新元しんもと史し/卷まき075

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新元しんもと史し 卷まき七なな十じゅう五ご 志こころざし第だい四よん十じゅう二に

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食しょく貨八

卷まき七なな十じゅう五ご·志こころざし第だい四よん十じゅう二に

　

　　○食しょく貨八

　　△海運かいうん

　　伯はく顏がお海運かいうん之の議ぎ，事こと便びん而費省しょう，然しか卒そつ有ゆう不ふ虞おそれ，則のり舉千百人之命投於不討之淵，非ひ若わか近世きんせい舟航しゅうこう之の利り，可か以保萬全而無覆溺之患也。今こん考こう其事故じこ，糧かて則そく一歲所損壞者多至十餘萬石，少しょう亦また四よん五ご千せん石せき，其軍人じん、水みず手しゅ之の漂溺者しゃ可知かち矣。重利しげとし而輕民みん命いのち，豈あに仁じん人じん之の政せい哉。

　　至いたり元もと十じゅう九きゅう年ねん，初はつ命いのち上海しゃんはい總そう管かん羅ら壁かべ、張ちょう瑄、朱しゅ清造せいぞう海うみ船せん六ろく十じゅう艘そう，募つの水みず手しゅ，同どう官軍かんぐん自じ海道かいどう漕こげ運うん江南えな糧かて四よん萬まん六ろく千せん餘よ石せき。明年みょうねん三さん月がつ，至いたり直ちょく沽，從したがえ丞相じょうしょう伯はく顏がお之の議ぎ也。「先さき是ぜ伯はく顏がお入にゅう臨安，而淮東之ひがしの地ち猶なお爲ため朱しゅ守まもる，乃命張ちょう瑄等自じ崇たかし明あきら州しゅう募つの船ふね，載の亡ほろび宋そう庫こ茂しげ圖ず籍せき，由ゆかり海邊うみべ運うん至いたり直ちょく沽。又また命いのち造づくり鼓こ兒じ船せん，運うん浙西糧かて涉わたる江こう入にゅう淮，達たち於黃河かわ，逆水さかみず至いたり中ちゅう灤早站，運うん至いたり淇門，入にゅう御ご河かわ，接せっ運うん以達京師けいし。後こう用よう總そう管かん姚煥議ぎ，開ひらき濟州さいしゅう泗河，自じ淮入泗，自じ泗入大だい清河きよかわ，由利ゆり津つ河口かこう大海たいかい。因よし海うみ口こう壅沙，又また從したがえ東ひがし阿おもね旱ひでり站運至いたり臨清，入にゅう御ご河かわ，並なみ開ひらき膠にかわ菜さい河かわ過か，通つう直ちょく沽之海運かいうん。至いたり十じゅう九きゅう年ねん，伯はく顏がお見み河かわ運うん勞ろう技わざ不ふ資し而無成なり效こう，追つい思おもえ般運亡ほろび宋そう庫こ藏ぞう圖ず籍せき之の事こと，以爲海運かいうん可か行ぎょう；奏そう命いのち江こう淮行省しょう限げん六ろく十じゅう日にち，造みやつこ平底ひらぞこ海うみ船せん六ろく十じゅう艘そう，委い上海しゃんはい總そう管かん羅ら壁かべ、張ちょう瑄、朱しゅ清きよし等とう，載の官かん糧かて四よん萬まん六ろく千せん餘よ石せき，創そう行ぎょう海運かいうん，沿山求もとめ山奧やまおく以抵直ちょく沽。然しか風ふう泛失時じ，本年ほんねん不能ふのう抵岸，在ざい山東さんとう劉りゅう家島いえじま壓あつ冬ふゆ。至いたり二に十じゅう年ねん三さん月がつ，放ひ萊州洋よう，始はじめ達たち直ちょく沽。因よし內河淺あさ澀，就於直ちょく沽交卸おろし。

　　是これ年ねん，置おけ京畿けいき、江こう淮都漕こげ運うん司し，漕こげ江南こうなん糧かて。仍各置おけ分ぶん司し，催督綱つな運うん。以運稂多寡たか，爲ため運うん官かん殿どの最さい。中書ちゅうしょ省しょう奏そう：「南北なんぼく糧かて餉，國之くにゆき大計たいけい。前ぜん雖攢運うん，虛きょ費ひ財力ざいりょく，終おわり無む成功せいこう。蓋ぶた措置そち乖方，用人ようにん不當ふとう，以致如是にょぜ。今こん大だい郗漕運うん司し止とめ管かん淇門運うん至いたり通どおり州しゅう河西かさい務つとむ，其中灤至淇門，通とおり州しゅう河西かさい務つとむ至大しだい都と陸運りくうん車しゃ站，別べつ設しつらえ提ひさげ舉司，不ふ隸漕運うん司し管領かんりょう，揚あげ州しゅう漕こげ運うん司し止とめ管かん江南えな運うん至いたり瓜ふり州しゅう，至いたり中ちゅう灤水路ろ，運うん副ふく之これ押運人員じんいん不ふ隸漕運うん司し管領かんりょう。甫はじめ北きた相去あいさり數すう千里せんり，中間なかま氣力きりょく斷絕だんぜつ，不ふ相あい接せっ濟ずみ，所以ゆえん糧かて過か遲滯ちたい，官かん物ぶつ虧陷失しつ誤あやま，支持しじ所しょ關せき甚大じんだい。比ひ以省臣しん奏そう準なずらえ，京畿けいき、江こう淮設都と漕こげ運うん使し二に，舊きゅう官かん盡つき行革ぎょうかく去さ，其江淮漕運うん司し。除じょ江南こうなん運はこぶ至いたり瓜ふり州しゅう依よ舊きゅう管領かんりょう外がい，將はた沽司官かん一半置於瓜州，一半いっぱん於中灤、荊山上下じょうげ行司ぎょうじ，專せん以催督とく綱つな運うん。每歲まいさい須運稂二に百ひゃく萬石到於中灤，取と京畿けいき漕こげ運うん司し通關つうかん收おさむ附ふ，申さる呈てい揚あげ州しゅう行あるき省しょう爲ため照あきら。京畿けいき清きよし運うん司し自じ中ちゅう灤運至大しだい都と，仍將中ちゅう灤至淇門，河西かさい務つとむ至大しだい都と車しゃ站，撥ばち隸本司し管領かんりょう，其漕運うん司し官かん一半於大都置司，一半いっぱん於申灤、淇門上下じょうげ行司ぎょうじ，專せん以催督とく綱つな運うん。每歲まいさい須運糧かて二に百ひゃく萬まん石せき至いたり都と，取と省しょう倉くら足あし數すう抄しょう憑，申さる呈てい戶部とべ爲ため照あきら。歲とし終おわり考こう校こう運うん及額數すう者しゃ爲ため最さい，不ふ及者爲ため殿どの。當該とうがい運うん司し一いち最さい升ます一等いっとう，任にん滿まん別べつ行ぎょう遷轉；一いち殿どの降くだ一等いっとう，次じ年ねん又また殿しんがり，則のり黜之。」從したがえ之これ。

　　二に十じゅう年ねん，右みぎ丞すすむ麥むぎ術じゅつ丁ひのと等とう奏そう王おう積つもる翁おう言げん：「亡ほろび宋そう都と汴時，每年まいとし運うん糧かて六ろく百ひゃく萬まん石せき。如今江南えな糧かて多た，若わか運うん至いたり京師けいし，米價べいか自じ賤。詔みことのり使臣ししん等とう議ぎ之の，竊維運うん糧かて之の事こと爲ため廣こう輸運之の途と，今こん止とめ中ちゅう灤一處しょ漕こげ運うん，僅運三さん十じゅう萬まん石せき。近こん者しゃ阿おもね八はち赤あか新開しんかい一いち河かわ，又また奧赤おくあか經由けいゆ濟州さいしゅう開ひらき挑一河かわ，又また黃河こうが迤上有ゆう沁河可か以開挑一河かわ，遣や人相にんそう視し，令れい脫だつ忽ゆるがせ思おもえ齎繪圖ず呈てい奏そう。如此等とう河かわ道どう一いち一いち成就じょうじゅ，則のり運うん糧かて數すう目め自じ多た。」上じょう曰：「朕ちん覽らん圖ず，宜むべ如卿所しょ奏そう。」是ぜ年ねん八はち月がつ，總計そうけい一いち歲さい海運かいうん、河かわ運うん所しょ至いたり者しゃ糧かて二に十じゅう八はち萬まん石せき。丞相じょうしょう和わ魯火孫まご、參議さんぎ禿かぶろ魯花等とう奏そう言ごと：「揚あげ州しゅう以船一いち百ひゃく四よん十じゅう六ろく運うん糧かて五ご萬まん石せき，四よん萬まん六ろく千せん石せき已やめ到いた。其餘六ろく仍未到みとう，必遭風ふう覆沒ふくぼつ。聞海中有ちゅうう徑みち直之なおゆき過か，乞遣人じん試驗しけん。」又また奏そう：阿おもね八赤新河運糧二萬餘石，又また東平とうへい府ふ南みなみ奧おく符ふ赤あか新開しんかい河かわ運うん糧かて三さん萬まん二に千せん石せき，暨御河かわ常つね年とし攢運河うんが過か糧かて，總そう二に十じゅう八はち萬まん石せき，俱已至いたり都と。「上うえ稱しょう善ぜん。

