新元しんもと史し/卷まき068

卷まき六ろく十じゅう七なな ◄

新元しんもと史し 卷まき六ろく十じゅう八はち 志こころざし第だい三さん十じゅう五ご

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食しょく貨一

卷まき六ろく十じゅう八はち·志こころざし第だい三さん十じゅう五ご

　

　　○食しょく貨一

　　△戶口とぐち 科か差さ 稅法ぜいほう

　　元もと中葉ちゅうよう以後いご，課稅かぜい所しょ入いれ，視し世よ祖そ時じ增ぞう二に十じゅう餘よ倍ばい，即そく包つつみ銀ぎん之の賦ふ亦また增ぞう至いたり十じゅう餘よ倍ばい，其取於民者しゃ可か謂いい悉矣。而國用よう日び患其不足ふそく，蓋ぶた縻於佛事ぶつじ與あずか諸事しょじ戚之賜たまもの賚，無む歲とし無む之これ，而濫恩おん幸こう賞しょう，溢出於歲例れい之の外そと者しゃ爲ため尤ゆう甚。至大しだい二に年ねん，中書ちゅうしょ省しょう臣しん言ごと：「常つね賦ふ歲とし鈔四百ひゃく萬まん定じょう，入京にゅうきょう師し者しゃ二に百ひゃく八はち十じゅう萬まん定じょう，常つね年とし所しょ支ささえ止とめ二に百ひゃく七なな十じゅう萬まん定じょう。今いま已やめ支ささえ四よん百ひゃく二に十じゅう萬まん定じょう，又また應おう支ささえ而未給きゅう者しゃ尚なお百ひゃく餘あまり萬まん定じょう。臣しん等とう慮おもんばか財用ざいよう不ふ繼つぎ，敢以上聞じょうぶん。」

　　及仁宗むね即位そくい，中書ちゅうしょ平たいら章あきら政事せいじ李り孟はじめ言げん：「每歲まいさい應おう支ささえ六ろく百ひゃく萬まん餘あまり定じょう，又また土木どぼく營繕えいぜん之これ費ひ數すう百ひゃく萬まん定じょう，肉にく降くだ旨むね賞賜しょうし復ふく用よう三さん百ひゃく萬まん餘あまり定じょう，北邊ほくへん軍ぐん餉又六ろく七なな百ひゃく萬まん定じょう，內降旨むね賞賜しょうし復ふく用よう三さん百ひゃく萬まん餘あまり定じょう，北邊ほくへん軍ぐん餉又六ろく七なな百ひゃく萬まん定じょう。今こん帑藏裁さい餘あまり十じゅう一いち萬まん定じょう，安やす能のう周しゅう給きゅう不急ふきゅう費ひ。亟應停とま罷やめ。」

　　夫おっと承うけたまわ平ひらた無事ぶじ之これ日にち，而出入でいり之の縣けん絕ぜっ如此。若わか饑饉ききん薦こも臻，盜賊とうぞく猝發，何なに以應之の。是ぜ故こ元もと之の亡ほろび，亡ほろび於饑饉資賊ぞく蓋ぶた民みん窮きゅう財ざい盡つき，公私こうし困こま竭，未み有ゆう不ふ危且亂らん者しゃ也。今こん爲ため《食しょく貨志》，其目二に十じゅう有二ゆうじ：曰戶口こう，曰科差さ，曰稅法ほう，曰田制せい，曰農政のうせい，曰洞冶課，曰鹽課か，曰茶課か，曰酒醋す課か，曰市舶課，曰常課か，曰額外がい課か，曰斡脫だっ官かん錢ぜに，曰和糴和買かい，曰鈔法ほう，曰海運うん，曰歲賜たまもの，曰祿秩，曰入粟あわ補ほ官かん，曰賑貨，曰內外がい諸しょ倉くら，曰惠民みん藥局やっきょく。凡措辦之得失とくしつ，出入でいり之の贏絀，略りゃく具ぐ於此矣。後世こうせい制せい國こく用よう者しゃ，尚なお其鑑之の哉。

　　元之もとゆき取と民みん，計けい戶と、訂てい丁ひのと、計けい畝うね。丁ちょう稅みつぐ、畝うね稅ぜい者しゃ，歷代れきだい之これ所しょ同どう也。至いたり民みん戶ど之の充たかし差さ發はつ，則のり開ひらき除じょ於分撥ばち，收おさむ繫於添額協きょう濟ずみ者しゃ，其事尤ゆう膠にかわ葛かずら煩はん碎，爲ため歷代れきだい所しょ未み有ゆう焉。今こん摭其大概たいがい，著ちょ於篇。

