新元しんもと史し/卷まき086

卷まき八はち十じゅう五ご ◄

新元しんもと史し 卷まき八はち十じゅう六ろく 志こころざし第だい五ご十じゅう三さん

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禮れい六ろく

卷まき八はち十じゅう六ろく·志こころざし第だい五ご十じゅう三さん

　

　　○禮れい六ろく

　　△社稷しゃしょく 先さき農のう

　　元之もとゆき秩祀。天子てんし親おや遣や使つかい致祭者しゃ三さん：曰社稷しゃしょく，曰先農のう，曰宣聖きよし：有司ゆうし常つね祀まつ者しゃ五ご：曰社稷しゃしょく，曰宣聖きよし，曰嶽瀆，曰風師し、雨師あめし，曰三さん皇すめらぎ；皆みな以社稷しゃしょく爲ため首くび。至いたり元もと七なな年ねん十二月じゅうにがつ，有ゆう詔みことのり歲とし祀まつ太ふと社やしろ太ふとし稷きび。二に十じゅう年ねん，詔みことのり以春秋しゅんじゅう仲なか月がつ上じょう戊つちのえ祭さい社稷しゃしょく。至いたり延のべ祐ゆう六ろく年ねん，始はじめ用よう中ちゅう戊つちのえ。二に十じゅう九きゅう年ねん，建けん社稷しゃしょく壇だん。三さん十じゅう年ねん七なな月がつ，始はじめ用よう御ご史し中ちゅう丞すすむ崔ちぇ彧言，於和義ぎ門もん少しょう南みなみ，得とく地ち四よん十じゅう畝うね，爲ため壝垣，近きん南みなみ爲ため二に壇だん，壇だん高だか五ご尺しゃく，方ほう廣こう五ご丈たけ。社東やしろひがし稷きび西にし。相去あいさり約やく五ご丈たけ。社しゃ壇だん土用どよう青あお赤あか白黑しろくろ四よん色しょく，依よ方位ほうい築ちく之これ，中間なかま實じつ以常土ど。上うえ以黃土ど覆くつがえ之これ。築ちく必堅實けんじつ，依よ方面ほうめん以五色しょく泥どろ飾かざり之の。四面しめん當とう中ちゅう，各かく設しつらえ一いち陛道。其廣一いち丈たけ，亦また各かく依よ方かた色しょく。稷きび壇だん一如いちにょ社しゃ壇だん制せい，壇だん南みなみ植うえ鬆す一いち株かぶ，惟おもんみ土ど不用ふよう五ご色しょく，其上四よん周しゅう純じゅん用よう一色いっしょく黃土おうど。壇だん皆みな北向きたむき，立たて北きた墉於社しゃ壇だん之の北きた，以磚爲之ためゆき，飾かざり以黃泥どろ。瘞坎二に於稷壇だん之の北きた，少しょう西にし，深ふか足あし容よう物ぶつ。

　　二に壇だん周圍しゅうい壝垣，以磚爲之ためゆき，高こう五ご丈たけ，廣こう三さん十じゅう丈たけ，四隅よすみ連れん飾かざり。內壝垣かき櫺星門もん四よん所しょ。外垣とのがき櫺星門もん二に所しょ，每まい所ところ門もん三さん，列れつ戟二に十じゅう有ゆう四よん。外そと壝內北垣きたがき下屋げや七なな間あいだ，南みなみ望もち二に壇だん，以備風雨ふうう，曰望祀まつ堂どう。堂どう東屋あずまや五ご間あいだ，連れん廈三さん間あいだ，曰齊班はん廳ちょう。廳ちょう之の南みなみ，西向にしむき屋や八はち間あいだ，曰獻官かん幕まく。又また南みなみ，西向にしむき屋や三さん間あいだ，曰院官かん齋とき所しょ。又また其南，屋や十じゅう間あいだ，自じ北きた而南，曰祠祭さい局きょく，口くち儀ぎ鸞庫，曰法物ぶつ庫こ。曰都監かん庫こ，口くち雅樂ががく庫こ。又また其南，北向きたむき尾お三さん間あいだ，曰百官かん廚。外垣とのがき南みなみ門もん西にし壝垣西南せいなん，北向きたむき屋や三さん間あいだ，曰大樂らく署しょ。其西，東向こちむき屋や三さん間あいだ，曰樂工房こうぼう。又また其北，北向きたむき屋や一いち間あいだ，曰饌幕まく殿どの。又また北きた，南みなみ向むこう屋や三さん間あいだ，曰饌幕まく冪べき。又また北きた稍やや東ひがし，南みなみ向こう門もん一いち間あいだ。院いん內南。南みなみ向むこう屋や三さん間あいだ，曰神廚。東向こちむき屋や三さん間あいだ，曰酒庫こ。近きん北きた少しょう卻，東向こちむき屋や三さん間あいだ，曰犧牲房。井い有ゆう亭てい。望もち禮れい堂どう後ご自じ西にし而東，南みなみ向むこう屋や九きゅう間あいだ，曰執事しつじ齋とき郎ろう房ぼう。自じ北きた折おり而南，西向にしむき屋や九きゅう間あいだ，曰監察かんさつ執事しつじ房ぼう。此壇壝次舍しゃ之これ所しょ也。

