元げん史ふみ/卷まき069

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元もと史し卷まき六ろく十じゅう九きゅう 志こころざし第だい二に十じゅう

► 卷まき七なな十じゅう

禮樂れいがく三さん

郊祀樂章がくしょう

成なり宗むね大德だいとく六ろく年ねん，合ごう祭さい天地てんち五ご方ぽう帝みかど樂章がくしょう：

降くだ神かみ，奏そう乾いぬい寧やすし之これ曲きょく，六ろく成なり：

圜鐘宮みや三成みつなり

惟おもんみ皇すめらぎ上帝じょうてい，監かん德とく昭明しょうめい。祖そ考かんがえ承うけたまわ天てん，治ち底そこ隆平りゅうへい。孝こう思おもえ維則，禋祀薦こも誠まこと。神かみ其降格こうかく，萬福ばんぷく來らい并。

黃き鐘がね角すみ一成いっせい〈詞し同前どうぜん。〉

太ふと簇むらが徵しるし一成いっせい〈詞し同前どうぜん。〉

姑しゅうと洗あらい羽わ一成いっせい〈詞し同前どうぜん。〉

初はつ獻けんじ盥たらい洗あらい，奏そう肅寧之の曲きょく：

黃き鐘しょう宮みや

明水あけみ在ざい下した，鐘鼓しょうこ既すんで奏そう。有ゆう孚まこと顒若，陟のぼる降くだ左右さゆう。辟公處しょ止どめ，多士たし祼將。吉よし蠲以祭さい，上帝じょうてい其饗。

初はつ獻けんじ升ます降くだ，奏そう肅寧之の曲きょく：

大呂おおろ宮みや

禋祀孔あな肅，盥たらい薦こも初はつ升ます。^[1]攝と齊ひとし恭敬きょうけい，以薦惟おもんみ馨かおる。肅雝多士たし，來らい格かく百ひゃく靈れい。降くだ福受ふくじゅ釐，萬世ばんせい其承。

奠玉幣ぬさ，奏そう：

大呂おおろ宮みや

宗むね祀まつ配はい饗きょう，肇はじめ舉明禋。嘉よしみ玉だま既設きせつ，量りょう幣ぬさ斯陳。惟おもんみ德とく格かく天てん，惟おもんみ誠まこと感かん神しん。於萬まん斯年，休きゅう命いのち用よう申さる。

迎むかい俎まないた，奏そう豐ゆたか寧やすし之これ曲きょく：

黃き鐘しょう宮みや

有ゆう碩せき斯俎，有ゆう滌斯牲。鑾刀屢奏，血ち膋載升ます。禮れい崇たかし繭まゆ栗ぐり，氣き達たち尚なお腥なまぐさ。上帝じょうてい臨止，享とおる于克誠まこと。

酌しゃく獻けんじ，奏そう嘉よしみ寧やすし之これ曲きょく：

大呂おおろ宮みや

崇たかし崇たかし泰たい畤，穆きよし穆きよし昊ひろし穹。神かみ之の格かく思おもえ，肸蠁斯通。犧尊載の列れつ，黃き流りゅう在中ざいちゅう。酒さけ既すんで和わ止どめ，萬福ばんぷく攸同。

亞あ獻けんじ，奏そう咸寧之の曲きょく：

黃き鐘しょう宮みや

六ろく成なり既すんで闋，三獻さんこん云うん終おわり。神かみ其醉止どめ，穆きよし穆きよし雍雍。和風わふう慶けい雲くも，賁我郊宮。受茲祉福，億おく載の無む窮きゅう。

終おわり獻けんじ〈詞し同前どうぜん。〉

徹とおる籩豆，奏そう豐ゆたか寧やすし之これ曲きょく：

大呂おおろ宮みや

禋禮既すんで備，神かみ具ぐ宴えん娭。籩豆有ゆう楚すわえ，廢はい徹てっ不ふ遲おそ。多士たし駿しゅん奔，樂らく且有儀ぎ。乃錫純じゅん嘏，永えい佐たすく丕基。

送おく神かみ奏そう：

圜鐘宮みや

殷いん祀まつ既すんで畢，靈れい馭載旋。禮れい洽あまね和やわ應おう，降くだ福ぶく自じ天てん。動どう植うえ咸若，陰陽いんよう不ふ愆。明あかり明天子めいてんし，億おく萬まん斯年。

望もち燎奏：

黃き鐘しょう宮みや

享とおる申さる百ひゃく禮れい，慶けい洽あまね百ひゃく靈れい。奠玉高だか壇だん，燔柴廣こう庭にわ。祥さち光ひかり達たち曙あけぼの，粲つばら若わか景けい星ぼし。神かみ之の降くだ福ぶく，萬國ばんこく咸寧。

大德だいとく九きゅう年ねん以後いご，定てい擬なずらえ親おや祀まつ樂章がくしょう：

皇帝こうてい入いれ中ちゅう壝：

黃き鐘しょう宮みや

赫赫かくかく有ゆう臨，洋洋ようよう在ざい上うえ。克かつ配はい皇祖こうそ，於穆來らい饗きょう。肇はじめ此大禋，乾いぬい文弘ふみひろ朗ろう。被ひ袞圜兵へい，巍巍ぎぎ玄げん象ぞう。

皇帝こうてい盥たらい洗あらい：

黃き鐘しょう宮みや

翼翼よくよく孝こう思おもえ，明德めいとく洽あまね禮れい。功こう格かく玄げん穹，有光ありみつ帝みかど始はじめ。著しる我わが精せい誠まこと，潔きよし茲薦洗あらい。幣ぬさ玉だま攸奠，永なが集しゅう嘉よしみ祉。

皇帝こうてい升ます壇だん：〈降くだ同どう。〉

大呂おおろ宮みや

天てん行ぎょう惟おもんみ健けん，盛德せいとく御ご天てん。日月じつげつ龍りゅう章あきら，筍たけのこ簴宮縣けん。藁わら鞂尚明あきら，禮れい璧蒼圜。神かみ之の格かく思おもえ，香こう升ます燔煙。

降くだ神かみ，奏そう天成てんせい之の曲きょく：

圜鐘宮みや三成みつなり

烝哉皇すめらぎ元もと，丕承帝みかど眷。報むくい本ほん貴き誠まこと，于郊殷いん薦こも。藁わら鞂載陳ひね，雲くも門もん六ろく變へん。神かみ之の格かく思おもえ，來らい處しょ來らい燕つばめ。

黃き鐘がね角すみ一成いっせい

太ふと簇むらが徵しるし一成いっせい

姑しゅうと洗あらい羽わ一成いっせい〈詞し並なみ同前どうぜん。〉

初はつ獻けんじ盥たらい洗あらい，奏そう隆りゅう成之しげゆき曲きょく：

黃き鐘しょう宮みや

肇はじめ禋南郊なんこう，百ひゃく神かみ受職。齊ひとし潔きよし惟おもんみ先さき，匪馨于稷。迺沃迺盥，祠ほこら壇だん是ただし陟のぼる。上帝じょうてい監かん觀かん，其儀不ふ忒。

初はつ獻けんじ升ます壇だん，〈降くだ同どう。〉奏かなで隆りゅう成之しげゆき曲きょく：

大呂おおろ宮みや

於穆圜壇，陽ひ郊奠位い。孔あな惠めぐみ孔あな時じ，吉よし蠲為饎。降くだ登とう祗若，百ひゃく禮れい既すんで至いたり。願ねがい言げん居きょ歆，允まこと集しゅう熙事。

奠玉幣ぬさ，〈正せい配はい位い同どう。〉奏そう欽成之の曲きょく：

黃き鐘しょう宮みや

謂いい天蓋てんがい高だか，至誠しせい則そく格かく。克かつ祀まつ克かつ禋，駿しゅん奔百ひゃく辟。制せい幣ぬさ斯陳，植うえ以蒼璧。神かみ其降康やすし，俾我來らい益えき。

