元げん史ふみ/卷まき105

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元もと史し卷まき一いち百ひゃく五ご 志こころざし第だい五ご十じゅう三さん

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刑法けいほう四よん

詐偽さぎ

諸しょ主謀しゅぼう偽造ぎぞう符ふ寶たから，及受財ざい鑄造ちゅうぞう者しゃ，皆みな處しょ死し。同情どうじょう轉うたて募つの工匠こうしょう，及受募刻字こくじ者しゃ，杖つえ一いち百ひゃく七なな。偽造ぎぞう制せい敕者，與あずか符ふ寶たから同どう。　諸しょ妄增減ぞうげん制せい書しょ者しゃ，處しょ死し。　諸しょ近侍きんじ官かん輒詐傳でん上じょう旨むね者しゃ，杖つえ一いち百ひゃく七なな，除名じょめい不ふ敍じょ。　諸しょ偽造ぎぞう省しょう府ふ印しるし信しん文字もじ，但ただし犯はん制せい敕者處しょ死し。若わか偽造ぎぞう省しょう府ふ劄付者しゃ，杖つえ一いち百ひゃく七なな，再犯さいはん流りゅう遠とお。知ち情じょう不ふ首くび者しゃ，八はち十じゅう七なな。其文理ぶんり訛なまり謬不堪ふかん行用ぎょうよう者しゃ，九きゅう十じゅう七なな。若わか偽造ぎぞう司し縣けん印しるし信しん文字もじ，追つい呼よび平民へいみん，勒取財物ざいぶつ者しゃ，初犯しょはん杖つえ七なな十じゅう七なな，累犯るいはん不ふ悛者一いち百ひゃく七なな。　諸しょ偽造ぎぞう宣せん慰司印しるし信しん契ちぎり本ほん，及商稅務ぜいむ青あお由ゆかり欺冒商賈しょうこ者しゃ，杖つえ一いち百ひゃく七なな。　諸しょ赦前偽造ぎぞう省しょう印しるし，赦後不ふ曾銷毀，杖つえ七なな十じゅう七なな，有ゆう官かん者しゃ奪だつ所ところ受宣敕，除名じょめい不ふ敍じょ。　諸しょ掾じょう屬ぞく輒造省しょう官かん押字，盜用とうよう省しょう印しるし，賣うれ放ひ官職かんしょく者しゃ，雖會赦，流りゅう遠とお。　諸しょ偽造ぎぞう稅ぜい物ぶつ雜ざつ印しるし，私わたし熬い顏色かおいろ，偽にせ稅ぜい物ぶつ貨者，杖つえ八はち十じゅう七なな。告つげ捕と得う實み者しゃ，徵ちょう中ちゅう統すべ鈔一百ひゃく貫かん充たかし賞しょう。物もの主知しゅち情じょう，減げん犯人はんにん罪ざい一等いっとう，其匿稅ぜい之の物もの，一半いっぱん沒ぼつ官かん，於沒官かん物ぶつ內一半付告人充賞；不知ふち情じょう者しゃ不ふ坐すわ，物もの給きゅう元もと主あるじ。其捕獲ほかく人じん擅自脫ぬげ放ひ者しゃ，減げん犯人はんにん罪ざい二に等とう，受財者しゃ與あずか犯人はんにん同罪どうざい。　諸しょ省しょう部ぶ小史しょうし，為ため人じん誤あやま毀行移うつり檢けん扎，輒自刻印こくいん信しんじ，偽にせ補ほ署しょ押，求もとめ蓋ぶた本ほん罪ざい，無む他た情じょう弊へい者しゃ，杖つえ七なな十じゅう七なな，發はつ元もと籍せき。　諸しょ僧そう道どう偽造ぎぞう諸王しょおう印しるし信しん及令旨むね抄しょう題だい者しゃ，處しょ死し。　諸しょ盤ばん獲え偽造ぎぞう印いん信之のぶゆき人じん，同どう獲え強盜ごうとう給きゅう賞しょう。　諸しょ告つげ獲え私わたし造づくり曆日れきじつ者しゃ，賞しょう銀ぎん一いち百ひゃく兩りょう。如無太たい史し院いん曆日れきじつ印しるし信しんじ，便びん同どう私わたし曆れき造づくり者しゃ，以違制せい論ろん。　諸しょ受財賣うり他人たにん敕牒，及收買かい轉賣てんばい者しゃ，杖つえ一いち百ひゃく七なな，刺とげ面めん發はつ元もと籍せき，買かい者しゃ杖つえ八はち十じゅう七なな，發はつ元もと籍せき。　諸しょ職しょく官かん被ひ差さ，以疾輒令人じん代だい乘じょう驛傳えきでん而往者しゃ，杖つえ六ろく十じゅう七なな，代だい者しゃ笞むち五ご十じゅう七なな。　諸しょ公差こうさ，於官船せん夾帶從したがえ人じん，冒おかせ支ささえ分ぶん例れい者しゃ，笞むち一いち十じゅう七なな，記き過か，支ささえ過分かぶん例れい米まい，追徵ついちょう還かえ官かん。

諸しょ詐稱さしょう使臣ししん，偽にせ寫うつし給きゅう驛えき文字もじ，起おこり馬匹ばひつ舟ふね船せん者しゃ，杖つえ一いち百ひゃく七なな。有司ゆうし失しつ覺さとし察，輒憑無印むじるし信しん關せき牒倒給きゅう者しゃ，判ばん署しょ官かん笞むち三さん十じゅう七なな，首領しゅりょう官吏かんり四よん十じゅう七なな。　諸しょ職しょく官かん詐いつわり傳でん上司じょうし言語げんご，擅起驛えき馬うま者しゃ，杖つえ六ろく十じゅう七なな。脫だつ脫だつ禾孫依よ隨ずい擅給驛えき馬うま者しゃ，笞むち五ご十じゅう七なな，並なみ解職かいしょく別べつ敍じょ，記き過か；驛えき官かん二に十じゅう七なな，還かえ職しょく。　諸しょ詐稱さしょう按部官かん，恐おそれ嚇官吏かんり者しゃ，杖つえ六ろく十じゅう七なな。　諸しょ詐稱さしょう監かん臨長官ちょうかん署しょ置おけ差遣さけん，欺取錢ぜに物ぶつ者しゃ，杖つえ八はち十じゅう七なな，錢ぜに物ぶつ沒ぼつ官かん。　諸しょ詐稱さしょう奉たてまつ使つかい所しょ委い官かん，聽理民みん訟者，杖つえ九きゅう十じゅう七なな。詐稱さしょう隨行ずいこう令れい史し者しゃ，笞むち五ご十じゅう七なな。

諸しょ偽造ぎぞう寶たから鈔，首謀しゅぼう起おこり意い，并雕板ばん抄しょう紙し，收おさむ買かい顏料がんりょう，書しょ填はま字じ號ごう，窩藏印しるし造づくり，但ただし同情どうじょう者しゃ皆みな處しょ死し，仍沒其家產さん。兩隣りょうどなり知ち而不首くび者しゃ，杖つえ七なな十じゅう七なな。坊ぼう〔里さと〕正ただし、主しゅ首くび、社長しゃちょう失しつ覺さとし察，^[1]并巡捕と軍兵ぐんびょう，各かく笞むち四よん十じゅう七なな。捕と盜ぬすめ官かん及鎮守ちんじゅ巡じゅん捕と軍ぐん官かん各かく三さん十じゅう七なな，未み獲え賊徒ぞくと，依よ強盜ごうとう立りつ限げん緝捕。買かい使し偽にせ鈔者，初犯しょはん杖つえ一いち百ひゃく七なな，再犯さいはん加か徒と一いち年ねん，三さん犯科はんか斷だん流りゅう遠とお。　諸しょ捕獲ほかく偽にせ鈔，賞しょう銀ぎん五ご錠じょう，給きゅう銀ぎん不ふ給きゅう鈔。　諸しょ父子ふし同どう造みやつこ偽にせ鈔者，皆みな處しょ死し。　諸しょ父ちち造づくり偽にせ鈔，子し聽給使し，不ふ與あずか父ちち同どう坐すわ；子こ造づくり偽にせ鈔，父ちち不同ふどう造づくり，不ふ與あずか子こ同どう坐すわ。　諸しょ夫おっと偽造ぎぞう寶たから鈔者，妻つま不ふ坐すわ。　諸しょ偽造ぎぞう寶たから鈔，印しるし板ばん不全ふぜん者しゃ，杖つえ一いち百ひゃく七なな。　諸しょ偽造ぎぞう寶たから鈔，沒ぼつ其家產さん，不ふ及其妻子さいし。　諸しょ赦前收藏しゅうぞう偽にせ鈔，赦後行使こうし者しゃ，杖つえ一いち百ひゃく七なな。不ふ曾行使こうし而不首くび者しゃ，減げん一等いっとう。　諸しょ偽造ぎぞう鈔罪應おう死者ししゃ，雖親老ろう無む兼けん丁ひのと，不ふ聽上請。　諸しょ捕獲ほかく偽造ぎぞう寶たから鈔之人じん，雖已身み故こ，其應得とく賞しょう錢ぜに，仍給其親屬ぞく。　諸しょ奴婢ぬひ買かい使し偽にせ鈔，其主陳ひね首くび者しゃ，不在ふざい理り賞しょう之の例れい。　諸しょ挑剜裨輳寶たから鈔者，不ふ分ぶん首くび從したがえ，杖つえ一いち百ひゃく七なな，徒と一いち年ねん，再犯さいはん流りゅう遠とお。年とし七なな十じゅう以上いじょう者しゃ，呈てい禀定奪だつ，毋輒聽贖。買かい使者ししゃ減げん一等いっとう。　諸しょ燒やき造づくり偽にせ銀ぎん者しゃ，徒と。　諸しょ造みやつこ賣うり偽にせ銀ぎん，買主かいぬし不知ふち情じょう，價か錢ぜに給きゅう主ぬし，偽にせ銀ぎん內銷，提ひさげ真ま銀ぎん沒ぼつ官かん，依よ本ほん犯科はんか罪ざい。　諸しょ偽造ぎぞう各かく倉くら支ささえ發はつ糧かて籌者，笞むち五ご十じゅう七なな，已やめ支出ししゅつ官かん糧かて者しゃ，準じゅん盜ぬすめ係官かかりかん錢ぜに物ぶつ科か罪ざい。倉くら官かん人じん等とう有ゆう犯はん者しゃ，依よ監かん主ぬし自じ盜ぬすめ法ほう，贓重者しゃ從したがえ重じゅう論ろん。　諸しょ冒おかせ支ささえ官かん錢ぜに，計けい贓以枉法論ろん，並なみ除名じょめい不ふ敍じょ。

諸しょ冒おかせ名入ないり仕つかまつ者しゃ，杖つえ六ろく十じゅう七なな，奪だつ所ところ受命じゅめい，追つい俸發元もと籍せき，會かい赦不首くび，笞むち四よん十じゅう七なな，仍追奪だつ之これ。　諸しょ奴やつ受主命いのち冒おかせ充たかし職しょく官かん者しゃ，杖つえ九きゅう十じゅう七なな。其主及同僚相容よう隱者いんじゃ，八はち十じゅう七なな。　諸子しょし冒おかせ父ちち官かん居職いじょく任にん事ごと者しゃ，杖つえ七なな十じゅう七なな，犯はん在ざい革かわ前まえ，革かわ後ご不出ふしゅつ首くび者しゃ，笞むち四よん十じゅう七なな，並なみ追つい回かい所しょ受宣敕，及支過か俸祿還かえ官かん。　諸しょ邊あたり臣しん，輒以子こ婿むこ詐稱さしょう招徠蠻獠，保ほ充たかし土ど官かん者しゃ，除名じょめい不ふ敍じょ，拘かかわ奪だつ所ところ授官。　諸しょ軍ぐん官かん承うけたまわ襲かさね，偽にせ增ぞう年ねん者しゃ，監かん察御史し廉れん訪おとずれ司し糾察之の，濫保官吏かんり，並なみ坐すわ罪つみ。　諸しょ職しょく官かん妄報出身しゅっしん履歷りれき者しゃ，除名じょめい不ふ敍じょ。　諸譯しょわけ史し、令れい史し，有ゆう過か不ふ敍じょ，詐稱さしょう作さく闕，別べつ處しょ補ほ用よう者しゃ，笞むち五ご十じゅう七なな，罷やめ役やく不ふ敍じょ。

