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テート・ギャラリー

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Tateから転送てんそう
2000ねん改組かいそさいさだめられたウルフ・オリンズしゃのデザインによるテイトのロゴ

テート(テイト) (Tate) は、イギリス政府せいふつイギリス美術びじゅつコレクションやきん現代げんだい美術びじゅつコレクションを所蔵しょぞう管理かんりする組織そしきで、ロンドンなど各地かくちにある国立こくりつ美術館びじゅつかん運営うんえいする。2000ねん改組かいそ以前いぜんテート(テイト)・ギャラリー (Tate Gallery) とばれたが、それ以後いごはテート・ギャラリーとばれることはなく、たんテイト(Tate)という。

歴史れきし

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テムズがわからテート・ブリテン
ミレニアム・ブリッジからテート・モダン
埠頭ふとう地区ちく、アルバート・ドックにあるテート・リバプール
セント・アイヴスの浜辺はまべテート・セント・アイヴス

砂糖さとう精製せいせいとく角砂糖かくざとう特許とっきょ買収ばいしゅう製造せいぞうざいしたサー・ヘンリー・テートが、自身じしんのイギリスどう時代じだい絵画かいがのコレクションを1889ねんナショナル・ギャラリー寄贈きぞうしようとしたことが発端ほったんであった。ナショナル・ギャラリーは、場所ばしょ余裕よゆうがないと却下きゃっかしたが、このことはイギリス国内こくないに「どう時代じだい絵画かいが展覧てんらんする美術館びじゅつかん開館かいかんせよ」という議論ぎろんこした。とく当時とうじフランスどう時代じだい作品さくひん展示てんじする国立こくりつ美術館びじゅつかんリュクサンブール美術館びじゅつかん開設かいせつし、国内外こくないがい芸術げいじゅつ愛好あいこうあつめていたことがイギリスじん刺激しげきした。紆余曲折うよきょくせつすえ国立こくりつのイギリス美術びじゅつ展示てんじかんあらたに建設けんせつすることが決定けっていし、ヘンリー・テートのあつめた絵画かいが素描そびょう彫刻ちょうこくなどのコレクションとナショナル・ギャラリー所蔵しょぞうのイギリス絵画かいがをもとに、ナショナルギャラリーの分館ぶんかんナショナル・ギャラリー・オブ・ブリティッシュ・アート」がロンドン南部なんぶ、ミルバンク地区ちくテムズがわほとり1897ねん開設かいせつされた。1955ねんからは分館ぶんかんではなく、独自どくじ組織そしきテート・ギャラリー」になっている。

当初とうしょはナショナル・ギャラリーに収蔵しゅうぞうしきれないイギリスの美術びじゅつ作品さくひん1790ねん以降いこうまれた作家さっかによるもの)を収蔵しゅうぞう展示てんじすることが設立せつりつしゅ目的もくてきで、ゲインズバラホガースターナーラファエルまえなどのかく時代じだいのイギリス絵画かいが名品めいひん徐々じょじょそろえていった。20世紀せいき初頭しょとうにはなん増築ぞうちくおこなわれ、テューダーあさ以降いこう歴史れきしてき作品さくひん収集しゅうしゅう範囲はんいくわわった。1916ねん、サー・ヒュー・レーンの収集しゅうしゅうした海外かいがい作品さくひん遺贈いぞうれたことをきっかけに、外国がいこく近代きんだい美術びじゅつ現代げんだい美術びじゅつ収集しゅうしゅう展示てんじはじめたが、所蔵しょぞう作品さくひん増加ぞうかによって、展示てんじ場所ばしょ収蔵しゅうぞう不足ふそくなやまされることになった。

また、テート・ギャラリーはニューヨーク近代きんだい美術館びじゅつかん、パリのポンピドゥー・センターなど、世界せかいてき現代げんだい美術館びじゅつかんにかなう規模きぼではなかったため、ロンドンにきん現代げんだい美術びじゅつあたらしい美術館びじゅつかん待望たいぼうされていた。1980年代ねんだい以降いこうテート・ギャラリーはリバプールセント・アイヴス分館ぶんかん開館かいかんする一方いっぽう、ナショナル・ギャラリーやヴィクトリア&アルバート美術館びじゅつかんふくめた国立こくりつほか美術館びじゅつかんと、再編さいへん役割やくわり分担ぶんたんについて検討けんとうした。その結果けっか、テート・ギャラリーの新館しんかんをロンドンにつくり、ミルバンクの本館ほんかんをイギリス美術びじゅつのギャラリーに、新館しんかんきん現代げんだい美術びじゅつのギャラリーにする方針ほうしんめられた。こうして2000ねん新館しんかん「テート・モダン」が完成かんせいよく2001ねんにミルバンクのテート・ギャラリーが「テート・ブリテン」としてさい開館かいかんし、現在げんざいいたっている。2000ねんをもって、テート・ギャラリーおよびその分館ぶんかんは、テートのかんする4つの国立こくりつ美術館びじゅつかん連合体れんごうたいである「テート」へと改組かいそされた。

テートのコレクションは4つのかん共有きょうゆうする一体いったいのものであり、定期ていきてき各館かくかんでのコレクションの移動いどうおこなわれている。

テートの構成こうせい

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テートはイギリス政府せいふ文化ぶんか・メディア・スポーツしょうぞくする外郭がいかく公共こうきょう団体だんたいNon-departmental public bodyしょう公共こうきょう団体だんたいとも、政府せいふ部門ぶもん公共こうきょう機構きこうとも[1])に位置いちづけられている[2]。ロンドンに2つ、地方ちほうに2つのかんがあり独自どくじ企画きかくてんおこなっている。またインターネットじょうのサイトも、各館かくかん同等どうとう事業じぎょうとみなされている。