　　是ぜ年ねん十じゅう一いち月がつ，丞相じょうしょう和わ魯火孫まご等とう奏そう：「阿おもね八赤新挑河追迤南，用船ようせん一いち百ひゃく九きゅう十じゅう四よん艘そう，運うん糧かて四よん萬まん八はち千せん九きゅう百ひゃく六ろく十じゅう一いち石せき。其船一百四般內損壞訖糧五千五十一石外，船せん九きゅう十じゅう艘そう，該糧二に萬まん三さん千せん九きゅう百ひゃく九きゅう石せき。凡糧之の至いたり者しゃ，與あずか已やめ損壞そんかい者しゃ，具ぐ數すう以聞。」詔みことのり以問阿おもね八はち赤あか，阿おもね八はち赤あか言ごと：「揚あげ州しゅう運うん船せん不ふ堅けん，又また沿海えんかい岸きし行こう，故こ多た損壞そんかい，非ひ預あずか臣事しんじ。臣しん所しょ將はた五ご十じゅう艘そう，才さい失しつ其四，其餘當とう以風泛末至いたり一いち省しょう臣しん言ごと。」阿おもね八赤新河口侯潮以人，所しょ損そん甚多，民みん亦また苦く之の。今こん欲よく造づくり小船こぶね五ご百ひゃく艘そう。建けん倉くら三さん處しょ。」上じょう曰：「伯はく顏がお運うん糧かて之の道みち，與あずか阿おもね八赤所開河相通否？」對たい曰：「不通ふつう也。呵しか八赤之言非實，今春こんしゅん海運かいうん，其船一いち百ひゃく四よん十じゅう八はち艘そう皆みな已やめ至いたり，其不至いたり者しゃ七なな艘そう而巳。前ぜん命いのち以其事ごと屬ぞく忙せわし兀斛，今いま忙せわし兀斛來らい言げん：「用よう此道運うん糧かて，爲ため船せん二に百ひゃく七なな十じゅう，所しょ失しつ者しゃ十じゅう有ゆう九きゅう，今こん皆みな得どく之の矣。」上じょう曰：「果はて如是にょぜ，阿おもね八はち赤あか不ふ必用ひつよう。忙せわし兀斛好こう人ひと也。俟其來らい使つかい，由ゆかり海道かいどう攢運。阿おもね八赤新挑河可廢。

　　已やめ而伯顏がお與平よへい章あきら政事せいじ札さつ散ち、右みぎ丞すすむ麥むぎ術じゅつ丁ひのと等とう奏そう：「海運かいうん之の事こと，兩りょう南みなみ人じん言げん，胡えびす廷若付づけ腳錢，願ねがい以私力りょく，歲さい各かく運うん十じゅう萬まん石せき至いたり京師けいし，乞與職名しょくめい。臣しん等とう議ぎ：朱しゅ清原きよはら有ゆう金牌きんぱい，今こん授中萬まん戶こ。換かわ虎とら符ふ，張ちょう招討之子ゆきこ，現げん帶おび銀牌ぎんぱい，換金かんきん牌ぱい爲ため千せん戶こ，忙せわし兀斛現げん帶金おびがね虎とら符ふ爲ため一府達魯花赤，餘あまり一府以萬戶之無軍而帶虎符者爲達魯花赤。「從したがえ之これ。

　　二に十じゅう一いち年ねん，右みぎ丞すすむ麥むぎ術じゅつ丁ひのと等とう奏そう：「斡奴魯、忙せわし兀斛三さん次じ文書ぶんしょ言ごと：『阿おもね八はち赤あか新開しんかい河かわ，損そん多た益えき少しょう，無む濟すみ漕こげ運うん，其水きすい手しゅ軍人ぐんじん等とう二に萬まん、艘そう千せん般俱閒あいだ不用ふよう，乞忖臣しん等とう歲とし運うん糧かて一いち百ひゃく萬まん石せき。』臣しん等とう前まえ奉たてまつ敕與忙せわし兀斛議ぎ行ぎょう海運かいうん，今いま己おのれ送おく糧かて回かい訖。又また朱しゅ清きよし等とう各かく願ねがい糧かて運うん十じゅう萬まん石せき。又また囊家歹孫萬まん戶こ請得此船，與あずか軍人ぐんじん、水みず手しゅ以充海運かいうん。臣しん於伯顏がお等とう議ぎ：以阿八赤河道所用水手五千、兵へい五ご千せん、船ふね一千艘付揚州行省，教習きょうしゅう海運かいうん。其餘水すい手しゅ五ご千せん、兵へい五千就駕平灤船，從したがえ利り淖海道どう運うん根ね。」從したがえ之これ。遂とげ罷やめ阿おもね八はち赤あか所しょ開ひらき河かわ。

　　二に十じゅう二に年ねん二に月がつ，參政さんせい不ふ魯迷失しつ海うみ牙きば等とう奏そう：「自じ江南えな每歲まいさい運うん糧かて一いち百ひゃく萬まん石せき，從したがえ海うみ追つい運うん者しゃ十じゅう萬まん石せき，從したがえ阿おもね八はち赤あか、樂らく二人新挑河道運者六十萬石，從したがえ奧行おくゆき赤あか所しょ挑濟州さいしゅう河かわ實じつ道みち運うん者しゃ三さん十じゅう萬まん石せき。今こん闊闊你敦等とう言げん：濟州さいしゅう河かわ追おい船せん缺かけ。臣しん等とう議ぎ，令れい三省造船三千艘以濟運。」從したがえ之これ。

　　二に十じゅう三さん年ねん，又また以徵日本にっぽん所しょ造船ぞうせん給きゅう沿海えんかい居きょ民みん運うん稂，用よう平たいら章あきら阿おもね必失哈、參政さんせい禿かぶろ魯花之の議ぎ也。是ぜ年ねん，平たいら章あきら薛徹乾いぬい等とう奏そう海邊うみべ運うん糧かて四よん年ねん，凡一百ひゃく萬まん石せき，至いたり京師けいし者しゃ八はち十じゅう四よん萬まん石せき，不ふ至いたり者しゃ一いち十じゅう七なな萬まん石せき。運うん者しゃ育いく：「江南こうなん斗と小しょう，至いたり此斗大だい，以此折おり耗者有ゆう之の。又また因いん船せん壞棄米まい有ゆう之の，已やめ責せめ令れい賠償ばいしょう矣。若人わこうど船せん俱沒，不知ふち應おう賠否？」上じょう曰：「沒ぼつ於水，安やす能のう使し賠。其免之の。」

　　二に十じゅう四よん年ねん，立たて行ゆき泉いずみ府ふ司つかさ，專せん領海りょうかい運うん，增置ぞうち萬まん戶こ府ふ二に，總そう爲ため四よん萬まん戶こ府ふ。都と漕こげ運うん海うみ船上せんじょう萬まん戶こ府ふ，亦また速はや爲ため首くび，與あずか張ちょう文ぶん龍りゅう等とう勾當こうとう。平江ひらえ等ひとし處しょ運うん糧かて萬まん戶こ府ふ，忙せわし兀斛爲ため首くび，與あずか費ひ拱辰、張ちょう文ぶん彪あや等とう勾當こうとう。孛蘭奚等海道かいどう運うん糧かて萬まん戶こ府ふ。與あずか朱しゅ虎とら等とう勾當こうとう。是ぜ年ねん，始はじめ罷やめ東ひがし平河ひらかわ運うん，專用せんよう海運かいうん矣。

　　二に十じゅう五ご年ねん，丞相じょうしょう桑くわ哥，平たいら章あきら鐵てつ木き兒じ、呵しか魯渾徹てっ裏うら等とう奏かなで，「住じゅう者しゃ歲とし運うん江南えな糧かて一いち百ひゃく萬まん石せき，在ざい後ご止とめ運うん七なな十じゅう萬まん石せき。今いま養やしなえ濟ずみ百姓ひゃくしょう用よう糧かて多た，宜よろし增ぞう運うん一いち百ひゃく萬まん石せき。」從したがえ之これ。是ぜ年ねん二に月がつ，分ふん且漕司し二に。《百官ひゃっかん志こころざし》作さく二に十じゅう四よん年ねん。都と漕こげ運うん使し司し於河西かさい務つとむ置おけ司し，自じ濟州さいしゅう東ひがし阿おもね起おこり，並なみ御ご河かわ上下じょうげ，至いたり直ちょく沽、河西かさい務つとむ、李り二に寺てら、通とおり州しゅう、壩河等とう處しょ，水陸すいりく攢運，接せっ運うん海うみ追つい糧かて及各倉くら一切いっさい公おおやけ本ほん，並なみ隸本司し管領かんりょう。京畿けいき都と漕こげ運うん使し司し站車赴各倉くら運うん糧かて，本ほん司し先さき將はた半はん印しるし勘合かんごう，支ささえ簿ぼ開發かいはつ，都と漕こげ運うん使し司つかさ收おさむ管かん，然しか後押あとおし印しるし勘合かんごう關せき文ぶん，開ひらけ坐すわ所ところ運うん糧かて數すう交押運うん官かん齎住都と漕こげ運うん使し司し投下とうか，比ひ對たい元もと發はつ半はん印しるし號ごう簿ぼ相しょう同どう，都と漕こげ運うん使し司し亦また同どう勘合かんごう下か倉くら支ささえ拔交裝そう。毋致刁蹬停滯ていたい。就取押運官かん明白めいはく收おさむ管かん，隨ずい即そく具ぐ交裝訖糧數すう，行ぎょう移うつり京畿けいき都と漕こげ運うん司し使し照會しょうかい，行ぎょう下か省しょう倉くら，依よ數かず受管。仍勒押運官かん須用心こころ關せき防ぼう車しゃ戶と般運交納，如有短みじか少しょう，即そく追つい賠數足あし，及取押運官かん招伏治ち罪ざい。都と漕こげ運うん便びん司し凡支糧かて並なみ船人ふなびと糧かて馬料ばりょう，須依すえ例れい置おけ立たて勘合かんごう號ごう簿ぼ，明白めいはく書しょ填はま押印おういん勘合かんごう文ぶん帖じょう，下倉したくら放ひ支ささえ。非ひ奉たてまつ省しょう部ぶ明文めいぶん。勿得擅支。京畿けいき清きよし運うん使し司し應おう管かん各かく倉くら分ぶん收支しゅうし見み在ざい，並なみ趲運糧かて旬しゅん申さる月數げっすう目め，及應覷各倉くら關せき防ぼう事理じり，仰おおせ戶部とべ照あきら例れい行ゆき下本しもほん司し，須依すえ例れい申さる部ぶ呈てい省しょう。