諸しょ輸納官かん物ぶつ，輒增改あらため朱しゅ鈔者，杖つえ六ろく十じゅう七なな，罷やめ之これ。　諸しょ有司ゆうし長官ちょうかん，輒以追つい到いた盜ぬすめ贓支使し，却虛立りつ給きゅう主文しゅぶん案あん者しゃ，雖會赦，解職かいしょく，降くだ先さき職しょく二に等とう敍じょ。承うけたまわ吏，除名じょめい不ふ敍じょ。　諸しょ帥そち府ふ上じょう功こう文字もじ，詐いつわり添有功ゆうこう軍人ぐんじん名數めいすう，主謀しゅぼう者しゃ杖つえ八はち十じゅう七なな，除名じょめい不ふ敍じょ，隨從ずいじゅう書寫しょしゃ者しゃ笞むち五ご十じゅう七なな。　諸しょ詐いつわり以軍功こう受舉入いれ仕つかまつ者しゃ，罷やめ之これ，仍奪所しょ受命じゅめい。　諸しょ擅改已やめ奏そう官員かんいん選せん目め姓名せいめい者しゃ，雖會赦，除名じょめい發はつ元もと籍せき。　諸しょ曹吏輒於公こう牘改易かいえき年月としつき，圖ず逭罪責ざいせき者しゃ，笞むち五ご十じゅう七なな，罷やめ役やく別べつ敍じょ，記き過か。　諸しょ譁強之これ人にん，輒為人じん偽にせ增ぞう籍せき面めん者しゃ，杖つえ八はち十じゅう七なな，紅べに泥どろ粉こ壁かべ識過其門。　諸しょ蒙こうむ古こ譯わけ史し，能辨のうべん出で詐偽さぎ文字もじ二に起おこり以上いじょう者しゃ，減げん一いち資し陞轉。

訴訟そしょう

諸しょ告つげ人じん罪ざい者しゃ，須明注ちゅう年月としつき，指ゆび陳ひね實事じつごと，不ふ得とく稱たたえ疑うたぐ。誣告ぶこく者しゃ抵罪反はん坐すわ，越訴えっそ者しゃ笞むち五ご十じゅう七なな。本ほん屬官ぞっかん司つかさ有ゆう過か，及有寃抑，屢告不ふ理り，或ある理り斷だん偏屈へんくつ，并應合あい迴避者しゃ，許もと赴上司じょうし陳ひね之の。　諸しょ訴訟そしょう本ほん爭そう事ごと外がい，別べつ生せい餘事よじ者しゃ，禁きん。其本爭そう事ごと畢，別べつ訴者聽。　諸しょ軍民ぐんみん風かぜ憲けん官有かんゆう罪ざい，各かく從したがえ其所屬しょぞく上司じょうし訴之。　諸しょ民間みんかん雜ざつ犯はん，赴有司し陳ひね首くび者しゃ聽。　諸しょ告つげ言げん重おも事實じじつ，輕けい事こと虛むなし，免まぬかれ坐すわ；輕けい事實じじつ，重じゅう事ごと虛きょ，反はん坐すわ。　諸しょ中外ちゅうがい有司ゆうし，發はつ人家じんか錄ろく私書ししょ，輒興獄ごく訟者，禁きん之の。若本わかもと宗はじめ事ごと須引用いんよう證しょう驗者げんじゃ，仍聽追つい照あきら。其搆飾かざり傅でん會かい，以文致人罪ざい者しゃ，審しん辨べん之の。除じょ本ほん宗むね外がい，餘事よじ並なみ勿聽理り。　諸しょ教きょう令れい人じん告つげ緦麻以上いじょう親おや，及奴婢告主ぬし者しゃ，各かく減げん告つげ者しゃ罪ざい一等いっとう。若わか教きょう令れい人じん告つげ子孫しそん，各かく減げん所しょ告つげ罪ざい二に等とう。其教令れい人じん告つげ事ごと虛きょ應おう反はん坐すわ，或ある得とく實じつ應おう賞しょう者しゃ，皆みな以告者しゃ為ため首くび，教きょう令れい為ため從したがえ。　諸しょ老廢ろうはい篤あつ疾やまし，事こと須爭訴，止とめ令れい同居どうきょ親おや屬ぞく深ふか知ち本末ほんまつ者しゃ代だい之の。若わか謀反ぼうほん大逆だいぎゃく，子孫しそん不孝ふこう，為ため同居どうきょ所しょ侵おかせ侮あなど，必須ひっす自じ陳ひね者しゃ聽。　諸しょ致仕ちし得とく代官だいかん，不ふ得とく已やめ與あずか齊ひとし民みん訟，許もと其親屬ぞく家人かじん代だい訴，所司しょし毋侵撓たわわ之の。　諸しょ婦人ふじん輒代男子だんし告つげ辨べん爭訟そうしょう者しゃ，禁きん之の。若わか果はて寡居，及雖有子ゆうこ男おとこ，為ため他た故ゆえ所しょ妨さまたげ，事こと須爭訟そうしょう者しゃ，不在ふざい禁きん例れい。　諸子しょし證しょう其父，奴やつ訐其主ぬし，及妻妾わらわ弟おとうと姪めい不ふ相あい容よう隱かくれ，凡干名めい犯はん義よし，為ため風化ふうか之の玷者，並なみ禁止きんし之の。　諸しょ親おや屬ぞく相しょう告つげ，並なみ同どう自首じしゅ。　諸しょ妻つま訐夫惡あく，比ひ同どう自首じしゅ原免はるめん。凡夫ぼんぷ有罪ゆうざい，非ひ惡逆あくぎゃく重おも事こと，妻つま得とく相しょう容よう隱かくれ，而輒告つげ訐其夫おっと者しゃ，笞むち四よん十じゅう七なな。　諸しょ妻つま曾背夫おっと而逃，被ひ斷だん復ふく誣告ぶこく其夫以重罪ざい者しゃ，抵罪反はん坐すわ，從したがえ其夫嫁よめ賣うり。　諸しょ職しょく官かん同僚どうりょう相しょう言げん者しゃ，並なみ解職かいしょく別べつ敍じょ，記き過か。　諸しょ告つげ人じん罪ざい者しゃ，自じ下した而上，不ふ得とく越訴えっそ。　諸しょ府ふ州しゅう司つかさ縣けん應おう受理じゅり而不受理じゅり，雖受理じゅり而聽斷だん偏屈へんくつ，或ある遷延せんえん不ふ決けつ者しゃ，隨ずい輕重けいちょう而罪罰ばつ之の。　諸しょ訴官吏かんり受賂不法ふほう，徑みち赴憲司し者しゃ，不ふ以越訴えっそ論ろん。　諸しょ陳ひね訴有理ゆうり，路みち府ふ州しゅう縣けん不ふ行くだり，訴之省しょう部ぶ臺だい院いん，省しょう部ぶ臺だい院いん不ふ行くだり，經けい乘じょう輿こし訴之。未み訴省部ぶ臺だい院いん，輒經乘じょう輿こし訴者，罪つみ之の。　諸しょ職しょく官かん誣告ぶこく人じん枉法贓者，以其罪ざい罪ざい之の，除名じょめい不ふ敍じょ。　諸しょ奴婢ぬひ〔誣〕告つげ其主者しゃ處しょ死し，^[2]本ほん主おも求もとめ免めん者しゃ，聽減一等いっとう。　諸しょ以奴告つげ主ぬし私事しじ，主しゅ同どう自首じしゅ，奴やつ杖つえ七なな十じゅう七なな。

鬭毆

諸しょ鬭毆，以手足てあし擊げき人じん傷者しょうしゃ，笞むち二に十じゅう七なな，以他物ぶつ者しゃ三さん十じゅう七なな。傷きず及拔髮かみ方寸ほうすん以上いじょう，四よん十じゅう七なな。若わか血ち從したがえ耳目じもく出で及內損そん吐血とけつ者しゃ，加か一等いっとう。折おり齒ぱ、毀缺耳鼻じび、眇すがめ一目いちもく及折手足てあし指ゆび，若わか破やぶ骨ほね及湯火傷かしょう人じん者しゃ，杖つえ六ろく十じゅう七なな。折おり二に齒は二に指ゆび以上いじょう，及髠髮かみ，并刃傷にんじょう、折おり人じん肋あばら、眇すがめ人じん兩目りょうめ、墮人胎，七なな十じゅう七なな。以穢物ぶつ污人頭あたま面めん者しゃ，罪つみ亦また如之。折おり跌人肢體したい，及瞎其目者しゃ，^[3]九きゅう十じゅう七なな。辜內平復へいふく者しゃ，各かく減げん二に等とう。即そく損そん二に事こと以上いじょう，及因舊きゅう患，令れい至いたり篤あつ疾やまし，若わか斷だん舌した及毀敗はい人じん陰陽いんよう者しゃ，一いち百ひゃく七なな。　諸しょ訴毆詈，有ゆう闌たけなわ告つげ者しゃ勿聽，違たがえ者しゃ究きわむ之これ。　諸しょ保ほ辜者，手足てあし毆なぐ傷きず人じん，限げん十じゅう日にち。以他物ぶつ毆なぐ傷者しょうしゃ，二に十じゅう日にち。以刃及湯火傷かしょう人じん者しゃ，三さん十じゅう日にち。折おり跌肢體たい及破骨こつ者しゃ，五ご十じゅう日にち。毆なぐ傷きず不ふ相須あいす，餘よ條じょう毆なぐ傷きず，及殺傷者しょうしゃ準じゅん此。限きり內死者しゃ，各かく依よ殺人さつじん論ろん。其在限外げんがい，及雖在ざい限きり內，以他故こ死者ししゃ，各かく依よ本ほん毆なぐ傷きず法ほう。他た故こ，謂いい別べつ增ぞう餘あまり患而死者ししゃ。　諸しょ倡女鬭傷良人りょうじん，辜限之の外そと死者ししゃ，杖つえ七なな十じゅう七なな，單たん衣ころも受刑じゅけい。　諸しょ毆なぐ傷きず人じん，辜限外がい死者ししゃ，杖つえ七なな十じゅう七なな。　諸しょ以非理ひり毆なぐ傷きず妻妾さいしょう者しゃ，罪つみ以本毆なぐ傷きず論ろん，並なみ離はなれ之の。若妻わかづま不為ふため父母ちちはは悅えつ，以致非理ひり毆なぐ傷者しょうしゃ，罪つみ減げん三さん等とう，仍離之の。　諸しょ職しょく官かん毆なぐ妻つま墮胎だたい者しゃ，笞むち三さん十じゅう七なな，解職かいしょく，期き年ねん後ご降くだ先さき品ひん一等いっとう，注ちゅう邊あたり遠とお一任いちにん，妻つま離はなれ之の。　諸しょ以非理ひり苦く虐しいたげ未み成婚せいこん男おとこ婦ふ者しゃ，笞むち四よん十じゅう七なな，婦ふ歸き宗むね，不ふ追つい聘財。　諸しょ舅しゅうと姑しゅうと非理ひり陵虐りょうぎゃく無罪むざい男おとこ婦ふ者しゃ，笞むち四よん十じゅう七なな，男なん婦ふ歸き宗むね，不ふ追つい聘財。　諸しょ蒙こうむ古人こじん與あずか漢人かんど爭そう，毆なぐ漢人かんど，漢人かんど勿還報むくい，許もと訴于有司ゆうし。　諸しょ蒙こうむ古人こじん斫傷他人たにん奴やつ，知ち罪ざい願ねがい休きゅう和わ者しゃ聽。　諸しょ以他物ぶつ傷きず人じん，致成廢疾はいしつ者しゃ，杖つえ七なな十じゅう七なな，仍追中ちゅう統すべ鈔一十じゅう錠じょう，付づけ被ひ傷きず人じん，充たかし養やしなえ濟ずみ之の資し。　諸しょ因いん鬭毆，斫傷人じん成なり廢疾はいしつ者しゃ，杖つえ八はち十じゅう七なな，徵ちょう中ちゅう統すべ鈔一十じゅう錠じょう，付づけ被ひ（告つげ）〔傷きず〕人にん，充たかし養やしなえ濟ずみ之の資し。^[4]為ため父ちち還かえ毆なぐ致傷ちしょう者しゃ，徵しるし其鈔之の半はん。　諸しょ豪ごう橫よこ輒誣平ひら人為じんい盜ぬすめ，捕と其夫婦ふうふ男女だんじょ，於私家か拷訊監禁かんきん，非理ひり陵虐りょうぎゃく者しゃ，杖つえ一いち百ひゃく七なな，流りゅう遠とお。其被害ひがい有ゆう致殘廢はい者しゃ，人にん徵ちょう中ちゅう統すべ鈔二に十じゅう錠じょう，充たかし養やしなえ贍之貲。　諸しょ職しょく官かん輒將義男よしお去勢きょせい，以充閹官進しん納おさめ者しゃ，杖つえ一いち百ひゃく七なな，除名じょめい不ふ敍じょ，記き過か，義男よしお歸き宗むね。　諸しょ以微故こ殘ざん傷きず義男よしお肢體したい廢疾はいしつ者しゃ，加か凡人ぼんじん折おり跌肢體たい一等いっとう論ろん，義男よしお歸き宗むね，仍徵中ちゅう統すべ鈔五百ひゃく貫かん，充たかし養やしなえ贍之貲。　諸しょ尊みこと長ちょう輒以微罪びざい刺傷ししょう弟おとうと姪めい雙そう目め者しゃ，與あずか常人じょうじん同罪どうざい，杖つえ一いち百ひゃく七なな，追徵ついちょう贍養鈔二に十じゅう錠じょう給きゅう苦く主ぬし，免めん流りゅう，識過于門；無罪むざい者しゃ，仍流。　諸しょ弟おとうと雖聽其兄之の仇かたき，同どう謀はかりごと剜其兄けい之の眼め，即そく以弟為ため首くび，各かく杖つえ一いち百ひゃく七なな，流りゅう遠とお，而弟加か遠とお。　諸しょ卑幼挾はさみ仇かたき，輒刺傷きず尊みこと長ちょう雙そう目め成なり廢疾はいしつ者しゃ，杖つえ一いち百ひゃく七なな，流りゅう遠とお。　諸しょ以刃刺とげ破やぶ人ひと兩目りょうめ成なり篤あつ疾やまし者しゃ，杖つえ一いち百ひゃく七なな，流りゅう遠とお，仍徵中ちゅう統すべ鈔二に十じゅう錠じょう，充たかし養やしなえ贍之貲，主しゅ使者ししゃ亦また如之。　諸しょ挾はさみ讎傷人じん之の目め者しゃ，若わか一目いちもく元もと損そん，又また傷きず其一目いちもく，與あずか傷きず兩目りょうめ同どう論ろん，雖會赦，仍流。　諸しょ因いん爭そう誤あやま瞎人一目いちもく者しゃ，杖つえ七なな十じゅう七なな，徵ちょう中ちゅう統すべ鈔五十じゅう兩りょう，充たかし醫藥いやく之の貲。