テートはミルバンクのテート・ブリテンに本部ほんぶき、評議ひょうぎ委員いいんかいのもと管理かんりされ、キュレーター、保存ほぞん修復しゅうふく技術ぎじゅつしゃ展示てんじ保管ほかん技術ぎじゅつしゃ調査ちょうさ部門ぶもん総務そうむ部門ぶもん教育きょういく活動かつどう部門ぶもんたい企業きぎょう活動かつどう部門ぶもんのほか、雑誌ざっし美術びじゅつしょ発行はっこうする出版しゅっぱんしゃなどもかかえている。文化ぶんか・メディア・スポーツしょう資金しきんのほか、各種かくしゅ基金ききんなどからの寄付きふ運営うんえいされている。

テート・ブリテン
1500年代ねんだいテューダーあさ以降いこう現代げんだいいたるまでの、絵画かいが中心ちゅうしんとしたイギリス美術びじゅつ時代じだいじゅん展示てんじする。従来じゅうらいのミルバンク地区ちく建物たてもの改修かいしゅうして使用しよう。テート・ブリテンの最大さいだい特色とくしょくは、ラファエルまえなどヴィクトリアあさ時代じだい名品めいひんもさることながら、J.M.W.ターナー自身じしんから寄贈きぞうされたかれ初期しょきから晩年ばんねんまでの充実じゅうじつした作品さくひんぐん展示てんじである。これはクロア・ギャラリーに常設じょうせつ展示てんじされている。また毎年まいとしテートが主催しゅさいする「ターナーしょうてん会場かいじょうとなっている。1897ねん開設かいせつ2001ねんさい開館かいかん
テート・モダン
20世紀せいき以降いこう国内外こくないがい美術びじゅつ・デザインを、時代じだいをシャッフルさせて「人物じんぶつ」「風景ふうけい」などテーマごとに展示てんじ。テート・モダンは当初とうしょ新築しんちくかんがえられたが、予算よさん適当てきとう場所ばしょがなく計画けいかく難航なんこうしていたところ、シティからはテムズがわ対岸たいがんにあたる、荒廃こうはいしたサザークっていた、きゅうバンクサイド発電はつでんしょ巨大きょだい建物たてもの改修かいしゅうしてさい利用りようするあんとおり、スイスの建築けんちくヘルツォーク&ド・ムーロン設計せっけいにより2000ねん開館かいかんした。
なお、19世紀せいき以前いぜん国内外こくないがい西洋せいよう)の美術びじゅつナショナル・ギャラリーが、19世紀せいき以前いぜん西欧せいおう以外いがい美術びじゅつひんはヴィクトリア&アルバート美術館びじゅつかんだいえい博物館はくぶつかん担当たんとうし、イギリスの20世紀せいき美術びじゅつについてはテート・ブリテンとテート・モダンの両方りょうほう展示てんじされることになる。
テート・ブリテンとテート・モダンのりょうかんあいだは、「Tate to Tate service」とばれる船便せんびんが、テムズがわもちいて頻繁ひんぱんにシャトル運行うんこうしている。また定期ていきせんりょう美術館びじゅつかんまえ船着場ふなつきばとおっている。
テート・リバプール
サー・ヘンリー・テートゆかりのリバプール港湾こうわんにあるアルバート・ドックふる倉庫そうこ建物たてものさい開発かいはつ1988ねん開設かいせつ地元じもと住民じゅうみん専門せんもんたいする教育きょういく企画きかくとく子供こどもたちがテート・コレクションのなかから作品さくひんえらびカタログなどもつく展覧てんらんかい作成さくせい企画きかく『ヤング・テート』がユニークなものである。
テート・セント・アイヴス
南部なんぶコーンウォール半島はんとうのリゾートでアーティストむらだった港町みなとちょうセント・アイヴス1993ねん開設かいせつ。この制作せいさくしたバーバラ・ヘップワースベン・ニコルソンら、このおとずれたモンドリアンナウム・ガボらの作品さくひん中心ちゅうしん展示てんじ近隣きんりんのバーバラ・ヘップワースのアトリエや彫刻ちょうこく庭園ていえん管理かんりしている。
テート・オンライン
テートのウェブサイト。来館らいかんできない世界中せかいじゅう人々ひとびとたい活動かつどう所蔵しょぞうひん研究けんきゅう成果せいか紹介しょうかいするほか、インターネットアートなどの紹介しょうかい企画きかくおこな[3]もので、テート番目ばんめのギャラリーと位置いちづけられる。1998ねん開設かいせつ

ターナーしょう

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テートは1984ねんより、イギリス在住ざいじゅう重要じゅうよう活動かつどうをした現代げんだい美術びじゅつ作家さっかたいして授与じゅよされる「ターナーしょう」を主催しゅさいしている。外部がいぶ選考せんこう委員いいんまじえて候補者こうほしゃすうめいまでしぼり、テート・ブリテンで候補者こうほしゃらによるグループてん「ターナーしょうてん」を開催かいさいする。その最終さいしゅう選考せんこうおこない、俳優はいゆうなど各界かくかいセレブリティあつめたパーティーで受賞じゅしょうしゃ発表はっぴょうする。その模様もようはゴールデンタイムにチャンネル4なま中継ちゅうけいされ、選考せんこう結果けっか美術びじゅつ関係かんけいしゃからタブロイドまで様々さまざま人々ひとびと異論いろん反論はんろんなどをんでいる。

おも収蔵しゅうぞうひん

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関連かんれん項目こうもく

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脚注きゃくちゅう

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外部がいぶリンク

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  • Tate 公式こうしきウェブサイト英語えいご
  • ウィキメディア・コモンズには、テート・ギャラリーかんするカテゴリがあります。