　　世よ祖そ至いたり元もと八はち年ねん，命いのち尚書しょうしょ省しょう閱實天てん下書したがき口こう，以條畫が諭さとし天下でんか。初はつ，太ふとし宗むね四よん年ねん，括くく中州なかす戶ど得とく七なな十じゅう三さん萬まん有餘ゆうよ。八はち年ねん，復ふく括くく中州なかす戶ど，續ぞく得とく一いち百ひゃく一いち十じゅう萬まん有餘ゆうよ。憲けん宗むね二に年ねん，再さい籍せき漢かん地ち戶口とぐち。至いたり是ぜ，因いん爭そう理り戶と計けい者しゃ，往復おうふく取と勘かん，不能ふのう裁決さいけつ，乃諭尚書しょうしょ省しょう依よ累るい降くだ聖旨せいし，分別ふんべつ定てい奪だつ。凡合當とう差さ發はつ戶數こすう，再さい行くだり添額，並なみ令れい協きょう濟ずみ額がく內當差さ之の戶と。其條畫が所しょ列れつ，收おさむ系けい充當じゅうとう差さ發はつ者しゃ：曰諸王おう、公主こうしゅ、駙馬並なみ諸しょ官員かんいん戶と計けい。凡隨營諸色しょく人じん等とう，於壬子こ年ねん籍せき後ご投なげ來き或ある各かく處しょ容よう留とめ人じん等とう，不ふ曾附籍せき，並なみ諸しょ投下とうか人員じんいん招收附ふ籍せき、漏も籍せき、放ひ良よ、還俗げんぞく等とう戶ど。曰五投下とうか。凡繫好投こうとう拜はい人じん戶と，及在後ご投とう屬ぞく，或ある本ほん投下とうか招收，別べつ無む身み役者やくしゃ。曰各投下とうか軍ぐん站戶。凡壬子こ年ねん籍せき後ご投とう來らい，別べつ無む身み役者やくしゃ，又また諸色しょしき人じん等とう有田ありた宅たく妻子さいし者しゃ。曰軍戶ど。查照軍籍ぐんせき內無姓名せいめい者しゃ，又また原籍げんせき貼は戶と不ふ曾應當とう差さ役者やくしゃ。曰站赤あか戶ど。查照原籍げんせき貼は戶と，及附籍せき內不見み戶數こすう者しゃ。曰諸色しょく人じん匠たくみ。諸しょ投下とうか壬みずのえ子こ年ねん原籍げんせき不當ふとう差さ役人やくにん戶ど，附ふ籍せき軍人ぐんじん諸色しょしき人じん等とう無む改あらため撥ばち充たかし匠たくみ明文めいぶん者しゃ，諸しょ漏も籍せき戶ど改正かいせい爲ため民みん者しゃ。曰驅良りょう。依よ甲かぶと竿ざお年ねん合ごう罕皇帝こうてい聖旨せいし，軍ぐん前ぜん虜とりこ到いた驅か口くち隨處ずいしょ附ふ籍せき者しゃ。本ほん使つかい附ふ籍せき戶と下か漏も抄しょう驅か口くち，及不當とう本ほん使つかい差さ役者やくしゃ。附つけ籍せき戶口とぐち在外ざいがい另籍者しゃ，或ある本ほん使つかい于軍籍せき內作驅か攢報者しゃ。曰驅良りょう。乙未おとみ年ねん附ふ籍せき民みん戶と，壬みずのえ子こ年ねん他人たにん戶と下か抄しょう上作じょうさく驅か或ある漏も籍せき已やめ改正かいせい爲ため民みん者しゃ。本ほん抄しょう過か者しゃ，本ほん使し戶と下か附ふ籍せき驅か口くち在外ざいがい另作驅か口くち或ある容よう留とめ附ふ籍せき者しゃ。本ほん使つかい戶と下か不ふ曾附籍せき，驅か口くち在外ざいがい，壬みずのえ子こ年ねん不ふ曾抄上うえ者しゃ。主しゅ奴やつ俱漏籍せき另居，今次こんじ取と勘かん，不ふ見本みほん使し下落げらく者しゃ。曰放良りょう。民みん戶ど良りょう書寫しょしゃ便びん住じゅう坐すわ，或ある爲ため良りょう者しゃ。驅か口くち壬みずのえ子こ年ねん以前いぜん得とく良書りょうしょ，卻於他人たにん戶と下か爲ため驅か附ふ籍せき者しゃ。諸しょ投とう下放かほう良りょう戶と，良りょう書寫しょしゃ不ふ得とく投とう屬ぞく別べつ管かん，官かん司し者しゃ抄しょう過か爲ため良りょう，依よ良書りょうしょ另立戶と名めい者しゃ。巳み放ひ爲ため良りょう，本ほん使つかい再さい立たて津つ貼は錢ぜに物ぶつ或ある分ぶん當とう差さ役やく文字もじ仍依良書りょうしょ爲ため民みん者しゃ。壬みずのえ子こ年ねん附ふ籍せき漏も籍せき戶ど已やめ經けい分ぶん撥ばち與あずか各かく投下とうか，並なみ諸しょ官員かんいん戶ど計けい本ほん主おも放ひ良りょう者しゃ。曰新案あん主おも戶ど。犯はん刑けい官吏かんり已やめ經けい斷だん沒ぼつ家か屬ぞく，及戶下か驅か奴やつ並なみ依よ已やめ斷髮だんぱつ付づけ者しゃ。斷だん事ごと官かん及各屬ぞく達たち魯花赤あか官かん擅自斷だん訖之雜ざつ犯人はんにん等とう改正かいせい爲ため民みん者しゃ。曰輸脫だつ戶と。曰回回かい畏かしこ兀兒戶ど。現げん住民じゅうみん戶と城じょう裏うら者しゃ。曰答失しつ蠻迷裏うら威い失しつ戶ど。有ゆう營運產業さんぎょう者しゃ。曰打捕と戶と。壬みずのえ子こ年ねん附ふ籍せき打だ捕と戶と，因いん爭そう差さ戶ど計けい經けい官かん陳ひね告つげ者しゃ，附ふ籍せき打だ捕と戶と揭照壬みずのえ子こ年ねん原籍げんせき不ふ繫打捕と戶と計けい者しゃ，手て狀じょう稱しょう打だ捕と戶と不納ふのう皮がわ貨亦不當ふとう差さ者しゃ。曰儒人じん戶ど。中ちゅう統すべ四年附籍漏等儒人，或ある壬みずのえ子こ年別ねんべつ作名さくな色しょく附ふ籍せき，並なみ戶頭とがしら身み沒ぼつ子弟してい讀書どくしょ，又また高こう智さとし耀收到いた驅か儒從實み分ぶん揀不通どおり文學ぶんがく者しゃ。此外諸色しょしき人じん戶と下か子弟してい深ふか通どおり文義ふみよし者しゃ，止とめ免めん本身ほんみ雜役ざつえき。曰析居きょ戶ど。軍ぐん站急遞鋪駕が船せん漏も籍せき鐵てつ冶戶下か人口じんこう析居，揭照各かく籍せき所しょ無む者しゃ。民みん匠たくみ打だ捕と鷹たか戶ど諸色しょしき附ふ籍せき漏も籍せき人じん等とう戶と下か析居者しゃ。竈かまど戶と下か人口じんこう所しょ析居者しゃ。但ただし充當じゅうとう絲いと料りょう。曰招女婿じょせい養老ようろう。女婿じょせい妻つま亡ほろび另居者しゃ，或ある已やめ將はた原はら妻つま休きゅう棄者。良人りょうじん驅か戶と女婿じょせい者しゃ。年限ねんげん女婿じょせい，年限ねんげん滿まん而不歸き者しゃ。曰諸人じん戶と下か漏も抄しょう驅か口くち，今いま已やめ成なり丁ひのと者しゃ。曰隨朝あさ並なみ各位かくい下か諸色しょしき承うけたまわ應おう人見ひとみ不ふ應おう承うけたまわ者しゃ。曰涿州しゅう、合ごう蘭らん水すい、西京にしぎょう忽ゆるがせ蘭らん、南京なんきん張子はりこ良りょう各かく管かん戶ど計けい革かわ罷やめ，原はら委い頭目とうもく者しゃ，皆みな籍せき爲當ためとう差さ戶數こすう之の添額也。