諸しょ脫だつ脫だつ禾孫輒毆傷きず往來おうらい使臣ししん者しゃ，笞むち四よん十じゅう七なな，解職かいしょく記き過か。　諸しょ職しょく官かん，輒以他物たぶつ毆なぐ傷きず使臣ししん者しゃ，杖つえ六ろく十じゅう七なな。　諸しょ司つかさ屬官ぞっかん，輒毆本管ほんかん上司じょうし幕まく官かん者しゃ，笞むち四よん十じゅう七なな，解職かいしょく記き過か。　諸方しょほう鎮僚屬ぞく，輒以他物たぶつ毆なぐ傷きず主ぬし帥そち者しゃ，杖つえ六ろく十じゅう七なな，幕まく官かん使つかい酒しゅ罵ののし長官ちょうかん者しゃ，笞むち四よん十じゅう七なな，並なみ解職かいしょく別べつ敍じょ，記き過か。　諸しょ按部官かん因いん爭そう辯べん，輒毆有司ゆうし官かん，有司ゆうし官かん還かえ毆なぐ者しゃ，各かく笞むち三さん十じゅう七なな，解職かいしょく。　諸しょ監かん臨官挾はさみ怨，當とう廳ちょう扯捽屬官ぞっかん，屬官ぞっかん輒毆之これ者しゃ，笞むち四よん十じゅう七なな，解職かいしょく。　諸しょ方面ほうめん大臣だいじん，不能ふのう以正率りつ下か，輒與幕まく屬ぞく公こう堂どう鬭爭，雖會赦，並なみ罷免ひめん記き過か，赦前無む招者還かえ職しょく。　諸しょ職しょく官かん輒毆傷きず所しょ監かん臨，以所毆なぐ傷きず法論ほうろん罪ざい，記き過か。　諸しょ職しょく官かん毆なぐ傷きず同署どうしょ長官ちょうかん者しゃ，笞むち五ご十じゅう七なな，解かい見み任にん，降くだ先さき品ひん一等いっとう敍じょ，仍記過か名な。　諸しょ有司ゆうし長官ちょうかん，輒毆同位どうい正せい官かん者しゃ，笞むち三さん十じゅう七なな，毆なぐ佐さ貳に官かん者しゃ，二に十じゅう七なな，並なみ解職かいしょく記き過か。　諸しょ同僚どうりょう改あらため除じょ，復ふく以私忿相毆なぐ詈者，皆みな罷やめ其所受新命いのち。　諸しょ在ざい閑職かんしょく官かん，輒毆詈本籍せき在任ざいにん長官ちょうかん者しゃ，杖つえ六ろく十じゅう七なな。　諸しょ職しょく官かん相しょう毆なぐ，其官等とう，從したがえ所しょ傷きず輕重けいちょう論ろん罪ざい。　諸しょ軍ぐん官かん縱たて酒しゅ，因いん戲おどけ而怒，故こ毆なぐ傷きず有司ゆうし官かん者しゃ，笞むち三さん十じゅう七なな，記き過か。　諸しょ幕僚ばくりょう因いん公こう，輒以惡あく言げん詈長官ちょうかん者しゃ，笞むち四よん十じゅう七なな，長官ちょうかん輒還毆なぐ者しゃ，笞むち一いち十じゅう七なな，並なみ記き過か名な。　諸しょ職しょく官かん乘じょう醉よい，當とう街まち毆なぐ傷きず平たいら人じん者しゃ，笞むち四よん十じゅう七なな，記き過か。　諸しょ職しょく官かん間あいだ居い與あずか庶民しょみん相しょう毆なぐ者しゃ，職しょく官かん減げん一等いっとう，聽罰贖。　諸しょ以他物ぶつ毆なぐ傷きず職しょく官かん者しゃ，加か一等いっとう，笞むち五ご十じゅう七なな。　諸しょ小しょう民みん恃年老おい，毆なぐ詈所屬官ぞっかん長者ちょうじゃ，杖つえ六ろく十じゅう七なな，不ふ聽贖。　諸惡しょあく少しょう無賴ぶらい，輒毆傷きず禁きん近ちか之これ人にん者しゃ，杖つえ七なな十じゅう七なな。

殺傷さっしょう

諸しょ殺人さつじん者しゃ死し，仍於家か屬ぞく徵ちょう燒しょう埋うめ銀ぎん五ご十じゅう兩りょう給きゅう苦く主ぬし，無む銀ぎん者しゃ徵ちょう中ちゅう統すべ鈔一十じゅう錠じょう，會かい赦免しゃめん罪ざい者しゃ倍ばい之の。倍ばい之の。　諸しょ部民ぶみん毆なぐ死し官かん長ちょう，主謀しゅぼう及下手へた者しゃ皆みな處しょ死し，同どう毆なぐ傷きず非ひ致命ちめい者しゃ，杖つえ一いち百ひゃく七なな，流りゅう遠とお，均ひとし徵ちょう燒しょう埋うめ銀ぎん。　諸しょ殺人さつじん，還かえ自殺じさつ不ふ死者ししゃ，仍處死し。　諸しょ殺人さつじん，從したがえ而加功こう，無む故殺こさつ之の情じょう者しゃ，會かい赦仍釋しゃく之の。　諸しょ鬭毆殺人さつじん，先さき誤あやま後のち故ゆえ者しゃ，即そく以故殺こさつ論ろん。　諸しょ因いん鬭毆，以刃殺人さつじん，及他物ぶつ毆なぐ死人しにん者しゃ，並なみ同どう故殺こさつ。　諸しょ因いん爭そう，以刃傷にんじょう人じん，幸こう獲え生なま免めん者しゃ，杖つえ一いち百ひゃく七なな。　諸持もろもち刃は方かた殺人さつじん，人にん覺さとし而逃，却移怒いか殺ころせ所しょ解かい勸すすむ者しゃ，與あずか故殺こさつ同どう。　諸しょ有司ゆうし徵ちょう科か急きゅう，民みん弗どる堪こらえ，致殺其徵科か者しゃ，仍以故殺こさつ論ろん。　諸しょ醉よい中ちゅう欲よく殺ころせ其妻不ふ得え，移うつり怒いか殺ころせ死し其解紛まがえ之これ人にん者しゃ，處しょ死し。　諸しょ欲よく誘さそえ倡女逃，不ふ從したがえ輒殺之これ者しゃ，與あずか殺ころせ常人じょうじん同どう。　諸しょ鬭毆殺人さつじん者しゃ，結ゆい案あん待まち報ほう。　諸人もろびと殺ころせ死し其父，子し毆なぐ之これ死者ししゃ，不ふ坐すわ，仍於殺ころせ父ちち者しゃ之の家いえ，徵ちょう燒しょう埋うめ銀ぎん五ご十じゅう兩りょう。　諸しょ蒙こうむ古人こじん因いん爭そう及乘醉よい毆なぐ死し漢人かんど者しゃ，斷だん罰ばつ出征しゅっせい，並なみ全ぜん徵ちょう燒しょう埋うめ銀ぎん。　諸しょ因いん鬨かちどき爭そう，一人誤蹂死小兒，一いち人にん毆なぐ人ひと致死ちし，毆なぐ者結じゃけつ案あん，蹂者杖つえ一いち百ひゃく七なな，並なみ徵ちょう燒しょう埋うめ銀ぎん。　諸しょ有人ゆうじん戲おどけ調ちょう其妻，夫おっと遇ぐう而毆之の，因いん傷きず而死者しゃ，減げん死し一等いっとう論ろん罪ざい，仍徵燒しょう埋うめ銀ぎん。　諸しょ毆なぐ死し應おう捕と殺ころせ惡逆あくぎゃく之の人ひと者しゃ，免罪めんざい，不ふ徵ちょう燒しょう埋うめ銀ぎん。　諸しょ以他物ぶつ傷きず人じん，傷きず毒どく流りゅう注ちゅう而死，雖在辜限之の外そと，仍減殺人さつじん罪ざい三さん等とう坐すわ之これ。　諸しょ因いん爭そう，以頭觸さわ人ひと，與あずか人ひと俱仆，肘ひじ抵其心しん，邂逅かいこう致死ちし者しゃ，杖つえ一いち百ひゃく七なな，全ぜん徵ちょう燒しょう埋うめ銀ぎん。　諸しょ出だし使し從したがえ人じん，毆なぐ死し舘だて夫おっと者しゃ，以毆殺おうさつ論ろん。　諸しょ因いん戲言ざれごと相しょう毆なぐ，致傷ちしょう人命じんめい者しゃ，杖つえ一いち百ひゃく七なな。　諸しょ父ちち亡ほろび，母はは復ふく納おさめ他た人為じんい夫おっと，即そく為ため義父ぎふ。若わか逐其子こ出で居きょ於外，即そく同どう凡人ぼんじん，其有所しょ鬭毆殺傷さっしょう，即そく以凡人じん鬭毆殺傷さっしょう論ろん。　諸しょ彼此ひし有罪ゆうざい之の人ひと，相そう格かく致死ちし者しゃ，與あずか殺ころせ常人じょうじん同どう。

諸しょ職しょく官かん以微故こ毆なぐ死し齊ひとし民みん者しゃ，處しょ死し。　諸しょ職しょく官かん受贓，為ため民みん所しょ告つげ，輒毆死し告つげ者しゃ，以故殺こさつ論ろん。　諸しょ軍ぐん官かん，因いん公こう乘じょう怒いか，輒命麾下きか毆なぐ人ひと致死ちし者しゃ，杖つえ八はち十じゅう七なな，解職かいしょく，期き年ねん後ご降くだ先さき品ひん一等いっとう敍じょ，徵ちょう燒しょう埋うめ銀ぎん給きゅう苦く主ぬし，若わか會かい赦，仍殿降くだ徵ちょう銀ぎん。　諸しょ閫帥侵おかせ盜ぬすめ係官かかりかん錢ぜに糧かて，怒いか吏發其姦，輒令人じん毆なぐ死者ししゃ，以故殺こさつ論ろん，雖會大赦たいしゃ，仍追奪だつ不ふ敍じょ，倍ばい徵ちょう燒しょう埋うめ銀ぎん。　諸しょ局きょく院いん官かん輒以微ほろ故こ，毆なぐ死し匠たくみ人じん者しゃ，處しょ死し。