　　社主しゃしゅ用よう白石しらいし，長五ちょうご尺じゃく，廣こう二に尺しゃく，剡其上じょう如鍾。於社壇だん近きん南みなみ，北向きたむき，埋うめ其半於土中ちゅう。稷きび不用ふよう主ぬし。后きさき土ど氏し配はい社しゃ，后きさき稷きび氏し配はい稷きび。神位しんい版ばん二に，用よう慄，素質そしつ黑くろ書しょ。社しゃ樹じゅ以鬆，於社稷しゃしょく二に壇だん之の南みなみ各かく一いち株かぶ。此作主ぬし樹木じゅもく之の法ほう也。

　　祝しゅく版ばん四よん，以楸木き爲之ためゆき，各かく長ちょう二に尺しゃく四よん寸すん，闊一いち尺しゃく二に寸すん，厚あつ一いち分ふん。文ぶん曰：「維年月としつき曰，嗣天子てんし敬けい遣や某ぼう官かん某ぼう，改あらため昭あきら告つげ於太社しゃ之の神かみ」。配はい位い日び后きさき土ど之の神かみ。稷きび日び太ふとし稷きび之の神かみ，配はい位い日び後ご稷きび之の神かみ。玉たま幣ぬさ。社稷しゃしょく皆みな黝圭一いち，繅藉，瘞玉一いち，以黝石せき代だい之の，元もと幣ぬさ一いち。配はい位い皆みな元もと幣ぬさ一いち，各かく長一ちょういち丈たけ八はち尺しゃく。此祝文ぶん玉だま幣ぬさ之の式しき也。

　　牛うし一いち，其色黝，其角きかく握にぎ，有ゆう副ふく，羊ひつじ四よん，野の豕いのこ四よん。籩之實じつ皆みな十じゅう，無む糗餌、粉こな餈。豆まめ之の實じつ亦また十じゅう，無む吃ども食しょく、糝食。簠簋之の實じつ皆みな四よん，鉶之實じつ和わ羹あつもの五ご，齊ひとし皆みな以尚醞代之の。香こう用よう枕まくら龍りゅう涎よだれ。神かみ席せき一いち，緣えん以黑綾あや，褥しとね方かた七なな尺しゃく四よん寸すん。太たい樽だる、著ちょ樽だる、犧樽、山やま罍各二に，有ゆう坫加勺しゃく冪べき。象ぞう樽だる，壺つぼ樽だる、山やま罍各二に，有ゆう坫冪，設しつらえ而不酌しゃく。籩、豆まめ各かく十じゅう有ゆう一いち，其一設しつらえ於饌幕まく。鉶三，簠三，簋三，其一設しつらえ於饌幕まく。俎まないた八はち，其二そのじ設しつらえ於饌幕まく。盤ばん一いち，毛もう血豆ちまめ一いち，爵一，有ゆう坫，沙すな池ち一いち，玉たま幣ぬさ篚一，木き棲一，勺しゃく一いち，香こう鼎かなえ一いち，香盒こうごう一いち，香こう案あん一いち，祝しゅく案あん一いち，皆みな有ゆう農のう。紅べに髹器一いち，以盛馬渡まわたり。盥たらい洗あらい位い二に，罍二，洗あらい二に。白しろ羅ら巾はば四よん，實じつ以篚。朱しゅ漆うるし盤ばん五ご。已上いじょう，社しゃ、稷きび皆同かいどう。配はい位い有ゆう象ぞう樽だる，無む大だい樽だる。設しつらえ而不酌しゃく者しゃ，無む象ぞう樽だる，餘よ皆みな與あずか正せい位い同どう。此牲齊ひとし祭器さいき之の等とう也。

