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SC-3000

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
SC-3000
メーカー セガ・エンタープライゼス
種別しゅべつ ホビーパソコン
発売はつばい 日本の旗 1983ねん7がつ15にち
オーストラリアの旗ニュージーランドの旗 1983ねん
フランスの旗イタリアの旗スペインの旗 1984ねん
CPU NEC μみゅーPD780C
対応たいおうメディア ゲームカートリッジ[1]
コントローラ入力にゅうりょく ケーブル
外部がいぶ接続せつぞく プリンター端子たんし
カセットレコーダ端子たんし
オンラインサービス 対応たいおう
互換ごかんハードウェア SG-1000
SG-1000II
SC-3000H
オセロマルチビジョン
次世代じせだいハードウェア セガ・マークIII
セガ・マスターシステム
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SC-3000(エスシーサンゼン)は、セガ・エンタープライゼス発売はつばいしたゲームパソコン[2]フォスタふぉすた電機でんきとの共同きょうどう開発かいはつ[3]

日本にっぽん国内こくないでは1983ねん7がつ15にち[4][6][ちゅう 2]にセガが発売はつばいし、海外かいがいではOEM販売はんばいされていた。メーカー希望きぼう小売こうり価格かかくは29,800えん

また、1983ねん12月に初代しょだいチクレットキーボードをプラスティックの本格ほんかくてきなキーボードに改良かいりょうした後継こうけい上位じょうい機種きしゅである、SC-3000H(メーカー希望きぼう小売こうり価格かかく33,800えん)を展開てんかいした[1][9][10]

SC-3000のSCは『Sega Computer』のりゃくで、3000はやく3まんえんという価格かかく由来ゆらいけたを1つらしたものである[5]

展開てんかい

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ほんはシステムプログラムが別売べつばいであるため、単体たんたいではシステムとして使用しようできない反面はんめん高価こうかだったROMとRAMを本体ほんたいからはなすことによって、同年どうねん11がつ発売はつばいMSX同等どうとう性能せいのうで29,800えんという当時とうじのゲームパソコンよりもすうまんえんやすてい価格かかく実現じつげんした。また購入こうにゅうする言語げんごによって、メモリ容量ようりょうや、仕様しよう選択せんたくできるという利点りてんもあった。このため発売はつばいまえ受注じゅちゅう段階だんかいすうまんだい売上うりあげ計上けいじょうしたという。

この数字すうじ自信じしんたことや、どう時期じき任天堂にんてんどうがゲーム専用せんよう開発かいはつちゅうであることをきつけた、当時とうじ社長しゃちょう中山なかやま隼雄はやおづる一声いっせい[よう出典しゅってん]、SC-3000からキーボードやビデオ出力しゅつりょく端子たんし、カセット、プリンタ端子たんしなどをはいしたことにより、ほぼ半額はんがくの15,000えんという大幅おおはばなコストダウンを実現じつげんした廉価れんかばんSG-1000同日どうじつ発売はつばいした[6][11]。なお、任天堂にんてんどうファミリーコンピュータ同日どうじつ発売はつばいされている[5][11][12]

日本にっぽん国外こくがいにも展開てんかいされ、オーストラリア・ニュージーランドを中心ちゅうしんとするオセアニア地域ちいきでは、オーストラリアではJohn Sandsしゃ、ニュージーランドではGRANDSTANDしゃによってOEM販売はんばいされ、当時とうじてい価格かかくたいのパソコン市場いちば競合きょうごう存在そんざいしなかったこともあって、市場いちばをほぼ独占どくせんする成功せいこうをおさめた。日本にっぽん同様どうようテープばんソフトやスーパーコントロール・ステーションが発売はつばいされたほか、日本にっぽん発売はつばいライトペン3インチディスクパッケージソフト発売はつばいされた。ニュージーランドではSC-3000専門せんもん「SEGA Computer」も刊行かんこうされていた。この人気にんきは、Amstrad CPCがオセアニアに上陸じょうりくする1986ねんころまでつづいた。