司つかさ徒と捧ささげ俎まないた，奏そう寧やすし成之しげゆき曲きょく：

黃き鐘しょう宮みや

我わが牲既潔きよし，我わが俎まないた斯實。笙しょう鏞克諧，籩豆有ゆう飶。神來かみく宴えん娭，歆茲明德めいとく。永えい錫すず繁しげる禧，如幾如式。

昊ひろし天上てんじょう帝位ていい酌しゃく獻けんじ，奏そう明成めいせい之の曲きょく：

黃き鐘しょう宮みや

於昭昊ひろし天てん，臨下有ゆう赫。陶すえ匏ふくべ薦こも誠まこと，馨かおる聞在德とく。酌しゃく言げん獻けんじ之これ，上うえ靈れい是ぜ格かく。降くだ福ぶく孔あな偕，時じ萬まん時じ億おく。

皇すめらぎ地祇ちぎ位い酌しゃく獻けんじ：

大呂おおろ宮みや

至いたり哉坤元もと，與あずか天てん同どう德とく。函はこ育そだて羣生，玄げん功こう莫測。合ごう饗きょう圜壇，舊きゅう典てん時じ式しき。申さる錫すず無む疆，聿寧皇國こうこく。

太ふとし祖そ位い酌しゃく獻けんじ：

黃き鐘しょう宮みや

禮れい大だい報ほう本ほん，郊定天てん位い。皇すめらぎ皇すめらぎ神祖しんそ，反はん始はじめ克かつ配はい。至德しとく難なん名めい，玄げん功こう宏ひろし濟ずみ。帝みかど典てん式しき敷じき，率りつ育そだて攸塈。

皇帝こうてい飲いん福ぶく：

大呂おおろ宮みや

特とく牲享誠まこと，備物循質。上帝じょうてい居きょ歆，百ひゃく神かみ受職。皇すめらぎ武昭たけあき宣せん，孝こう祀まつ芬苾。萬福ばんぷく攸同，下した民みん陰かげ隲。

皇帝こうてい出入でいり小しょう次じ：

黃き鐘しょう宮みや

惟おもんみ天てん惟おもんみ大だい，惟おもんみ帝みかど饗きょう帝みかど。以配祖そ考かんがえ，肅贊靈れい祉。定てい極きょく崇たかし功こう，永なが我わが昭あきら事ごと。升ます中ちゅう于天，象ぞう物ぶつ畢至。

文ぶん舞まえ退ずさ，武たけ舞まい進すすむ，奏そう和かず成之しげゆき曲きょく：

黃き鐘しょう宮みや

羽はね籥既竣，載の揚玉あげだま戚。一いち弛たゆ一いち張ちょう，匪舒匪棘。八はち音おと克かつ諧，萬ばん舞まい有ゆう奕。永觀えいかん厥成，純じゅん嘏是錫すず。

亞あ終おわり獻けんじ，奏そう和かず成之しげゆき曲きょく：

黃き鐘しょう宮みや

有ゆう嚴げん郊禋，恭きょう陳ひね幣ぬさ玉だま。大だい糦是承うけたまわ，載の祗載肅。上帝じょうてい居きょ歆，馨かおる香が既すんで飫。惠めぐみ我わが無む疆，介かい以景福ぶく。

徹とおる籩豆，奏そう寧やすし成之しげゆき曲きょく：

大呂おおろ宮みや

三獻さんこん攸終，六ろく樂らく斯徧。既すんで右みぎ享とおる之の，徹とおる其有踐。洋洋ようよう在ざい上うえ，默默もくもく靈れい眷。明あかり禋告成なり，於皇錫すず羨とも。

送おく神かみ，奏そう天成てんせい之の曲きょく：

圜鐘宮みや

神かみ之の來き歆，如在左右さゆう。神保じんぼう聿歸，靈れい斿先後ご。恢恢上じょう圓えん，無聲むせい無臭むしゅう。日にち監かん孔あな昭あきら，思おもえ皇すめらぎ多た祐ゆう。

望もち燎，奏そう隆りゅう成之しげゆき曲きょく：

黃き鐘しょう宮みや

熙事備成，禮文れぶん郁郁いくいく。紫煙しえん聿升，靈光れいこう下か燭しょく。神人しんじん樂らく康やすし，永えい膺戩穀こく。祚我丕平，景けい命いのち有ゆう僕ぼく。

皇帝こうてい出で中ちゅう壝：

黃き鐘しょう宮みや

泰たい壇だん承うけたまわ光ひかり，寥廊玄げん曖。暢とおる我わが揚あげ明あきら，饗きょう儀ぎ惟おもんみ大だい。九きゅう服ふく敬けい宣せん，聲こえ教きょう無む外そと。皇すめらぎ拜はい天祐てんゆう，照あきら臨斯屆とどけ。

宗廟そうびょう樂章がくしょう

世よ祖そ中ちゅう統すべ四よん年ねん至いたり至いたり元もと三さん年ねん，七なな室しつ樂章がくしょう：〈太ふと常つね集しゅう禮れい藁わら云うん，此係卷まき牘所載しょさい。〉

太ふとし祖そ第だい一室いっしつ：

天てん垂たれ靈れい顧，地ち獻けんじ中方なかほう。帝みかど力りょく所しょ拓ひらけ，神武じんむ莫當。陽ひ谿昧谷だに，咸服要よう荒あら。昭あきら孝明たかあき禋，神祖しんそ皇すめらぎ皇すめらぎ。

太ふとし宗むね第だい二に室しつ：

和かず林はやし勝まさる域いき，天てん邑地おうじ宮みや。（闕）〔四方しほう賓まろうど貢みつぎ〕，^[2]南北なんぼく來き同どう。（闕）〔百ひゃく〕司つかさ分ぶん置おけ，^[3]冑かぶと教きょう肇はじめ崇たかし。潤色じゅんしょく祖業そぎょう，德とく仰おおせ神かみ宗はじめ。

睿宗第だい三さん室しつ：

珍ちん符ふ默だま授，疇昔自じ天てん。爰生聖ひじり武たけし，寶祚ほうそ開ひらき先さき。霓旌迴狩，龍りゅう駕が遊ゆう僊。追おい遠どお如生，皇すめらぎ慕顒然しか。

皇すめらぎ伯はく考こう朮うけら赤あか第だい四よん室しつ：

威い（闕）〔武たけ〕鷹揚おうよう，冢位（闕）〔克かつ〕當とう。^[4]從したがえ龍りゅう遠どお拓ひらけ，千せん萬里ばんり疆。誕總虎とら旅たび，駐ちゅう壓あつ西方せいほう。航海こうかい梯かけはし山さん，東西とうざい來らい王おう。

皇すめらぎ伯はく考察こうさつ合あい帶たい第だい五ご室しつ：

雄武おうむ軍ぐん威い，滋しげる多た歷年れきねん。深謀しんぼう遠とお略ほぼ，協贊きょうさん惟おもんみ專せん。流りゅう沙すな西域せいいき，餞はなむけ日東にっとう邊べ。百ひゃく國こく畏服いふく，英えい聲ごえ赫然。

定宗さだむね第だい六ろく室しつ：

三さん朝あさ承うけたまわ休きゅう，恭きょう己おのれ優ゆう游ゆう。欽繩祖そ武たけ，其德聿修。帝みかど憗錫壽ことぶき，德澤とくさわ期き周しゅう。蠲饎惟おもんみ薌，祈いのり饗きょう于幽。

憲けん宗むね第だい七なな室しつ：

龍りゅう躍おど潛せん居い，風雲ふううん會かい通どおり。知ち民みん病苦びょうく，軫念宸衷。夔門之の旅たび，繼つぎ志こころざし圖ず功こう。俎まないた豆まめ敬けい祭さい，華はな儀ただし孔あな隆たかし。

至いたり元もと四よん年ねん至いたり十じゅう七なな年ねん，八はち室しつ樂章がくしょう：〈太ふと常つね集しゅう禮れい云うん，周しゅう馭所藏しょぞう儀ぎ注ちゅう所しょ錄ろく舞まい節ぶし同どう。〉

