AlphaGoたい柯潔

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AlphaGoたい柯潔は、中国ちゅうごくかこえ協会きょうかい所属しょぞくのプロ棋士きし柯潔と、Google DeepMind開発かいはつしたコンピュータ囲碁いごプログラム・AlphaGoさんばん勝負しょうぶ

概要がいよう[編集へんしゅう]

2016ねん3がつ世界せかいトップクラスの棋士きしである韓国かんこくドルAlphaGoが4しょう1はいし、世界中せかいじゅう衝撃しょうげきあたえた(詳細しょうさいAlphaGoたいドル参照さんしょう)。しかし、この対局たいきょくた柯潔は「自分じぶんならてる」と自信じしんせていた[1]

その、2016ねん年末ねんまつから年明としあけにかけて「Magister」「Master」と名乗なのるプレイヤーが東洋とうよう囲碁いごきつね囲碁いご姿すがたあらわし、トッププロらを相手あいて非公式ひこうしき早碁はやごながら60連勝れんしょう記録きろくした(詳細しょうさいMaster参照さんしょう)。そのなかには柯潔にたいする3しょうふくまれている。この60きょく対局たいきょくDeepMindのデミス・ハサビスはその正体しょうたいAlphaGoあらたなバージョンであることをあきらかにし、2017ねんない公式こうしき対局たいきょく舞台ぶたいもうけることを明言めいげんした。こうして、当時とうじ世界せかいレーティング1の柯潔が人類じんるいの「最後さいごとりで」としてちはだかることとなった。なお、さんばん勝負しょうぶまえ公開こうかいしたMasterの棋譜きふはこの60きょく以外いがいには自己じこ対戦たいせん棋譜きふ50きょくのみであり、膨大ぼうだい学習がくしゅうデータの一部いちぶしかオープンにされないてんには疑問ぎもんこえがった[1]

2017ねん5がつ中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこく浙江せっこうしょうがらすにあるインターネット国際こくさいかいてんセンター(世界せかいインターネット大会たいかい英語えいごばん永久えいきゅう開催かいさい)で開催かいさいされた囲碁いご未来みらいサミット対局たいきょくおこなわれた。Masterは4つのTPUをもちいており、DeepMindぜんバージョンとは3もの実力じつりょくがあるとしていた。結果けっかはMasterの3連勝れんしょうであった。

この結果けっかけ、AlphaGoは人間にんげんとの対局たいきょくから引退いんたいするとGoogleは発表はっぴょうした[2]。なお、人間にんげんとのたたかいからは引退いんたいしたものの、研究けんきゅうはそのつづけられており、のちにあらたなバージョンとなるAlphaGo ZeroAlphaZero開発かいはつされている。

対局たいきょく[編集へんしゅう]

対局たいきょくはすべて中国ちゅうごくルール、コミ7もくはんおこなわれた。

だい1きょく[編集へんしゅう]

5月23にちおこなわれた。くろばんが柯潔、しろばんがMaster。

99まで
100から199まで (くろ139は)
200から289まで

初手しょて小目こもくさんさん々といったつら布陣ふじんき、くろ7とAlphaGoが愛用あいようする序盤じょばんさんりをこうじるなど、実利じつり先行せんこうてっした。柯潔はこのさんばん勝負しょうぶ以前いぜん、こうしたMasterのような序盤じょばんによくつようになっていた[3]。しかし、Masterの手堅てがたまわしのまえはんけとなった[4]

だい2きょく[編集へんしゅう]

5月25にちおこなわれた。くろばんがMaster、しろばんが柯潔。AlphaGoはしろばんでの勝率しょうりつたか見積みつもっており、柯潔は自身じしんしろばんであるこの対局たいきょくをチャンスとかんがえていた。

99まで
100から155まで (しろ104、132、くろ137は, くろ129、135は101)

DeepMindのデミス・ハサビスは、本局ほんきょくにおける柯潔のまわしを「50まで完璧かんぺき」としょうした。そして、100あたりまでも接戦せっせんつづいていたとしたが、結果けっかはMasterの中押なかおちとなった。柯潔も対局たいきょくに「試合しあい中盤ちゅうばん、とても興奮こうふんしてしまいました。なぜなら、てそうながしたから」とかたっている[5]。これでMasterのさんばん勝負しょうぶしがまった。

だい3きょく[編集へんしゅう]

5月27にちおこなわれた。だい2きょくつづき、Masterのくろばん、柯潔のしろばんである。