フランスではYEN-OしゃによってOEM販売はんばいされていたほか、スペイン、イタリアでもOEM販売はんばいされた。販売はんばい台数だいすう欧州おうしゅうだけで初年度しょねんどじゅうすうまんだいと「初年度しょねんど国内外こくないがいわせて20まんだい」というセガの見込みこみをえる成功せいこうおさめたが、セールスではゲームソフトをあそことだけにとくしたSG-1000のほう圧倒的あっとうてききがかったことから、以後いご家庭かていようゲーム専用せんよう開発かいはつへとシフトしていった[13]

ハードウェア

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CPUやVDPはMSX1やSORDM5ひとしおなじで、ほぼ同等どうとう性能せいのう表現ひょうげんりょくつ。ただし、これらは開発かいはつ意識いしきしたというわけではく、当時とうじのゲームパソコンでてい価格かかく実現じつげんするためにチップなどの汎用はんよう部品ぶひん採用さいようした結果けっかほとんどおなじような構成こうせいになったという[14]。そのため、コンピューターとしてのアーキテクチャーはすべてことなり、ハードウェア・ソフトウェアども互換ごかんせいいが、その類似るいじせい使用しようし、機種きしゅ依存いぞんえコンバートしたMSXソフトウェアの海賊版かいぞくばんなどが、海外かいがいでは発売はつばいされている。

ボディーカラーとしてくろしろあかの3しょく存在そんざいした。

仕様しよう

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SN76489AN
  • CPU:NEC μみゅーPD780CZ80A互換ごかん)(クロック周波数しゅうはすう3.58MHz)
  • VDP:TMS9918A
    • テキスト表示ひょうじ:38けた28ぎょう[2]
    • グラフィック表示ひょうじ:256x192ドット 16しょく[2]
  • RAM:2KB[2]
    • BASIC-LEVEL II A:515Byte
    • BASIC-LEVEL II B:1KB
    • BASIC-LEVEL III A:16KB
    • BASIC-LEVEL III B:32KB
    • ホームベーシック:32KB(じつ利用りようフリーエリアは26KB)
  • VRAM:16KB[2]
  • サウンド機能きのうSN76489PSG機能きのうはほぼ等価とうか。ハードウェアによるエンベロープが反面はんめん、ノイズの出力しゅつりょくをトーン出力しゅつりょく独立どくりつして制御せいぎょ可能かのうになっている。)
  • インターフェイス
    • シリアルインターフェイス[2]
    • プリンターインターフェイス
    • カセットインターフェイス(IN,OUT)
    • AVOUT
    • ジョイスティックインターフェイス(端子たんし形状けいじょうATARI規格きかく同一どういつ、ピン配置はいちことなる)
  • サイズ:はば353mm、奥行おくゆき210mm、たかさ46mm[2]
  • おもさ:やく1.1Kg[2]

周辺しゅうへん機器きき

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オプションとして、データレコーダSR-1000[1](9,800えん)が発売はつばいされており、入出力にゅうしゅつりょくおとでモニタできるほか、音声おんせい入出力にゅうしゅつりょく信号しんごうともない、終了しゅうりょうにはモーターが停止ていしには自動的じどうてきにモーターが動作どうさするようになっている。これらの実装じっそうともない、予約よやくとしては用意よういされているMOTOR命令めいれいや、実際じっさいのREMOTE端子たんしはハードウェアてき省略しょうりゃくされているが、BASIC内部ないぶでは、制御せいぎょおこなわれている。

また、3インチコンパクトフロッピーディスクドライブ・64KBの拡張かくちょうRAM・8KBの拡張かくちょうROM・プリンターポート・シリアルポートを搭載とうさいした拡張かくちょうユニット、スーパーコントロール・ステーションSF-7000[1](79,800えん)も発売はつばいされていた。カートリッジの端子たんし接続せつぞくし、ディスクから、起動きどうすることが可能かのうになっている。フロッピーへの入出力にゅうしゅつりょく対応たいおうしたF-BASICが添付てんぷされた。

オプションとして、ジョイスティック(2ほん)が4,000えん提供ていきょうされた[2]