迎むかい神かみ，奏そう來らい成之しげゆき曲きょく，九きゅう成なり：

黃き鐘がね宮みや三成みつなり

齊ひとし明盛めいせい服ふく，翼翼よくよく靈れい眷。禮れい備多儀ぎ，樂らく成なり九きゅう變へん。烝烝孝心こうしん，若わか聞且見み。肸蠁端はし臨，來らい寧やすし來らい燕つばめ。

大呂おおろ角かく二成ふたなり〈詞し同どう黃き鐘がね。〉

太ふと簇むらが徵ちょう二成ふたなり〈詞し同どう黃き鐘がね。〉

應おう鐘かね羽わ二成ふたなり〈詞し同どう黃き鐘がね。〉

初はつ獻けんじ盥たらい洗あらい，奏そう肅成之の曲きょく：〈再さい詣まい盥たらい洗あらい同どう。至大しだい以後いご，名めい順じゅん成之しげゆき曲きょく，詞し律りつ同どう。〉

無む射い宮みや

天德てんとく維何，如水にょすい之の清きよし。維水內耀，配はい彼かれ天明てんめい。以滌以濯，犧象光こう晶あきら。孝こう思おもえ維則，式しき薦こも忱まこと誠まこと。

初はつ獻けんじ升ます殿どの，登とう歌か樂らく奏そう肅成之の曲きょく：〈降くだ同どう。〉

夾鐘宮みや

祀まつ事こと有ゆう嚴げん，太ふとし宮みや有ゆう侐。陟のぼる降くだ靡違。（孔あな）〔禮れい〕容よう翼翼よくよく。^[5]籩豆旅たび陳ひね，鐘しょう磬かおる翕繹。於昭吉きち蠲，神保じんぼ是ただし格かく。

司つかさ徒と捧ささげ俎まないた，奏そう嘉よしみ成之しげゆき曲きょく：〈別べつ本所ほんじょ錄ろく親おや祀まつ樂章がくしょう詞し同どう。〉

無む射い宮みや

色いろ純じゅん體からだ全ぜん，三さん犧五牲。鑾刀屢奏，毛もう炰胾羹あつもの。神かみ具ぐ厭いや飫，聽我磬かおる聲ごえ。居きょ歆有永ありなが，胡えびす考こう之の寧やすし。

烈れつ祖そ第だい一室いっしつ，奏そう開成かいせい之の曲きょく：

無む射い宮みや

於皇烈れつ祖そ，積せき厚あつ流りゅう長ちょう。大だい勳くん未み集しゅう，爕伐用よう張ちょう。篤あつ生なま聖せい嗣，奄有多おお方かた。錫すず我わが景けい福ぶく，萬世ばんせい無む疆。

太ふとし祖そ第だい二に室しつ，奏そう武たけ成之しげゆき曲きょく：

無む射い宮みや

天てん扶昌運うん，混こん一いち中華ちゅうか。爰有真人しんじん，奮起ふんき龍りゅう沙すな。際きわ天開てんかい宇，亘わたる海かい為ため家か。肇はじめ修おさむ禋祀，萬世ばんせい無涯むがい。

太ふとし宗むね第だい三さん室しつ，奏そう文ぶん成之しげゆき曲きょく：

無む射い宮みや

纂成前ぜん烈れつ，底そこ定てい丕圖。禮文れぶん簡省，禁きん網もう寬ひろし疏。還かえ風ふう太古たいこ，躋世華胥かしょ。三さん靈れい順じゅん協きょう，四海しかい無む虞おそれ。

皇すめらぎ伯はく考こう朮うけら赤あか第だい四よん室しつ，奏そう弼成之の曲きょく：

無む射い宮みや

神かみ支ささえ挺てい秀しゅう，右みぎ壤疏封ふう。創業そうぎょう艱難かんなん，相そう我わが祖宗そそう。敍じょ親おや伊い邇，論功ろんこう亦また崇たかし。春秋しゅんじゅう祭祀さいし，萬世ばんせい攸同。

皇すめらぎ伯はく考察こうさつ合あい帶たい第だい五ご室しつ，奏そう協きょう成之しげゆき曲きょく：

無む射い宮みや

玉たま牒期親おや，神かみ支ささえ懿屬。論ろん德とく疏封，展てん親分おやぶん玉だま。相あい我わが祖宗そそう，風ふう櫛くし雨う沐。昔むかし同どう其勞，今こん共きょう茲福。

睿宗第だい六ろく室しつ，奏そう明成めいせい之の曲きょく：

無む射い宮みや

神祖しんそ創業そうぎょう，爰著戎衣じゅうい。聖せい考こう撫なで軍ぐん，代行だいこう天てん威い。河南かなん底そこ定じょう，江北こうほく來らい歸き。貽謀翼つばさ子こ，奕葉重じゅう輝てる。

定宗さだむね第だい七なな室しつ，奏そう熙成之の曲きょく：

無む射い宮みや

嗣承丕祚，累るい洽あまね重じゅう熙。堂どう構既定きてい，垂たれ拱無為ため。邊あたり庭にわ閑暇かんか，田た里さと安やす綏。歆茲禋祀，萬世ばんせい攸宜。

憲けん宗むね第だい八はち室しつ，奏そう威い成之しげゆき曲きょく：

無む射い宮みや

羲馭未み出で，螢ぼたる爝騰光こう。大明だいめい麗うらら天てん，羣陰披攘。百ひゃく神かみ受職，四海しかい寧やすし康やすし。愔愔靈れい韶，德とく音おん不ふ忘。

文ぶん舞まえ退ずさ，武たけ舞まい進すすむ，奏そう和かず成之しげゆき曲きょく：〈別べつ本所ほんじょ錄ろく親おや祀まつ樂章がくしょう詞し同どう。〉

無む射い宮みや

天生あもう五ご材ざい，孰能去さ兵へい。恢張鴻おおとり業ぎょう，我わが祖そ天聲てんせい。干戈かんか曲きょく盤ばん，濯濯厥靈。於赫七なな德とく，展也たつや大成たいせい。

亞あ獻けんじ行くだり禮れい，奏そう順じゅん成之しげゆき曲きょく：〈終おわり獻詞けんし律りつ同どう。〉

無む射い宮みや

幽かそけ通どおり神明しんめい，所しょ重じゅう精せい禋。清宮きよみや肅肅しゅくしゅく，百ひゃく禮れい具陳ぐちん。九きゅう韶克諧，八はち佾兟兟。靈れい光昭みつあき答こたえ，天てん休日きゅうじつ申さる。

徹とおる籩豆，登とう歌か樂らく奏そう豐成とよしげ之の曲きょく：

夾鐘宮みや

豆まめ籩苾芬，金石かねいし鏘鏗。禮れい終おわり三獻さんこん，樂らく奏そう九きゅう成なり。有ゆう嚴げん執事しつじ，進しん徹とおる無聲むせい。神保じんぼう聿歸，萬福ばんぷく來らい寧やすし。

送おく神かみ，奏そう來らい成之しげゆき曲きょく：〈或ある作さく保ほ成なり。〉

黃き鐘しょう宮みや

神主かんぬし在室ざいしつ，神靈しんれい在天ざいてん。禮れい成なり樂らく（閟）〔闋〕，^[6]神かみ返かえし幽玄ゆうげん。降くだ福ぶく冥冥めいめい，百ひゃく順じゅん無む愆。於皇孝こう思おもえ，于萬まん斯年。

至いたり元もと十じゅう八はち年ねん冬ふゆ十じゅう月がつ，世せい祖そ皇后こうごう祔廟酌しゃく獻けんじ樂章がくしょう：〈太ふと常つね集しゅう禮れい云うん，卷かん牘所載しょさい。〉

〔黃き鐘がね宮みや〕^[7]

徽柔懿哲，溫ぬる默だま靖やすし恭きょう。範はん儀ぎ宮みや閫，任にん姒同風ふう。敷じき天てん寧やすし謐，內助多功たこう。淑德しゅくとく祔廟，萬まん世せい昌隆まさたか。