　　至いたり元もと二に十じゅう七なな年ねん，準じゅん尚書しょうしょ省議しょうぎ，籍せき定てい儒醫戶と計けい，擬なずらえ令れい除じょ免めん雜ざつ泛差役やく外がい，續ぞく收おさむ儒戶醫い戶と，別べつ無む定じょう奪だつ。

　　至大しだい四よん年ねん，詔みことのり諸色しょしき人じん等とう各省かくしょう定てい籍せき，今後こんご各かく投下とうか諸色しょしき，並なみ遵世祖そ皇帝こうてい以來いらい累るい朝あさ定じょう制せい，不ふ得とく擅招戶と計けい，誘さそえ佔驅奴やつ，違たがえ者しゃ罪ざい之の。

　　其戶口總くちすぼ數すう：中なか統みつる元年がんねん天下でんか戶と一いち百ひゃく四よん十じゅう一いち萬まん八はち千せん四よん百ひゃく九きゅう十じゅう有ゆう九きゅう，迨至元もと二に十じゅう八はち年ねん，戶部とべ上天下かみてが戶口とぐち，內地一いち百ひゃく九きゅう十じゅう九きゅう萬まん九きゅう千せん四よん百ひゃく四よん十じゅう四よん，江こう淮、四川しせん一いち千せん一いち百ひゃく四よん十じゅう三さん萬まん八はち百ひゃく七なな十じゅう八はち。口くち五ご千せん九きゅう百ひゃく八はち十じゅう四よん萬まん八はち千せん九きゅう百ひゃく六ろく十じゅう四よん。

　　科か差さ之の名めい二に：曰絲料りょう，曰包銀ぎん。

　　絲いと料りょう之の法ほう，太ふとし宗むね八はち年始ねんし行ぎょう之の。每まい二に戶こ出で絲いと一いち斤きん，並なみ隨ずい路ろ絲いと綿めん顏色かおいろ輸出ゆしゅつ官かん，五戶ごのへ出いずる絲いと一いち斤きん，並なみ隨ずい路ろ絲いと綿めん顏色かおいろ輸於本位ほんい。

　　包つつみ銀ぎん之の法ほう，憲けん宗むね五ご年始ねんし定之さだゆき。初はつ，漢かん民みん科か納おさめ包つつみ銀ぎん六ろく兩りょう，至いたり是ぜ止とめ徵ちょう四よん兩りょう，二に兩りょう輸銀ゆぎん，二兩折收絲絹顏色等物。

　　及世祖そ而其制せい益えき詳しょう。

　　中なか統みつる元年がんねん，立たて十じゅう路ろ宣撫せんぶ司し，定てい戶籍こせき科か差さ條じょう格かく。各かく路みち年ねん例れい應おう納官のうかん存そん留とめ包つつみ銀ぎん並なみ絲いと料りょう糧かて稅ぜい等差とうさ發はつ，依よ原籍げんせき民みん戶數こすう目め從したがえ實科じっか放ひ，勿循近年きんねん虛きょ例れい勘定かんじょう，合ごう科か差さ發はつ總額そうがく，府ふ科か與あずか州しゅう驗けん民みん戶と多寡たか，土產みやげ難易なんい，以十じゅう分ふん爲ため率りつ，作さく大門だいもん攤。

　　其廣大抵たいてい不一ふいつ，有元ありもと管かん戶ど、交參戶ど、漏も籍せき戶ど、協きょう濟ずみ戶ど。於諸戶ど之の中なか，又また有ゆう絲いと銀ぎん全科ぜんか戶ど、減げん半はん科か戶と、止とめ納おさめ絲いと戶と、止とめ納おさめ鈔戶，外そと又また有ゆう攤絲戶ど、儲もうか也速□兒こ所管しょかん納おさめ絲いと戶と、復業ふくぎょう戶ど並なみ漸やや成なり丁ひのと戶ど。戶と既すんで不等ふとう，數すう亦また不同ふどう。