　　饌幕、省しょう饌殿、香かおり殿どの，黃き羅ら幕まく三さん，黃き羅ら額がく四よん，黃き絹きぬ帷とばり一いち百ひゃく九きゅう十じゅう五ご幅ぶく，獻けんじ攝と版ばん位い三さん十じゅう有ゆう五ご，紫むらさき綾あや拜はい褥しとね百ひゃく，蒲がま、葦あし蓆むしろ各かく二に百ひゃく，木き鐙あぶみ籠かご四よん十じゅう，絳羅鐙あぶみ衣ころも百ひゃく一いち十じゅう，紅べに挑鐙十じゅう，剪燭刀がたな二に。鐵てつ米まい凡盆三さん十じゅう有ゆう架か，黃き燭しょく二に百ひゃく，雜用ざつよう燭しょく二に百ひゃく，麻あさ米まい凡三さん百ひゃく，松明たいまつ、清きよし油あぶら各かく百ひゃく斤きん。此饌幕まく板いた位い燭しょく燎之用よう也。

　　初はつ獻けんじ官一かんいち，亞あ獻けんじ官かん一いち，終おわり獻けんじ官一かんいち，攝と司つかさ徒と一いち，助じょ奠官二に，太ふとし常つね卿きょう一いち。光ひかり祿ろく卿きょう一いち，廩犧令れい一いち，太ふとし官かん令れい一いち，巾はば篚官四よん。祝しゅく史し四よん，監かん祭さい御ご史し二に，監かん禮れい博士はかせ二に，司つかさ天たかし監かん二に，良りょう醞令一いち，奉たてまつ爵官一いち，司つかさ樽だる罍二，盥たらい洗あらい官かん二に，爵洗官かん二に，太ふとし社しゃ令れい一いち，太ふとし社しゃ丞すすむ一いち，太ふと樂らく令れい一いち，太ふと樂らく丞すすむ一いち，協きょう律郎りつろう二に，奉たてまつ禮れい郎ろう二に，讀祝官かん一いち，舉祝官かん二に。奉幣ほうへい官かん四よん，剪燭官かん二に，太ふとし祝しゅく七なな，齋とき郎ろう四よん十じゅう有ゆう八はち，贊さん者しゃ一いち，禮れい直じき官かん三さん，與あずか祭まつり官かん無む定員ていいん，此獻攝と執事しつじ之の人ひと也。

　　三さん十じゅう一いち年ねん八はち月がつ，初はつ祀まつ社稷しゃしょく，用よう堂上どうじょう樂らく，歲さい以爲常つね。凡祭之の日にち以春秋しゅんじゅう二に仲なか月がつ上じょう戊つちのえ，延のべ祐ゆう六ろく年ねん，用よう中ちゅう戊つちのえ，其儀注ちゅう之の節ふし有ゆう六ろく：

　　一いち曰迎香が。前ぜん一いち日にち，有司ゆうし告諭こくゆ坊ぼう市し，灑掃經けい行ぎょう衢路，設しつらえ香こう案あん。至いたり日び質しつ明あきら，有司ゆうし具ぐ香が酒樓しゅろう舉，三獻官以下及諸執事官各具公服，五ご品ひん以下いか官かん、齋とき郎等ろうどう皆みな借か紫むらさき，詣まい崇たかし天てん門もん。三獻官及太常禮儀院官入，奏そう祝しゅく及御香が、尚なお樽たる酒しゅ，馬うま潼自內出。監かん祭さい御ご史し、監かん禮れい博はく焉、奉たてまつ禮れい郎ろう、太ふとし祝しゅく分ぶん左右さゆう兩りょう班はん前ぜん導しるべ。控ひかえ鶴づる五ご人にん，一人ひとり執と傘かさ，四よん化か執と儀仗ぎじょう，由ゆかり大明だいめい門もん正せい門出かどで。教きょう坊ぼう大だい樂らく作さく。至いたり崇たかし天てん門外もんがい，奉たてまつ香こう酒しゅ、馬うま潼者各かく安置あんち於輿，導しるべ引如儀ぎ。至いたり紅べに門外もんがい，百官乘馬班行於儀仗之外。清道きよみち官かん行ぎょう於儀衛まもる之これ先さき，兵馬へいば司し巡じゅん兵へい夾道次じ之の，金きむ鼓こ又また次つぎ之の，京きょう尹いん儀ただし從したがえ左右さゆう成なり列れつ又次またじ之の，教きょう坊ぼう大だい樂らく一いち隊たい次じ之の。控ひかえ鶴づる弩いしゆみ手しゅ各かく服ふく基もと服ふく，執と儀仗ぎじょう左右さゆう成なり列れつ次じ之の。拱衛使し行ぎょう其中。儀ぎ鳳おおとり司つかさ細ほそ樂らく又次またじ之これ。太ふと常つね卿きょう與あずか博士はかせ御ご史し導しるべ於輿前まえ，獻けんじ官かん、司つかさ徒と、助じょ奠官從したがえ於輿後ご。若わか駕が幸こう上うえ都と，三獻官以下及諸執事官則詣健德門外，皆みな具ぐ公おおやけ服ふく於香輿こし前ぜん北向きたむき立りつ，異い位い重行しげき。俟奉香が酒さけ官かん驛えき至いたり，太ふとし常つね官かん受而奉之の，各かく置おけ於輿。禮れい直じき官かん贊さん「班はん齊ひとし」，「鞠きく躬」，「再拜さいはい興きょう」，「平たいら立りつ」。班はん首くび稍やや前ぜん搢笏跪，衆しゅう官かん皆みな跪。三上みかみ香かおり，出で笏しゃく就拜興きょう，平ひら立退たちのけ復位ふくい，北向きたむき立りつ，鞠きく躬，再拜さいはい興きょう。平たいら立りつ。衆しゅう官かん上馬かみうま。分ぶん班はん前ぜん導しるべ如儀。至いたり社稷しゃしょく壇だん北きた神しん門外もんがい，皆みな下馬げば，分ふん左右さゆう入にゅう自じ北門きたもん，序じょ立りつ如儀。太ふと常つね卿きょう、博士はかせ、御ご史し前まえ導みちびけ，獻けんじ官かん、司つかさ徒と、助じょ奠等官かん後ご從したがえ。至いたり望もち祀まつ堂下どうした，三獻さんこん奉たてまつ香こう、酒さけ、馬うま潼升階かい，置おけ於堂中ちゅう黃き羅ら幕下まくした。禮れい直じき官かん引三獻官以次而出，各かく詣まい齋とき次じ，釋しゃく服ふく。