親おや祀まつ禘祫樂章がくしょう：〈未み詳しょう年月としつき。太ふと常つね集しゅう禮れい云うん，別べつ本所ほんじょ錄ろく。以時考こう之の，疑うたぐ至いたり元もと三さん年ねん以前いぜん擬なずらえ用よう，詳しょう見み制せい樂らく始末しまつ。〉

皇帝こうてい入門にゅうもん，宮みや縣けん奏そう順じゅん成之しげゆき曲きょく：

無む射い宮みや

熙熙雍雍，六ろく合ごう大同だいどう。維皇有ゆう造づくり，典禮てんれい會かい通どおり。金かね奏そう王おう夏なつ，祗款神宮じんぐう。感かん格かく如響，嘉よしみ氣き來らい叢くさむら。

皇帝こうてい升ます殿どの，奏そう順じゅん成之しげゆき曲きょく：

夾鐘宮みや

皇すめらぎ明あかり燭しょく幽かそけ，沿時制作せいさく。宗廟そうびょう之の威い，降くだ登とう時じ若わか。趨以采さい茨いばら，聲こえ容よう有ゆう恪つとむ。曰藝曰文，監かん茲衎樂らく。

皇帝こうてい詣まい罍洗，宮みや縣けん奏そう順じゅん成之しげゆき曲きょく：〈太ふと常つね集しゅう禮れい云うん，至いたり元もと四よん年ねん用よう此曲，名めい曰肅成なり。至大しだい以後いご用よう此，詞し律りつ同どう。〉

無む射い宮みや

酌しゃく彼かれ行ぎょう潦にわたずみ，維挹其清。潔いさぎよ齊ひとし以祀，祀まつ事こと昭明しょうめい。肅肅しゅくしゅく辟公，沃盥乃升。神かみ之の至いたり止どめ，歆于克かつ誠まこと。

皇帝こうてい詣まい酌しゃく尊みこと所しょ，宮みや縣けん奏そう順じゅん成之しげゆき曲きょく：

無む射い宮みや

靈れい庭にわ愔愔，乃神攸依。文ぶん為ため在ざい禮れい，載の斟匪祈いのり。皇すめらぎ皇すめらぎ穆きよし穆きよし，玉たま佩聲希まれ。列侯れっこう百ひゃく辟，濟濟せいせい（闕）〔宣せん〕威い。^[8]

迎むかい神かみ，宮みや縣けん奏そう思おもえ成之しげゆき曲きょく。〈至いたり元もと四よん年ねん，名めい來らい成之しげゆき曲きょく，詞し律りつ同どう。〉

司つかさ徒と捧ささげ俎まないた，宮みや縣けん奏そう嘉よしみ成之しげゆき曲きょく。〈至いたり元もと四よん年ねん，詞し律りつ同どう。〉

酌しゃく獻けんじ始祖しそ，宮みや縣けん奏そう慶けい成之しげゆき曲きょく：

無む射い宮みや

啟運けいうん流りゅう光こう，幅員ふくいん既すんで長ちょう。敬たかし恭きょう祀まつ事こと，欝うつ鬯芬薌。德とく以舞象ぞう，功こう以歌揚あげ。式しき歌か且舞，神かみ享とおる是ぜ皇すめらぎ。

諸しょ廟びょう奏そう熙成、昌あきら成なり、鴻おおとり成なり、樂らく成なり、康成やすなり、明成めいせい等とう曲きょく。〈詞し闕。〉

文ぶん舞まえ退ずさ，武たけ舞まい進すすむ，宮みや縣けん奏そう肅成之の曲きょく。〈至いたり元もと四よん年ねん，名和なわ成之しげゆき曲きょく，詞し律りつ同どう。〉

亞あ終おわり獻けんじ，宮みや縣けん奏そう肅成之の曲きょく。〈至いたり元もと四よん年ねん，名めい順じゅん成之しげゆき曲きょく，詞し律りつ同どう。〉

皇帝こうてい飲いん福ぶく，登とう歌か奏そう釐成之の曲きょく：

夾鐘宮みや

誠まこと通どおり恩おん降くだ，靈れい慈昭宣せん。左右さゆう明あかり命いのち，六ろく合ごう大全たいぜん。啐飲椒はじかみ馨かおる，純じゅん嘏如川かわ。皇すめらぎ人壽じんじゅ穀こく，億おく萬まん斯年。

徹とおる豆まめ，登とう歌か奏そう豐成とよしげ之の曲きょく：

夾鐘宮みや

三獻さんこん九きゅう成なり，禮れい畢樂闋。于豆于登，于焉靖やすし徹てっ。多士たし密みつ勿，樂らく且有儀ぎ。能事のうじ脫だつ穎，孔あな惠めぐみ孔あな時じ。

送おく神かみ，奏そう保ほ成之しげゆき曲きょく：

黃き鐘しょう宮みや

雲くも車しゃ之の來き，不ふ疾やまし而速。風ふう馭言還かえ，閴其怳惚。神かみ心しん之の欣，孝こう孫まご之の祿ろく。燕つばめ翼つばさ無む疆，景けい命いのち有ゆう僕ぼく。

武たけ宗はじめ至大しだい以後いご，親おや祀まつ攝と樂章がくしょう：〈太ふと常つね集しゅう禮れい云うん，孔あな思おもえ逮本所しょ錄ろく。〉

皇帝こうてい入門にゅうもん，奏そう順じゅん成之しげゆき曲きょく。〈別べつ本ほん，親おや祀まつ禘祫樂章がくしょう，詞し律りつ同どう。〉

皇帝こうてい盥たらい洗あらい，奏そう順じゅん成之しげゆき曲きょく。〈至いたり元もと四よん年ねん，名めい肅（寧やすし）〔成なり〕之これ曲きょく，^[9]詞し律りつ同どう。〉

皇帝こうてい升ます殿どの，登とう歌か樂らく奏そう順じゅん成之しげゆき曲きょく。〈別べつ本ほん，親おや祀まつ樂章がくしょう，詞し律りつ同どう。〉

皇帝こうてい出入でいり小しょう次じ，奏そう昌あきら寧やすし之これ曲きょく：〈太ふと常つね集しゅう禮れい云うん，此金曲きょく，思おもえ逮取之の。詳しょう見み制せい樂らく始末しまつ。〉

無む射い宮みや

於皇神宮じんぐう，象ぞう天てん清明せいめい。肅肅しゅくしゅく來らい止やめ，相あい維公卿くぎょう。威儀いぎ孔あな彰あきら，君子くんし攸寧。神かみ之の休きゅう之の，綏我思おもえ成なり。

迎むかい神かみ，奏そう思おもえ成之しげゆき曲きょく：〈至いたり元もと四よん年ねん，名めい來らい成之しげゆき曲きょく，詞し律りつ同どう。〉

黃き鐘がね宮みや三成みつなり

齊ひとし明盛めいせい服ふく，翼翼よくよく靈れい眷。禮れい備多儀ぎ，樂らく成なり九きゅう變へん。烝烝孝心こうしん，若わか聞且見み。肸蠁端はし臨，來らい寧やすし來らい燕つばめ。

大呂おおろ角かく二成ふたなり

太ふと簇むらが徵ちょう二成ふたなり

應おう鐘かね羽わ二成ふたなり〈詞し並なみ同上どうじょう。〉

初はつ獻けんじ盥たらい洗あらい，奏そう肅成之の曲きょく。〈別べつ本ほん，親おや祀まつ樂章がくしょう，名めい順じゅん成之しげゆき曲きょく，詞し律りつ同どう。〉

初はつ獻けんじ升ます殿どの，〈降くだ同どう。〉登とう歌か樂らく奏そう肅寧之の曲きょく。〈至いたり元もと四よん年ねん，名めい肅成之の曲きょく，詞し律りつ同どう。〉

司つかさ徒と捧ささげ俎まないた，奏そう嘉よしみ成之しげゆき曲きょく。〈至いたり元もと四よん年ねん，曲きょく名詞めいし律りつ同どう。〉

太ふとし祖そ第だい一室いっしつ，奏そう開成かいせい之の曲きょく。〈至いたり元もと四よん年ねん，名めい武たけ成之しげゆき曲きょく，詞し同どう。〉

睿宗第だい二に室しつ，奏そう武たけ成之しげゆき曲きょく。〈至いたり元もと四よん年ねん，名めい明成めいせい之の曲きょく，詞し同どう。〉

世よ祖そ第だい三さん室しつ，奏そう混成こんせい之の曲きょく：

無む射い宮みや

於昭皇祖こうそ，體たい健けん乘じょう乾いぬい。龍りゅう飛ひ應おう運うん，盛もり德光とくみつ前まえ。神功しんこう耆定，澤さわ被ひ垓埏。詒厥孫まご謀はかりごと，何なん千せん萬まん年ねん。