ソフトウェア

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SC-3000に対応たいおうしたソフトウェアの供給きょうきゅうおもにカートリッジ媒体ばいたいによっておこなわれ、ゲームソフト、BASIC学習がくしゅうようソフトなどが供給きょうきゅうされた[2][7]

BASICカートリッジを装着そうちゃくすることで、当時とうじ一般いっぱんてきだったBASIC言語げんごによるプログラミングをすることができ、レベルII・レベルIII・ホームベーシックのように、RAMサイズ・命令めいれい数値すうち計算けいさん精度せいどことなる複数ふくすうのバリエーションが用意よういされていた(レベルIIのBASICカートリッジは5,800えん、レベルIIIは9,800えん[2])。レベルIIではSC-3000ようのレベルIIAとSG-1000/SG-1000II対応たいおうのレベルIIBとがあった。なおレベルII、レベルIIIとも予約よやくすくなく、M5のBASIC-Gや、MSX-BASICのほうが、BASICとしては高機能こうきのうだった。

のち登場とうじょうしたホームベーシックは、あつか数値すうち整数せいすうがたになったために算術さんじゅつ関数かんすう関連かんれん命令めいれい大幅おおはば削除さくじょされた。反面はんめん処理しょり速度そくど向上こうじょうしPLAYステートメントが追加ついかされたことで音楽おんがく演奏えんそう容易よういとなりスプライト衝突しょうとつ命令めいれい追加ついかされてよりゲーム作成さくせいおこないやすくなった。またメニューからせるサンプルゲームやスプライトエディタが搭載とうさいされており、言語げんごのみではなく、単体たんたい使つかえるユーティリティーを内蔵ないぞうしているところは、よく1984ねん6がつ発売はつばいされたファミリーコンピュータファミリーベーシック同様どうようである。

キーボード活用かつようしたソフトウェアとしては、BASICのほかに、数学すうがく英語えいごなどの学習がくしゅうカートリッジが発売はつばいされていた。

派生はせい機種きしゅ

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SC-3000H

SC-3000Hやほんのアーケードばんともえる「パソコン学習がくしゅうつくえ」も存在そんざいする。パソコン学習がくしゅうつくえ筐体きょうたい内蔵ないぞうされたBASIC・各種かくしゅゲームカートリッジをコイン投入とうにゅう一定いってい時間じかん利用りようできる。

1983ねん5がつ25にち東京とうきょう流通りゅうつうセンターで開催かいさいされた『マイクロコンピュータショウ'83』では、ハードキーボードのSC-5000発売はつばい予定よていとして展示てんじされており[15]電波でんぱ新聞しんぶんではPC-8001同等どうとう機能きのうでCPUは16ビットも検討けんとうして9がつ出荷しゅっか予定よていほうじられたが[16]のSC-3000Hとかんがえられている[3]。ただしキーボード配列はいれつがSC-3000Hとことなり、SC-3000にあるいくつかのキーがけていて、SC-3000にはない「CAN」キーがあるなどの相違そういがある。

関連かんれん項目こうもく

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脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ 1983ねん7がつ15にち電波でんぱ新聞しんぶん23めん掲載けいさいされた新聞しんぶん広告こうこくは『セガハードだい百科ひゃっか』の「セガハードストーリー」だい1かいで「SC-3000発売はつばい新聞しんぶん広告こうこく」として紹介しょうかいされている[5]
  2. ^ 1983ねん5がつ時点じてんにおいては発売はつばいを1983ねん7がつ1にち発表はっぴょうしていた[7][8]