　　元もと管かん戶ど內絲銀ぎん全科ぜんか系けい官かん戶と，每戶まいこ輸系官かん絲いと一いち斤きん六ろく兩りょう四よん錢せん，包つつみ銀ぎん四よん兩りょう。

　　全科ぜんか系けい官かん五ご戶こ絲いと戶と，每戶まいこ輸系官かん絲いと一いち斤きん，五ご戶こ絲いと六ろく兩りょう四よん錢せん，包つつみ銀ぎん之の數すう與あずか系けい官かん戶と同どう。

　　減げん半はん科か戶と，每戶まいこ輸系官かん絲いと八はち兩りょう，五ご戶こ絲いと三さん兩りょう二に錢せん，包つつみ銀ぎん二に兩りょう。

　　止とめ納おさめ系けい官かん絲いと戶と，若わか上うえ都と、隆りゅう興きょう、西京にしぎょう等とう十じゅう路ろ，十じゅう戶こ十じゅう斤きん者しゃ，每戶まいこ輸一いち斤きん，大だい都と以南いなん等とう路ろ十じゅう戶こ十じゅう四よん斤きん者しゃ。每戶まいこ輸一いち斤きん六ろく兩りょう四よん錢ぜに。

　　止とめ納おさめ系けい官かん五ご戶こ絲いと戶と，每戶まいこ輸系官かん絲いと一いち斤きん，五ご戶こ絲いと六ろく兩りょう四よん錢ぜに。

　　交參戶ど內絲銀ぎん戶ど，每戶まいこ輸系官かん絲いと一いち斤きん六ろく兩りょう四よん錢せん，包つつみ銀ぎん四よん兩りょう。

　　漏も籍せき戶ど內止納おさめ絲いと戶と，每戶まいこ輸絲之の數すう與あずか交參絲いと戶と同どう。止とめ納おさめ鈔戶，初年しょねん科か包つつみ銀ぎん一いち兩りょう五ご錢ぜに，次じ年ねん遞增ていぞう五ご錢ぜに，增ぞう至いたり四よん兩りょう，併科へいか絲いと料りょう。

　　協きょう濟ずみ戶と內絲銀ぎん戶ど，每まい良りょう輸系官かん絲いと十じゅう兩りょう二に錢せん，包つつみ銀ぎん四よん兩りょう；止どめ納おさめ絲いと戶と，每戶まいこ輸系官かん絲いと之の數すう與あずか絲いと戶ど同どう。攤絲戶ど，每戶まいこ科か攤絲四よん斤きん。

　　儲もうか也貝八はち速そく兒じ所管しょかん戶ど，每戶まいこ科か細ほそ絲いと，其數與あずか攤絲同どう。

　　復業ふくぎょう戶ど並なみ漸やや成なり了りょう戶ど，初年しょねん免めん科か，第だい二に年ねん減げん半はん，第だい三さん年ねん全科ぜんか，與あずか舊きゅう戶と等とう。

　　絲いと料りょう、包つつみ銀ぎん之の外そと，又また有ゆう俸鈔之の科か，其法亦また以戶之の高下こうげ爲ため等とう。全科ぜんか戶ど，輸一いち兩りょう。減げん半戶はんど，輸五錢ぜに。

　　於是以合科か之の數すう分ふん爲ため三さん限げん輸納，初はつ災わざわい之の地ち聽輸他物たぶつ折おり焉。其物各かく以時估爲則そく。

　　二に年ねん，復ふく定じょう科か差さ之これ期き。絲いと科か限げん八はち月がつ，包つつみ銀ぎん初はつ限げん八はち月がつ，中限なかぎり十じゅう月がつ，未み限きり十じゅう二に月がつ。

　　三さん年ねん，又また命いのち絲いと料りょう無む過か七なな月がつ，包つつみ銀ぎん無む過か九きゅう月がつ。

　　至いたり元もと二に年ねん，敕所有しょゆう諸王しょおう並なみ諸しょ投下とうか人じん戶と，除じょ匠たくみ人じん、打だ捕と戶と、鷹たか房子ふさこ、金銀きんぎん鐵てつ冶戶外がい，有ゆう分ぶん撥ばち民みん戶と五戶絲投下交參戶，每年まいとし合ごう納おさめ絲いと綿めん、包つつみ銀ぎん並なみ五ご戶こ絲いと，與本よもと路ろ民みん戶と一いち體驗たいけん貧富ひんぷ科か徵ちょう。

　　十じゅう八はち年ねん，以應當とう差さ發はつ者しゃ，多た系けい貧民ひんみん，其豪強きょう往往おうおう僥倖ぎょうこう苟避，飭依驗けん人じん戶と事業じぎょう多寡たか，品ひん第だい高下こうげ，攢造鼠ねずみ尾お文ぶん簿ぼ科か斂。

　　二に十じゅう八はち年ねん，以《至いたり元新もとしん格かく》定じょう科か差さ法ほう，諸しょ差さ稅ぜい皆みな司つかさ縣けん正せい官かん監視かんし，諸しょ伕役皆みな先さき富強ふきょう、後こう貧弱ひんじゃく、貧富ひんぷ等とう者しゃ，皆みな先さき多た丁ひのと、後こう少しょう丁ひのと。