　　二に曰齋戒さいかい。前期ぜんき三さん日にち質しつ明あきら，有司ゆうし設しつらえ三獻官以下行事執事官位於中書省。大尉たいい南みなみ向むこう，監かん祭さい御ご史し位い二に於其西にし，東向こちむき，監かん禮れい博士はかせ位い二に於其東ひがし，西向にしむき，俱北上ほくじょう。司つかさ徒と、亞あ獻けんじ、終おわり獻けんじ位い於其南みなみ，北向きたむき。次つぎ助じょ奠，稍やや卻。次つぎ太ふと常つね卿きょう、光ひかり祿ろく卿きょう、太ふとし官かん令れい、司つかさ樽だる彝つね、良りょう醞令、太ふとし社しゃ令れい、廩犧令れい、光ひかり祿ろく丞すすむ、太ふと樂らく令れい、大社たいしゃ丞すすむ。次つぎ讀祝官かん、奉たてまつ爵官、太ふとし祝しゅく、祝しゅく史し、奉たてまつ禮れい郎ろう、協きょう律郎りつろう、司つかさ天たかし生せい、諸しょ執事しつじ齋とき郎ろう。每まい等とう異こと位い重行しげき，俱北向きたむき，西上にしがみ。贊さん者しゃ引行事ぎょうじ執事しつじ官かん各かく就位しゅうい，立たて定じょう。禮れい直じき官かん引太尉じょう、初はつ獻けんじ就位しゅうい，讀誓曰：「某ぼう年とし某ぼう月つき某ぼう日上ひかみ戊つちのえ日び，祭まつり於太社しゃ太ふとし稷きび，各かく揚あげ其職，其或不敬ふけい，國有こくゆう常つね刑けい。「散ち齋とき二に日にち，宿やど於正寢ね，致齋一いち日にち於祠所しょ。散ち齋とき日び治ち事ごと如故，不ふ弔ちょう喪も問とい疾やまし，不ふ作樂さくら，不ふ判はん署しょ刑けい殺ころせ文字もじ，不ふ決けつ罰ばつ罪人ざいにん，不ふ與あずか穢けがれ惡事あくじ。致齋日び，惟おもんみ祭事さいじ得とく行ぎょう，其餘悉禁。凡與祭さい之の官かん已やめ齋とき而闕者しゃ，通つう攝と行事ぎょうじ。七品以下官先退，餘あまり官かん對たい拜はい。守まもり壝門兵衛ひょうえ與あずか大だい樂らく工こう人じん，俱清齋とき一いち日にち。行くだり禮れい官かん前期ぜんき習儀於祠所しょ。

