神歌 抄
无者
也安
しなかとるやゐなのみなとにやあいそいるふねのかちよくませふねかたふくなふねかたふくな
わかくさのやいもゝのきたりやあいそわれものりたやふねかたふくなふねかたふくな
しなかとるやゐなのふしはらやあいそとひてくるしきかはおとはおとおもしろきしきかはおとはおと
しなかとるやゐなのみなとにやあいそあみさすやわかきのきみはいくらとりけむいくらとりけむ
わきもこにやひとよはたふれあいそあやまりにしよりとりもとられすとりもとられす
しかりともやわかきのきみはやあいそいつゝとりむつとりとりなゝつとりやつとりとりこゝのよとをはとりけむとをはとりけむ
こもまくらやたかきのよとにやあいそたかにへひとそしきつきのほるあみおろしさてさしのほる
さゝなみやしかのからさきみしねつくをみなのよさそれもかゝれもかいとこせまいとこせにせむ
あしはらたのいなつきかにのおのれさへよめをえすとてさゝけてはおろしおろしてはさゝけかひなけをするやかひなけかひなけをするや
宇恵
うゑつきやたなかのもりやもりやてふかさのあさかはらに
われをきてふたつまとるなとるなてふさかのあさちかはら
あけまきをわたさたにやりてそをふとそをもふそをもふそをもふと
そをもふとなにもはすをり
おほみやのちひさことねりてゝやてゝやたまならはてゝや
みなとたにくゝひやつをりとろちなやとろちなやゝつなからとろちなや
蛬
きり/\すねたさうれたさみそのふにまゐりてきのねをほりはむておさまさつのをれぬおさまさおさまさつのおれぬ
いつれそもとゝまり
かのさきこえて
此哥
いきしまのあまもときらかにたりほのおけおけたくほの
たくほのにそのさきさきかをりありひおけおけかをりありひ
おほきみのぬきをはやまのわかさくおけおけわかさく
わかさくわれをりにゆくふかちさをひとかきおけおけおけおけ
あかほしは
とく
ゆふつくるしのゝはらのあさたつねあさたつね
此後
あさくらやきのまろとのにわかをれは
わかをれはなのりをしつゝゆくやたれ
此間
底本
[- 『
平安 神歌 抄 ・平安 神楽 和琴 秘 譜 』二玄社 〈日本 名跡 叢 刊 〉、1984年 。