諸しょ父ちち無む故こ以刃殺ころせ其子者しゃ，杖つえ七なな十じゅう七なな。　諸子しょし不孝ふこう，父ちち與あずか弟おとうと姪めい同どう謀はかりごと置おけ之の死地しち者しゃ，父ちち不ふ坐すわ，弟おとうと姪めい杖つえ一いち百ひゃく七なな。　諸しょ女おんな已やめ嫁よめ，聞女有ゆう過か，輒殺其女者しゃ，笞むち五ご十じゅう七なな，追つい還元かんげん受聘財ざい，給きゅう夫おっと別べつ娶めと。　諸しょ父ちち有ゆう故こ毆なぐ其子女おんな，邂逅かいこう致死ちし者しゃ，免罪めんざい。　諸しょ後ご夫おっと毆なぐ死し前夫ぜんふ之子ゆきこ者しゃ，處しょ死し。　諸しょ妻つま故殺こさつ妾わらわ子こ者しゃ，杖つえ九きゅう十じゅう七なな，從したがえ其夫嫁よめ賣うり。　諸しょ男おとこ婦ふ雖有過か，舅しゅうと姑しゅうと輒加殘虐ざんぎゃく致死ちし者しゃ，杖つえ一いち百ひゃく七なな。　諸子しょし不孝ふこう，父ちち殺ころせ其子，因いん及其婦ふ者しゃ，杖つえ七なな十じゅう七なな，婦ふ元もと有ゆう粧奩之の物もの，盡つき歸き其父母ちちはは。　諸しょ以細故殺こさつ其弟者しゃ，處しょ死し。　諸兄しょけい以立繼ままし之子ゆきこ，主しゅ謀殺ぼうさつ其嫡弟おとうと者しゃ，主謀しゅぼう下手へた皆みな處しょ死し，其田そのだ宅たく人口じんこう財物ざいぶつ盡つき歸き死者ししゃ妻子さいし，其子歸き宗むね。　諸しょ弟おとうと先さき毆なぐ其兄，兄あに還かえ殺ころせ其弟，即そく兄あに殺ころせ有罪ゆうざい之の弟おとうと，不ふ以凡人じん鬭殺論ろん。　諸しょ因いん爭そう，誤あやま毆なぐ死し異い居きょ弟おとうと者しゃ，杖つえ七なな十じゅう七なな，徵ちょう燒しょう埋うめ銀ぎん之の半はん。　諸しょ因いん爭そう，故殺こさつ族ぞく弟おとうと者しゃ，與あずか殺ころせ常人じょうじん同どう。　諸しょ妹いもうと為ため尼あま與あずか人じん私わたし，兄あに聞而諫之，不ふ從したがえ，反はん詬詈扯捽其兄，兄あに殺ころせ之これ，即そく兄あに殺ころせ有罪ゆうざい之の妹いもうと，不ふ以凡人じん鬭殺論ろん。　諸兄しょけい毆なぐ弟おとうと妻つま，因いん傷きず而死者しゃ，杖つえ一いち百ひゃく七なな，徵ちょう燒しょう埋うめ銀ぎん。　諸しょ嫂あによめ溺死できし其小姑しゅうと者しゃ，以故殺こさつ論ろん。　諸しょ因いん爭そう，毆なぐ死し族ぞく兄弟きょうだい之子ゆきこ者しゃ，杖つえ一いち百ひゃく七なな；故こ以刃殺ころせ之これ者しゃ，處しょ死し，並なみ徵ちょう燒しょう埋うめ銀ぎん。　諸しょ毆なぐ死し兄弟きょうだい之子ゆきこ，而圖其財者しゃ，處しょ死し。　諸しょ夫婦ふうふ同どう謀はかりごと，殺ころせ其兄弟きょうだい之子ゆきこ者しゃ，皆みな處しょ死し。　諸しょ尊みこと長ちょう誤あやま毆なぐ卑幼致死ちし者しゃ，杖つえ七なな十じゅう七なな，異い居きょ者しゃ仍徵燒しょう埋うめ銀ぎん。　諸しょ以微過か，輒殺其妻者しゃ，處しょ死し。　諸しょ因いん夫妻ふさい反目はんもく，輒藥死し其妻者しゃ，與あずか故殺こさつ常人じょうじん同どう。　諸しょ妻つま悖もと慢其舅しゅうと姑しゅうと，其夫毆なぐ之これ致死ちし者しゃ，杖つえ七なな十じゅう七なな。　諸しょ夫おっと臥が疾やまし，妻つま不ふ侍さむらい湯ゆ藥やく，又また詬詈其舅姑しゅうと，以傷其夫之の心しん，夫おっと毆なぐ之これ，邂逅かいこう致死ちし者しゃ，不ふ坐すわ。　諸しょ夫おっと惡妻あくさい而愛妾わらわ，輒求妻つま微罪びざい而殺之これ者しゃ，處しょ死し。　諸しょ風聞ふうぶん涉わたる疑うたぐ，故殺こさつ定てい婚こん妻つま者しゃ，與あずか殺ころせ凡人ぼんじん同どう論ろん。　諸しょ妻つま以殘酷ざんこく，毆なぐ死し其妾者しゃ，杖つえ一いち百ひゃく七なな，去さ衣ころも受刑じゅけい。　諸しょ舅しゅうと以無實むじつ之の罪つみ，故殺こさつ其甥者しゃ，與あずか殺ころせ常人じょうじん同どう論ろん。　諸しょ因いん爭そう挾はさみ仇かたき，毆なぐ死し其婿者しゃ，與あずか殺ころせ常人じょうじん同どう。

諸しょ奴やつ毆なぐ詈其主ぬし，主おも毆なぐ傷きず奴やつ致死ちし者しゃ，免罪めんざい。　諸しょ故殺こさつ無罪むざい奴婢ぬひ，杖つえ八はち十じゅう七なな，因いん醉よい殺ころせ之これ者しゃ，減げん一等いっとう。　諸しょ毆なぐ死し擬なずらえ放ひ良よ奴婢ぬひ者しゃ，杖つえ七なな十じゅう七なな。　諸しょ謀殺ぼうさつ已やめ放ひ良よ奴婢ぬひ者しゃ，與あずか故殺こさつ常人じょうじん同どう。　諸しょ良人りょうじん以鬭毆殺おうさつ人じん奴やつ，杖つえ一いち百ひゃく七なな，徵ちょう燒しょう埋うめ銀ぎん五ご十じゅう兩りょう。　諸しょ良人りょうじん戲おどけ殺ころせ他人たにん奴やつ者しゃ，杖つえ七なな十じゅう七なな，徵ちょう燒しょう埋うめ銀ぎん五ご十じゅう兩りょう。　諸しょ奴やつ毆なぐ死し其弟，弟おとうと亦また為ため同どう主しゅ奴やつ，主しゅ乞貸死者ししゃ聽。　諸しょ異い主しゅ奴婢ぬひ相しょう犯はん死者ししゃ，同どう常人じょうじん；同どう主あるじ相しょう犯はん至いたり重刑じゅうけい者しゃ，仍依例れい結ゆい案あん。　諸しょ地主じぬし毆なぐ死し佃つくだ客きゃく者しゃ，杖つえ一いち百ひゃく七なな，徵ちょう燒しょう埋うめ銀ぎん五ご十じゅう兩りょう。

諸しょ醉よい中ちゅう誤認ごにん他た人為じんい仇かたき人じん，故殺こさつ致命ちめい者しゃ，雖誤同どう故ゆえ。　諸しょ奴やつ受本主命しゅうめい，執と仇かたき殺人さつじん者しゃ，減げん死し流ながれ遠とお。　諸しょ挾はさみ仇かたき殺人さつじん會かい赦，為ため首くび下手へた者しゃ不ふ赦，為ため從したがえ不ふ曾下手へた者しゃ免めん死し，徒と一いち年ねん。　諸しょ以老病びょう殺人さつじん者しゃ，不ふ以老病びょう免めん。　諸しょ謀はかりごと故こ殺人さつじん年ねん七なな十じゅう以上いじょう，並なみ枷かせ禁きん歸き勘かん結ゆい案あん。　諸しょ兩りょう家之子いえのこ，昏暮奔還，中路なかじ相しょう迎むかえ，撞仆于地，因いん傷きず致死ちし者しゃ，不ふ坐すわ，仍徵鈔五十じゅう兩りょう給きゅう苦く主ぬし。　諸しょ十じゅう五ご以下いか小兒しょうに，過失かしつ殺人さつじん者しゃ，免罪めんざい，徵ちょう燒しょう埋うめ銀ぎん。　諸しょ十じゅう五ご以下いか小兒しょうに，因いん爭そう毀傷きしょう人じん致死ちし者しゃ，聽贖，徵ちょう燒しょう埋うめ銀ぎん給きゅう苦く主ぬし。　諸しょ瞽者毆なぐ人ひと，因いん傷きず致死ちし，杖つえ一いち百ひゃく七なな，徵ちょう燒しょう埋うめ銀ぎん給きゅう苦く主ぬし。　諸しょ病やまい風狂ふうきょう，毆なぐ傷きず人じん致死ちし，免罪めんざい，徵ちょう燒しょう埋うめ銀ぎん。　諸しょ庸いさお醫い以鍼藥殺やくさつ人じん者しゃ，杖つえ一いち百ひゃく七なな，徵ちょう燒しょう埋うめ銀ぎん。　諸しょ颺磚石せき剝鄰之の果はて，誤あやま傷きず人じん致死ちし者しゃ，杖つえ八はち十じゅう七なな，徵ちょう燒しょう埋うめ銀ぎん。　諸しょ軍ぐん士し習射，招箭者しゃ不ふ謹，致被傷きず而死，射しゃ者しゃ不ふ坐すわ，仍徵燒しょう埋うめ銀ぎん。　諸しょ過誤かご踏死小兒しょうに，杖つえ七なな十じゅう七なな，徵ちょう燒しょう埋うめ銀ぎん給きゅう苦く主ぬし。　諸しょ昏夜馳はせ馬ば，誤あやま觸さわ人死ひとじに，杖つえ七なな十じゅう七なな，徵ちょう燒しょう埋うめ銀ぎん。　諸しょ驅か車くるま走はし馬うま，致傷ちしょう人命じんめい者しゃ，杖つえ七なな十じゅう七なな，徵ちょう燒しょう埋うめ銀ぎん。　諸しょ昏夜行やこう車しゃ，不知ふち有人ゆうじん在地ざいち，誤あやま致轢死者ししゃ，笞むち三さん十じゅう七なな，徵ちょう燒しょう埋うめ銀ぎん之の半はん給きゅう苦く主ぬし。　諸しょ幼よう小しょう自じ相そう作さく戲おどけ，誤あやま傷きず致死ちし者しゃ，不ふ坐すわ。　諸しょ戲おどけ傷きず人命じんめい，自じ願ねがい休きゅう和わ者しゃ聽。　諸しょ兩人りょうにん作さく戲おどけ爭そう物ぶつ，一人ひとり放ひ手て，一人ひとり失しつ勢ぜい跌死，放ひ者しゃ不ふ坐すわ。　諸しょ以物戲おどけ驚おどろき小兒しょうに，成なり疾やまし而死者しゃ，杖つえ六ろく十じゅう七なな，追徵ついちょう燒しょう埋うめ銀ぎん五ご十じゅう兩りょう。　諸しょ以戲與あずか人相にんそう逐，致人跌傷而死者しゃ，其罪徒と，仍徵燒しょう埋うめ銀ぎん給きゅう苦く主ぬし。　諸しょ駱駝らくだ在ざい牧まき，囓人而死者しゃ，牧人ぼくじん笞むち一いち十じゅう七なな，以駱駝らくだ給きゅう苦く主ぬし。　諸しょ驛えき馬ば在野ざいや，囓人而死者しゃ，以其馬ば給きゅう苦く主ぬし，馬主ばしゅ別べつ買かい當とう役やく。　諸しょ奴やつ故殺こさつ其子女おんな，以誣其主者しゃ，杖つえ一いち百ひゃく七なな。　諸しょ因いん爭そう，以妻前夫ぜんふ男女だんじょ溺死できし，誣賴人じん者しゃ，以故殺こさつ論ろん。　諸しょ後ご夫おっと置おけ毒どく飲食いんしょく，與あずか前夫ぜんふ子女しじょ食しょく而死者しゃ，與あずか藥くすり死し常人じょうじん同どう。　諸しょ故殺こさつ無罪むざい子孫しそん，以誣賴よりゆき仇かたき人じん者しゃ，以故殺こさつ常人じょうじん論ろん。　諸しょ殺人さつじん無む苦く主ぬし者しゃ，免めん徵ちょう燒しょう埋うめ銀ぎん，犯人はんにん財產ざいさん人口じんこう並なみ付づけ其妻子さいし，仍為民みん當とう差さ。　諸しょ殺ころせ有罪ゆうざい之これ人にん，免めん徵ちょう燒しょう埋うめ銀ぎん。　諸しょ圖ず財ざい謀はかりごと故こ殺人さつじん多た者しゃ，皆みな陵りょう遲おそ處しょ死し，驗けん各かく賊ぞく所しょ殺人さつじん數すう，於家屬ぞく均ひとし徵ちょう燒しょう埋うめ銀ぎん。　諸しょ同居どうきょ相しょう毆なぐ而死，及殺人じん罪ざい未み結ゆい正せい而死者しゃ，並なみ不ふ徵ちょう燒しょう埋うめ銀ぎん。　諸しょ殺人さつじん者しゃ，被ひ殺ころせ之これ人にん或ある家いえ住じゅう他所よそ，官かん徵ちょう燒しょう埋うめ銀ぎん移うつり本籍ほんせき，得とく其家屬ぞく給きゅう之の。　諸しょ鬭毆殺人さつじん，應おう徵ちょう燒しょう埋うめ銀ぎん，而犯人じん貧ひん窶やつれ，不能ふのう出で備，并其餘あまり親おや屬ぞく無む應おう徵ちょう之これ人にん，官かん與あずか支給しきゅう。　諸しょ致傷ちしょう人命じんめい，應おう徵ちょう燒しょう埋うめ銀ぎん者しゃ，止とめ徵ちょう銀ぎん價か中ちゅう統すべ鈔一十じゅう錠じょう。　諸しょ因いん爭そう，同どう毆なぐ死人しにん，會かい赦應倍ばい徵ちょう燒しょう埋うめ銀ぎん者しゃ，為ため首くび致命ちめい徵ちょう中ちゅう統すべ鈔一十じゅう錠じょう，為ため從したがえ均ひとし徵ちょう一いち十じゅう錠じょう。　諸しょ毆なぐ死人しにん，雖不見み屍かばね，招證明白めいはく者しゃ，仍徵燒しょう埋うめ銀ぎん。　諸しょ僧そう道どう殺人さつじん，燒しょう埋うめ銀ぎん於常住じょうじゅう追徵ついちょう。　諸しょ庸いさお作さく毆なぐ傷きず人命じんめい，徵ちょう燒しょう埋うめ銀ぎん，不ふ及庸作さく之の家いえ。　諸しょ奴やつ毆なぐ人ひと致死ちし，犯はん在ざい主家しゅか，於本主ぬし徵ちょう燒しょう埋うめ銀ぎん，不犯ふぼん在ざい主家しゅか，燒しょう埋うめ銀ぎん無む可か徵ちょう者しゃ，不ふ徵ちょう於其主ぬし。