　　三さん日にち陳ひね設しつらえ。前期ぜんき三さん日にち，所司しょし設しつらえ三獻以下行事執事官次於齋房之內，及設饌幕四於西神門之外，稍やや南みなみ，西向にしむき，北上ほくじょう。今こん有ゆう饌幕殿どの在ざい西にし壝門外がい，近きん北きた，南みなみ向むこう。陳ひね設しつらえ如儀。前まえ祭さい二に日にち，所司しょし設しつらえ兵衛ひょうえ，各かく以其方かた色しょく器き服ふく守衛しゅえい門もん，每まい門もん二に人にん，每まい隅すみ一いち人にん。大だい樂らく令れい帥そち其尼設しつらえ登とう歌か之の樂らく於兩壇上だんじょう，稍やや北きた，南みなみ向むこう。磬かおる蘆あし在ざい東ひがし，鍾蘆在ざい西にし，柷一在鍾蘆南稍東，敔一在磬蘆南稍西。搏柎二に，不在ふざい敔南一いち在ざい柷南，東西とうざい相しょう向むこう。歌うた工こう次じ之の，餘よ工こう位い在ざい縣けん後ご。其匏竹ちく者しゃ位い壇だん下か，重行しげき南みなみ向むこう，相對そうたい爲ため首くび。太たい社しゃ令れい帥そち其展掃除そうじ壇だん之の上下じょうげ，爲ため瘞坎二に於壬地ち，方ほう深ふかし足あし以容物ぶつ，南出みなみで陛。前まえ祭さい一いち日にち，司つかさ天たかし監かん、大社たいしゃ令れい帥そち其屬升ます，設しつらえ大社たいしゃ、太ふとし稷きび神座かんざ各かく於壇上じょう，近きん南みなみ，北向きたむき。設しつらえ后きさき土ど神座かんざ於大おだい社しゃ神座かんざ之の左ひだり，后きさき稷きび神座かんざ於太稷きび神座かんざ之の左ひだり，俱東向こちむき。席せき皆みな以莞，茵しとね褥しとね如幣之の色いろ，設しつらえ神位しんい板ばん各かく於座首くび。奉たてまつ禮れい郎ろう設しつらえ三獻官位於四神門之內道南，亞あ獻けんじ、終おわり獻けんじ位い稍やや卻。司つかさ徒と位い道北みちきた，太ふとし常つね卿きょう、光ひかり祿ろく卿きょう之の位くらい稍やや卻。司つかさ天たかし監かん、光ひかり祿ろく丞すすむ又次またじ之これ。太たい社しゃ令れい、太ふとし官かん令れい、良りょう醞令、廩犧令れい十じゅう天てん社しゃ丞すすむ、讀祝官かん、奉たてまつ爵官、太ふとし祝しゅく以次位い於其北きた，諸しょ執事しつじ者しゃ及祝事いわいごと、齋とき郎ろう位い於其後ご。每まい等とう異こと位い重行しげき。俱東向こちむき，南上みなみうえ。又また設しつらえ監かん祭さい御ご史し位い二に，監かん禮れい博士はかせ位い二に，於太社しゃ罈子陛之東北とうほく，俱東向こちむき，南上みなみうえ。設しつらえ奉たてまつ禮れい郎ろう位い於稷壇だん之の西北せいほく隅すみ，贊さん者しゃ位い於東おひがし北きた隅すみ，俱東向こちむき。協きょう律郎りつろう位い二に，於各壇上だんじょう樂らく蘆あし東北とうほく，俱南向むこう。太ふと樂らく令れい位い於兩壇だん樂らく蘆あし之の間あいだ。南みなみ向むこう，司つかさ樽だる彝つね位い於酌樽だる所しょ。俱南向むこう。設しつらえ望もち瘞位於坎之の南みなみ，北向きたむき。又また設しつらえ牲榜於西神しん門外もんがい，東向こちむき。諸しょ太ふとし祝しゅく位い於牲西にし，祝しゅく史し次じ之の，東向こちむき。太ふと常つね卿きょう、光ひかり標しるべ卿きょう、太ふとし官かん令れい位い在ざい南みなみ，北向きたむき，東上とうじょう。監かん祭さい、監かん禮れい位い於太常つね卿きょう之の東ひがし稍やや卻，俱北向きたむき，東上とうじょう。廩犧令れい位い於牲東北とうほく，南みなみ向むこう。又また設しつらえ禮れい饌於牲東，設しつらえ省しょう饌於禮れい饌之北きた，今こん有ゆう省しょう饌殿設しつらえ位い於其北きた，東西とうざい相しょう向むこう，南上みなみうえ。太ふと常つね卿きょう、光ひかり槔唧太たい官かん令れい位い於西，東向こちむき，監かん祭さい、監かん禮れい位い於東おひがし，西向にしむき，俱南上じょう。禮れい部ぶ設しつらえ板いた案あん各かく於神位い之これ側がわ，司つかさ樽だる彝つね、奉たてまつ禮れい郎ろう帥そち執事しつじ者しゃ設しつらえ玉だま幣ぬさ篚於酌しゃく樽だる所しょ。次つぎ設しつらえ籩豆之の位くらい，每まい位い各かく籩十、豆まめ十じゅう、蘆あし二に、簋二、鉶三、俎まないた五ご、盤ばん一いち。又また各かく設しつらえ籩一、豆まめ一いち、蘆あし一いち、簋一、俎まないた三さん於饌幕まく內。毛もう血ち別置べっち一いち豆まめ。設しつらえ樽だる罍之位い，社稷しゃしょく正せい位い各かく太ふとし樽だる二に、著ちょ樽だる二に、犧樽二に、山やま罍二，於壇上じょう酉とり陛之西北せいほく隅すみ，南みなみ向むこう，東上とうじょう。設しつらえ配はい位い各かく著ちょ樽だる二に、犧樽二に、象ぞう樽だる二に、山やま罍二，在ざい正せい位い酒樽さかだる之の西にし，俱南向むこう，東上とうじょう。又また設しつらえ正せい位い各かく象ぞう樽だる二に、壺つぼ樽だる二に、山やま罍二，於壇下か子こ陛之東ひがし，南みなみ向むこう，東上とうじょう。配はい位い各かく壺つぼ樽だる二に、山やま罍二，在ざい西にし陛之南みなみ，西向にしむき，南上みなみうえ。又また設しつらえ洗あらい位い二に，於各罈子陛之西北せいほく，南みなみ向むこう。篚在洗あらい東北とうほく肆，執と罍篚者しゃ各位かくい於其後ご。