　　二に十じゅう七なな年ねん，丞相じょうしょう桑くわ哥等奏そう：「自じ江南こうなん每まい運うん來者らいしゃ，薛徹禿ちび、孛蘭奚、朱しゅ、張ちょう等とう萬まん戶こ及千せん戶こ、百戶今歲勤勞尤甚，乞每人じん賜たまもの衣ころも一いち襲かさね一いち上じょう曰。」南みなみ人じん愛あい毳むくげ段だん，其各賜たまもの毳むくげ段だん一いち端はし。」二に十じゅう八はち年ねん八はち月がつ，平たいら章あきら不ふ忽ゆるがせ木き等とう奏そう：「海邊うみべ運うん糧かて，朱しゅ清張せいちょう瑄萬まん戶こ言げん：『往歲おうさい運うん糧かて，止とめ以臣等とう二に萬まん戶こ府ふ，自じ去年きょねん隸泉府ふ司つかさ，沙すな不ふ丁ひのと再さい掭二に萬まん戶こ運うん糧かて，百姓ひゃくしょう艱難かんなん，所有しょゆう折おり耗，俱責臣しん等とう。乞胡廷伶憫，罷やめ二に府ふ，或ある委ゆだね他人たにん。』。」上じょう曰：「彼かれ所しょ言げん是也これや。止とめ令れい二に府ふ運うん之の。「又また奏そう：「朱しゅ張はり二に萬まん戶こ，『或ある有ゆう疑うたぐ臣しん等とう者しゃ，乞留臣しん等とう在ざい此，令れい臣しん之子ゆきこ代だい運うん。』。」上じょう曰，「安用やすもち如此，止とめ以朱張はり二に萬まん戶こ運うん之の。「是これ月がつ，並なみ海邊うみべ都と漕こげ運うん爲ため二に萬まん戶こ府ふ，張ちょう瑄以驃騎衛まもる上じょう將軍しょうぐん、淮東邊べ宜むべ慰使效こう領海りょうかい追つい都と漕こげ運うん萬まん戶こ府ふ事ごと，朱しゅ清きよし以驃騎き衛まもる上じょう將軍しょうぐん、江東こうとう邊べ宣せん慰使兼けん領海りょうかい追つい都と漕こげ運うん萬まん戶こ府本ふもと。張ちょう瑄管領りょう，每年まいとし以十じゅう分ふん爲ため率りつ，該運六ろく分ふん；朱しゅ清きよし每年まいとし以十じゅう分ふん爲ため率りつ，該運四よん分ふん。

　　二に十じゅう九きゅう年ねん，平たいら章あきら政事せいじ不ふ忽ゆるがせ木き、闍裏等とう奏そう：「淮海艄工、水みず手しゅ人じん等とう，選擇せんたく可用かよう者しゃ，僱直如例給きゅう之の，每戶まいこ妻子さいし以五ご口くち爲ため率りつ，給きゅう以糧，免めん其雜泛差役やく。」從したがえ之これ。三さん十じゅう年ねん，以朱文ぶん龍りゅう爲ため海うみ漕こげ都と漕こげ萬まん戶こ，賜たまもの虎とら符ふ，捉調香が糯もち事ごと，設しつらえ千せん戶こ一いち，百ひゃく戶こ三さん。

　　元もと貞元さだもと年ねん，丞相じょうしょう完かん澤さわ、平たいら章あきら賽さい典てん赤あか等とう奏そう：「朱しゅ、張ちょう海運かいうん，往歲おうさい一いち百ひゃく萬まん石せき，或ある增ぞう其數。如歲不ふ登とう，百姓ひゃくしょう艱食，實じつ賴よりゆき海運かいうん濟ずみ之の。豪ごう、懿等州しゅう並なみ商しょう麗うらら境さかい，連年れんねん饑饉ききん，亦また仰おおせ運うん糧かて賑にぎわい濟ずみ。今こん歲とし豐ゆたか米べい賤，若わか仍前海運かいうん，切きり恐おそれ未み宜よろし。去歲きょさい會計かいけい，只ただ運うん三さん十じゅう萬まん石せき。今こん應おう如上じょじょう年ねん例れい，亦また運うん三さん十じゅう萬まん百ひゃく。」又また奏そう：「每年まいとし海運かいうん，以十じゅう分ふん爲ため卒そつ，張ちょう萬まん戶こ運うん六ろく分ふん，朱しゅ萬まん戶こ運うん四よん分ふん。今こん朱しゅ萬まん戶こ言げん，乞均分きんぶん停とま運うん。「並なみ從したがえ之これ。二に年ねん，諭さとし行ぎょう省はぶけ、行くだり臺だい諸しょ司つかさ，毋沮壞海邊べ運うん糧かて都と漕こげ運うん萬まん戶こ事ごと，違たがえ者しゃ罪ざい之の。

　　大德だいとく六ろく年ねん，從したがえ參まい知ち政事せいじ張ちょう文ぶん彪あや言ごと，海邊うみべ運うん糧かて萬まん戶こ府ふ官かん屬ぞく，聽本府ふ自じ行くだり舉保。文ぶん彪あや瑄之子こ也。是ぜ年ねん，戶部とべ言げん：「船戶ふなと節たかし次じ逃亡とうぼう，究きわむ其源由ゆかり，益えき因いん漕こげ司し失しつ於拘鈐。縱たて綱つな宮人みやびと等とう恣意しい侵おかせ漁りょう，或ある將はた有力ゆうりょく之の家いえ影かげ占うらない，不ふ令れい上船じょうせん當とう役やく，或ある將はた招伏逃戶不ふ申さる官かん起おこり遣や，以致靠もたれ損そん在ざい船人ふなびと戶ど。合ごう令れい漕こげ司し取と勘かん實在じつざい船戶ふなと，委ゆだね官かん點てん勘かん，有ゆう缺かけ役者やくしゃ先行せんこう著ちょ落。綱つな官かん僱人代替だいたい，須拘本戶ほんど到いた官かん斷罪だんざい，受贓者しゃ驗けん莊そう追つい斷だん，仍除名じょめい。」中書ちゅうしょ省議しょうぎ從したがえ之これ。七なな年ねん，張ちょう瑄、朱しゅ清きよし坐すわ飛語ひご論ろん死し，並なみ籍せき其家，事こと瑄等傳でん。中書ちゅうしょ省しょう奏そう：「前者ぜんしゃ海うみ過か運うん糧かて，立たて萬まん戶こ府ふ四よん，復ふく併爲二に，且委付づけ萬まん戶こ六ろく員いん，前ぜん孛可孫まご札さつ刺とげ兒じ斛沙的てき爲之ためゆき長ちょう，建たて慶けい路ろ達たち魯花赤あか阿おもね里さと之の子日ねのひ忽ゆるがせ都と魯拙剌兒次じ之の。餘あまり萬戶四員以先所委色目、漢人かんど、南みなみ人じん內謹慎まき有ゆう才ざい者しゃ如舊。仍帶虎とら符ふ。」又また奏そう：「萬まん戶こ下か，合ごう委い千せん戶こ，鎮撫ちんぶ、首領しゅりょう七なな十じゅう員いん內，受宣命いのち金牌きんぱい六ろく十じゅう有ゆう七なな員いん，就帶者しゃ三さん十じゅう有ゆう九きゅう，創そう降くだ金牌きんぱい者しゃ二に十じゅう有ゆう八はち，受敕者しゃ三さん員いん。」並なみ從したがえ之これ。

　　至大しだい二に年ねん，江こう浙行省しょう言げん：「曩左者しゃ朱しゅ清きよし、張ちょう瑄歲漕こげ四よん五ご十じゅう萬まん石せき至いたり百ひゃく餘あまり萬まん石せき，時じ船せん多た糧かて少しょう，僱直均ひとし平たいら。比ひ歲とし賦ふ斂橫出で，漕こげ戶ど睏乏，邇亡者しゃ有ゆう之の。今こん歲とし運うん稂三さん百ひゃく萬まん石せき。漕こげ船せん不足ふそく，遣や人ひと於浙江こう、福建ふっけん等とう處しょ和わ僱民船せん，百姓ひゃくしょう騷動そうどう。本省ほんしょう左ひだり丞すすむ沙すな不ふ丁ひのと言げん其弟合あい八失及馬合謀但的、澉浦楊家等とう皆みな有ゆう船せん，且深知ち漕こげ事ごと，宜むべ以爲海うみ追つい運うん糧かて都と漕こげ萬まん戶こ府ふ，以私力りょく輸運官かん稂。萬まん戶こ、千戶並如軍官例承襲，寬ひろし恤漕戶ど，增ぞう紿僱直じき，庶有成功せいこう。」詔みことのり以馬合あい謀はかりごと但ただし的てき爲ため遙はるか授右丞すすむ、海外かいがい諸しょ番ばん宜むべ慰使都と元帥げんすい，領海りょうかい邊べ運うん糧かて萬まん戶こ府ふ事ごと。設しつらえ千せん戶こ百ひゃく戶こ所しょ十じゅう，每ごと所しょ設しつらえ達たち魯花赤あか一いち，千せん戶こ三さん，副ふく千せん戶こ二に，百ひゃく戶こ四よん。