　　成なる宗むね大德だいとく六ろく年ねん，又また令れい巳み輸絲戶ど，每戶まいこ俸鈔中ちゅう統すべ鈔一いち兩りょう，包つつみ銀ぎん戶ど每戶まいこ科か二に錢ぜに五ご分ふん，攤絲戶ど每戶まいこ科か攤絲五ご斤きん八はち兩りょう。絲いと料りょう限げん八はち月がつ，包つつみ銀ぎん俸鈔限げん九きゅう月がつ，布ぬの限げん十じゅう月がつ。大だい率りつ因いん世よ祖そ之の舊きゅう而損益えき之の云うん。

　　科か差さ總數そうすう：

　　中ちゅう統すべ四よん年ねん，絲いと七なな十じゅう一いち萬まん二に千せん一いち百ひゃく七なな十じゅう一いち斤きん，鈔五萬まん六ろく千せん一いち百ひゃく五ご十じゅう八はち錠じょう。舊きゅう紀き作さく絲いと七なな十じゅう萬まん六ろく千せん四よん百ひゃく一いち斤きん，鈔四萬まん九きゅう千せん四よん百ひゃく八はち十じゅう七なな錠じょう。

　　至いたり元もと二に年ねん，絲いと九きゅう十じゅう八はち萬まん六ろく千せん九きゅう百ひゃく一いち十じゅう二に斤きん，包つつみ銀ぎん等とう鈔五萬まん六ろく千せん八はち百ひゃく七なな十じゅう四よん錠じょう，布ぬの八はち萬まん五ご千せん四よん百ひゃく一いち十じゅう二に匹ひき。舊きゅう紀き作さく絲いと九きゅう十じゅう八はち萬まん八はち千せん二に百ひゃく八はち十じゅう斤きん，鈔五萬まん七なな千せん六ろく百ひゃく八はち十じゅう二に錠じょう。

　　三さん年ねん，絲いと一いち百ひゃく五ご萬まん三さん千せん二に百ひゃく二に十じゅう六ろく斤きん，包つつみ銀ぎん等とう鈔五萬まん九きゅう千せん八はち十じゅう五ご錠じょう。

　　四よん年ねん，絲いと一いち百ひゃく九きゅう萬まん六ろく千せん八はち四よん百ひゃく十じゅう九きゅう斤きん，鈔七なな萬まん八はち千せん一いち百ひゃく二に十じゅう六ろく定じょう。

　　天てん曆れき元年がんねん，包つつみ銀ぎん差さ發はつ鈔九百ひゃく八はち十じゅう九きゅう錠じょう，貝かい八はち一いち百ひゃく一いち十じゅう三さん萬まん三さん千せん一いち百ひゃく一いち十じゅう九きゅう索さく，絲いと一いち百ひゃく九きゅう萬まん八はち千せん八はち百ひゃく四よん十じゅう二に斤きん，絹きぬ三さん十じゅう五ご萬まん五ご百ひゃく三さん十じゅう匹ひき，棉わた七なな萬まん二に千せん一いち十じゅう五ご斤きん，布ぬの二に十じゅう一いち萬まん一いち千せん二に百ひゃく二に十じゅう三さん匹ひき。舊きゅう紀き，天てん曆れき二に年ねん賦ふ入いれ之の數かず：金かね三さん萬まん二に十じゅう七なな定じょう，銀ぎん一いち千せん一いち百ひゃく六ろく十じゅう九きゅう定じょう，鈔九百ひゃく二に十じゅう九きゅう萬まん七なな千せん八はち百ひゃく定じょう，帛四十じゅう萬まん七なな千せん五ご百ひゃく匹ひき，絲いと八はち十じゅう八はち萬まん四よん千せん四よん百ひゃく五ご斤きん，棉わた七なな萬まん六ろく百ひゃく四よん十じゅう五ご斤きん。

　　稅法ぜいほう。行くだり於內地ち者しゃ曰丁稅ぜい、地ち稅ぜい。

　　太ふとし祖そ時じ，命いのち諸色しょしき人じん等とう，凡種田た者しゃ，依よ例れい出納すいとう地ち稅ぜい。

　　太ふと宗そう元年がんねん。命いのち漢人かんど以戶計けい出だし賦ふ，西域せいいき人じん以丁計けい出だし賦ふ。每戶まいこ科か粟あわ二に石せき，復ふく以兵食しょく不足ふそく。增ぞう爲ため四よん石せき。

　　九きゅう年ねん，乃定科か征之まさゆき法ほう，命いのち諸しょ路みち驗けん民みん戶と成なり丁ひのと之の數かず，每まい丁ひのと歲とし科か粟あわ一いち石せき，驅か丁ひのと五ご斗と，新戶しんと丁ひのと、驅か各かく半はん之の，老幼ろうよう不ふ與あずか。其耕種しゅ者しゃ，或ある驗けん其牛具ぐ之の數かず，或ある驗けん其土地ち之の等ひとし，以征之の。丁ちょう稅みつぐ少しょう而地稅ぜい多た者しゃ，納地のうち稅ぜい；地ち稅ぜい少しょう而丁稅ぜい多た者しゃ，納おさめ丁ひのと稅ぜい。工匠こうしょう、僧そう、道みち驗けん地ち，商賈しょうこ驗けん丁ひのと。虛きょ配はい不實ふじつ者しゃ杖つえ七なな十じゅう，徒と二に年ねん。仍命歲とし書しょ其數於冊，由よし課稅かぜい所しょ申さる省しょう以聞，違たがえ者しゃ杖つえ一いち百ひゃく。