裕ひろし宗むね第だい四よん室しつ，奏そう昭あきら成之しげゆき曲きょく：

無む射い宮みや

天啟てんけい深ふか仁ひとし，須世而昌。追つい惟おもんみ顯あらわ考かんがえ，敢後光こう揚あげ。徽儀肇はじめ舉，禮れい備音鏘。皇靈こうれい（監かん）〔鑒〕止とめ，^[10]降くだ釐無疆。

順じゅん宗むね第だい六ろく室しつ，^[11]奏そう慶けい成之しげゆき曲きょく：

無む射い宮みや

龍りゅう潛せん于淵，德とく昭あきら于天。承うけたまわ休きゅう基もと命いのち，光被こうひ紘ひろし埏。洋洋ようよう如臨，籩豆牲牷。惟おもんみ明あかり惟おもんみ馨かおる，皇祚こうそ綿めん延のべ。

成なり宗むね第だい七なな室しつ，奏そう守成しゅせい之の曲きょく：

無む射い宮みや

天開てんかい神聖しんせい，繼つぎ世よ清せい寧やすし。澤さわ深ふかし仁じん溥，樂らく協きょう韶英。宗枝むねだ嘉よしみ會かい，氣き和わ惟おもんみ馨かおる。繁しげる禧來格かく，永えい被ひ皇靈こうれい。

武たけ宗はじめ第だい八はち室しつ，奏そう威い成之しげゆき曲きょく：

無む射い宮みや

紹天鴻おおとり業ぎょう，繼つぎ世よ隆平りゅうへい。惠めぐみ孚まこと中國ちゅうごく，威い靖やすし邊べ庭にわ。厥功惟おもんみ茂しげる，清きよし廟びょう妥靈。歆茲明あかり祀まつ，福ぶく祿ろく來らい成なり。

仁じん宗むね第だい九きゅう室しつ，奏そう歆成之の曲きょく：

無む射い宮みや

紹隆前ぜん緒いとぐち，運うん啟けい文明ぶんめい。深ふか仁ひとし及物，至孝しこう躬行きゅうこう。惟おもんみ皇すめらぎ建けん極ごく，盛德せいとく難なん名めい。居きょ歆萬祀まつ，福ぶく祿ろく崇成たけなり。

英えい宗むね第だい十じゅう室しつ，奏そう獻けんじ成之しげゆき曲きょく：

無む射い宮みや

神聖しんせい繼つぎ作さく，式しき是ぜ憲章けんしょう。誕興禮樂れいがく，躬事烝嘗。翼翼よくよく清きよし廟びょう，燁有耿光。于千萬まん年ねん，世せい仰おおせ明良あきよし。

皇帝こうてい飲いん福ぶく，登とう歌か樂らく奏そう釐成之の曲きょく：

夾鐘宮みや

穆きよし穆きよし天子てんし，禋祀太ふとし宮みや。禮れい成なり樂らく備，敬けい徹てっ誠まこと通どおり。神かみ胥樂止どめ，錫すず之の醇あつし醲。天子てんし萬まん世せい，福ぶく祿ろく無窮むきゅう。

文ぶん舞まえ退ずさ，武たけ舞まい進すすむ，奏そう肅成〈孔あな本ほん作さく肅寧。〉之これ曲きょく。〈至いたり元もと四よん年ねん，名和なわ成之しげゆき曲きょく，詞し律りつ同どう。〉

亞あ終おわり獻けんじ行くだり禮れい，宮みや縣けん奏そう肅成之の曲きょく。〈至いたり元もと四よん年ねん，名めい順じゅん成之しげゆき曲きょく，詞し律りつ同どう。〉

徹とおる籩豆，登とう歌か樂らく奏そう豐ゆたか寧やすし之これ曲きょく。〈至いたり元もと四よん年ねん，名めい豐成とよしげ之の曲きょく，詞し律りつ同どう。〉

送おく神かみ，奏そう保ほ成之しげゆき曲きょく。〈至いたり元もと四よん年ねん，名めい來らい成之しげゆき曲きょく，詞し律りつ同どう。〉

皇帝こうてい出で廟びょう廷，奏そう昌あきら寧やすし之これ曲きょく：

無む射い宮みや

緝熙維清，吉よし蠲致誠まこと。上うえ儀ただし具ぐ舉，明德めいとく薦こも馨かおる。已やめ事ごと而竣，歡通三さん靈れい。先祖せんぞ是ぜ皇すめらぎ，來らい燕つばめ來らい寧やすし。

文ぶん宗むね天てん曆れき三さん年ねん，明あきら宗そう祔廟酌しゃく獻けんじ，奏そう永えい成之しげゆき曲きょく：

無む射い宮みや

猗那皇すめらぎ明あかり，世せい纘神武じんむ。敬天けいてん弗どる違たがえ，時じ潛せん時じ旅たび。龍りゅう旗はた在ざい塗ぬり，言げん受率土ど。不ふ遐有臨，永えい錫すず多た嘏。

社稷しゃしょく樂章がくしょう

降くだ福ぶく，奏そう鎮寧之の曲きょく：

林はやし鐘しょう宮みや二成ふたなり

以社以方，國有こくゆう彝つね典てん。大だい哉元德とく，基き祚綿遠とお。農のう功こう萬まん世せい，於焉報ほう本ほん。顯あらわ相しょう默だま佑たすく，降くだ監かん壇だん墠。

太ふと簇むらが角かく二成ふたなり

錫すず民地みんち利り，厥功甚溥。昭代しょうだい典禮てんれい，清しん聲ごえ律りつ呂りょ。穀こく旦だん于差，洋洋ようよう來らい下か。相あい此有年ねん，根本こんぽん日び固かた。

姑しゅうと洗あらい徵ちょう二成ふたなり

平ひら厥水土ど，百ひゃく穀こく用よう成なり。長ちょう扶景運うん，宜むべ歆德馨かおる。五ご祀まつ為ため大だい，千古せんこ舉行。感かん通どおり肸蠁，登とう歌か鎮寧。

南宮なんぐう羽わ二成ふたなり

幣ぬさ齊ひとし虔けん修おさむ，粢しとぎ盛もり告つげ備。倉くら庾坻京きょう，繄（維）〔誰だれ〕之の賜たまもの。^[12]崇たかし壇だん致恭，幽かそけ光こう孔あな邇。享とおる于精誠まこと，休きゅう祥さち畢至。

初はつ獻けんじ盥たらい洗あらい，奏そう肅寧之の曲きょく：

太ふと簇むらが宮みや

禮れい備樂陳ひね，辰たつ良りょう日吉ひよし。挹彼樽だる罍，馨かおる哉黍稷きび。濯溉揭虔，維巾及冪。萬まん年ねん嚴げん祀まつ，蹌蹌受職。

初はつ獻けんじ升ます壇だん，奏そう肅寧之の曲きょく：〈降くだ同どう。〉

應おう鐘しょう宮みや

春はる祈いのり秋あき報むくい，古今ここん彝つね章あきら。民みん天てん是ぜ資し，神靈しんれい用よう彰あきら。功こう崇たかし禮嚴れいごん，人にん阜時康やすし。雍雍為ため儀ぎ，燔芬苾香。