　　三さん年ねん，以朱清子せいご虎とら，張ちょう瑄子文ぶん龍りゅう往治海うみ漕こげ，以所籍せき定じょう一いち區く田た百ひゃく頃ごろ給きゅう之の。

　　四よん年ねん，中書ちゅうしょ省しょう奉たてまつ皇太子こうたいし旨むね，遣や刑けい部田へた侍さむらい郎ろう、萬戶王仲溫至江浙行省議海運事。時とき江東こうとう寧やすし國こく、池いけ、饒にょう十太平等處及湖廣、江西えにし等とう處しょ運うん糧かて至いたり真しん州しゅう泊はく水すい灣わん，勒令海うみ船せん從したがえ揚子江ようすこう逆流ぎゃくりゅう而上，至いたり泊はく水すい灣わん裝そう發はつ。海うみ船せん重大じゅうだい底そこ小しょう，江こう流りゅう湍急，又また多た石いし磯いそ，走はし沙すな漲みなぎ淺あさ，糧かて船せん損壞そんかい歲歲さいさい有ゆう之の。於是以嘉興きょう、松江まつえ二屬秋糧並江淮、江こう浙二總管府歲辦糧充運，而免寧やすし國こく、池いけ、饒にょう及湖廣ひろ、江西えにし等とう糧かて運うん，惟おもんみ辦運香が糯米もちごめ。舊例きゅうれい在ざい直ちょく沽交卸おろし後ご，萬戶朱虞龍將香糯米船直赴大都醴源倉送納轉交。河船かせん般剝、偷竊、攙雜，交剖短みじか少しょう，船戶ふなと困こま於賠累るい。請仍在ざい直ちょく沽交卸おろし。部ぶ議ぎ以醴源げん倉くら收納しゅうのう行ぎょう之の已やめ久ひさし，難なん於更易えき。沮其事ごと不ふ行くだり。

　　至いたり正せい八はち年ねん，漕こげ運うん使し賈擊陳ひね便宜べんぎ二に十じゅう餘事よじ，從したがえ其八事ごと：一いち日にち京畿けいき和わ糴，二に日にち優ゆう恤漕司し，三日みっか接せっ運うん委い官かん，四曰通州總治預定委員，五日船戶困於壩夫，清きよし糧かて壞於壩戶，六ろく日にち疏浚運河うんが，七日臨清運糧萬戶府當隸漕司，八曰宜以宜忠船戶付本司節制。蓋ぶた歷れき歲とし久ひさし，積弊せきへい深ふか，公私こうし困憊こんぱい，魯之所しょ言げん區區まちまち補綴ほてつ而已，無む當とう於運漕うんそう之の本ほん計けい也。凡歲運うん之の數かず：

　　至いたり元もと二に十じゅう年ねん，運うん糧かて四よん萬まん六ろく千せん五ご十じゅう石せき，運うん到いた四よん萬まん二に千せん一いち百ひゃく七なな十じゅう二に石せき，事故じこ糧かて八はち百ひゃく七なな十じゅう七なな石せき。

　　二に十じゅう一いち年ねん，運うん糧かて一いち十じゅう萬まん石せき，運うん到いた九きゅう萬まん七なな百ひゃく七なな十じゅう一いち石せき，事故じこ糧かて九きゅう千せん二に百ひゃく二に十じゅう八はち石せき。

　　二に十じゅう三さん年ねん，運うん糧かて五ご十じゅう七なな萬まん八はち千せん五ご百ひゃく三さん十じゅう石せき。運うん到いた四よん十じゅう三さん萬まん三さん千せん九きゅう百ひゃく五ご石せき。事故じこ糧かて一いち十じゅう四よん萬まん四よん千せん六ろく百ひゃく一いち十じゅう四よん石せき。

　　二に十じゅう四よん年ねん，運うん糧かて三さん十じゅう萬まん石せき，運うん到いた二に十じゅう九きゅう萬まん七なな千せん五ご百ひゃく四よん十じゅう六ろく石せき，事故じこ糧かて二に千せん四よん百ひゃく五ご十じゅう三さん石せき。

　　二に十じゅう五ご年ねん，運うん糧かて四よん十じゅう萬まん石せき，運うん到いた三さん十じゅう九きゅう萬まん七なな千せん六ろく百ひゃく五ご十じゅう五ご石せき，事故じこ糧かて二に千せん三さん百ひゃく四よん十じゅう四よん石せき。

　　二に十じゅう六ろく年ねん，運うん糧かて九きゅう十じゅう三さん萬まん五ご十じゅう石せき，運うん到いた九きゅう十じゅう一いち萬まん九きゅう千せん九きゅう百ひゃく四よん十じゅう三さん石せき，事故じこ糧かて一いち萬まん五ご千せん五ご十じゅう七なな石せき。

　　二に十じゅう七なな年ねん，運うん糧かて一いち百ひゃく五ご十じゅう九きゅう萬まん五ご千せん石せき，運うん到いた一いち百ひゃく五ご十じゅう一いち萬まん三さん千せん八はち百ひゃく五ご十じゅう六ろく石せき，事故じこ糧かて八はち萬まん一いち千せん一いち百ひゃく四よん十じゅう三さん石せき。

　　二に十じゅう八はち年ねん，運うん糧かて一いち百ひゃく五ご十じゅう二に萬まん七なな千せん二に百ひゃく五ご十じゅう石せき。運うん到いた一いち百ひゃく二に十じゅう八はち萬まん一いち千せん六ろく百ひゃく一いち十じゅう五ご石せき，事故じこ糧かて二に十じゅう四よん萬まん五ご千せん六ろく百ひゃく三さん十じゅう五ご石せき。

　　二に十じゅう九きゅう年ねん，運うん糧かて一いち百ひゃく四よん十じゅう萬まん七なな千せん四よん百ひゃく石せき，運うん到いた一いち百ひゃく三さん十じゅう六ろく萬まん一いち千せん五ご百ひゃく一いち十じゅう三さん石せき，事故じこ糧かて四よん萬まん五ご千せん八はち百ひゃく八はち十じゅう六ろく石せき。

　　三さん十じゅう年ねん，運うん糧かて九きゅう十じゅう萬まん八はち千せん石せき，運うん到いた五ご十じゅう萬まん三さん千せん五ご百ひゃく三さん十じゅう四よん石せき，事故じこ糧かて一いち萬まん九きゅう百ひゃく九きゅう十じゅう九きゅう石せき。

　　元もと貞元さだもと年ねん，運うん糧かて三さん十じゅう四よん萬まん五ご百ひゃく石せき俱到。

　　二に年ねん，運うん糧かて三さん十じゅう四よん萬まん五ご百ひゃく石せき，運うん到いた三さん十じゅう三さん萬まん七なな千せん二に十じゅう六ろく石せき，事故じこ糧かて三さん千せん四よん百ひゃく七なな十じゅう三さん石せき。

　　大德だいとく元年がんねん，運うん糧かて六ろく十じゅう五ご萬まん八はち千せん三さん百ひゃく石せき，運うん到いた六ろく十じゅう四よん萬まん八はち千せん一いち百ひゃく三さん十じゅう六ろく石せき，事故じこ糧かて一いち萬まん一いち百ひゃく六ろく十じゅう三さん石せき。二に年ねん，運うん糧かて七なな十じゅう四よん萬まん二に千せん五ご百ひゃく一いち十じゅう石せき，運うん到いた七なな十じゅう萬まん五ご千せん九きゅう百ひゃく五ご十じゅう四よん石せき，事故じこ糧かて三さん萬まん六ろく千せん七なな百ひゃく九きゅう十じゅう六ろく石せき。

　　三さん年ねん，運うん糧かて七なな十じゅう九きゅう萬まん四よん千せん五ご百ひゃく石せき俱到。

　　四よん年ねん，運うん糧かて七なな十じゅう九きゅう萬まん五ご千せん五ご百ひゃく石せき，運うん到いた七なな十じゅう八はち萬まん八はち千せん九きゅう百ひゃく十じゅう八はち石せき，事故じこ糧かて六ろく千せん五ご百ひゃく八はち十じゅう一いち石せき。

　　五ご年ねん，運うん糧かて七なな十じゅう九きゅう萬まん六ろく千せん五ご百ひゃく二に十じゅう八はち石せき，運うん到いた七なな十じゅう六ろく萬まん九きゅう千せん六ろく百ひゃく五ご十じゅう百ひゃく，事故じこ糧かて二に萬まん六ろく千せん八はち百ひゃく七なな十じゅう八はち石せき。

　　六ろく年ねん，運うん糧かて一いち百ひゃく三さん十じゅう八はち萬まん三さん千せん八はち百ひゃく八はち十じゅう三さん百ひゃく，運うん到いた一いち百ひゃく三さん十じゅう二に萬まん九きゅう千せん一いち百ひゃく四よん十じゅう八はち石せき，事故じこ糧かて五ご萬まん四よん千せん七なな百ひゃく三さん十じゅう五ご石せき。

　　七なな年ねん，運うん糧かて一いち百ひゃく六ろく十じゅう五ご萬まん九きゅう千せん四よん百ひゃく九きゅう十じゅう一いち石せき，運うん到いた一いち百ひゃく六ろく十じゅう二に萬まん八はち千せん五ご百ひゃく八はち石せき，事故じこ糧かて三さん萬まん九きゅう百ひゃく八はち十じゅう二に石せき。

　　八はち年ねん，運うん糧かて一いち百ひゃく六ろく十じゅう七なな萬まん二に千せん九きゅう百ひゃく九きゅう石せき，運うん到いた一いち百ひゃく六ろく十じゅう六ろく萬まん三さん千せん三さん百ひゃく一いち十じゅう三さん石せき，事故じこ糧かて九きゅう千せん五ご百ひゃく九きゅう十じゅう六ろく石せき。

　　九きゅう年ねん，運うん糧かて一いち百ひゃく八はち十じゅう四よん萬まん三さん千せん三さん石せき，運うん到いた一いち百ひゃく七なな十じゅう九きゅう萬まん五ご千せん三さん百ひゃく四よん十じゅう七なな石せき，事故じこ糧かて四よん萬まん七なな千せん六ろく百ひゃく五ご十じゅう六ろく石せき。

　　十じゅう年ねん，運うん糧かて一いち百ひゃく八はち十じゅう萬まん八はち千せん一いち百ひゃく九きゅう十じゅう九きゅう石せき，運うん到いた一いち百ひゃく七なな十じゅう九きゅう萬まん七なな千せん七なな十じゅう八はち石せき，事故じこ糧かて一いち萬まん一いち千せん一いち百ひゃく二に十じゅう一いち石せき。

