C統御とうぎょ

c統御とうぎょ（シーとうぎょ、c-command）とは、生なま成文法せいぶんほうにおける句く構造こうぞうの節点せってんどうしの関係かんけいのひとつである。節点せってんXと別べつの節点せってんYがお互たがい支配しはい関係かんけいになく、かつ節点せってんXを支配しはいする最初さいしょの枝分えだわかれ節点せってんが節点せってんYを支配しはいしているとき、節点せってんXは節点せってんYをc統御とうぎょする、という。親族しんぞく関係かんけいで言いえば、兄弟きょうだい姉妹しまいおよびその子孫しそんに対たいする関係かんけいである。構成こうせい素もと統御とうぎょ、cコマンドともいう。

定義ていぎ

図ず1

句く構造こうぞうを図ず1のような樹き形がた図ずで表あらわしたとき、枝えだで結むすばれるA〜Hのような点てんを節点せってんという。

節点せってんXから節点せってんYへ枝えだを下したへ向むかってたどるだけで移動いどうできる場合ばあい、節点せってんXは節点せってんYを支配しはいしている、という。親族しんぞく関係かんけいで言いえば、直系ちょっけいの子孫しそんに対たいする関係かんけいである。たとえば、図ず1の節点せってんCは節点せってんD〜Hを支配しはいしている。

ある節点せってんのすぐ下かにある節点せってんは、直接ちょくせつ支配しはいされている、という。たとえば、図ず1の節点せってんCが直接ちょくせつ支配しはいするのは、節点せってんDとFである。複数ふくすうの節点せってんを直接ちょくせつ支配しはいしている節点せってんを、枝分えだわかれ節点せってんという。図ず1の節点せってんA、C、Fは枝分えだわかれ節点せってんである。

c統御とうぎょは、次つぎのように定義ていぎされる。

節点せってんXが節点せってんYをc統御とうぎょするのは、

• XとYが別べつの節点せってんである
• かつ、XはYを支配しはいせず、YはXを支配しはいしない
• かつ、Xを支配しはいする最初さいしょの枝分えだわかれ節点せってんがYを支配しはいしているとき、そしてそのときに限かぎる。

たとえば、図ず1の節点せってんBを支配しはいしている最初さいしょの枝分えだわかれ節点せってんはAである。したがって、Aが支配しはいするB以外いがいの節点せってんC〜HをBはc統御とうぎょしていることになる。

また、図ず1の節点せってんEを支配しはいする最初さいしょの枝分えだわかれ節点せってんはCである。Cが支配しはいするE以外いがいの節点せってんのうち、EがC統御とうぎょするのはF〜Hである。節点せってんDはCに支配しはいされているが、Eを支配しはいしているのでc統御とうぎょの定義ていぎには合あわない。