　　祭日さいじつ醜みにく前まえ五ご刻こく，司つかさ天たかし監かん、太ふとし社しゃ令れい各かく服ふく其服，帥そち其屬升ます。設しつらえ正せい配はい位い神位しんい版ばん於壇上じょう。又また陳ちん玉たま幣ぬさ，正せい位い禮れい神しん之の玉たま一いち，兩りょう圭けい有ゆう邸てい，置おけ於匣。正せい配はい位い幣ぬさ皆みな以元，各かく長一ちょういち丈たけ八はち尺しゃく，陳ちん於篚。太ふとし祝しゅく取と鏖玉加か於幣，實じつ於篚，瘞玉以玉石せき爲之ためゆき，及禮神しん之の玉たま各かく置おけ於神座ざ前まえ。光ひかり祿ろく卿きょう帥そち其屬，入にゅう實じつ籩事蘆あし簋。每まい位い籩三さん行ぎょう，以右爲ため上じょう。第だい一いち行ぎょう，乾いぬい撩在前まえ，幹みき棗なつめ、形かたち鹽しお、魚さかな鱐次之の。第だい二に行ぎょう，鹿しか脯在前まえ，榛はしばみ實み、幹みき桃もも次じ之の。第だい三さん行ぎょう，菱ひし在ざい前まえ，芡、慄次之の。豆まめ三さん行ぎょう，以左爲ため上じょう。第だい一いち行ぎょう，芹せり菹在前まえ，筍たけのこ菹、葵あおい菹、菁菹次じ之の。第だい二に行ぎょう，韭にら菹在前まえ，魚さかな醢ひしお、兔うさぎ醢ひしお次じ之の。第だい三さん行ぎょう，豚ぶた拍はく在ざい前まえ，鹿しか臡、醓醢次じ之の。蘆あし實じつ以稻梁はり。簋實以黍稷きび，鉶實以羹。良りょう醞令帥そち其屬，入にゅう實み樽だる罍。正せい位い太たい樽だる爲ため上じょう，實じつ以泛齊ひとし，著ちょ樽だる實じつ以醴齊ひとし，犧樽實じつ以盎齊ひとし，象ぞう樽だる實じつ以醍齊ひとし，壺つぼ樽だる實じつ以沈齊ひとし，山やま罍實以三酒しゅ。配はい位い若わか是ぜ樽だる爲ため上じょう，實じつ以泛齊ひとし，犧樽實じつ以醴齊ひとし，象ぞう樽だる實じつ以盎齊ひとし，壺つぼ樽だる實じつ以醍齊ひとし，山やま罍實以三酒しゅ。凡齊上うえ樽だる實じつ以明水すい，酒さけ之の上うえ樽だる實じつ以元酒しゅ，酒さけ齊ひとし皆みな以尚醞代之の。太ふと常つね卿きょう設しつらえ燭しょく於神座ざ前まえ。

