EDVEGA

EDVEGA（Electric Delta-V Earth Gravity Assist, EΔでるたV-EGAとも表記ひょうき）とは、日本にっぽんの小惑星しょうわくせい探査たんさ機きはやぶさ (MUSES-C) による小惑星しょうわくせいイトカワの探査たんさの際さいに用もちいられた、地球ちきゅうスイングバイ (Earth Gravity Assist) に電気でんき推進すいしんによる加速かそく (Electric Delta-V) を組くみ合あわせて増ぞう速そく量りょうをかせぐ、宇宙うちゅう探査たんさ機きの航法こうほうの名称めいしょう。

はやぶさプロジェクトのプロジェクトマネージャーであった宇宙うちゅう科学かがく研究所けんきゅうじょの川口かわぐち淳あつし一郎いちろう教授きょうじゅの考案こうあんによる。

通常つうじょうの化学かがくエンジンによるインパルス的てきな軌道きどう変更へんこうでは、地球ちきゅうからの打うち上あげ後ご、地球ちきゅうスイングバイまでの間あいだ（通常つうじょうは約やく１年間ねんかん）、大量たいりょうの推進すいしん剤ざいの消費しょうひをともなう軌道きどう変更へんこうを行おこなわない限かぎり、実質じっしつ的てきに慣性かんせい飛行ひこうを続つづけるしかない。したがって、地球ちきゅうスイングバイ時じの相対そうたい速度そくどは、地球ちきゅうからの打うち上あげ後ごの地球ちきゅう重力じゅうりょく圏けん離脱りだつ時じの速度そくどと大差たいさないため、スイングバイの効果こうかも制限せいげんされる。それに対たいして電気でんき推進すいしんは、推力すいりょくは小ちいさいものの比ひ推力すいりょくが大おおきいため、その一いち年間ねんかんに少すくない推進すいしん剤ざいで時間じかんをかけて増ぞう速そく量りょうを稼かせぐことができ、相対そうたい速度そくどを大おおきくして地球ちきゅうスイングバイの効果こうかを高たかめることができる。

但ただし太陽たいよう電池でんちによる電力でんりょくにたよる現在げんざいの電気でんき推進すいしん (SEP:Solar Electric Propulsion) では、電気でんき推進すいしんによる加速かそく中ちゅうは太陽たいようから大おおきく離はなれた太陽光たいようこうの弱よわい軌道きどうを取とることは不利ふりなので、主おもに軌道きどうの離はなれ心しん率りつを変かえ地球ちきゅうとの相対そうたい速度そくどを蓄積ちくせきしておく（エネルギー蓄積ちくせきフェーズ）。