禁令きんれい

諸しょ度量どりょう權衡けんこう不同ふどう者しゃ，犯人はんにん笞むち五ご十じゅう七なな。司つかさ縣けん正せい官かん，初犯しょはん罰俸ばっぽう一いち月がつ，^[5]再犯さいはん笞むち二に十じゅう七なな，三さん犯はん別べつ議ぎ，仍記過か名な。路みち府ふ州しゅう縣けん達たち魯花赤あか長官ちょうかん提ひさげ調ちょう失職しっしょく，初犯しょはん罰俸ばっぽう二に十じゅう日にち，再犯さいはん別べつ議ぎ。　諸しょ奏そう目め及官府ふ公文こうぶん，並なみ用よう國字こくじ，其有襲用しゅうよう畏かしこ兀字者しゃ，禁きん之の。　諸しょ但ただし降くだ詔みことのり旨むね條じょう畫が，民間みんかん輒刻小本おもと賣うり于市者しゃ，禁きん之の。　諸しょ內外應おう佩符職しょく官かん，輒以符ふ付づけ其傔從したがえ佩服者しゃ，禁きん之の。　諸しょ官員かんいん朝會ちょうかい，服ふく其朝服ふく，私わたし致敬於人臣じんしん者しゃ罰ばつ。　諸しょ隨ずい朝あさ文武ぶんぶ百官ひゃっかん，朝賀あさか不ふ至いたり者しゃ，罰ばっ中ちゅう統すべ鈔十じゅう貫かん，失しつ儀ぎ者しゃ罰ばつ中ちゅう統すべ鈔八はち貫かん。　諸しょ宰相さいしょう出入でいり，輒敢衝犯者しゃ，罪つみ之の。

諸しょ章しょう服ふく，惟おもんみ蒙こうむ古人こじん及宿衞しゅくえい之の士し，不ふ許もと服ふく龍りゅう鳳おおとり文あや，餘よ並なみ不ふ禁きん。謂いい龍りゅう，五ご爪つめ二に角かく者しゃ。職しょく官かん一いち品ひん、二品許服渾金花，三品服金答子，四よん品ひん、五品服雲袖帶襴，六ろく品ひん、七なな品ひん服ふく六ろく花はな，八はち品ひん、九品くほん服ふく四よん花はな，職しょく事ごと散ち官かん從したがえ一いち高だか。命婦みょうぶ一品至三品服渾金，四よん品ひん、五品服金答子，六品以下惟服銷金并金紗答子。首くび飾かざり，一品至三品許用金珠寶玉，四よん品ひん、五ご品ひん用よう金玉きんぎょく真珠まじゅ，六ろく品ひん以下いか用金ようきん，惟おもんみ耳環みみわ用よう珠玉しゅぎょく。同どう籍せき者しゃ，不ふ限きり親おや疏，期き親おや雖別籍せき并出嫁よめ同どう。車くるま輿こし並なみ不ふ得用とくよう龍りゅう鳳おおとり文あや，一品いっぴん至いたり（二に）〔三さん〕品しな許もと用よう間あいだ金きん粧飾、銀ぎん螭頭、繡帶、青あお幔，^[6]四よん品ひん、五ご品ひん用よう素もと獅頭、繡帶、青あお幔，六品至九品用素雲頭、素もと帶たい、青あお幔。內外有ゆう出身しゅっしん考こう滿まん應おう入いれ流りゅう見み役人やくにん員いん，服用ふくよう與あずか九品くほん同どう。受各投下とうか令旨れいし鈞ひとし旨むね，有印ゆういん信しんじ見み任にん人員じんいん，亦また與あずか九品くほん同どう。庶人惟おもんみ許もと服ふく暗くら花はな紵絲、絲いと綢綾羅りょうら、毛もう毳むくげ，不ふ許もと用よう赭黃，冒おかせ笠かさ不ふ得とく飾かざり以金玉だま，鞾不得とく裁さい置おけ花はな樣さま。首くび飾かざり許もと用よう翠みどり花はな金きん釵篦各かく一事いちじ，惟おもんみ耳環みみわ許もと用金ようきん珠たま碧あお甸，餘あまり並なみ用よう銀ぎん。車くるま輿こし，黑くろ油あぶら齊ひとし頭あたま平ひら頂いただき皂幔。　諸しょ色目いろめ人じん，除のぞき行ゆき營帳外がい，餘よ並なみ與あずか庶人同どう。職しょく官かん致仕ちし與あずか見み任にん同どう，解ほどけ降ぶ者もの依よ應おう得とく品ひん級きゅう；不ふ敍じょ者しゃ與あずか庶人同どう。父祖ふそ有ゆう官かん，既すんで歿年ぼつねん深ふか，非ひ犯はん除名じょめい不ふ敍じょ，其命婦ふ及子孫しそん與あずか見み任にん同どう。　諸しょ樂らく人工じんこう藝人げいにん等とう服用ふくよう，與あずか庶人同どう，凡承應おう粧扮之の物もの，不ふ拘かかわ上うわ例れい。皂隸公使こうし人じん，惟おもんみ許もと服ふく綢絹。倡家出入でいり，止とめ服ふく皂（背せ）〔褙〕，^[7]不ふ許もと乘じょう坐すわ車馬しゃば。應おう服ふく色しょく等とう第だい，上じょう得とく兼けん下か，下した不ふ得とく僭上せんじょう，違たがえ者しゃ，職しょく官かん解かい見み任にん，期き年ねん後ご降くだ一等いっとう敍じょ，餘人よにん笞むち五ご十じゅう七なな，違たがえ禁きん之の物もの，付づけ告つげ捉人充たかし賞しょう。御ご賜たまもの之の物もの，不在ふざい禁きん限げん。　諸しょ官員かんいん以黃金きん飾かざり甲かぶと者しゃ禁きん之の，違たがえ者しゃ甲きのえ匠たくみ同罪どうざい。　諸しょ常人じょうじん鞍くら韂，畫かく虎とら兔うさぎ者しゃ聽，畫かく雲龍うんりゅう犀さい牛うし者しゃ，禁きん之の。　諸しょ段だん匹ひき織お造みやつこ周しゅう身み大龍おおたつ者しゃ，禁きん之の，胸むね背せ小しょう龍りゅう者しゃ勿禁。　諸しょ市し造づくり鞍くら轡くつわ箭や鏃鞾履くつ及諸雜ざつ帶たい，用金ようきん為ため飾かざり者しゃ，禁きん之の。

諸しょ郡ぐん縣けん達たち魯花赤あか及諸投下とうか，擅造軍ぐん器き者しゃ，禁きん之の。　諸しょ神かみ廟びょう儀仗ぎじょう，止とめ以土木どぼく紙し綵代之の，用もちい真ま兵器へいき者しゃ禁きん。　諸しょ都城みやこのじょう小しょう民みん，造みやつこ彈だん弓ゆみ及執者しゃ，杖つえ七なな十じゅう七なな，沒ぼつ其家財ざい之の半はん，在外ざいがい郡ぐん縣けん不在ふざい禁きん限げん。　諸しょ打だ捕と及捕盜ぬすめ巡めぐ馬うま弓手ゆんで、巡めぐ鹽しお弓手ゆんで，許もと執と弓箭きゅうせん，餘あまり悉禁之の。　諸しょ漢人かんど持じ兵器へいき者しゃ，禁きん之の；漢かん人為じんい軍ぐん者しゃ不ふ禁きん。　諸しょ賣うれ軍ぐん器き者しゃ，賣うれ與あずか應おう執と把わ之の人ひと者しゃ不ふ禁きん。　諸しょ民間みんかん有ゆう藏ぞう鐵てつ尺じゃく、鐵骨てっこつ朵，及含刀がたな鐵てつ拄杖者しゃ，禁きん之の。　諸しょ私藏しぞう甲かぶと全ぜん副ふく者しゃ，處しょ死し；不ふ成なり副ふく者しゃ，笞むち五ご十じゅう七なな，徒と一いち年ねん；零れい散ち甲きのえ片かた不堪ふかん穿ほじ繫禦敵てき者しゃ，笞むち三さん十じゅう七なな。鎗若刀がたな若わか弩いしゆみ私有しゆう十じゅう件けん者しゃ，處しょ死し；五ご件けん以上いじょう，杖つえ九きゅう十じゅう七なな，徒と三さん年ねん；四よん件けん以下いか，七なな十じゅう七なな，徒と二に年ねん；不堪ふかん使用しよう，笞むち五ご十じゅう七なな。弓箭きゅうせん私有しゆう十じゅう副ふく者しゃ，處しょ死し；五ご副ふく以上いじょう，杖つえ九きゅう十じゅう七なな，徒と三さん年ねん；四よん副ふく以下いか，七なな十じゅう七なな，徒と二に年ねん；不ふ成なり副ふく，笞むち五ご十じゅう七なな。凡弓一いち，箭や三さん十じゅう，為ため一いち副ふく。

諸しょ嶽たけ瀆祠廟びょう，輒敢觸犯はん作さく踐者，禁きん之の。　諸伏もろふし羲、媧皇、堯、舜しゅん、禹、湯ゆ、后きさき土ど等とう廟びょう，軍馬ぐんば使臣ししん敢沮壞者，禁きん之の。　諸しょ名山めいざん大川おおかわ寺てら觀かん祠ほこら廟びょう，并前代だい名人めいじん遺蹟いせき，敢拆毀者，禁きん之の。　諸しょ改あらため寺てら為ため觀かん，改あらため觀かん為ため寺てら者しゃ，禁きん之の。　諸しょ祠ほこら廟びょう寺てら觀かん，模かたぎ勒御寶たから聖旨せいし及諸王おう令旨れいし者しゃ，禁きん之の。

諸しょ為ため子こ行ぎょう孝こう，輒以割わり肝きも、刲股、埋うめ兒じ之の屬ぞく為ため孝こう者しゃ，並なみ禁止きんし之の。　諸しょ民間みんかん喪も葬そう，以紙為ため屋や室しつ，金銀きんぎん為ため馬ば，雜ざつ綵衣服ふく帷とばり帳ちょう者しゃ，悉禁之の。　諸しょ墳墓ふんぼ以甎瓦かわら為ため屋や其上者しゃ，禁きん之の。　諸家しょか廟びょう春秋しゅんじゅう祭祀さいし，輒用公おおやけ服ふく行ぎょう禮者れいしゃ，禁きん之の。　諸しょ民間みんかん祖宗そそう神主かんぬし，稱しょう皇すめらぎ字じ者しゃ，禁きん之の。　諸しょ小しょう民みん房ぼう屋や，安置あんち鵝項銜脊，有ゆう鱗うろこ爪つま瓦かわら獸じゅう者しゃ，笞むち三さん十じゅう七なな，陶すえ人じん二に十じゅう七なな。　諸しょ職しょく官かん居きょ見み任にん，雖有善政ぜんせい，不ふ許もと立りつ碑ひ，已やめ立たて而犯贓污者しゃ毀之，無む治ち狀じょう以虛譽ほまれ立りつ碑いしぶみ者しゃ毀之。