出典しゅってん

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  1. ^ a b c d 関連かんれん周辺しゅうへん機器きき SC-3000”. セガハードだい百科ひゃっかしんサイト). セガ. 2018ねん4がつ10日とおか時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2023ねん11月26にち閲覧えつらん
  2. ^ a b c d e f g h i j k 「29,800えんのパーソナルコンピュータ セガが発売はつばい」『月刊げっかんアスキー』1983ねん7がつごう、アスキー、95ぺーじdoi:10.11501/3250666 
  3. ^ a b 早苗さなえがつ ハンバーグおとこ石川いしかわ雅美まさみおくしげる洋輔ようすけ堀井ほりい直樹なおき (2023ねん7がつ15にち). "[インタビュー]SC-3000&SG-1000発売はつばい40周年しゅうねん! セガハードをささえた石川いしかわ雅美まさみおくしげる洋輔ようすけ堀井ほりい直樹なおきがセガハードかたる". 4Gamer.net. Aetas. 2023ねん7がつ15にち時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2023ねん7がつ18にち閲覧えつらん
  4. ^ 「セガ、ホビーようパソコンに欧州おうしゅうから殺到さっとう初年度しょねんど生産せいさん50%ぞうの30まんだいに」『日経にっけい産業さんぎょう新聞しんぶん』1983ねん7がつ13にち、13めん
  5. ^ a b c 連載れんさい】セガハードストーリーだい1かい セガはなぜ家庭かていようゲームに参入さんにゅうしたのか?”. セガハードだい百科ひゃっかしんサイト). セガ (2017ねん7がつ14にち). 2018ねん7がつ21にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2023ねん11月25にち閲覧えつらん
  6. ^ a b ほん日新にっしん発売はつばい れっ登場とうじょう!(「SC-3000」「SG-1000」の発売はつばいつたえるセガ・エンタープライゼスしゃ新聞しんぶん広告こうこく)」『電波でんぱ新聞しんぶん』1983ねん7がつ15にち、23めん[ちゅう 1]
  7. ^ a b セガしゃちょうてい価格かかく高性能こうせいのうのパソコン 7がつ発売はつばい」『ゲームマシン』だい213ごう(アミューズメント通信つうしんしゃ)1983ねん6がつ1にち、1めんオリジナルの2019ねん11月20にち時点じてんにおけるアーカイブ。
  8. ^ てい価格かかくパソコン開発かいはつ セガ・エンタープライゼス 48Kバイトまで拡張かくちょう可能かのう」『電波でんぱ新聞しんぶん』1983ねん5がつ24にち、2めん
  9. ^ セガしゃ上級じょうきゅう追加ついかなどで パソコン部門ぶもん強化きょうか 4しょくプリンター発売はつばい」『ゲームマシン』だい228ごう(アミューズメント通信つうしんしゃ)1984ねん1がつ15にち、4めんオリジナルの2019ねん11月20にち時点じてんにおけるアーカイブ。
  10. ^ 「セガ・エンタープライゼス パソコン部門ぶもん強化きょうか 上級じょうきゅう機種きしゅ周辺しゅうへん機器きき投入とうにゅう」『日経にっけい産業さんぎょう新聞しんぶん』1983ねん12月12にち、10めん
  11. ^ a b c セガしゃ家庭かていようTVゲームで ゲーム専用せんようも ──「SG-1000」を発表はっぴょう」『ゲームマシン』だい216ごう(アミューズメント通信つうしんしゃ)1983ねん7がつ15にち、6めんオリジナルの2019ねん12月1にち時点じてんにおけるアーカイブ。
  12. ^ 鎌田かまたとし「「ファミコン」で「大儲おおもうけ」したおとこたち」『プレジデント』だい24かんだい4ごうプレジデントしゃ、1986ねん4がつ、328-341ぺーじdoi:10.11501/2802646 
  13. ^ 前田まえだひろ『あのころしかったホビーパソコンカタログ』ジーウォーク、2021ねん7がつ29にち、120ぺーじISBN 9784867170410 
  14. ^ 週刊しゅうかんファミ通ふぁみつう2013ねん8がつ29にち増刊ぞうかんごう別冊べっさつ付録ふろく SEGA CONSUMER 30th ANNIVERSARY BOOK 佐藤さとう秀樹ひできもとセガ社長しゃちょう(SC-3000からドリームキャストまで、セガのすべての家庭かていようハード設計せっけい開発かいはつかかわっていた人物じんぶつ)のインタビュー参照さんしょう
  15. ^ 『テクノポリス』1983ねん7がつごう徳間書店とくましょてん、9ぺーじ 
  16. ^ 「パソコン市場いちば本格ほんかく参入さんにゅう」『電波でんぱ新聞しんぶん』1983ねん5がつ9にち、4めん

外部がいぶリンク

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