4-ヘプタノン

4-ヘプタノン（英語えいご、4-heptanone）とは、ヘプタノンの構造こうぞう異性いせい体たいの1つであり、ケトンの1種しゅである。分子ぶんし式しきC₇H₁₄O、分子ぶんし量りょう114.19であり、ちょうどケトンに2つのプロピル基もと（C₃H₇）が付ついた分子ぶんし構造こうぞうをしているため、ジプロピルケトン（英語えいご、dipropylketone）とも呼よばれた。また、ブチロン（英語えいご、butyrone）と呼よばれたこともあった。ただし、本稿ほんこうでは以下いか4-ヘプタノンという表記ひょうきに統一とういつする。消防しょうぼう法ほうに定さだめる第だい4類るい危険きけん物ぶつ 第だい2石油せきゆ類るいに該当がいとうする。

性質せいしつ

4-ヘプタノンは、常つね圧あつにおいて、融点ゆうてん-33℃ 、 沸点ふってん144℃である

。

したがって、4-ヘプタノンは常温じょうおん常つね圧あつにおいて液体えきたいとして存在そんざいする。また、4℃の水みずを標準ひょうじゅん物質ぶっしつとした、15℃における4-ヘプタノンの比重ひじゅうは0.8205 、 同おなじく20℃における比重ひじゅうは0.8145 。

ナトリウムのD線せんに対たいする、20℃における4-ヘプタノンの屈折くっせつ率りつは1.4069 、 同おなじく22℃における屈折くっせつ率りつは1.40732 。

水みずには不溶ふようだが、エタノールにはよく溶とける 。

この他ほか、粘膜ねんまくを刺激しげきする性質せいしつを持もつ 。

なお、酸化さんかクロム(VI)があると4-ヘプタノンは酸化さんかされて、プロピオン酸さんと酪酸とに分解ぶんかいする 。

合成ごうせい法ほう

4-ヘプタノンは、幾いくつかの方法ほうほうで合成ごうせいすることができる。

• 酪酸を、330℃に加熱かねつした亜鉛あえんの粉末ふんまつの上うえに通とおす。
• 酪酸を、450℃に加熱かねつした炭酸たんさんカルシウム（石灰せっかい）の上うえに流ながす。
• 酪酸カルシウムを、乾留かんりゅうする。
• 酪酸ナトリウムを、減圧げんあつ下かで440℃に加熱かねつする。

その他た

4-ヘプタノンのCAS登録とうろく番号ばんごうは、123-19-3である。

主おもな参考さんこう文献ぶんけん

• 大木おおき 道則みちのり、大沢おおさわ 利昭としあき、田中たなか 元治もとはる、千原ちはら 秀昭ひであき 編集へんしゅう 『化学かがく辞典じてん』 p.627（右みぎ上部じょうぶ）、p.1310（右みぎ中部ちゅうぶ） 東京とうきょう化学かがく同人どうじん 1994年ねん10月がつ1日にち発行はっこう ISBN 4-8079-0411-6
• 化学かがく大だい辞典じてん編集へんしゅう委員いいん会かい 編集へんしゅう 『化学かがく大だい辞典じてん （縮刷しゅくさつ版ばん） 7』 p.849（右みぎ下部かぶ） 共立きょうりつ出版しゅっぱん 1964年ねん1月がつ15日にち発行はっこう ISBN 4-320-04021-X
• 化学かがく大だい辞典じてん編集へんしゅう委員いいん会かい 編集へんしゅう 『化学かがく大だい辞典じてん （縮刷しゅくさつ版ばん） 8』 p.362（左ひだり下部かぶ） 共立きょうりつ出版しゅっぱん 1964年ねん2月がつ15日にち発行はっこう ISBN 4-320-04022-8