諸しょ夜よる禁きん，一いち更さら三さん點てん，鐘聲しょうせい絕ぜっ，禁きん人じん行ぎょう。五更ごこう三さん點てん，鐘聲しょうせい動どう，聽人行ぎょう。違たがえ者しゃ笞むち二に十じゅう七なな，有ゆう官かん者しゃ聽贖。其公務こうむ急速きゅうそく，及疾病死びょうし喪も產さん育いく之これ類るい不ふ禁きん。　諸しょ有司ゆうし曉鐘ぎょうしょう未み動どう，寺てら觀かん輒鳴鐘かね者しゃ，禁きん之の。　諸江もろえ南みなみ之これ地ち，每夜まいよ禁きん鐘がね以前いぜん，市井しせい點燈てんとう買かい賣うり，曉鐘ぎょうしょう之これ後ご，人家じんか點燈てんとう讀書どくしょ工作こうさく者しゃ，並なみ不ふ禁きん。其集眾祠禱者，禁きん之の。　諸しょ犯はん夜よる拒こばめ捕ど，斮傷徼巡者しゃ，杖つえ一いち百ひゃく七なな。

諸しょ城郭じょうかく人民じんみん，隣となり甲かぶと相しょう保たもて，門もん置おけ水甕みずがめ，積水せきすい常つね盈みつる，家いえ設しつらえ火ひ具ぐ，每まい物もの須備，大風おおかぜ時じ作さく，則のり傳でん呼よび以徇于路。有司ゆうし不ふ時點じてん視し，凡救火ひ之の具ぐ不備ふび者しゃ，罪つみ之の。　諸しょ遺のこ火ひ延燒えんしょう係がかり官房かんぼう舍しゃ，杖つえ七なな十じゅう七なな；延燒えんしょう民みん房ぼう舍しゃ，笞むち五ご十じゅう七なな；因いん致傷ちしょう人命じんめい者しゃ，杖つえ八はち十じゅう七なな；所しょ毀房舍しゃ財ざい畜，公私こうし俱免徵ちょう償つぐなえ。燒しょう自己じこ房ぼう舍しゃ者しゃ，笞むち二に十じゅう七なな，止とめ坐すわ失火しっか之の人ひと。　諸しょ煎せんじ鹽しお草地くさじ，輒縱野火のび延燒えんしょう者しゃ，杖つえ八はち十じゅう七なな；因いん致闕用よう者しゃ，奏かなで取ど聖せい裁たっ。隣接りんせつ管かん民みん官かん，專せん一關いちのせき防ぼう禁きん治ち。　諸しょ縱たて火ひ圍かこえ獵りょう，延燒えんしょう民みん房ぼう舍しゃ錢ぜに穀こく者しゃ，斷罪だんざい勒償，償つぐなえ未み盡つき而會赦者，免めん徵ちょう。　諸しょ故こ燒やき太子たいし諸王しょおう房ぼう舍しゃ者しゃ，處しょ死し。　諸しょ故こ燒やき官かん府ふ廨宇，及有人じん居きょ止とめ宅たく舍しゃ，無む問とい舍しゃ宇大小しょう，財物ざいぶつ多寡たか，比ひ同どう強盜ごうとう，免めん刺とげ，杖つえ一いち百ひゃく七なな，徒と三さん年ねん；因いん傷きず人命じんめい，同どう殺人さつじん。其無人じん居きょ止とめ空そら房ぼう，并損壞そんかい財物ざいぶつ，及田おいた場じょう積せき聚之物ぶつ，同どう竊盜せっとう，免めん刺とげ，計けい贓斷罪だんざい。因よし盜ぬすめ取ど財物ざいぶつ者しゃ，同どう強盜ごうとう，刺とげ斷だん，並なみ追つい陪所燒しょう物價ぶっか；傷きず人命じんめい者しゃ，仍徵燒しょう埋うめ銀ぎん。再犯さいはん者しゃ決けつ配はい，役やく滿みつる，徙千里さと之の外そと。　諸しょ挾はさみ仇かたき放火ほうか，隨時ずいじ撲滅ぼくめつ，不ふ曾延燎者，比ひ強盜ごうとう不ふ曾傷人じん不ふ得とく財ざい，杖つえ七なな十じゅう七なな，徒と一いち年ねん半はん，免めん刺とげ，雖親屬ぞく相しょう犯はん，比ひ同どう常人じょうじん。

諸しょ每月まいつき朔ついたち望もち二に弦げん，凡有生せい之の物もの，殺ころせ者しゃ禁きん之の。　諸しょ郡ぐん縣けん歲とし正月しょうがつ五ご月がつ，各かく禁きん宰おさむ殺ころせ十じゅう日にち，其饑饉去處しょ，自じ朔日さくじつ為ため始はじめ，禁きん殺ころせ三さん日にち。　諸しょ每歲まいさい，自じ十じゅう二に月がつ至いたり來らい歲とし正月しょうがつ，殺ころせ母はは羊ひつじ者しゃ，禁きん之の。　諸しょ宴會えんかい，雖達官かん，殺ころせ馬ば為ため禮者れいしゃ，禁きん之の。其有老病ろうびょう不ふ任にん鞍くら勒者，亦また必與眾驗而後殺ころせ之これ。　諸しょ私わたし宰おさむ牛馬ぎゅうば者しゃ，杖つえ一いち百ひゃく，徵ちょう鈔二に十じゅう五ご兩りょう，付づけ告つげ人じん充たかし賞しょう。兩隣りょうどなり知ち而不首くび者しゃ，笞むち二に十じゅう七なな。本管ほんかん頭目とうもく失しつ覺さとし察者，笞むち五ご十じゅう七なな。有ゆう見み殺ころせ不ふ告つげ，因いん脅取おどしと錢ぜに物ぶつ者しゃ，杖つえ七なな十じゅう七なな。^[8]若わか老病ろうびょう不ふ任用にんよう者しゃ，從したがえ有司ゆうし辨べん驗けん，方ぽう許もと宰おさむ殺ころせ。已やめ病死びょうし者しゃ，申さる驗けん開ひらけ剝，其筋角かく即そく付づけ官かん，皮肉ひにく若わか不ふ自じ用もちい，須投稅ぜい貨賣，違たがえ者しゃ同どう匿稅法ほう。有司ゆうし禁きん治ち不ふ嚴げん者しゃ，糾之。　諸しょ私わたし宰おさむ官かん馬ば牛うし，為ため首くび杖つえ一いち百ひゃく七なな，為ため從したがえ八はち十じゅう七なな。　諸しょ助力じょりょく私わたし宰おさむ馬ば牛うし者しゃ，減げん正犯せいはん人じん二に等とう論ろん罪ざい。　諸しょ牛馬ぎゅうば驢うさぎうま騾死，而筋角かく不盡ふじん實じつ輸官者しゃ，一いち副ふく以上いじょう，笞むち二に十じゅう七なな；五ご副ふく以上いじょう，四よん十じゅう七なな；十じゅう副ふく以上いじょう，杖つえ六ろく十じゅう七なな，仍徵所しょ犯はん物價ぶっか，付づけ告つげ人じん充たかし賞しょう。

諸しょ毀傷きしょう體たい膚はだ以行丐於市し者しゃ，禁きん之の。　諸しょ城郭じょうかく內外放ひ鴿どばと帶たい鈴すず者しゃ，禁きん之の。　諸しょ諸王しょおう駙馬及諸權けん貴き豪ごう右みぎ，侵おかせ占うらない山場やまば，阻民樵きこり採と者しゃ，罪つみ之の。　諸しょ關かん譏そし不ふ嚴げん，受財故こ縱たて者しゃ，罪つみ之の。　諸江もろえ河津かわづ渡わたる，或ある明知めいち潮うしお信しん已やめ到いた，及風濤將起おこり，貪むさぼ索さく渡わたり錢ぜに，淹延不渡ふわたり，以致中流ちゅうりゅう覆くつがえ溺おぼれ，傷害しょうがい人命じんめい者しゃ，為ため首くび處しょ死し，為ため從したがえ減げん一等いっとう。

諸しょ棄俗出家しゅっけ，不ふ從したがえ有司ゆうし體たい覆くつがえ，輒度為ため僧そう道者どうしゃ，其師笞むち五ご十じゅう七なな，受度者しゃ四よん十じゅう七なな，發はつ元もと籍せき。　諸しょ以白衣ころも善よし友とも為ため名めい，聚眾結社けっしゃ者しゃ，禁きん之の。　諸しょ色目いろめ僧尼そうに女おんな冠かんむり，輒入民家みんか強行きょうこう抄しょう化か者しゃ，禁きん之の。　諸しょ僧そう道どう偽造ぎぞう經文きょうもん，犯はん上じょう惑眾，為ため首くび者しゃ斬き，為ため從者じゅうしゃ各かく以輕重けいちょう論ろん刑けい。　諸しょ以非理ひり迎むかえ賽さい祈いのり禱，惑眾亂らん民みん者しゃ，禁きん之の。　諸しょ俗人ぞくじん集しゅう眾鳴鐃作佛事ぶつじ者しゃ，禁きん之の。　諸しょ軍ぐん官かん鳩ばと財ざい聚眾，張ちょう設しつらえ儀ぎ衞まもる，鳴な鑼擊鼓こ，迎むかい賽さい神社じんじゃ，以為民みん倡者，笞むち五ご十じゅう七なな，其副二に十じゅう七なな，並なみ記き過か。　諸しょ陰陽いんよう家か天文てんもん圖ず讖應禁きん之これ書しょ，敢私藏しぞう者しゃ罪ざい之の。　諸しょ陰陽いんよう家か偽造ぎぞう圖ず讖，釋しゃく老ろう家いえ私撰しせん經文きょうもん，凡以邪說じゃせつ左ひだり道どう誣民惑眾者しゃ，禁きん之の，違たがえ者しゃ重罪じゅうざい之の。在ざい寺てら觀かん者しゃ，罪つみ及主守もり，居きょ外がい者しゃ，所在しょざい有司ゆうし察之。　諸しょ妄言ぼうげん禁書きんしょ者しゃ，徒と。　諸しょ陰陽いんよう家か者しゃ流りゅう，輒為人じん燃もえ燈とう祭さい星ほし，蠱惑こわく人心じんしん者しゃ，禁きん之の。　諸しょ妄言ぼうげん星ぼし變災へんさい祥さち，杖つえ一いち百ひゃく七なな。　諸しょ陰陽いんよう法師ほうし，輒入諸王しょおう公主こうしゅ駙馬家か者しゃ，禁きん之の。　諸しょ以陰陽ひ相法そうほう書しょ符ふ呪のろい水すい，凡異端はし之の術じゅつ，惑亂わくらん人じん聽，希求ききゅう仕つかまつ進すすむ者しゃ，禁きん之の，違たがえ者しゃ罪ざい之の。

諸しょ寫うつし匿名とくめい文書ぶんしょ，所しょ言げん重じゅう者しゃ處しょ死し，輕けい者しゃ流りゅう，沒ぼつ其妻子さいし，與あずか捕獲ほかく人じん充たかし賞しょう。事こと主ぬし自じ獲え者しゃ不ふ賞しょう。　諸しょ寫うつし匿名とくめい文字もじ，訐人私わたし罪ざい，不ふ涉わたる官かん事こと者しゃ，杖つえ七なな十じゅう七なな。　諸しょ投とう匿名とくめい文字もじ於人家か，脅取おどしと錢ぜに物ぶつ者しゃ，杖つえ八はち十じゅう七なな，發はつ元もと籍せき。　諸見しょみ匿名とくめい文書ぶんしょ，非ひ隨時ずいじ敗はい獲え者しゃ，即そく與あずか燒しょう毀；輒以聞官者しゃ，減げん犯人はんにん二に等とう論ろん罪ざい。凡匿名めい文字もじ，其言不ふ及官府ふ，止とめ欲よく訐人罪ざい者しゃ，如所訐論。