正せい配はい位い奠玉幣ぬさ，奏そう億おく寧やすし之これ曲きょく：

太ふと簇むらが宮みや

地祇ちぎ嚮德，稽古けいこ美び報ほう。幣帛へいはく斯陳，圭けい璋あきら式しき繅。載の烈れつ載の燔，肴さかな羞致告つげ。雨あめ暘時若わか，丕圖永えい保たもつ。

司つかさ徒と捧ささげ俎まないた，奏そう豐ゆたか寧やすし之これ曲きょく：

太ふと簇むらが宮みや

我わが稼既同どう，羣黎徧德。我わが祀まつ如何いか，牲牷孔あな碩せき。有ゆう翼つばさ有ゆう嚴げん，隨したがえ方かた布ぬの色しょく。報ほう功こう求もとめ福ぶく，其儀不ふ忒。

正せい位い酌しゃく獻けんじ，奏そう保ほ寧やすし之これ曲きょく：

太ふと簇むらが宮みや

異い世よ同どう德とく，於皇聖ひじり造づくり。降くだ茲嘉祥さち，衛まもる我わが大寶たいほう。生なま乃烝民みん，侔德覆くつがえ燾。厥作祼將，有ゆう相之あいの道どう。

配はい位い酌しゃく獻けんじ，奏そう保ほ寧やすし之これ曲きょく：

太ふと簇むらが宮みや

以御田みた祖そ，皇すめらぎ家か秩祀。有ゆう民みん人じん焉，盍究本もと始はじめ。惟おもんみ敍じょ惟おもんみ修おさむ，誰だれ實じつ介かい止どめ。酒さけ旨むね且多，盛德せいとく宜よろし配はい。

亞あ終おわり獻けんじ，奏そう咸寧之の曲きょく：

太ふと簇むらが宮みや

以引以翼，來らい處しょ來らい燕つばめ。豆まめ籩牲牢ろう，有ゆう楚すわえ有ゆう踐。庸いさお答こたえ神しん休きゅう，神かみ亦また錫すず羨とも。土ど穀こく是ぜ依よ，成なり此醻獻けんじ。

徹とおる豆まめ，奏そう豐ゆたか寧やすし之これ曲きょく：

應おう鐘しょう宮みや

文治ぶんじ修明のぶあき，相あい成田なりた功いさお。功こう為ため特殊とくしゅ，儀ぎ為ため特とく隆たかし。終おわり如其初はつ，誠まこと則そく能のう通どおり。明神みょうじん毋忘，時和ときわ歲とし豐ゆたか。

送おく神かみ，奏そう鎮寧之の曲きょく：

林はやし鐘しょう宮みや

不ふ屋や受陽，國くに所しょ崇敬すうけい。以興來らい歲とし，苞つと秀しゅう堅けん穎。雲くも軿莫駐ちゅう，神かみ其諦聽。景けい命いのち有ゆう僕ぼく，與國よこく同どう永ひさし。

望もち瘞位，奏そう肅寧之の曲きょく：

太ふとし蔟まぶし宮みや

雅まさ奏そう肅寧，繁しげる釐降格こうかく。篚厥玄黃げんこう，丹誠たんせい烜赫。肇はじめ祀まつ以歸，瞻言咫尺しせき。萬まん年ねん攸介，丕承帝みかど德とく。

先さき農のう樂章がくしょう

降くだ神かみ，奏そう鎮寧之の曲きょく：

林はやし鐘しょう宮みや二成ふたなり

民生みんせい斯世，食しょく為之ためゆき天てん。恭きょう惟おもんみ大聖たいせい，盡つき心こころ於田。仲春ちゅうしゅう劭農，明あきら祀まつ吉よし蠲。馨かおる香こう感かん神しん，用よう祈いのり豐年ほうねん。

太ふと簇むらが角かく二成ふたなり

耕こう種しゅ務つとむ農のう，振古しんこ如茲。爰粒烝庶，功德くどく茂しげ垂たれ。降くだ嘉よしみ奏そう艱，國家こっか攸宜。所ところ依よ惟神かんながら，庸いさお潔きよし明あきら粢しとぎ。

姑しゅうと洗あらい徵ちょう二成ふたなり

俶載平ひら疇，農のう功こう肇はじめ敏さとし。千せん耦耕耘こううん，同どう徂隰畛。田た祖そ丕靈，為ため仁じん至いたり盡つき。豐ゆたか歲とし穰みのる穰みのる，延のべ洪ひろし有ゆう引。

南みなみ呂りょ羽わ二成ふたなり

羣黎力りょく耕たがやせ，及茲方かた春はる。維時東作ひがしさく，篤あつ我わが農人のうにん。我わが黍きび既すんで華はな，我わが稷きび宜よろし新しん。由よし天てん降くだ康やすし，永えい賴よりゆき明神みょうじん。

初はつ獻けんじ盥たらい洗あらい，奏そう肅寧之の曲きょく：

太ふと簇むらが宮みや

泂酌行ぎょう潦にわたずみ，真ま足あし為ため薦こも。奉たてまつ茲潔清きよし，神在かみあり乎前。分ぶん作さく甘あま霖，沾溉芳よし甸。慎まき于其初はつ，誠意せいい攸見。

初はつ獻けんじ升ます壇だん，奏そう肅寧之の曲きょく：

應おう鐘しょう宮みや

有ゆう椒はじかみ其馨，維多且旨。式しき慎まき爾なんじ儀ぎ，降くだ登とう庭にわ止どめ。黍きび稷きび稻いね梁はり，民みん無む渴饑。神かみ嗜飲食いんしょく，永えい綏嘉祉。

正せい配はい位い奠玉幣ぬさ，奏そう億おく寧やすし之これ曲きょく：

太ふと簇むらが宮みや

奉幣ほうへい維恭，前ぜん陳ちん嘉よしみ玉だま。聿昭盛儀せいぎ，肅雝純じゅん如。南畝のうねん深耕しんこう，麻あさ麥むぎ禾菽。用よう祈いのり三さん登とう，膺受多た福ぶく。

司つかさ徒と捧ささげ俎まないた，奏そう豐ゆたか寧やすし之これ曲きょく：

太ふと簇むらが宮みや

奉たてまつ牲孔嘉よしみ，登とう俎まないた豐ゆたか備。地ち官かん駿しゅん奔，趨進光輝こうき。肥こえ碩せき蕃しげる孳，歆此誠意せいい。有ゆう年ねん斯今，均ひとし被ひ神かみ賜たまもの。

正せい位い酌しゃく獻けんじ，奏そう保ほ寧やすし之これ曲きょく：

太ふと簇むらが宮みや

寶たから壇だん巍たかし煌，神かみ應おう如響。備腯咸有，牲體苾芳。洋洋ようよう如在，降格こうかく來らい享とおる。秉誠罔怠，羣生瞻仰。

配はい位い酌しゃく獻けんじ，奏そう保ほ寧やすし之これ曲きょく：

太ふと簇むらが宮みや

酒さけ清きよし斯香，牲碩斯大。具ぐ列れつ觴俎，精せい意い先さき會かい。民みん命いのち維食，稗ひえ莠毋害がい。我わが倉くら萬まん億おく，神明しんめい攸介。

亞あ終おわり獻けんじ，奏そう咸寧之の曲きょく：

〔太ふとし簇むらが〕宮みや^[13]

至誠しせい攸感，肸蠁潛せん通どおり。百ひゃく穀こく嘉よしみ種しゅ，爰降時じ豐ゆたか。祈年きねん孔あな夙，稼穡為重ためしげ。俯歆醴齊，載の揚あげ歌か頌。

徹とおる豆まめ，奏そう豐ゆたか寧やすし之これ曲きょく：

應おう鐘しょう宮みや

有ゆう來らい雍雍，存そん誠まこと敢匱。廢はい徹てっ不ふ遲おそ，靈神れいじん攸嗜。孔あな惠めぐみ孔あな時じ，三さん農のう是ぜ宜よろし。眉まゆ壽ことぶき萬まん歲さい，穀こく成なり丕乂。