　　十じゅう一いち年ねん，運うん糧かて一いち百ひゃく六ろく十じゅう六ろく萬まん五ご千せん四よん百ひゃく二に十じゅう二に石せき，運うん到いた一いち百ひゃく六ろく十じゅう四よん萬まん四よん千せん六ろく百ひゃく七なな十じゅう九きゅう石せき，事故じこ糧かて二に萬まん七なな百ひゃく四よん十じゅう三さん石せき。

　　至大しだい元年がんねん，運うん糧かて一いち百ひゃく二に十じゅう四よん萬まん一いち百ひゃく四よん十じゅう八はち石せき，運うん到いた一いち百ひゃく二に十じゅう萬まん二に千せん五ご百ひゃく三さん石せき，事故じこ糧かて三さん萬まん七なな千せん六ろく百ひゃく四よん十じゅう五ご石せき。

　　二に年ねん，運うん糧かて二に百ひゃく四よん十じゅう六ろく萬まん四よん千せん二に百ひゃく四よん石せき，運うん到いた二に百ひゃく三さん十じゅう八はち萬まん六ろく千せん三さん百ひゃく石せき，事故じこ糧かて七なな萬まん七なな千せん九きゅう百ひゃく四よん石せき。

　　三さん年ねん，運うん糧かて二に百ひゃく九きゅう十じゅう二に萬まん六ろく千せん五ご百ひゃく三さん十じゅう三さん石せき，運うん到いた二に百ひゃく七なな十じゅう一いち萬まん六ろく千せん九きゅう百ひゃく一いち十じゅう三さん石せき，事故じこ糧かて二に十じゅう萬まん九きゅう千せん六ろく百ひゃく一いち十じゅう九きゅう石せき。

　　四よん年ねん，運うん糧かて二に百ひゃく八はち十じゅう七なな萬まん三さん千せん二に百ひゃく十じゅう二に石せき，運うん到いた二に百ひゃく七なな十じゅう七なな萬まん三さん千せん一いち百ひゃく六ろく十じゅう六ろく石せき，事故じこ糧かて九きゅう萬まん九きゅう千せん九きゅう百ひゃく四よん十じゅう五ご石せき。

　　皇すめらぎ慶けい元年がんねん，運うん糧かて二に百ひゃく八はち萬まん三さん千せん五ご百ひゃく五ご石せき，運うん到いた二に百ひゃく六ろく萬まん七なな千せん六ろく百ひゃく七なな十じゅう二に石せき，事故じこ糧かて一いち萬まん五ご千せん八はち百ひゃく三さん十じゅう二に石せき。

　　二に年ねん，運うん糧かて一いち百ひゃく三さん十じゅう一いち萬まん七なな千せん二に百ひゃく二に十じゅう八はち石せき，運うん到いた六ろく十じゅう五ご萬まん四よん千せん三さん十じゅう六ろく石せき，事故じこ糧かて一いち十じゅう五ご萬まん大だい千せん五ご百ひゃく四よん十じゅう三さん石せき。舊きゅう志こころざし，至いたり者しゃ二に百ひゃく一いち十じゅう五ご萬まん八はち千せん六ろく百ひゃく八はち十じゅう五ご石せき。延のべ祐ゆう元年がんねん，運うん糧かて二に百ひゃく四よん十じゅう萬まん三さん千せん二に百ひゃく六ろく十じゅう四よん石せき，運うん到いた二に百ひゃく三さん十じゅう五ご萬まん六ろく千せん六ろく百ひゃく六ろく石せき，事故じこ糧かて四よん萬まん六ろく千せん六ろく百ひゃく五ご十じゅう八はち石せき。

　　三さん年ねん，運うん糧かて二に百ひゃく四よん十じゅう五ご萬まん八はち千せん五ご百ひゃく十じゅう四よん石せき，運うん到いた二に百ひゃく五ご十じゅう三さん萬まん七なな千せん七なな百ひゃく四よん十じゅう四よん石せき。

　　四よん年ねん，運うん糧かて三さん十じゅう七なな萬まん五ご千せん三さん百ひゃく四よん十じゅう五ご石せき。運うん到いた二に百ひゃく三さん十じゅう六ろく萬まん八はち千せん一いち百ひゃく一いち十じゅう九きゅう石せき，事故じこ糧かて七なな千せん二に百ひゃく二に十じゅう五ご石せき。

　　五ご年ねん，運うん糧かて二に百ひゃく五ご十じゅう五ご萬まん三さん千せん七なな百ひゃく一いち十じゅう四よん百ひゃく，運うん到いた二に百ひゃく五ご十じゅう四よん萬まん三さん千せん六ろく百ひゃく一いち十じゅう一いち石せき，事故じこ糧かて一いち萬まん一いち百ひゃく二に石せき。

　　六ろく年ねん，運うん糧かて三さん百ひゃく二に萬まん一いち千せん五ご百ひゃく八はち十じゅう五ご石せき，運うん到いた二に百ひゃく九きゅう十じゅう八はち萬まん六ろく千せん七なな百ひゃく一いち十じゅう七なな石せき，事故じこ糧かて三さん萬まん四よん千せん八はち百ひゃく九きゅう十じゅう一いち石せき。

　　七なな年ねん，運うん糧かて三さん百ひゃく二に十じゅう六ろく萬まん四よん千せん六ろく石せき，運うん到いた三さん百ひゃく二に十じゅう四よん萬まん七なな千せん九きゅう百ひゃく二に十じゅう八はち石せき，事故じこ糧かて一いち萬まん六ろく千せん七なな十じゅう八はち石せき。

　　至いたり治ち元年がんねん，運うん糧かて三さん百ひゃく二に十じゅう六ろく萬まん九きゅう千せん四よん百ひゃく五ご十じゅう一いち石せき，運うん到いた三さん百ひゃく二に十じゅう三さん萬まん八はち千せん七なな百ひゃく六ろく十じゅう五ご石せき，事故じこ糧かて三さん萬まん六ろく百ひゃく八はち十じゅう五ご石せき。

　　二に年ねん，運うん糧かて三さん百ひゃく二に十じゅう五ご萬まん一いち千せん一いち百ひゃく四よん十じゅう石せき，及帶起おこり附ふ餘香よこう白しろ糯米もちごめ一いち萬まん八はち千せん九きゅう百ひゃく四よん十じゅう三さん石せき，運うん到いた三さん百ひゃく二に十じゅう四よん萬まん六ろく千せん四よん八はち十じゅう三さん石せき，事故じこ糧かて二に萬まん三さん千せん五ご百ひゃく九きゅう十じゅう九きゅう石せき。

　　三さん年ねん，運うん糧かて二に百ひゃく八はち十じゅう一いち萬まん一いち千せん七なな百ひゃく八はち十じゅう六ろく石せき，運うん到いた二に百ひゃく七なな十じゅう九きゅう萬まん八はち千せん六ろく百ひゃく一いち十じゅう三さん石せき，事故じこ糧かて一いち萬まん三さん千せん一いち百ひゃく七なな十じゅう二に石せき。

　　泰たい定元さだもと年ねん，運うん糧かて三さん百ひゃく八はち萬まん七なな千せん二に百ひゃく三さん十じゅう一いち石せき，運うん到いた二に百ひゃく七なな萬まん七なな千せん二に百ひゃく七なな十じゅう八はち石せき，本ほん故こ糧かて九きゅう千せん九きゅう百ひゃく五ご十じゅう三さん石せき。

　　二に年ねん，運うん糧かて二に百ひゃく六ろく十じゅう七なな萬まん一いち千せん一いち百ひゃく八はち十じゅう四よん石せき，運うん到いた二に百ひゃく六ろく十じゅう三さん萬まん七なな千せん七なな百ひゃく五ご十じゅう一いち石せき，事故じこ糧かて三さん萬まん三さん千せん四よん百ひゃく三さん十じゅう二に石せき。

　　三さん年ねん，運うん糧かて三さん百ひゃく三さん十じゅう七なな萬まん五ご千せん七なな百ひゃく八はち十じゅう四よん石せき，運うん到いた三さん百ひゃく三さん十じゅう五ご萬まん一いち千せん三さん百ひゃく六ろく十じゅう二に石せき，事故じこ糧かて二に萬まん四よん千せん四よん百ひゃく二に十じゅう一いち石せき。

　　四よん年ねん，運うん糧かて三さん百ひゃく一いち十じゅう五ご萬まん二に千せん八はち百ひゃく二に十じゅう石せき，運うん到いた三さん百ひゃく一いち十じゅう三さん萬まん七なな千せん五ご百ひゃく三さん十じゅう二に石せき，事故じこ糧かて一いち萬まん五ご千せん二に百ひゃく八はち十じゅう七なな百ひゃく。天てん曆れき元年がんねん，運うん糧かて三さん百ひゃく二に十じゅう五ご萬まん五ご千せん二に百ひゃく二に十じゅう石せき，運うん到いた三さん百ひゃく二に十じゅう一いち萬まん五ご千せん四よん百ひゃく二に十じゅう四よん石せき，事故じこ糧かて三さん萬まん九きゅう千せん七なな百ひゃく九きゅう十じゅう六ろく石せき。

　　二に年ねん，運うん糧かて三さん百ひゃく五ご十じゅう二に萬まん二に千せん一いち百ひゃく六ろく十じゅう三さん石せき，運うん到いた三さん百ひゃく三さん十じゅう四よん萬まん三さん百ひゃく六ろく石せき，事故じこ糧かて一いち十じゅう八はち萬まん一いち千せん八はち百ひゃく五ご十じゅう六ろく石せき，舊きゅう紀き：是ぜ年ねん運うん至いたり京師けいし者しゃ一いち百ひゃく四よん十じゅう萬まん九きゅう千せん一いち百ひゃく二に十じゅう石せき。虞おそれ集しゅう《學がく古いにしえ錄ろく》亦また云うん，是ぜ年ねん不ふ至いたり者しゃ七なな十じゅう萬まん石せき，均ひとし與あずか此不合あい。

