vDSO

  vDSO (virtual dynamic shared object) は、注意深ちゅういぶかく選択せんたくされた kernel space ルーチン群ぐんを、user space 上じょうのアプリケーションにエクスポートするための、カーネルメカニズムである。これにより、アプリケーションは、それらカーネル空間くうかんルーチンを、システムコール インタフェースを使用しようして、それらの同おなじカーネル空間くうかんルーチンを呼よび出だす時ときに固有こゆうの、user mode から カーネルモード への コンテキストスイッチ によるパフォーマンス低下ていかなしに、プロセス内ないで呼よび出だせる。

vDSO は、リンク と ロード に標準ひょうじゅんのメカニズムを使用しようする。すなわち、標準ひょうじゅんの Executable and Linkable Format (ELF) 形式けいしきである。 vDSO は、いくつかのカーネル機能きのうを公開こうかいする、ユーザ空間くうかんに割わり当あてられたメモリ領域りょういきである。vDSO iは dynamically allocated、offers improved safety through アドレス空間くうかん配置はいちのランダム化か を使つかって安全あんぜん性せいが向上こうじょうされ、4つ以上いじょうのシステムコールをサポートする。glibc のようないくつかの 標準ひょうじゅんCライブラリ は vDSO リンクを提供ていきょうするため、カーネルが vDSO をサポートしていない場合ばあいは、従来じゅうらいからの システムコール が作成さくせいされる。 vDSO は単純たんじゅんなカーネルルーチン呼よび出だしオーバヘッドを削減さくげんするのに役立やくだち、IA-32 のようなある種しゅの コンピュータ・アーキテクチャ では、最適さいてきなシステムコールメソッドを選択せんたくする方法ほうほうとしても機能きのうする。 他たの方ほう補ほよりも優すぐれている点てんは、エクスポートされたルーチンが、適切てきせつな DWARF (Debug With Attributed Record Format) デバッグ情報じょうほうを提供ていきょう出来できることである。実装じっそうは一般いっぱん的てきに、vDSO を見みつけるための、ダイナミックリンカ中ちゅうのフックを示しめしている。

vDSO は vsyscall 機能きのうを、その制限せいげんを克服こくふくして提供ていきょうするために開発かいはつされた。すなわち、4つのシステムコールしか使つかえない statically allocated 少量しょうりょうのメモリ、各かくプロセスで同どう一いちアドレスの アプリケーションバイナリインタフェース (ABI) によるセキュリティの妥協だきょうである。このセキュリティ問題もんだいは en:emulating a virtual system callによって緩和かんわされたが、エミュレーションにより遅延ちえんが増加ぞうかする。