　　至いたり世よ祖そ申さる明あかり舊制きゅうせい，於是輸納之これ期き，收受しゅうじゅ之の式しき，關せき防ぼう之の，會計かいけい之の法ほう始はじめ備焉。

　　中ちゅう統すべ五ご年ねん，詔みことのり僧そう、道みち、也裏可か溫あつし、答こたえ失しつ蠻儒人じん，凡種田た者しゃ，白地しろじ每ごと畝うね輸稅三さん升しょう，水みず地ち每ごと畝うね五ご升しょう。凡該納おさめ丁ちょう稅みつぐ，蒙こうむ古こ、回かい回かい。河西かさい、漢かん人並ひとなみ人じん匠たくみ及諸投下とうか各かく色いろ人じん等とう，依よ例れい徵しるし納地のうち稅ぜい外がい，蒙こうむ古こ、漢人かんど軍ぐん站戶減げん半はん輸納。其後漢かん軍ぐん又また額がく定てい贍軍地ち四よん頃ごろ免稅めんぜい，餘よ悉征之の。

　　至いたり元もと三さん年ねん，詔みことのり窵戶種田たねた他所よそ者しゃ，其丁稅ぜい於附籍せき之の郡ぐん驗けん丁ひのと科か之の。地ち稅ぜい於種田たねた之これ所しょ驗けん地ち科か之の，漫散之の戶と逃於河南かなん等とう路ろ者しゃ，依よ見み居きょ民みん戶と納稅のうぜい。

　　八はち年ねん，又また令れい西にし夏なつ中興ちゅうこう路ろ、西にし寧やすし州しゅう、兀剌海うみ之の處しょ，地ち稅ぜい與あずか前ぜん僧そう道どう同どう。

　　十じゅう七なな年ねん，定てい諸しょ路みち差さ稅ぜい課程かてい，增益ぞうえき者しゃ即そく上じょう報むくい，隱匿いんとく者しゃ罪ざい之の，不ふ須履畝うね增稅ぞうぜい，以搖百姓ひゃくしょう。

　　全科ぜんか戶ど：丁ちょう稅みつぐ每まい丁ひのと粟あわ三さん石せき，驅か丁ちょう粟あわ一いち石せき；地ち稅ぜい每ごと畝うね粟あわ三さん斗と。

　　減げん半はん科か戶ど：丁ちょう稅みつぐ每まい丁ひのと粟あわ一いち石せき。

　　新あたらし收おさむ交參戶ど：第だい一いち年ねん五ご斗と，第だい三さん年ねん一いち石せき二に斗と五ご升しょう，第だい四よん年ねん一いち石せき五ご斗と，第だい五ご年ねん，一石いっせき七なな斗と五ご升しょう，第だい六ろく年ねん入いれ丁ひのと稅ぜい。

　　協きょう濟ずみ戶ど：丁ちょう稅みつぐ每まい丁ひのと粟あわ石せき，地ち稅ぜい每ごと畝うね粟あわ五ご斗と。

　　隨ずい路ろ近きん倉くら輸粟。遠とお倉くら每まい粟あわ一石折納輕費鈔二兩，富戶ふと輸遠倉くら，下戶げこ輸近倉くら。郡ぐん縣けん各かく差さ正せい官かん一員いちいん部ぶ之の，每まい石いし帶たい納おさめ鼠ねずみ耗三さん升しょう，分ふん例れい四よん升しょう。凡糧到いた倉くら之の時とき，收受しゅうじゅ出で給きゅう朱しゅ錢ぜに，權けん豪ごう結ゆい攬者罪ざい之の。倉くら官かん、攢典、鬥腳人じん等とう飛ひ鈔作弊へい者しゃ，並なみ量りょう諸法しょほう。若わか近きん下戶げこ計けい去さ倉くら遠とお，願出ねがいで腳錢，就令附近ふきん民みん戶と帶たい納おさめ者しゃ聽。凡納糧かて，用よう官かん降くだ斛斗收受しゅうじゅ，一色乾圓潔淨之新米，但ただし有ゆう糠ぬか秕しいな，責せめ倉くら官かん人じん等とう賠賞。

　　批納之これ期き，分ふん爲ため三さん限げん：初はつ限きり十じゅう月がつ，中限なかぎり十じゅう一いち月がつ，未み限きり十じゅう二に月がつ。違たがえ限げん者しゃ，初はつ艱笞四よん十じゅう，再犯さいはん杖つえ八はち十じゅう。其失限げん或ある稅ぜい石せき不足ふそく，各かく處しょ之これ達たち魯火赤あか，管かん民みん官かん、部民ぶみん官かん、部ぶ糧かて官かん，不ふ分ぶん首くび從したがえ，一同いちどう科か罪ざい。其任滿まん官かん，有ゆう拖欠稅ぜい石せき。勿給由よし。

　　大德だいとく六ろく年ねん，申さる明あかり稅ぜい糧かて條例じょうれい，復ふく定てい上うえ都と、灑間輸納之これ期き。上うえ都と初はつ限きり次じ年ねん五ご月がつ，中限なかぎり六ろく月がつ，未み限きり七なな月がつ，河間こうま初はつ限げん九きゅう月がつ，中限なかぎり十じゅう月がつ，末すえ限げん十じゅう一いち月がつ。