　　四よん曰省牲器。前期ぜんき一いち日にち午後ごご八はち刻こく，諸しょ衛まもる之の屬ぞく禁止きんし行人こうじん。未み後ご二に刻こく，太ふとし社しゃ令れい帥そち其屬，掃除そうじ壇だん之の上下じょうげ。司つかさ樽だる彝つね、奉たてまつ禮れい郎ろう執事しつじ者しゃ，以祭器き入いれ設しつらえ於位。司つかさ天たかし監かん、大社たいしゃ令れい升ます，設しつらえ神位しんい版ばん及禮神しん之の玉たま幣ぬさ如儀。俟告潔きよし畢，權けん撤，祭日さいじつ重じゅう設しつらえ。未み後ご二に刻こく，廩犧令れい與あずか諸しょ太ふとし祝しゅく，祝しゅく史し以牲就位しゅうい，禮れい直じき官かん、贊さん者しゃ分引ぶびき太ふと常つね卿きょう、監かん祭さい、監かん禮れい、太ふとし官かん令れい於西神しん門外もんがい省しょう牲位，立たて定じょう。禮れい直じき官かん引太常つね卿きょう，贊さん者しゃ引監祭さい、監かん禮れい，入にゅう自じ西にし神門ごうど，詣まい太ふと社しゃ壇だん，自じ西にし陛升，視し滌濯於上，執事しつじ者しゃ皆みな舉冪曰：「潔きよし」。次つぎ詣まい太ふと稷きび壇だん，如太社しゃ之の儀ぎ訖，降くだ復位ふくい。禮れい直じき官かん稍やや前ぜん曰：「告つげ潔きよし畢，請省牲」，引太常つね卿きょう稍やや前ぜん省しょう牲訖，返かえし復位ふくい。次つぎ引廩犧令出で班はん巡じゅん牲一匝，東向こちむき折おり身み曰：「充たかし」，復位ふくい。諸しょ太ふとし祝しゅく俱巡牲一匝。上うえ一員出班東向折身曰：「腯」，復位ふくい。禮れい直じき官かん稍やや前ぜん曰：「省しょう牲畢，請就省しょう饌位」，引太常つね卿きょう以下いか各かく就位しゅうい，立たて定じょう。省しょう饌畢，還かえ齋とき所しょ。廩犧令れい與太よた祝しゅく、祝しゅく史し以次牽牲詣廚，授太官かん令れい。次つぎ引光祿ろく卿きょう以下いか詣まい廚省鼎かなえ鑊，視し滌溉畢，乃還齋とき所しょ。脯後一いち刻こく，太ふとし官かん令れい帥そち宰おさむ人じん以鸞刀がたな割わり牲，祝しゅく史し以豆取と血ち各かく置おけ於饌幕まく。祝しゅく史し又また取と瘞血貯於盤ばん，遂とげ烹牲。

