出典 しゅってん : フリー百科 ひゃっか 事典 じてん 『ウィキペディア(Wikipedia)』
dmesg は、Unix系 けい オペレーティングシステム (OS) のコマンドである。コマンド名 めい は"display message" の略 りゃく である。カーネル のメッセージバッファ の内容 ないよう を表示 ひょうじ する。カーネルが書 か き込 こ むメッセージバッファは先頭 せんとう と末尾 まつび が連結 れんけつ された円 えん 環状 かんじょう の構造 こうぞう となっている。バッファに蓄積 ちくせき された文字数 もじすう がバッファサイズを超 こ えた場合 ばあい には、再 ふたた びバッファの先頭 せんとう からの書 か き込 こ みを開始 かいし し、古 ふる いメッセージから順番 じゅんばん に上書 うわが きしている。
コンピュータの電源 でんげん を入 い れると、ブート が行 おこな われ、カーネル がメモリにロードされる。そしてカーネル内 ない の個々 ここ のデバイスドライバ が対応 たいおう するデバイスが存在 そんざい するかどうかを調 しら べる。ハードウェアが存在 そんざい する場合 ばあい 、具体 ぐたい 的 てき に何 なに があったかを文字 もじ 列 れつ 化 か した診断 しんだん メッセージを生成 せいせい する。カーネル内 ない の他 ほか のコンポーネントも、特定 とくてい のコンポーネントがあるかどうか、どういうパラメータが対応 たいおう するかといった情報 じょうほう をメッセージとして生成 せいせい する。この処理 しょり は、個々 ここ のメッセージを読 よ もうとしてもすぐにスクロールされるような速度 そくど で行 おこな われる。dmesg コマンドは、システムが完全 かんぜん に起動 きどう してから、そのようなメッセージを表示 ひょうじ して調 しら べるのに使 つか う。
システムが完全 かんぜん に起動 きどう した後 のち も、カーネルは診断 しんだん メッセージを生成 せいせい することがある。例 たと えば、I/Oデバイスでエラーが発生 はっせい した場合 ばあい 、USB デバイスがホットスワップ された場合 ばあい などである。dmesg を使 つか えば、それらのメッセージも後 ご から確認 かくにん できる。メッセージは生成 せいせい されたときにコンソール にも表示 ひょうじ される。コンソールを使 つか って作業 さぎょう していると、ユーザープログラムの表示 ひょうじ と混 ま じったり、上書 うわが きされてすぐ読 よ めなくなったりする。出力 しゅつりょく はsyslog などのロギングデーモンがログファイルに保存 ほぞん している。
dmesgの出力 しゅつりょく は標準 ひょうじゅん 的 てき な端末 たんまつ サイズの数 すう 画面 がめん ぶんになる。このため、一般 いっぱん にdmesgはmore 、tail 、grep などと組 く み合 あ わせて使 つか う。
商用 しょうよう OSで、ブート時 じ にスプラッシュスクリーン を表示 ひょうじ している場合 ばあい は、ユーザがその時点 じてん でこれらのメッセージを見 み ないこともある。ただし、スプラッシュスクリーンを表示 ひょうじ させず、メッセージを表示 ひょうじ させるオプションが存在 そんざい することがある。これは、システムのブートが失敗 しっぱい する場合 ばあい には貴重 きちょう な診断 しんだん 情報 じょうほう になる。dmesgがないOSでも、同等 どうとう の機能 きのう を持 も つ(起動 きどう 時 じ の診断 しんだん メッセージを表示 ひょうじ する)コマンドや他 た の手段 しゅだん が存在 そんざい する。Linux Standard Baseでも指定 してい コマンドになっている[ 1] 。
^ Linux Standard Base https://refspecs.linuxfoundation.org/lsb.shtml