　　元もと統すべ以後いご歲とし運うん之の可か考こう者しゃ：

　　至いたり正せい元年がんねん，益えき以江南みなみ之の米べい，通計つうけい所しょ運うん得とく三さん百ひゃく八はち十じゅう萬まん石せき。

　　二に年ねん，又また令れい江こう浙行省しょう及中正院しょういん財ざい賦ふ總そう管かん撥ばち賜たまもの諸人もろびと寺てら觀かん之の糧かて，盡つき數すう起おこり運うん，得とく二に百ひゃく六ろく十じゅう萬まん石せき。

　　十じゅう五ご年ねん，江こう浙行省しょう臣しん乞減海運かいうん，以蘇民力みんりょく，戶部とべ定じょう議ぎ，本年ほんねん稅ぜい糧かて除じょ免めん之の外そと，其寺觀かん並なみ撥ばち賜たまもの田た糧かて，十月開倉盡行拘收，其不敷じき糧かて，拔至元もと折中せっちゅう統すべ鈔一百ひゃく五ご十じゅう萬まん定じょう，於產米まい處しょ糴一百ひゃく五ご十じゅう萬まん百ひゃく以補之の。

　　十じゅう九きゅう年ねん，遣や兵部ひょうぶ尚書しょうしょ伯はく顏がお帖じょう木き兒じ、戶部とべ尚書しょうしょ齊ひとし履くつ亨とおる徵ちょう海運かいうん於江浙行省しょう，命いのち張はり士し誠まこと輸米，方ぽう國こく珍ちん具ぐ舟運しゅううん米まい十じゅう有ゆう一いち萬まん石せき至いたり京師けいし。

　　二に十じゅう年ねん，又また遣戶やりど部ぶ尚書しょうしょ王おう宗そう禮あや等とう至いたり江こう浙，二に十じゅう一年運米如十九年之數，九月又遣兵部尚書徹徹不花，侍さむらい郎ろう韓かん祺往徵ちょう海運かいうん。

　　二に十じゅう二に年ねん，運うん米まい十じゅう三さん萬まん石せき，是これ年ねん遺のこ部ぶ尚書しょうしょ脫だつ脫だつ察兒、兵部ひょうぶ尚書しょうしょ帖じょう木き兒じ至いたり江こう浙。

　　二に十じゅう三さん年ねん，又また運うん米まい十じゅう三さん萬まん石せき，九月又遣戶部侍郎博羅帖木兒、監かん丞すすむ賽さい因いん不ふ花はな徵ちょう海運かいうん於張士し誠まこと，士し誠まこと託たく辭じ拒こばめ之これ，海運かいうん遂とげ止とめ於是歲とし云うん。至いたり元もと二に十じゅう二に年ねん，定てい江南こうなん民田みんだ稅みつぐ石せき，每まい石いし帶たい鼠ねずみ耗分例れい五ご升しょう，官かん田た減げん半はん。二に十じゅう五ご年ねん，定じょう省しょう倉くら、碼頭、倉くら站車、壩河船せん運うん合あい添耗糧かて例れい。南みなみ糧かて元もと破やぶ每まい石いし帶たい耗一いち斗と四よん升しょう，海運かいうん至いたり直ちょく沽每百ひゃく四よん升しょう，直ちょく沽每石せき一いち升しょう三さん合ごう，船ふね運うん至いたり河西かさい務つとむ每まい石いし七なな合ごう，河西かさい務つとむ每ごと百ひゃく一いち升しょう三さん合ごう，船ふね運うん至いたり通どおり州しゅう每ごと石せき七なな合ごう，通とおり州しゅう每ごと石せき一いち升しょう三さん合ごう，壩河運うん至大しだい都と每ごと石せき一いち升しょう，站車運うん至大しだい都と每ごと百ひゃく七なな合ごう，省しょう倉くら每ごと石せき三さん升しょう。今こん議ぎ每ごと石せき帶たい耗一いち斗と七なな升しょう五ご合ごう，除じょ元もと破やぶ外そと添三さん升しょう五ご合ごう。依よ舊きゅう破やぶ耗海運うん至いたり直ちょく沽每石破いしば四よん升しょう，直ちょく沽一いち升しょう三さん合ごう。添被耗糧資し運うん至いたり，直ちょく沽至河西かさい務つとむ每まい石いし一いち升しょう二に合ごう，元もと被ひ七なな合ごう，添被五ご合ごう；河西かさい務つとむ破やぶ耗二に升しょう，元もと破やぶ一いち升しょう三さん合ごう，添破七なな合ごう；船せん運うん河西かさい務つとむ至いたり通どおり州しゅう每ごと石破いしば耗一いち升しょう五ご合ごう，元もと破やぶ七なな合ごう，添被八はち合ごう；通どおり州しゅう倉くら二に升しょう，元もと破やぶ一いち升しょう二に合ごう，添破七なな合ごう；壩河、站車運うん至大しだい都と，每まい石破いしば耗一いち升しょう五ご合ごう，元もと破やぶ一いち升しょう，添破五ご合ごう；省しょう倉くら每ごと石せき四よん升しょう、元もと破やぶ三さん升しょう，添破一いち升しょう。北きた糧かて元もと破やぶ每まい石いし運うん至大しだい都と，通つう破やぶ耗米七なな升しょう，河船かせん運うん至いたり河西かさい務つとむ，每まい石破いしば五ご合ごう，河西かさい務つとむ每まい石破いしば一いち升しょう二に合ごう，盤ばん船せん河西かさい務つとむ運うん至いたり通どおり州しゅう，每まい石破いしば耗三さん合ごう，通とおり州しゅう倉くら每ごと石破いしば一いち升しょう三さん合ごう，站車運うん至大しだい都と每ごと石せき五ご合ごう，壩河運うん至大しだい都と每ごと石せき七なな合ごう，省しょう倉くら每ごと石せき二に升しょう五ご合ごう。合議ごうぎ每ごと石せき帶たい耗八はち升しょう二に合ごう，內除元もと破やぶ外そと，添一いち升しょう三さん臺だい。船ふね運うん自じ唐から村むら等とう處しょ運うん至いたり河西かさい務つとむ，每まい石破いしば七なな合ごう，元もと破やぶ五ご合ごう，添破二に合ごう。河西かさい務つとむ倉くら每ごと石せき一いち升しょう五ご合ごう，元もと破やぶ一いち升しょう二に合ごう，添破三さん合ごう。船ふね運うん河西かさい務つとむ至いたり通どおり州しゅう，每まい石破いしば五ご合ごう，元もと破やぶ三さん合ごう，添破二に合ごう。通とおり州しゅう倉くら每ごと石破いしば一いち升しょう五ご合ごう。壩河站車運うん至大しだい都と，每まい石破いしば耗一いち升しょう，元もと破やぶ七なな合ごう，添破三さん合ごう。省しょう倉くら每ごと石破いしば三升みます，元もと破やぶ二に升しょう五ご合ごう，添破五ご合ごう。

　　至いたり元もと二に十じゅう六ろく年ねん閏うるう十じゅう月がつ，省しょう臣しん奏そう，「各かく倉くら官員かんいん言ごと，往歲おうさい定てい鼠ねずみ耗分例れい數すう少しょう，倉くら官かん賠償ばいしょう，破やぶ其家產さん，鬻其妻つま小者こもの有ゆう之の，因いん此多欠かけ糧かて數すう。臣しん等とう圖ず議ぎ，去年きょねん奏そう添南糧かて，自じ直ちょく沽裏運うん至いたり河西かさい務つとむ，每まい石元いしもと破やぶ七なな合ごう，今こん添五ご合ごう；河西かさい務つとむ運うん至いたり通どおり州しゅう，每まい石元いしもと破やぶ七なな合ごう，今こん添八はち合ごう；河西かさい務つとむ倉くら內，每まい石元いしもと破やぶ一いち升しょう三さん合ごう，今こん添七なな合ごう；通どおり州しゅう倉くら內，每まい石元いしもと破やぶ一いち升しょう三さん合ごう，今こん添七なな合ごう；壩河站車運うん至大しだい都と，每まい石元いしもと破やぶ一いち升しょう，今こん添五ご合ごう；省しょう倉くら內每石せき元もと破やぶ三さん升しょう，今こん添一いち升しょう。北きた糧かて內，自じ厝村等とう處しょ運うん至いたり河西かさい務つとむ，每まい石元いしもと破やぶ五ご合ごう；今こん添二に合ごう，河西かさい務つとむ倉くら每ごと石元いしもと破やぶ一いち升しょう三さん臺だい，今こん添三さん合ごう；河西かさい務つとむ船せん運うん至いたり通どおり州しゅう，每まい石元いしもと破やぶ二に合ごう，今こん添二に合ごう；通どおり州しゅう倉くら每ごと石元いしもと破やぶ一いち升しょう三さん合ごう，今こん添二に合ごう；壩河站車運うん至大しだい都と，每まい石元いしもと被ひ七なな合ごう，今こん添三さん合ごう；省しょう倉くら每ごと石元いしもと破やぶ二に升しょう五ご合ごう，今こん添五ご合ごう。」奏そう可か。