送おく神かみ，奏そう鎮寧之の曲きょく：

林はやし鐘しょう宮みや

焄蒿悽愴せいそう，萬まん靈れい來らい唉。靈神れいじん具ぐ醉よい，聿言旋歸。歲とし豐ゆたか時和ときわ，風雨ふうう應おう期き。皇すめらぎ圖ず萬まん年ねん，永えい膺洪禧。

望もち瘞位，奏そう肅寧之の曲きょく：

〔太ふとし簇むらが〕宮みや^[14]

禮れい成文せいぶん備，歆受清きよし祀まつ。加か牲兼幣ぬさ，陳ちん玉たま如儀。靈れい馭言旋，面めん陰かげ昭あきら瘞。集あつまり茲嘉祥さち，常つね致豐歲とし。

宣せん聖樂せいがく章あきら

迎むかい神かみ，奏そう凝しこり安之やすゆき曲きょく：

黃き鐘がね宮みや三成みつなり

大だい哉宣聖きよし，道みち尊德そんとく崇たかし。維持いじ王化おうか，斯文しぶん是ぜ宗むね。典てん祀まつ有ゆう常つね，精せい純じゅん並なみ隆たかし。神かみ其來格かく，於昭盛もり容ひろし。

大呂おおろ角かく二成ふたなり

生なま而知之の，有ゆう教きょう無私むし。成なり均ひとし之の祀まつ，威儀いぎ孔あな時じ。惟おもんみ茲初丁ひのと，潔いさぎよ我わが盛もり粢しとぎ。永えい言げん其道，萬世ばんせい之これ師し。

太ふと簇むらが徵ちょう二成ふたなり

巍巍ぎぎ堂堂どうどう，其道如天。清明せいめい之の象ぞう，應おう物ぶつ而然。時とき維上丁ひのと，備物薦こも誠まこと。維新いしん禮典れいてん，樂らく諧中聲ごえ。

應おう鐘かね羽わ二成ふたなり

聖王せいおう生せい知ち，闡乃儒規。詩書ししょ文教ぶんきょう，萬まん世せい昭あきら垂たれ。良よ日ひ惟おもんみ丁ひのと，靈れい承うけたまわ丕爽。揭此精せい虔けん，神かみ其來享とおる。

初はつ獻けんじ盥たらい洗あらい，奏そう同どう安之やすゆき曲きょく：

姑しゅうと洗あらい宮みや

右文ゆうぶん興きょう化か，憲けん古こ師し經けい。明あかり祀まつ有ゆう典てん，吉日きちじつ惟おもんみ丁ひのと。豐ゆたか犧在俎まないた，雅まさ奏そう在ざい庭にわ。周しゅう廻まわり陟のぼる降くだ，福祉ふくし是ぜ膺。

初はつ獻けんじ升ます殿どの，奏そう同どう安之やすゆき曲きょく：〈降くだ同どう。〉

南みなみ呂りょ宮みや

誕興斯文しぶん，經けい天てん緯ぬき地ち。功いさお加か于民，實じつ千せん萬まん世せい。笙しょう鏞和鳴な，粢しとぎ盛もり豐ゆたか備。肅肅しゅくしゅく降くだ登とう，歆茲秩祀。

奠幣，奏そう明あかり安之やすゆき曲きょく：

南みなみ呂りょ宮みや

自生じせい民みん來らい，誰だれ底そこ其盛。惟おもんみ王おう神明しんめい，度ど越前えちぜん聖きよし。粢しとぎ幣ぬさ具ぐ成なり，禮れい容よう斯稱。黍きび稷きび惟おもんみ馨かおる，^[15]惟神かんながら之の聽。

捧ささげ俎まないた，奏そう豐安とよやす之の曲きょく：

姑しゅうと洗あらい宮みや

道みち同どう乎天，人倫じんりん之の至いたり。有ゆう享とおる無窮むきゅう，其興萬まん世せい。既すんで潔きよし斯牲，粢しとぎ明あかり醑旨。不ふ懈たゆ以忱，神かみ之の來き塈。

大成たいせい至いたり聖ひじり文宣ふみのぶ王位おうい酌しゃく獻けんじ，奏そう成安なりやす之の曲きょく：

南みなみ呂りょ宮みや

大だい哉聖王おう，實じつ天生あもう德とく。作樂さくら以崇，時じ祀まつ無む斁。清きよし酤惟馨かおる，嘉よしみ牲孔碩せき。薦こも羞神明しんめい，庶幾しょき昭あきら格かく。

兖國復ふく聖せい公おおやけ位い酌しゃく獻けんじ，奏そう成安なりやす之の曲きょく：

南みなみ呂りょ宮みや

庶幾しょき屢空，淵源えんげん深ふか矣。亞聖あせい宣せん猷，百ひゃく世せい宜むべ祀まつ。吉よし蠲斯辰たつ，昭あきら陳ちん尊たかし簋。旨むね酒しゅ欣欣きんきん，神かみ其來止どめ。

郕國宗そう聖きよし公おおやけ酌しゃく獻けんじ，奏そう成安なりやす之の曲きょく：

南みなみ呂りょ宮みや

心こころ傳でん忠恕ただひろ，一いち以貫之の。爰述大學だいがく，萬世ばんせい訓くん彝つね。惠めぐみ我わが光明こうみょう，尊みこと聞行知ち。繼つぎ聖ひじり迪すすむ後ご，是ぜ享とおる是ぜ宜よろし。

沂國述じゅつ聖せい公おおやけ酌しゃく獻けんじ，奏そう成安なりやす之の曲きょく：

南みなみ呂りょ宮みや

公おおやけ傳でん自じ曾，孟はじめ傳でん自公じこう。有ゆう嫡緒承うけたまわ，允まこと得とく其宗。提ひさげ綱つな開ひらき蘊，乃作中庸ちゅうよう。侑于元もと聖きよし，億載是崇。

鄒國亞聖あせい公こう酌しゃく獻けんじ，奏そう成安なりやす之の曲きょく：

南みなみ呂りょ宮みや

道之みちゆき由よし興きょう，於皇宣せん聖ひじり。維公之の傳つて，人知じんち趨正。與あずか饗きょう在ざい堂どう，情じょう文ぶん斯稱。萬まん年ねん承うけたまわ休きゅう，假かり哉天命いのち。

亞あ獻けんじ，奏そう文ぶん安之やすゆき曲きょく：〈終おわり獻けんじ同どう。〉

姑しゅうと洗あらい宮みや

百ひゃく王おう宗はじめ師し，生なま民みん物ぶつ軌。瞻之洋洋ようよう，神かみ其寧止どめ。酌しゃく彼かれ金きん罍，惟おもんみ清きよし且旨。登とう獻けんじ惟おもんみ三さん，於嘻成なり禮れい。

飲いん福ぶく受胙。〈與あずか盥たらい洗あらい同どう，惟おもんみ國學こくがく釋しゃく奠親祀まつ用よう之の，攝と事こと則そく不用ふよう，外そと路ろ州しゅう縣けん並なみ皆みな用よう之の。〉

徹とおる豆まめ，奏そう娛安之の曲きょく：

南みなみ呂りょ宮みや

犧象在ざい前まえ，豆まめ籩在列れつ。以享以薦，既すんで芬既潔きよし。禮れい成なり樂らく備，人にん和かず神かみ悅えつ。祭まつり則そく受福，率りつ尊とうと無む越えつ。

送おく神かみ，奏そう凝しこり安之やすゆき曲きょく：

黃き鐘しょう宮みや

有ゆう嚴いむ學まなぶ宮みや，四方しほう來らい崇たかし。恪つとむ恭きょう祀まつ事こと，威儀いぎ雍雍。歆茲惟おもんみ馨かおる，飇馭回復かいふく。明あかり禋斯畢，咸膺百ひゃく福ぶく。

望もち瘞。〈與あずか盥たらい洗あらい同どう。〉

右みぎ釋しゃく奠樂章あきら，皆みな舊きゅう曲きょく。元朝がんちょう嘗擬譔易，而未及用，今こん并附于此。

迎むかい神かみ，奏そう文明ぶんめい之の曲きょく：

天てん縱たて之の聖せい，集しゅう厥大成たいせい。立言りつげん垂たれ教きょう，萬世ばんせい準じゅん程ほど。廟びょう庭にわ孔あな碩せき，尊みこと俎まないた既すんで盈みつる。神かみ之の格かく思おもえ，景けい福來ふき并。