　　七なな年ねん，江南こうなん行こう御ご史し臺だい言げん：「法ほう有ゆう萬まん世せい不ふ改あらため者しゃ，亦また有ゆう隨ずい應おう改あらため者しゃ，不可ふか一いち概論がいろん也。切きり謂いい漢かん軍ぐん舊例きゅうれい每戶まいこ額がく定てい贍軍地ち四よん頃ごろ，其餘畝うね數すう皆みな令れい納おさめ糧かて，雖曾累るい行ぎょう文字もじ，然しか實み難なん能行よしゆき。今いま軍ぐん戶口とぐち累るい漸やや多た，所しょ當とう軍役ぐんえき屯たむろ守もり去さ處しょ，南みなみ至いたる南海なんかい，北きた至いたる和かず林りん，別べつ有ゆう徵ちょう行ぎょう，則のり南みなみ者しゃ益えき南みなみ，北きた者しゃ益えき北きた，動どう又また至いたり於數千せん里さと外がい，去さ家いえ萬まん里り，家中いえじゅう又また與あずか民みん戶ど同どう當とう一切いっさい雜ざつ泛差役やく，侍さむらい衛まもる差さ役やく尤ゆう爲ため浩ひろし大だい。其餘科か差さ且置勿論もちろん，只ただ計けい其起發はつ所しょ需，每戶まいこ該鈔至いたり有ゆう八はち十じゅう定じょう者しゃ。農家のうか別べつ無む生計せいけい，若わか不ふ典てん賣うり田土たど，何處どこ出で辦。往日おうじつ軍ぐん戶と，地ち有ゆう至いたり三さん二に十じゅう頃ごろ，今こん皆みな消けし乏とぼし破壞はかい，不可ふか勝かち計けい，中等ちゅうとう人家じんか莊田しょうだ盡つき廢はい。現今げんこん乞匈爲ため生者しょうじゃ處處しょしょ有ゆう之の。若わか更さら拘かかわ勘かん未み曾消乏とぼし，現げん勘當かんどう役やく軍ぐん戶地とじ畝うね存そん四よん頃ごろ之の外そと者しゃ，必要ひつよう盡つき數すう納おさめ糧かて，此事果はて行ぎょう，不ふ過か數すう年ねん，軍ぐん戶ど必盡破やぶ散ち，人にん無む僱籍，不可ふか復ふく用よう。近日きんじつ民間みんかん多た有ゆう告つげ訐有隱かくれ藏ぞう地ち畝うね者しゃ，地主じぬし惟おもんみ隨ずい其所欲ほし承うけたまわ奉たてまつ買主かいぬし。

　　又また所在しょざい官吏かんり不時ふじ下鄉しもごう，言げん要よう打だ最さい軍ぐん戶地とじ畝うね，以此爲ため名めい協きょう斂錢物ぶつ肢し足あし，方ぽう能のう釋しゃく免めん。但ただし凡地過か四よん頃ごろ之の家いえ，長ちょう杯はい擾俱。今こん於緊急用きゅうよう兵へい之の時とき，有ゆう此事端はし，深ふか爲ため可か慮おもんばか。去年きょねん樞密院すうみついん奉たてまつ旨むね，約やく各かく處しょ管かん民みん官かん司し不ふ得とく打だ量りょう軍ぐん戶地とじ畝うね，文字もじ在官ざいかん，百姓ひゃくしょう不知ふち，狡猾こうかつ之の徒と，恐おそれ協きょう軍ぐん戶と與あずか舊きゅう無む異こと。若わか令れい每ごと襯置一いち粉こな壁かべ，其上但ただし寫うつし不ふ得とく訐告軍ぐん戶地とじ畝うね數字すうじ，如此則そく軍ぐん戶と皆みな得とく免めん其逼協きょう侵おかせ據よりどころ之の患。四よん頃ごろ納稅のうぜい一いち節せつ，待まち邊境へんきょう事ごと寧やすし，用兵ようへい稍やや緩なる，然しか後こう別べつ議ぎ似に爲ため長ちょう便びん。」從したがえ之これ。

　　至いたり秋あき稅みつぐ、正せい稅ぜい之の法ほう，但ただし徵しるし田た稅ぜい，無む丁ひのと稅ぜい，行ぎょう於江南みなみ。本ほん沿宋之の舊制きゅうせい。世よ祖そ平江ひらえ南みなみ，除じょ江東こうとう、浙東二に路ろ，其餘便びん徵ちょう秋あき稅ぜい而已。

　　至いたり元もと十じゅう九きゅう年ねん，用よう柳やなぎ州しゅう總そう管かん姚文龍りゅう言ごと，命いのち江南こうなん稅みつぐ糧かて依よ宋そう舊制きゅうせい折おり輸綿絹きぬ雜ざつ物ぶつ。是ぜ年ねん二に月がつ，又また用もちい中書ちゅうしょ右みぎ丞すすむ耿仁言ごと，令れい輸米本分ほんぶん之の一いち，餘あまり並なみ人じん鈔，以七なな萬まん定てい爲ため率りつ，歲さい得とく羨とも鈔十じゅう四よん萬まん定じょう。其輸米まい者しゃ，止とめ用よう實じつ斗と斛。