　　至いたり元もと二に十じゅう九きゅう年ねん八はち月がつ，完かん澤さわ丞すすむ相等そうとう奏そう：「通とおり州しゅう河西かさい務つとむ倉くら官かん告つげ說せつ各かく倉くら收おさむ糧かて。前ぜん省しょう官かん定てい擬なずらえ鼠ねずみ耗分例れい數すう少しょう，至いたり有ゆう鬻其妻子さいし家產かさん，尚なお賠納不ふ完かん，至いたり今こん辛苦しんく。臣しん等とう議ぎ甘あま，前ぜん省しょう官かん所定しょてい鼠ねずみ耗分例れい不ふ勻，如今南北なんぼく耗各年ねん分ぶん例れい，比ひ在ざい先さき斟酌しんしゃく再さい定之さだゆき。上うえ曰：「如卿所しょ奏かなで，雖然，亦また合ごう用心ようじん，雀すずめ鼠ねずみ能のう食しょく多少たしょう，休きゅう因いん此教斛人作さく弊へい爲ため盜ぬすめ欺詐，依よ舊きゅう聽耗。」唐から村むら等とう處しょ船せん運うん至いたり河西かさい務つとむ北きた糧かて，每まい石破いしば七なな合ごう。直ちょく沽船運うん至いたり河西かさい務つとむ，每まい石いし被ひ一いち升しょう二に合ごう。河西かさい務つとむ船せん運うん至いたり通どおり州しゅう李すもも二に寺てら，南みなみ糧かて每ごと石せき一いち升しょう五ご合ごう，北きた糧かて每ごと石せき五ご合ごう。壩河站車運うん至大しだい都と省しょう倉くら，南みなみ糧かて每ごと石せき一いち升しょう五ご合ごう，北きた糧かて每ごと石せき一いち升しょう。今こん議ぎ擬なずらえ聽耗例れい，大だい都と省しょう倉くら元もと定じょう破やぶ南みなみ糧かて每ごと石せき四よん升しょう，北きた糧かて每ごと石せき三さん升しょう，今こん議ぎ擬なずらえ限げん年ねん聽耗，初年しょねん聽耗南みなみ糧かて每ごと石せき三さん升しょう，北きた糧かて每ごと石せき二に升しょう三さん合ごう；次じ年ねん聽耗南みなみ糧かて每ごと石せき二に升しょう，北きた糧かて一いち升しょう五ご合ごう。貯經三さん年ねん以上いじょう，依よ元もと定てい聽耗南みなみ糧かて每ごと石せき四よん升しょう，北きた糧かて每ごと石せき三さん升しょう。河西かさい務つとむ、通とおり州しゅう李すもも二寺元定破耗南糧每石二升，北きた糧かて每ごと石せき一いち升しょう五ご合ごう，今いま擬なずらえ限げん年ねん聽耗，初年しょねん依よ元もと定じょう破やぶ耗南糧かて每ごと石せき二に升しょう，北きた糧かて一いち升しょう五ご合ごう，次じ年ねん聽耗南みなみ糧かて每ごと石せき二に升しょう，北きた稂一いち升しょう五ご合ごう；次じ年ねん聽耗南みなみ糧かて每ごと石せき三さん升しょう，北きた糧かて每ごと石せき二に升しょう三さん合ごう；貯經三さん年ねん以上いじょう，聽耗南みなみ糧かて每ごと石せき四よん升しょう，北きた糧かて每ごと石せき三さん升しょう。直ちょく沽倉除じょ對たい船せん交裝不ふ須破耗外，今いま擬なずらえ一年須妥支運盡絕，南みなみ糧かて每ごと石せき聽耗二に升しょう，元もと定じょう破やぶ耗一いち石せき三さん合ごう，今いま擬なずらえ添七なな合ごう香が糯もち、白しろ梗破耗。大德だいとく三さん年ねん，中書ちゅうしょ省しょう準じゅん戶部とべ呈てい，依よ糙米例れい，定てい奪だつ綠みどり糙、粳米うるちまい俱各散ち裝そう，白しろ梗、香こう莎糯米まい終おわり用よう來らい布袋ほてい盛もり，以此參さん詳しょう，擬なずらえ比ひ附ふ散ち裝そう糙米破やぶ耗定例ていれい，三さん分ふん中ちゅう且減一いち分ふん。海運かいうん至いたり直ちょく沽，每まい石破いしば耗八はち合ごう，河西かさい務つとむ至いたり通どおり州しゅう李すもも二に寺てら，每まい石破いしば耗一いち升しょう。如直沽裝船せん經由けいゆ通どおり惠めぐみ河かわ徑みち赴大都と交卸，止とめ依よ至いたり通どおり州しゅう李すもも二に寺てら，每まい石破いしば耗一いち升しょう八はち合ごう。

　　海運かいうん不ふ給きゅう腳鈔，就用系けい官かん海うみ船せん官かん司し召顧水すい手しゅ起おこり運うん至いたり楊村馬頭めず交卸。自じ開ひらき洋よう上海しゃんはい等とう處しょ至いたり楊村馬頭めず，計けい一いち萬まん三さん千せん三さん百ひゃく五ご十じゅう里さと。

　　至いたり元もと二に十じゅう一いち年ねん，始はじめ依よ千せん斤きん、百里ひゃくり腳價，每まい石いし支ささえ腳錢中ちゅう統すべ鈔八はち兩りょう五ご錢ぜに九きゅう分ふん。近海きんかい有力ゆうりょく人じん戶と自じ行くだり造船ぞうせん顧募梢こずえ水すい，定じょう每ごと石せき支ささえ鈔八はち兩りょう五ご錢ぜに。至いたり元もと二に十じゅう九きゅう年ねん，減作げんさく每ごと石せき七なな兩りょう五ご錢ぜに。

　　元もと貞元さだもと年ねん十じゅう二に月がつ二に十じゅう八はち日にち，奏そう：「朱しゅ張ちょう海運かいうん糧かて，在ざい先さき每ごと石せき腳錢八はち兩りょう五ご錢せん，減げん爲ため七なな兩りょう五ご錢ぜに。如今糧食りょうしょく諸物しょぶつ比ひ在ざい先さき甚賤，腳價亦また合ごう減少げんしょう。臣しん等とう議ぎ每ごと石せき宜むべ減へ去ざ一いち兩りょう，爲ため六ろく兩りょう五ご錢ぜに。」從したがえ之これ。糙白粳米うるちまい就直沽交卸おろし，每まい石いし支ささえ中ちゅう統すべ鈔兩五ご錢せん，香こう糯もち直ちょく赴大都と醴源倉くら交納，每まい石いし增ぞう鈔五錢ぜに，計けい七なな兩りょう。

　　大德だいとく七なな年ねん，起おこり運うん稻いね穀こく二に十じゅう萬まん石せき，每まい石いし腳錢中ちゅう統すべ鈔五ご兩りょう。

　　至大しだい元年がんねん四よん月がつ初はつ十じゅう日にち，奏そう過か海運かいうん糧かて腳價，每まい石いし六ろく兩りょう五ご錢せん，如今糧食りょうしょく諸物しょぶつ涌貴，量りょう添五錢ぜに爲ため七なな兩りょう，已やめ後ご不ふ與あずか照あきら依よ先せん體からだ例れい與六よろく兩りょう五ご錢ぜに。

　　至大しだい三さん年ねん，準じゅん尚書しょうしょ省しょう諮はか，本省ほんしょう至大しだい三年海運腳價每石添作至元鈔一兩六錢。春はる運うん每ごと石せき量りょう添至元もと鈔三さん錢ぜに，通つう該至元もと鈔一いち兩りょう六ろく錢せん，夏なつ運はこぶ止とめ依よ舊例きゅうれい不ふ須添支ささえ，糙白粳うるち每ごと石せき至いたり元もと鈔一いち兩りょう六ろく錢せん，香こう糯もち每ごと百ひゃく至いたり元もと鈔一いち兩りょう七なな錢ぜに。至大しだい四年準中書省諮，該尚書しょ省しょう準じゅん本省ほんしょう諮はか，至大しだい三さん年ねん十じゅう月がつ二に十じゅう九日奏準運糧腳價每一石支至元鈔一兩六錢，如今添爲二に兩りょう，稻いね穀こく一石元支至元鈔一兩，如今添爲一兩叫錢至元鈔，本年ほんねん爲ため頭あたま腳價糙白糧かて每ごと石せき至いたり元もと鈔二に兩りょう，香こう糯もち每ごと石せき至いたり元もと鈔二に兩りょう八はち錢せん，稻いね穀こく每ごと石せき一いち兩りょう四よん錢ぜに。

　　皇すめらぎ慶けい二に年ねん十じゅう月がつ二に十じゅう五ご日にち，奏そう準じゅん斟酌しんしゃく地理ちり遠近えんきん，比ひ元價げんか之の上うえ添與腳錢，福建ふっけん遠とお船せん運うん糙粳每ごと石せき一いち十じゅう三さん兩りょう，溫あつし、臺たい、慶けい元船もとふな運うん糙粳每ごと石せき一いち十じゅう一いち兩りょう五ご錢せん，香こう糯もち每ごと石せき一いち十じゅう一いち兩りょう五ご錢せん，紹興しょうこう、浙西船せん運うん石せき一いち十じゅう一いち兩りょう，白しろ糧かて價か同どう，稻いね穀こく每ごと石せき八はち兩りょう，黑豆くろまめ每ごと石せき依よ糙白糧かて例れい支ささえ鈔一十じゅう一いち兩りょう，已やめ後年こうねん分ぶん至いたり今こん起おこり運うん糙白粳うるち香が糯もち稻いね穀こく，依よ前ぜん支ささえ價か年ねん例れい預あずか支ささえ，每歲まいさい八はち九きゅう月がつ間あいだ。海道かいどう府ふ權けん依よ上うえ年ねん運うん糧かて額がく數すう爲ため則そく，扣算先さき支ささえ六ろく分ふん腳價，差さ官かん起おこり省しょう平江ひらえ、慶けい元もと、溫あつし、臺たい官かん庫こ寄よせ收おさむ，候こう都と省しょう坐すわ到いた糧かて數すう，委い定じょう調ちょう省しょう官職かんしょく名めい，或ある十じゅう月がつ十じゅう一月內海道府差官稟請省官，親臨しんりん平江ひらえ路ろ提ひさげ調ちょう紿散。除じょ慶けい、紹、溫あつし、臺たい、兩りょう浙合該腳價か，海邊うみべ府ふ差さ官かん前まえ去さ與あずか各かく路みち所しょ委い官かん一同給散外，本省ほんしょう提ひさげ詢官或ある有ゆう事故じこ，改あらため委い左右さゆう司し官かん前まえ去さ海うみ追おい府ふ分派ぶんぱ定てい春はる夏なつ二に運うん糧かて效こう，差さ官かん赴省貼は支ささえ四よん分ふん腳價，次じ年ねん正月しょうがつ問とえ諮はか請提調ちょう官かん親おや詣まい海道かいどう府ふ裝そう發はつ糧かて斛，給きゅう散ち貼ば支ささえ腳價，直ちょく至いたり五六月間夏運開洋了畢還省。

