覧えつらん。

[2] ““Bayasanghori Shâhnâmeh” (Prince Bayasanghor’s Book of the Kings)”. 2009年ねん8月がつ5日にち時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2020年ねん5月がつ20日はつか閲覧えつらん。

[3] (Location of Davazdah Rokh): Zibad

[4] Departure of Kai Khosrow mother and grandmother toward Iran. (Kay Khosrow is seen with the old man in the middle)

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