盥たらい洗あらい，奏そう昭明しょうめい之の曲きょく：

神かみ既すんで寧やすし止とめ，有ゆう孚まこと顒若。罍洗在ざい庭にわ，載の盥たらい載の濯。匪惟潔きよし修おさむ，亦また新しん厥德。對たい越えつ在ざい茲，敬たかし恭きょう惟おもんみ則そく。

升ます殿どの，奏そう景明かげあき之これ曲きょく：〈降くだ同どう。〉

大だい哉聖功こう，薄うす海うみ內外。禮れい隆たかし秩宗，光ひかり垂たれ昭代しょうだい。陟のぼる降くだ在ざい庭にわ，攝と齊ひとし委い佩。莫不肅雝，洋洋ようよう如在。

奠幣，奏そう德明のりあき之これ曲きょく：

圭けい衮尊崇そんすう，佩紳列れつ侑。籩豆有ゆう楚すわえ，樂らく具ぐ和わ奏そう。式しき陳ひね量りょう幣ぬさ，駿しゅん奔左右さゆう。天てん睠斯文しぶん，繄神之の祐ゆう。

文宣ふみのぶ王おう酌しゃく獻けんじ，奏そう誠まこと明あかり之の曲きょく：

惟おもんみ聖せい監かん格かく，享とおる于克誠まこと。有樂うらく在ざい縣けん，有ゆう碩せき斯牲。奉たてまつ醴以告つげ，嘉よしみ薦こも惟おもんみ馨かおる。綏以多た福ぶく，永えい底そこ隆平りゅうへい。

兖國公こう酌しゃく獻けんじ，奏そう誠まこと明あかり之の曲きょく：

潛心せんしん好學こうがく，不ふ違たがえ如愚。用よう舍しゃ行藏こうぞう，乃與聖せい俱。千載せんざい景けい行ぎょう，企くわだて厥步趨。廟びょう食しょく作さく配はい，祀まつ典てん弗どる渝。

郕國公こう酌しゃく獻けんじ。〈闕。〉

沂國公こう酌しゃく獻けんじ。〈闕。〉

鄒國公こう酌しゃく獻けんじ，奏そう誠まこと明あかり之の曲きょく：

洙泗之の傳つて，學がく窮きゅう性せい命いのち。力ちから距楊墨すみ，以承三さん聖ひじり。遭時之の季き，孰識其正。高風こうふう仰おおせ止やめ，莫不肅敬。

亞あ獻けんじ，奏そう靈れい明あかり之の曲きょく：〈終おわり獻けんじ同どう。〉

廟びょう成なり奕奕，祭祀さいし孔あな時じ。三さん爵具舉，是ぜ饗きょう是ぜ宜よろし。於昭聖ひじり訓さとし，示しめせ我わが民みん彝つね。紀きの德いさお報ほう功こう，配はい于兩儀ぎ。

送おく神かみ，奏そう慶明よしあき之これ曲きょく：

禮れい成なり樂らく備，靈れい馭其旋。濟濟せいせい多士たし，不ふ懈たゆ益えき虔けん。文教ぶんきょう茲首，儒風是ぜ宣せん。佑たすく我わが〈闕。〉^[16]

校勘こうかん記き

1. 盥たらい薦こも初はつ升ます　王おう圻續通どおり考こう作さく「盥たらい洗あらい初はつ升ます」。按「盥たらい洗あらい」與あずか「薦こも」為ため祭禮さいれい中ちゅう兩りょう項こう不同ふどう儀ぎ節ぶし。升ます壇だん後ご始はじめ捧ささげ俎まないた、酌しゃく獻けんじ，即そく薦こも，本志ほんし中ちゅう屢見。薦こも在ざい升ます壇前だんのまえ與あずか祭儀さいぎ不ふ合ごう，下しも文ぶん又また有ゆう「以薦惟おもんみ馨かおる」，此處ここら「薦こも」字じ當とう係がかり「洗あらい」字じ之の誤あやま。
2. 〔四方しほう賓まろうど貢みつぎ〕　原注げんちゅう「闕」。道みち光こう本據ほんきょ經世けいせい大典たいてん增ぞう入いれ，從したがえ補ほ。
3. 〔百ひゃく〕司つかさ分ぶん置おけ　原注げんちゅう「闕」。道みち光こう本據ほんきょ經世けいせい大典たいてん增ぞう入いれ，從したがえ補ほ。
4. 威い〔武たけ〕鷹揚おうよう冢位〔克かつ〕當とう　原注げんちゅう「闕」。道みち光こう本據ほんきょ經世けいせい大典たいてん增ぞう入いれ，從したがえ補ほ。
5. （孔あな）〔禮れい〕容よう翼翼よくよく　據よりどころ元もと文ぶん類るい卷まき二太廟樂章改。王おう圻續通どおり考こう作さく「禮れい」。
6. 禮れい成なり樂らく（閟）〔闋〕　按「樂らく閟」，文義ふみよし不ふ協きょう。下した文ぶん有ゆう「禮れい畢樂闋」之これ句く；闋言曲調きょくちょう之の終おわり，謂いい禮れい成なり樂らく終おわり。王おう圻續通どおり考こう作さく「樂らく闋」，從したがえ改あらため。
7. 〔黃き鐘がね宮みや〕　按本書卷しょかん六ろく八禮樂志制樂始末有「酌しゃく獻けんじ，黃き鐘がね宮みや曲きょく一いち」，據よりどころ補ほ。王おう圻續通どおり考こう有ゆう「黃き鐘がね宮みや」。
8. 濟濟せいせい（闕）〔宣せん〕威たけし　原注げんちゅう「闕」。道みち光こう本據ほんきょ經世けいせい大典たいてん增ぞう入いれ，從したがえ補ほ。
9. 名めい肅（寧やすし）〔成なり〕之これ曲きょく　據よりどころ上じょう文ぶん改あらため。
10. 皇靈こうれい（監かん）〔鑒〕止とめ　據よりどころ元もと文ぶん類るい卷まき二太廟樂章改。
11. 順じゅん宗むね第だい六ろく室しつ　道みち光本みつもと考證こうしょう云うん：「第だい六ろく室しつ上じょう闕第五ご室しつ樂章がくしょう。以樂舞まい篇へん所載しょさい十じゅう室しつ考こう之の，其第五ご乃顯宗之むねゆき室しつ，樂らく名めい德成とくなり之の曲きょく，無む射い宮みや一成いっせい。其餘室しつ數すう皆みな與あずか此合，所謂いわゆる泰やすし定てい十じゅう室しつ也。」
12. 繄（維）〔誰だれ〕之の賜たまもの　按「繄維」文義ふみよし不通ふつう，據よりどころ元もと文ぶん類るい卷まき二に社稷しゃしょく樂章がくしょう改あらため。新元しんもと史し已やめ校こう。
13. 〔太ふとし簇むらが〕宮みや　原はら空白くうはく。據よりどころ元もと文ぶん類るい卷まき二に先さき農のう樂章がくしょう補ほ。王おう圻續通どおり考こう亦また作さく「太ふとし簇むらが宮みや」。
14. 〔太ふとし簇むらが〕宮みや　原はら空白くうはく。據よりどころ元もと文ぶん類るい卷まき二に先さき農のう樂章がくしょう補ほ。
15. 黍きび稷きび惟おもんみ馨かおる　道みち光本みつもと改あらため「惟おもんみ」為ため「非ひ」，其考證こうしょう云うん：「原本げんぽん非ひ誤あやま惟おもんみ，今こん據よりどころ闕里文獻ぶんけん考こう改あらため。」
16. 佑たすく我わが〈闕〉　按元文ぶん類るい卷まき二釋奠樂章送神，此處ここら闕文當為とうい「皇すめらぎ家か，億おく載の萬まん年ねん」。