　　據よりどころ天てん曆れき二に年ねん海運かいうん正せい糧かて三さん百ひゃく萬まん石せき，腳價不等ふとう，散ち過か中なか統みつる鈔六ろく十じゅう四よん萬まん九きゅう千せん七なな百ひゃく二に十じゅう八はち定じょう二に十じゅう八はち兩りょう五ご錢せん，並なみ請運附ふ餘香よこう白しろ糯もち正せい糧かて三さん千せん四よん百ひゃく七なな石せき三さん斗と六ろく升しょう九きゅう合ごう，鈔七なな百ひゃく三さん十じゅう八はち定じょう三さん十じゅう四よん兩りょう七なな錢ぜに四よん分ふん三さん釐，通計つうけい支ささえ散ち腳價鈔六ろく十じゅう五ご萬まん五ご百ひゃく一いち十じゅう二に定じょう一いち十じゅう三さん兩りょう二に錢ぜに四よん分ふん三さん釐。

　　海運かいうん，每歲まいさい糧かて船せん於平江ひらえ路ろ劉りゅう家か港みなと等とう處しょ聚瑄，由ゆかり揚あげ州しゅう路ろ通とおり州しゅう海門かいもん縣けん黃き連れん沙すな頭あたま萬里長灘開洋，沿山捉嶼至いたり淮安路ろ鹽しお城ぐすく縣けん，歷れき西海さいかい州しゅう、海うみ寧やすし府ふ、東海とうかい縣けん、密みつ州しゅう、膠にかわ州しゅう界かい，放ひ靈山りょうぜん洋ひろし投とう東北とうほく，取と成山なりやま路ろ，多た有ゆう淺あさ沙すな，行ぎょう月餘げつよ才ざい抵成山やま。羅ら壁かべ、朱しゅ清きよし、張ちょう瑄講究こうきゅう水すい程ほど，自じ上海しゃんはい等とう處しょ開ひらけ洋よう，至いたり揚あげ州しゅう村むら馬頭ばとう下か卸おろし處しょ，徑みち過か地名ちめい山川やまかわ，經けい直ちょく多少たしょう迂まが迴，計けい一いち萬まん三さん千せん三さん百ひゃく五ご十じゅう里さと。

　　至いたり元もと二に十じゅう九きゅう年ねん，朱しゅ清きよし等とう建言けんげん，此路險惡けんあく，踏開生路いくじ，自じ劉りゅう家か港こう開ひらき洋よう，近東きんとう南風みなみかぜ疾やまし，一いち日にち可か至いたり撐腳沙すな。彼かれ有ゆう淺あさ沙すな，日にち行ぎょう夜よる泊はく，守まもり伺西南せいなん便びん風ふう，轉うたて過か沙すな嘴くちばし，一日到於三沙洋子江。再さい遇ぐう西南せいなん風ふう，一日至匾擔沙大洪拋泊。來朝らいちょう探さがせ洪ひろし行ぎょう駕が，一いち日にち可か過か萬里ばんり長ちょう灘なだ，透とおる深ふか才ざい方かた開放かいほう大洋たいよう。先さき得とく西南せいなん順風じゅんぷう，一晝夜いっちゅうや約やく行くだり一いち千せん餘あまり里さと，到いた青水あおみず洋よう。得とく值東南風みなみかぜ，三さん晝夜ちゅうや過か黑水くろみず洋よう，望見ぼうけん沿津島とう大山おおやま。再さい得とく東南とうなん風ふう，一いち日にち夜よる可か至いたり成山なりやま，一いち日にち夜よる至いたり劉りゅう家島いえじま，又また一いち日にち夜よる至いたり芝しば罘島，再さい一いち日にち夜よる至いたり沙門しゃもん島とう。守まもり得とく東南とうなん便びん風ふう，可か放ひ萊州大洋たいよう，三日みっか三夜方到界河口。前後ぜんご俱系便びん風ふう，經けい直ちょく水みず程ほど約やく半月はんつき可か達たち。如風水すい不便ふべん，迂まが迴盤折おり，或ある至いたり一月四十日之上方能到彼。倘值非常ひじょう風ふう阻，難なん度ど程ほど限かぎり。明年みょうねん又また以糧船せん自じ劉りゅう家か港こう開ひらき洋よう，過か黃き連れん沙すな，鑄い西行さいぎょう駛至膠にかわ西にし，投とう東北とうほく取と成山なりやま，亦また爲ため不便ふべん。繼つぎ委い千せん戶こ殷いん明あかり略りゃく，踏開生路いくじ，自じ劉りゅう家か港こう開ひらき洋よう，至いたり崇たかし明あきら州しゅう三さん沙すな放ひ洋よう，望もち東ひがし行ぎょう駛大黑水くろみず大洋たいよう，取と成山なりやま轉てん西にし，至いたり劉りゅう家島いえじま，取と瑄取薪水しんすい畢，到いた登のぼり州しゅう沙門しゃもん島とう，於萊州しゅう大洋たいよう入いれ界かい河かわ，至いたり今こん爲ため便びん。皆みな行ゆき北道ほくどう，風水ふうすい險惡けんあく。至いたり元もと十じゅう九きゅう年ねん爲ため始はじめ，年ねん例れい糧かて船せん聚於劉りゅう家か港みなと人海じんかい，由ゆかり黃き大だい郎ろう觜、白しろ茆撐腳、唐から浦うら等とう處しょ一帶いったい，率りつ皆みな沙すな淺あさ，其洪道どう闊卸，無む千丈せんじょう長ちょう之の潮しお，兩りょう向こう俱有白水しろうず潮うしお，退すさ皆かい露ろ沙すな地ち。侯ほう得とく西南せいなん風ふう順じゅん，過か匾擔沙すな東南とうなん大だい洪ひろし，過か萬里ばんり長ちょう灘なだ，透とおる深ふか開放かいほう大洋たいよう，至いたり青水あおみず內，經けい陸りく家か等とう沙すな，下しも接せっ長ちょう山並やまなみ西南せいなん鹽しお城じょう一帶趙鐵沙觜，及半洋よう沙すな、向こう沙すな、匾擔等とう沙すな淺あさ。及至蘇州そしゅう洋よう，又また有ゆう三沽洋山下八山補陀山，到いた於黑水すい大洋たいよう，過か成山なりやま北面ほくめん一帶並芝罘島登州一路木極島等處，近きん沙門しゃもん島山しまやま或ある鐵山てつざん嘴くちばし開放かいほう萊州大洋たいよう，又また有ゆう三さん山やま茅ちがや頭あたま觜、大だい姑しゅうと河かわ、小姑こじゅうと河かわ，兩頭りょうとう河かわ等とう灘なだ，及北有ゆう曹婆沙すな、梁りょう河かわ沙すな。南みなみ有ゆう劉りゅう姑しゅうと蒲がま灘なだ。至いたり界かい河かわ海うみ口こう，復ふく有ゆう灘なだ淺あさ狹せま洪ひろし沙すな硬かた，潮しお泛長落不常つね。但ただし近東きんとう甫はじめ風ふう，本ほん處しょ船せん聚稠密ちゅうみつ，則のり有ゆう妨さまたげ礙之虞おそれ。

　　延のべ祐ゆう三さん年ねん正月しょうがつ，海道かいどう萬戶府據慶元紹興所申，紹興しょうこう路ろ三江陡門至下蓋山一帶，沙すな淺あさ一いち百ひゃく餘あまり里名さとみょう鐵板てっぱん沙すな，潮しお泛猛惡あく，溫あつし、臺たい船せん隻せき尖とんが底そこ食しょく水深すいしん浚，船戶ふなと梢こずえ水すい不ふ識三江みえ水脈すいみゃく，避怕險惡けんあく，直ちょく至いたり四よん月がつ中旬ちゅうじゅん，尚なお於烈港みなと等とう停泊ていはく，不ふ敢前來らい。差さ人じん搜さがせ究きわむ斷罪だんざい，催趕顧覓剝船、般剝，緣えん剝船數すう少しょう，急きゅう不能ふのう尋ひろ顧，尚なお于海岸かいがん屯たむろ貯，委ゆだね實じつ靠もたれ損そん船戶ふなと不便ふべん。據よりどころ紹興しょうこう六路下年海運糧斛，如照依よ皇すめらぎ慶けい二に年ねん例たとえ，就用本ほん路ろ船せん料りょう裝そう發はつ，若わか有ゆう不ふ敷じき，於慶元もと路標ろひょう撥ばち小しょう料りょう，海運かいうん貼は裝そう。其溫、臺たい、福建ふっけん船せん隻せき起おこり發はつ劉りゅう家か港みなと交割，依よ舊きゅう於平江ひらえ路ろ倉くら裝そう糧かて，官民かんみん兩りょう便びん。又また準じゅん本ほん府ふ副ふく萬まん戶こ抄しょう兒じ赤目あかめ擊げき艱難かんなん，必須ひっす改あらため擬なずらえ，若わか台うてな州しゅう有ゆう裝そう官かん糧かて，先さき盡つき本ほん路みち船せん隻せき，不ふ敷じき於溫州うんしゅう船せん內貼撥ばち，紹興しょうこう路ろ糧かて亦また用もちい本ほん路みち船せん隻せき裝そう發はつ，不ふ敷じき用よう慶けい元もと路みち小しょう料りょう海うみ船せん貼は裝そう。其慶元もと府ふ港みなと深ふか闊，臨近路ろ倉くら，腳伕徑みち直ちょく擔米上船じょうせん，就將船舶せんぱく並なみ溫ゆたか臺所だいどころ用よう不盡ふじん船せん料りょう支ささえ裝そう，倘有別べつ下船げせん料りょう及慶元もと路みち船せん隻せき，差さ官かん押發劉りゅう家か港みなと交割。省議しょうぎ從したがえ之これ。