諸しょ民間みんかん子弟してい，不ふ務つとむ生業せいぎょう，輒於城市じょうし坊ぼう鎮，演えんじ唱詞話ばなし，教習きょうしゅう雜ざつ戲おどけ，聚眾淫いん謔，並なみ禁きん治之はるゆき。　諸しょ弄ろう禽蛇、傀儡かいらい，藏ぞう擫撇鈸、倒たおせ花はな錢ぜに、擊げき魚ぎょ鼓こ，惑人集しゅう眾，以賣偽藥ぎやく者しゃ，禁きん之の，違たがえ者しゃ重罪じゅうざい之の。　諸しょ棄本逐末，習用角かく觝之戲おどけ，學がく攻おさむ刺とげ之の術じゅつ者しゃ，師し弟子でし並なみ杖つえ七なな十じゅう七なな。　諸しょ亂らん製せい詞し曲きょく，為ため譏そし議ぎ者しゃ，流りゅう。

諸しょ賭博とばく錢ぜに物ぶつ，杖つえ七なな十じゅう七なな，錢ぜに物ぶつ沒ぼつ官かん，有ゆう官かん者しゃ罷やめ見み任にん，期き年ねん後ご雜ざつ職しょく內敍。開張かいちょう博はく房ぼう之の家いえ，罪つみ亦また如之，再犯さいはん加か徒と一いち年ねん。應おう捕と故こ縱たて，笞むち四よん十じゅう七なな，受財者しゃ同罪どうざい。有司ゆうし縱令たとい攀よじ指ゆび平たいら人じん，及在前ぜん同どう賭と人じん，罪つみ及官吏かんり。賭と飲食いんしょく者しゃ，不ふ坐すわ。　諸しょ賭博とばく錢ぜに物ぶつ，同どう賭と之の人ひと自首じしゅ者しゃ，勿論もちろん。　諸しょ賭博とばく，因いん事ごと發露はつろ，追つい到いた攤場，賭と具ぐ贓證明白めいはく者しゃ，即そく以本法科ほうか論ろん，不ふ以展轉うたて攀よじ指ゆび革かわ撥ばち。

諸しょ故こ縱たて牛うし馬食ばしょく踐田禾者，禁きん之の。　諸しょ所在しょざい鎮守ちんじゅ蒙こうむ古こ、漢かん軍ぐん，各かく立たて營所。無む故こ輒入人家じんか，求もとめ索さく酒食しゅしょく，及縱頭あたま匹ひき食しょく踐田禾桑果はて，罪つみ及主將しゅしょう。　諸しょ藩はん王おう無む都と省しょう文書ぶんしょ，輒於各かく處しょ徵收ちょうしゅう差さ發はつ，強つよ取と飲食いんしょく草くさ料りょう，為ため民みん害がい者しゃ，禁きん之の。

諸しょ有ゆう虎とら豹ひょう為ため害がい之の處しょ，有司ゆうし嚴げん勒官兵へい及打捕と之これ人にん，多おお方かた捕と之これ。其有不ふ應おう捕と之これ人にん，自じ能のう設しつらえ機き捕獲ほかく者しゃ，皮肉ひにく不ふ須納官かん，就以充たかし賞しょう。　諸しょ職しょく官かん違例いれい放ひ鷹たか，追つい奪だつ當日とうじつ所しょ服用ふくよう鞍馬あんば衣ころも物ぶつ沒ぼつ官かん。　諸しょ所ところ撥ばち各かく官かん圍かこえ獵りょう山場やまば，並なみ毋禁民みん樵きこり採と，違たがえ者しゃ治之はるゆき。　諸しょ年とし穀こく不ふ登とう，人民じんみん愁困，諸王しょおう達たち官かん應おう出で圍かこえ獵りょう者しゃ，並なみ禁止きんし之の。　諸田もろた禾未收みしゅう，毋縱圍かこえ獵りょう，於迤北きた不ふ耕こう種之たねゆき地ち圍かこえ獵りょう者しゃ聽。　諸しょ軍人ぐんじん受財，偽造ぎぞう火ひ印しるし，將はた所管しょかん官かん馬ば盜ぬすめ換かわ與あずか人ひと者しゃ，杖つえ九きゅう十じゅう七なな，追つい贓沒官かん。　諸しょ年とし穀こく不ふ登とう，百姓ひゃくしょう饑ひだる乏とぼし，遇ぐう禁きん地ち野獸やじゅう，搏而食しょく之これ者しゃ，毋輒袖そで入いれ。　諸しょ打だ捕と鷹たか坊ぼう官かん，以合進しん御膳ごぜん野の物ぶつ，賣價ばいか自じ私わたし者しゃ，計けい贓以枉法論ろん，除名じょめい不ふ敍じょ。　諸しょ舟ふね車しゃ之の靡、器うつわ服ふく之の奇き，方面ほうめん大臣だいじん非ひ錫すず貢みつげ，不ふ得とく擅進。

諸しょ闌たけなわ遺のこ人口じんこう到いた監かん，即そく移うつり所しょ稱しょう籍せき貫つらぬけ，召主識認。半年はんとし之の上うえ無主むしゅ識認者しゃ，匹ひき配はい為ため戶ど，付づけ有司ゆうし當とう差さ。殘ざん疾やまし老病ろうびょう，給きゅう以文引，而縱遣や之これ。頭あたま匹ひき有ゆう主ぬし識認者しゃ，徵ちょう還かえ已やめ用草もちくさ料りょう價か錢ぜに，然しか後こう給きゅう主ぬし；無主むしゅ識認，則のり籍せき其毛齒ぱ而收養やしなえ之これ。　諸しょ闌たけなわ遺のこ奴婢ぬひ，私わたし相しょう配合はいごう，雖生育せいいく子女しじょ，有ゆう主ぬし識認者しゃ，各かく歸き其主，無む本ほん主ぬし者しゃ官かん與あずか收おさむ係がかり。　諸しょ隱かくれ藏ぞう闌たけなわ遺のこ鷹たか犬いぬ者しゃ，笞むち三さん十じゅう七なな，沒ぼつ其家財ざい之の半はん。其收拾しゅうしゅう闌たけなわ遺のこ鷹たか犬けん之これ人にん，因いん以為民みん害がい者しゃ，罪つみ之の。

諸しょ鋤すき獲え宿やど藏ぞう之の物もの，在ざい他人たにん地ち內者，與あずか地主じぬし中分なかぶん，在官ざいかん地ち內者一半いっぱん納官のうかん，在ざい己おのれ地ち內者即そく同どう業主ぎょうしゅ。得とく古いにしえ器き珍寶ちんぽう之の物もの者しゃ，聞官進しん獻けんじ，約やく量りょう給きゅう價か，若わか有ゆう詐偽さぎ隱匿いんとく，斷罪だんざい追おい沒ぼつ。

諸しょ監かん臨官輒舉貸かし於民者しゃ，取と與あずか俱罪之の。　諸しょ稱しょう貸かし錢ぜに穀こく，年月としつき雖多，不ふ過か一本いっぽん一息ひといき，有ゆう輒取贏於人じん，或ある轉換てんかん契ちぎり券けん，息いき上じょう加か息いき，或ある占うらない人じん牛馬ぎゅうば財產ざいさん，奪だつ人ひと子女しじょ以為奴婢ぬひ者しゃ，重じゅう加か之これ罪ざい，仍償多た取と之これ息いき，其本息いき沒ぼつ官かん。　諸しょ典てん質しつ，不ふ設しつらえ正せい庫くら，不ふ立たて信しん帖じょう，違例いれい取と息いき者しゃ，禁きん之の。

諸しょ關せき廂ひさし店てん戶と，居い停とま客きゃく旅たび，非ひ所しょ知識ちしき，必問其所奉たてまつ官かん府ふ文ぶん引，但ただし有可ゆか疑うたぐ者しゃ，不ふ得とく容止ようし，違たがえ者しゃ罪ざい之の。　諸しょ官かん戶ど行ぎょう錢ぜに商船しょうせん，輒豎旗はた號ごう，置おけ弓箭きゅうせん鑼鼓，揭錢主ぬし衙門職名しょくめい，往來おうらい江河こうが者しゃ，禁きん之の。　諸しょ經けい商しょう，及因事ごと出外ではずれ，必從有司ゆうし會かい問とい鄰保，出で給きゅう文ぶん引，違たがえ者しゃ究きわむ治ち。　諸しょ投下とうか并其餘あまり有印ゆういん信しん衙門，並なみ不ふ得とく濫給文ぶん引。

諸しょ有毒ゆうどく之の藥くすり，非ひ醫い人じん輒相賣買ばいばい，致傷ちしょう人命じんめい者しゃ，買かい者しゃ賣うれ者しゃ皆みな處しょ死し。不ふ曾傷人じん者しゃ，各かく杖つえ六ろく十じゅう七なな，仍追至いたり元もと鈔一百ひゃく兩りょう，與あずか告つげ人じん充たかし賞しょう。　不通ふつう醫術いじゅつ，製せい合ごう偽藥ぎやく，於市井しせい貨賣者しゃ，禁きん之の。

諸しょ下した海うみ使臣ししん及舶商しょう，輒以中國ちゅうごく生せい口こう、寶たから貨、戎えびす器き、馬匹ばひつ遺のこ外そと番ばん者しゃ，從したがえ廉れん訪おとずれ司し察之。　諸しょ商賈しょうこ收おさむ買かい金銀きんぎん下番かばん者しゃ，禁きん之の，違たがえ者しゃ罪ざい之の。　諸しょ海濱かいひん豪ごう民みん，輒與番ばん商しょう交通こうつう貿易ぼうえき銅錢どうせん下か海うみ者しゃ，杖つえ一いち百ひゃく七なな。

諸しょ倡妓之の家いえ，所生しょせい男女だんじょ，每まい季き不ふ過か次月しづき十じゅう日にち，會かい其數以上いじょう于中書しょ省しょう。有ゆう未生みしょう墮其胎、已やめ生なま輒殘其命者しゃ，禁きん之の。　諸しょ倡妓之の家いえ，輒買良人りょうじん為ため倡，而有司し不審ふしん，濫給公こう據よりどころ，稅務ぜいむ無む憑，輒與印稅いんぜい，並なみ嚴禁げんきん之の，違たがえ者しゃ痛つう繩なわ之の。

雜ざつ犯はん

諸しょ鬭爭折おり辨べん，輒提大だい名字みょうじ者しゃ，罪つみ之の。　諸しょ職しょく官かん因いん公こう失しつ口こう亂らん言げん者しゃ，笞むち二に十じゅう七なな。　諸しょ快かい意中いちゅう，或ある酒さけ後ご，及害風ふう狂疾きょうしつ，失しつ口こう亂らん言ごと，別べつ無む情理じょうり者しゃ，免罪めんざい。

諸惡しょあく少しょう無賴ぶらい，結ゆい聚朋黨とう，陵りょう轢善良りょう，故こ行くだり鬭爭，相そう與あずか羅ら織お者しゃ，與あずか木偶でく連鎖れんさ，巡行じゅんこう街衢がいく，得とく後ご犯人はんにん代だい之の，然しか後こう決けつ遣や。　諸惡しょあく少しょう白晝はくちゅう持じ刀劍とうけん於都市とし中ちゅう，欲よく殺ころせ本部ほんぶ官かん長者ちょうじゃ，杖つえ九きゅう十じゅう七なな。　諸しょ無賴ぶらい軍人ぐんじん，輒受財ざい毆なぐ人ひと，因いん奪取だっしゅ錢ぜに物ぶつ者しゃ，杖つえ八はち十じゅう七なな，紅べに泥どろ粉こ壁かべ識過其門，免めん徒と。　諸しょ先さき作さく過か犯おかせ，曾經紅べに泥どろ粉こ壁かべ，後ご犯おかせ未み應おう遷徒者しゃ，於元置おけ紅べに泥どろ粉こ壁かべ，添錄過か名な。

諸しょ豪ごう右みぎ權けん移うつり官かん府ふ，威い行ぎょう鄉きょう井い，淫いん暴貪虐しいたげ，累犯るいはん不ふ悛者，徙遠惡あく之の地ち屯たむろ種しゅ。　諸しょ頻しき犯おかせ過か惡あく，累るい斷だん不ふ改あらため者しゃ，流りゅう遠とお。　諸しょ兇人きょうじん殘害ざんがい良りょう善ぜん，強つよ將はた男子だんし去勢きょせい，絕滅ぜつめつ人じん後ご，幸こう獲え生なま免めん者しゃ，杖つえ一いち百ひゃく七なな，流りゅう遠とお。　諸しょ貴とうと勢いきおい之これ家か，奴隸どれい有ゆう犯はん，輒私置おけ鐵てつ枷かせ，釘くぎ項こう禁錮きんこ，及擅刺とげ其面者しゃ，禁きん之の。　諸しょ獲え逃奴，輒刺面めん劓鼻，非理ひり殘ざん苦く者しゃ，禁きん之の。　諸しょ無む故こ擅刺其奴者しゃ，杖つえ六ろく十じゅう七なな。　諸しょ囉哩、回かい回かい為ため民みん害がい者しゃ，從したがえ所在しょざい有司ゆうし禁きん治ち。