　　元げん貞さだ二に年ねん，始はじめ定てい徵しるし江南こうなん夏なつ稅みつぐ之これ制せい。於是秋あき稅ぜい止とめ令れい輸租，夏なつ稅みつぐ則のり輸木棉きわた、布ぬの絹きぬ、絲いと棉わた等とう物ぶつ。其所輸之物ぶつ，視し糧かて以爲差さ。糧かて一いち石せき。或ある輸鈔三さん貫かん、二に貫かん、一貫いっかん或ある一貫いっかん五ご百ひゃく文ぶん、一貫いっかん七なな百ひゃく文ぶん，輸三さん貫かん者しゃ，江こう浙省婺州等とう路ろ、江西えにし省しょう龍りゅう興きょう等とう路ろ也。輸一貫いっかん者しゃ，福建ふっけん省しょう泉州せんしゅう路ろ也。輸一貫いっかん五ご百ひゃく文者もんじゃ，江こう浙省紹興しょうこう路ろ、福建ふっけん省しょう漳州等とう五ご處しょ也。江西えにし各かく路みち秋あき稅ぜい納おさめ糧かて，有用ゆうよう現行げんこう斛斗，比ひ宋そう文ぶん思おもえ院いん斛抵一いち斛半者しゃ，故こ免めん其夏稅ぜい。兩りょう廣こう以盜試ためし多た、民みん失業しつぎょう，亦また免めん之の。獨どく湖こ廣ひろ省しょう以阿里さと海かい涯罷宋そう夏なつ稅みつぐ，依よ中原なかはら例れい改あらため爲ため門もん攤，每戶まいこ一貫いっかん二に錢ぜに，增ぞう課か錢ぜに至いたり五ご萬まん定じょう，至いたり是ぜ宣せん慰使張はり國こく紀き復ふく科か夏なつ稅みつぐ，民みん病びょう甚。大德だいとく二に年ねん，御ご史し臺だい臣しん言げん其弊，成なり宗むね命中めいちゅう書しょ省しょう趣おもむき罷やめ之これ。三さん年ねん，又また改あらため門もん推爲夏なつ稅ぜい而並征せい之の，每まい石いし計けい三さん貫かん以上いじょう，視し江こう浙。江西えにし爲ため差さ重じゅう云うん。

　　至大しだい三さん年ねん，中書ちゅうしょ省しょう臣しん言ごと：「腹はら裏うら百姓當一切雜泛差役，更さら納おさめ包つつみ銀ぎん、絲いと綿めん、稅ぜい糧かて，差さ役やく甚重。江南こうなん收おさむ附ふ四よん十じゅう餘よ年ねん，百姓納田稅外，別べつ無む差さ發はつ，請除兩りょう廣こう、福建ふっけん，其餘兩りょう浙、江東こうとう、江西えにし、湖南こなん、湖北こほく、兩りょう淮、荊湘等とう路ろ，驗けん納おさめ糧かて民みん戶と見み科か糧かて數すう，一いち斗と添荅二に升しょう。」從したがえ之これ。

　　泰たい定じょう初はつ，又また有あ所謂いわゆる助役じょやく糧かて者しゃ。其法，命いのち江南えな民みん戶と有田ありた一頃ひところ之の上うえ者しゃ，每ごと頃ごろ量りょう出で助じょ役田やくでん，具ぐ書しょ於冊甲乙こうおつ以次匯之，歲さい收おさむ其人，以助差さ役やく之これ費ひ。凡寺觀かん田た，除じょ宋そう舊きゅう額がく外がい，其餘亦また驗けん其多寨，令れい出田いずた助役じょやく焉。

　　凡歲入さいにゅう糧かて數すう，總計そうけい一いち千せん二に百ひゃく一いち萬まん四よん千せん七なな百ひゃく八はち石せき。

　　腹はら裏うら，二に百ひゃく二に十じゅう七なな萬まん一いち千せん四よん百ひゃく四よん十じゅう九きゅう石せき。行くだり省しょう，九きゅう百ひゃく八はち十じゅう四よん萬まん三さん千せん二に百ひゃく五ご十じゅう八はち石せき：

　　遼りょう陽ひ省しょう，七なな萬まん二に千せん六ろく十じゅう六ろく石せき。

　　河南かなん省しょう，二に百ひゃく五ご十じゅう九きゅう萬まん一いち千せん二に百ひゃく六ろく十じゅう九きゅう石せき。

　　陝西せんせい省しょう，二に十じゅう二に萬まん九きゅう千せん二に十じゅう三さん石せき。

　　四川しせん省しょう，十じゅう一いち萬まん六ろく千せん五ご百ひゃく七なな十じゅう四よん石せき。

　　甘肅かんせい省しょう，六ろく萬まん五ご百ひゃく八はち十じゅう六ろく石せき。

　　雲南うんなん省しょう，二に十じゅう七なな萬まん七なな千せん七なな百ひゃく一いち十じゅう九きゅう石せき。

　　江こう浙省，四よん百ひゃく四よん十じゅう九きゅう萬まん四よん千せん七なな百ひゃく八はち十じゅう三さん石せき。

　　江西えにし省しょう，一いち百ひゃく十じゅう五ご萬まん七なな千せん四よん百ひゃく四よん十じゅう八はち石せき。

　　湖みずうみ廣こう省はぶけ，八はち十じゅう四よん萬まん三さん千せん七なな百ひゃく八はち十じゅう七なな石せき。

　　江南こうなん三省天曆元年夏稅鈔數，總計そうけい中ちゅう統すべ鈔十じゅう四よん萬まん九きゅう千せん二に百ひゃく七なな十じゅう三さん定じょう三さん十じゅう三さん貫かん。

　　江こう浙省，五ご萬まん七なな千せん八はち百ひゃく三さん十じゅう定じょう四よん十じゅう貫かん。

　　江西えにし省しょう，五ご萬まん二に千せん八はち百ひゃく九きゅう十じゅう五ご定じょう十じゅう一貫いっかん。

　　湖みずうみ廣こう省はぶけ，一いち萬まん九きゅう千せん三さん百ひゃく七なな十じゅう八はち定じょう二に貫かん。