捕と亡ほろび

諸しょ失しつ盜ぬすめ，捕と盜ぬすめ官かん不ふ立だて限げん捕と盜ぬすめ，却令他た戶と陪償事ごと主しゅ財物ざいぶつ者しゃ，罰俸ばっぽう兩月わち，仍立限げん追おい捕と。　諸しょ強盜ごうとう殺人さつじん，三さん限げん不ふ獲え，會かい赦，捕と盜ぬすめ官かん合ごう得とく罪ざい罰ばつ革かわ撥ばち，仍令捕と盜ぬすめ，任にん滿まん不ふ獲え，解かい由よし內通行ぎょう開ひらけ寫うつし，依よ例れい黜降。　諸しょ他た境さかい盜ぬすめ，入にゅう境さかい逃藏，捕と盜ぬすめ官かん輒分彼かれ疆此界かい，不ふ即そく捕捉ほそく者しゃ，笞むち四よん十じゅう七なな，解職かいしょく別べつ敍じょ，記き過か。

諸しょ已やめ斷だん流りゅう囚しゅう，在ざい禁きん未發みはつ，反はん獄ごく毆なぐ傷きず禁きん子こ，已やめ逃復獲え者しゃ，處しょ死し；未み出で禁きん者しゃ杖つえ一いち百ひゃく七なな，發はつ已やめ擬なずらえ流りゅう所しょ。　諸しょ解かい發はつ囚徒しゅうと，經過けいか州しゅう縣けん止宿ししゅく，不ふ寄よせ收おさむ牢ろう房ぼう，輒於逆旅げきりょ監かん繫，以致脫だつ監かん在ざい逃者，長押なげし官かん笞むち二に十じゅう七なな，還かえ役やく；防ぼう送おく官かん四よん十じゅう七なな，記き過か。　諸しょ囚徒しゅうと反はん獄ごく而逃，主しゅ守もり減げん犯人はんにん罪ざい二に等とう，提つつみ牢ろう官かん又また減へ主しゅ守もり四よん等とう。隨時ずいじ捉獲及半以上いじょう者しゃ，罰俸ばっぽう一いち月がつ。

諸しょ奴婢ぬひ背せ主ぬし而逃，杖つえ七なな十じゅう七なな；誘引ゆういん窩藏者しゃ，六ろく十じゅう七なな。鄰人、社長しゃちょう、坊ぼう里さと正せい知ち不ふ首くび捕と者しゃ，笞むち三さん十じゅう七なな；關せき譏そし應おう捕と人受ひとうけ贓脫放ひ者しゃ，以枉法論ほうろん。寺てら觀かん、軍營ぐんえい、勢家せいけ影かげ蔽，及投下か冒おかせ收おさむ為ため戶と者しゃ，依よ藏匿ぞうとく論ろん，自首じしゅ者しゃ免罪めんざい。　諸しょ告つげ獲え逃奴者しゃ，於所將はた財物ざいぶつ內，三さん分ふん取と一いち，付づけ告つげ獲え人じん充たかし賞しょう。　諸しょ逃奴拒こばめ捕ど，不ふ曾致傷きず人命じんめい者しゃ，杖つえ一いち百ひゃく七なな。

恤刑

諸しょ獄ごく囚しゅう，必輕重おも異い處しょ，男女だんじょ異こと室しつ，毋或參さん雜ざつ，司つかさ獄ごく致其慎まき，獄ごく卒去そっきょ其虐，提つつみ牢ろう官かん盡つき其誠。　諸しょ在ざい禁きん囚徒しゅうと，無む親おや屬ぞく供給きょうきゅう，或ある有ゆう親おや屬ぞく而貧不能ふのう給きゅう者しゃ，日給にっきゅう倉くら米まい一いち升しょう，三さん升しょう之の中なか，給きゅう粟あわ一いち升しょう，以食有ゆう疾やまし者しゃ。凡油炭ずみ席せき薦こも之の屬ぞく，各かく以時具ぐ。其饑寒きかん而衣糧いりょう不ふ繼つぎ，疾患しっかん而醫療いりょう不時ふじ，致非理ひり死し損そん者しゃ，坐すわ有司ゆうし罪ざい。　諸しょ各かく處しょ司し獄ごく司し看守かんしゅ囚徒しゅうと，夜よる支ささえ清きよし油あぶら一いち斤きん。　諸しょ路みち府ふ州しゅう縣けん，但ただし停とま囚しゅう去さ處しょ，於鼠耗糧內放支ささえ囚しゅう糧かて。　諸しょ在ざい禁きん無む家いえ屬ぞく囚徒しゅうと，歲さい十じゅう二に月がつ至いたり于正月がつ，給きゅう羊ひつじ皮がわ為ため披蓋，袴はかま韈及薪たきぎ草くさ為ため暖だん匣くしげ熏炕之これ用よう。　諸しょ獄ごく訟，有ゆう必聽ひっちょう候こう歸き對たい之これ人にん，召保知ち在ざい，如無保ほ識，有司ゆうし給きゅう糧かて養やしなえ濟ずみ，勿寄養やしなえ於民家か。　諸しょ流りゅう囚しゅう在ざい路みち，有司ゆうし日給にっきゅう米まい一いち升しょう，有ゆう疾やまし命いのち良りょう醫い治之はるゆき，疾やまし愈いよいよ隨時ずいじ發はつ遣や。　諸しょ獄ごく醫い，囚しゅう之の司つかさ命いのち，必試而後用よう之の，若わか有ゆう弗どる稱たたえ，坐すわ掌てのひら醫い及提調ちょう官かん之の罪つみ。　諸しょ獄ごく囚しゅう病びょう至いたり二に分ふん，申さる報ほう漸增ぜんぞう至いたり九きゅう分ふん，為ため死し證しょう，若わか以重為ため輕けい，以急為ため緩なる，誤あやま傷きず人命じんめい者しゃ，究きわむ之これ。　諸しょ獄ごく囚しゅう有ゆう病びょう，主司しゅし驗けん實み，給きゅう醫藥いやく，病やまい重じゅう者しゃ去さ枷かせ鎖くさり杻，聽家人じん入にゅう侍さむらい。職しょく事ごと散ち官かん五ご品ひん以上いじょう，聽二に人にん入いれ侍さむらい。犯はん惡逆あくぎゃく以上いじょう，及強盜ごうとう至いたり死し，奴やつ婢殺主ぬし者しゃ，給きゅう醫藥いやく而已。　諸しょ有司ゆうし，在ざい禁きん囚徒しゅうと饑寒きかん，衣食いしょく不時ふじ，病やまい不ふ督とく醫い看み候こう，不ふ脫だつ枷かせ杻，不ふ令れい親おや人じん入にゅう侍さむらい，一歲之內死至十人以上者，正せい官かん笞むち二に十じゅう七なな，次官じかん三さん十じゅう七なな，還かえ職しょく；首領しゅりょう官かん四よん十じゅう七なな，罷職ひしょく別べつ敍じょ，記き過か。　諸しょ孕婦有罪ゆうざい，產後さんご百ひゃく日にち決けつ遣や，臨產之これ月がつ，聽令召保，產後さんご二に十じゅう日にち，復ふく追入おいれ禁きん。無む保ほ及犯死罪しざい者しゃ，產さん時じ令れい婦人ふじん入にゅう侍さむらい。　諸しょ犯はん死罪しざい，有ゆう親おや年ねん七なな十じゅう以上いじょう，無む兼けん丁ひのと侍さむらい養やしなえ者しゃ，許もと陳ひね請奏裁さい。　諸しょ有罪ゆうざい年ねん七なな十じゅう以上いじょう、十じゅう五ご以下いか，及篤廢殘はいざん疾やまし罰ばっ贖者，每まい笞むち杖つえ一いち，罰ばっ中ちゅう統すべ鈔一貫いっかん。　諸しょ疑獄ぎごく，在ざい禁きん五年之上不能明者，遇ぐう赦釋免めん。

平ひら反はん

諸しょ官吏かんり平ひらた反はん寃獄，應おう賞しょう者しゃ，從したがえ有司ゆうし保ほ勘かん，廉れん訪おとずれ司し體からだ覆くつがえ，而後議ぎ之の。其有冒おかせ濫不實ふじつ者しゃ，罪つみ及保勘かん體たい覆くつがえ官吏かんり。　諸しょ路みち府ふ軍民ぐんみん長官ちょうかん，因よし收おさむ捕と反はん叛，輒羅織お平民へいみん，強姦ごうかん室しつ女おんな，殺ころせ虜とりこ人口じんこう財產ざいさん，并覆人じん之の家いえ，其同僚能理り平民へいみん之の寃，正犯せいはん人じん之の罪つみ，歸かえり其俘虜とりこ，活かつ其死命いのち者しゃ，於本官かん上じょう優ゆう陞一等いっとう遷用。凡職官かん能平のっぺい反はん重刑じゅうけい一いち起おこり以上いじょう，陞等同どう。　諸しょ職しょく官かん能平のっぺい反はん寃遙一いち起おこり之の上うえ，與あずか減げん一いち資し。　諸しょ路みち府ふ曹吏，能平のっぺい反はん寃獄者しゃ，於各道どう宣せん慰司部ぶ令れい史し補ほ用よう。

校勘こうかん記き

1. 坊ぼう〔里さと〕正せい主しゅ首くび社長しゃちょう失しつ覺さとし察　據よりどころ元もと典章てんしょう卷まき二に０鈔法、住じゅう罷やめ銀ぎん鈔銅錢ぜに使し中ちゅう統すべ鈔補。按元代だい基層きそう行政ぎょうせい單位たんい，在鄉ざいきょう曰里，在ざい城しろ曰坊，此只言ごと「坊ぼう正せい」而不言ふげん「里さと正せい」，係かかり誤脫ごだつ。
2. 諸しょ奴婢ぬひ〔誣〕告つげ其主者しゃ處しょ死し　據よりどころ元もと典章てんしょう卷まき五三奴誣告主斷例補。按此處しょ與あずか下しも文ぶん「諸しょ以奴告つげ主ぬし私事しじ，主しゅ同どう自首じしゅ，奴やつ杖つえ七なな十じゅう七なな」及元典章てんしょう卷まき五ご三さん禁止きんし干ひ名めい犯はん義よし「如主家か有ゆう犯はん反逆はんぎゃく謀はかりごと故こ殺人さつじん之の事こと，許もと令れい告つげ首くび」抵牾もどき，顯あらわ有ゆう脫だつ誤あやま。
3. 折おり跌人肢體したい及瞎其目者しゃ　元もと典章てんしょう卷まき四よん四よん諸しょ毆なぐ作さく「折おり跌支體たい，瞎一目いちもく者しゃ」，事こと林りん廣こう記き集しゅう別卷べっかん三さん大元おおもと通どおり制せい同どう。疑うたぐ「目め」字じ之の上うえ脫だっ「一いち」字じ。
4. 徵ちょう中ちゅう統すべ鈔一十じゅう錠じょう付づけ被ひ（告つげ）〔傷きず〕人にん充たかし養やしなえ濟ずみ之の資し　從道つぐみち光本みつもと改あらため。
5. 司つかさ縣けん正せい官かん初犯しょはん罰俸ばっぽう一いち月がつ　據よりどころ元もと典章てんしょう卷まき五ご七なな諸しょ禁きん，「正せい官かん」下しも有ゆう「禁きん治ち不ふ嚴げん」，疑うたぐ此脫。
6. 一品いっぴん至いたり（二に）〔三さん〕品しな　道みち光本みつもと與本よもと書卷しょかん七なな八はち輿こし服ふく志こころざし、元もと典章てんしょう卷まき二に九きゅう服ふく色合いろあい，從したがえ改あらため。
7. 倡家出入でいり止とめ服ふく皂（背せ）〔褙〕　據よりどころ本ほん書卷しょかん七なな八はち輿こし服ふく志こころざし、元もと典章てんしょう卷まき二に九きゅう服ふく色しょく改あらため。
8. 有ゆう見み殺ころせ不ふ告つげ因いん脅取おどしと錢ぜに物ぶつ者しゃ杖つえ七なな十じゅう七なな　按元典章てんしょう卷まき五七賞補私宰牛馬，除じょ杖つえ決けつ七なな十じゅう七なな下した外がい，尚なお有ゆう「徵しるし鈔二に十じゅう五ご兩りょう，與あずか告つげ人じん充たかし賞しょう」。依よ上うわ文ぶん「諸しょ私わたし宰おさむ牛馬ぎゅうば者しゃ，杖つえ一いち百ひゃく，徵ちょう鈔二に十じゅう五ご兩りょう，付づけ告つげ人じん充たかし賞しょう」例れい，疑うたぐ此脫。