　　五ご曰奠玉だま幣ぬさ。祭日さいじつ醜みにく前まえ五ご刻こく，三獻官以下行事執事官，各かく服ふく其服。有司ゆうし設しつらえ神位しんい版ばん，陳ちん玉たま幣ぬさ，實じつ籩豆蘆あし簋樽腯。俟監祭さい、監かん禮れい按視壇だん之の上下じょうげ，及撤去てっきょ蓋ぶた冪べき。未み時とき二に刻こく，太ふと樂らく令れい帥そち工こう人じん入いれ，奉社びしゃ郎ろう、贊さん者しゃ入にゅう就位しゅうい，禮れい直じき官かん、贊さん者しゃ入にゅう就位しゅうい。禮れい直じき官かん贊さん者しゃ分引ぶびき監かん祭さい、監かん禮れい，諸しょ太ふとし祝しゅく、祝しゅく史し、齋とき郎ろう及諸執事しつじ官かん，自じ西にし神門ごうど南みなみ偏へん門もん入いれ，當とう太ふとし社しゃ壇だん北きた墉下，重行しげき南みなみ向こう立だて，以東いとう爲ため上じょう。奉たてまつ禮れい曰：「再拜さいはい」，贊さん者しゃ承うけたまわ傳つて，監かん祭さい、監かん禮れい以下いか皆みな再拜さいはい。次つぎ贊さん者しゃ分引ぶびき各かく就壇上下じょうげ位い，祝しゅく史し奉たてまつ盤ばん血ち，太ふとし祝しゅく奉たてまつ玉たま幣ぬさ，由ゆかり西階にししな升ます壇だん，各かく於樽所しょ立りつ。次つぎ引監祭さい、監かん禮れい按視壇だん之の上下じょうげ，糾察不ふ如儀者しゃ，退すさ復位ふくい。質しつ明あきら，禮れい直じき官かん、贊さん者しゃ各かく引三獻以下行禮執事官入就位，皆みな由よし西にし神門ごうど南みなみ偏へん門もん以入。禮れい直じき官かん進すすむ初はつ獻けんじ之の左ひだり，曰：「有司ゆうし謹具，請行事ぎょうじ」，退すさ復位ふくい。協きょう律郎りつろう跪，俯伏舉麾興きょう，工こう鼓こ柷，樂らく作さく八はち成なり，偃麾，戛敔樂らく止どめ。禮れい直じき官かん引太常つね卿きょう瘞血於坎訖，復位ふくい，祝しゅく史し以盤還かえ饌幕，以俟奉毛げ血豆ちまめ。奉たてまつ禮れい曰：「衆しゅう官かん再拜さいはい」，在位ざいい者しゃ皆みな再拜さいはい。又また贊さん諸しょ執事しつじ者しゃ各かく就位しゅうい，禮れい直じき官かん、贊さん者しゃ分引ぶびき執事しつじ官かん各かく就壇上下じょうげ位い。諸しょ太ふとし祝しゅく各かく取と玉たま幣ぬさ於篚，立たて於樽所しょ。禮れい直じき官かん引初獻けんじ詣まい太ふと社しゃ壇だん盥たらい洗あらい位い，樂らく作さく，至いたり位い南みなみ向こう立だて，樂らく止どめ。搢笏，盥たらい手しゅ，帨手，執と笏しゃく詣まい壇だん，樂らく作さく，升ます自じ北きた陛，至いたり壇上だんじょう，樂らく止どめ。詣まい太ふと社しゃ神座かんざ前まえ，南みなみ向こう立だて，樂らく作さく。搢笏跪。太ふとし祝ほうり加か王おう於幣，東向こちむき跪以授初獻けんじ。初はつ獻けんじ受幣奠訖，執と笏しゃく俯伏興きょう，稍やや退すさ，再拜さいはい訖，樂らく止どめ。禮れい苴官引初獻けんじ降ぶ自じ北きた陛，詣まい太ふと稷きび壇だん洗あらい位い，樂らく作さく，至いたり位い樂らく止どめ。盥たらい洗あらい訖，升しょう壇だん奠玉幣ぬさ，並なみ如太社しゃ后きさき土ど之の儀ぎ。奠畢，降くだ自じ北きた陛，樂らく作さく，復位ふくい樂らく止どめ。初はつ獻けんじ奠玉幣ぬさ將はた畢，祝しゅく史し各かく奉たてまつ毛け血豆ちまめ立りつ於西神しん門外もんがい，俟奠玉だま幣ぬさ畢，樂らく止どめ。祝しゅく史し奉たてまつ正せい位い毛げ血ち入いれ自じ中門ちゅうもん，配はい位い毛げ血ち入いれ自じ偏へん門もん。至いたり壇だん下か，正せい位い者しゃ升ます自じ北きた陛，配はい位い者しゃ升ます自じ西にし陛，諸しょ太ふとし祝しゅく迎むかえ取ど於壇上じょう，各かく進すすむ奠於神位しんい前まえ，太ふとし祝しゅく、祝しゅく史し俱退立りつ於樽所しょ。

　　六ろく曰進熟じゅく。初はつ獻けんじ既すんで奠玉幣ぬさ，有司ゆうし先さき陳ちん鼎かなえ入にゅう於神廚。各かく在ざい於鑊右みぎ。太たい官かん令れい出で，帥そち進しん饌者詣まい廚。以匕升ます羊ひつじ豕いのこ於鑊，各かく實じつ於一鼎かなえ，冪べき之の。祝しゅく史し以扃對たい舉鼎，有司ゆうし執と匕以從したがえ，各かく陳ひね於饌幕まく內。俟光祿ろく卿きょう出で，帥そち其屬實じつ籩蘆簋訖，乃去鼎かなえ之の肩かた冪べき，匕加於鼎。太たい官かん令れい以匕升ます羊ひつじ豕いのこ，各かく載の於俎，俟初獻けんじ還かえ位くらい，樂らく止どめ。禮れい直ちょく苜引司し徒と出で詣まい饌所，帥そち進しん饌者各かく奉たてまつ正せい配はい位い之の饌，太ふとし官かん令れい引以次じ自じ西にし神門ごうど入いれ。正せい位い之の饌入自じ中門ちゅうもん，配はい位い之の饌入自じ偏へん門もん。饌初入門にゅうもん，樂らく作さく，饌至陛，樂らく止どめ。祝しゅく史し俱進，撤毛血豆ちまめ，降くだ自じ西にし陛以出で。正せい位い之の饌升自じ北きた陛，配はい位い之の饌升自じ西にし陛，諸しょ太ふとし祝しゅく迎むかえ取ど於壇上じょう，各かく跪奠於神座ざ前ぜん訖，俯伏興きょう。禮れい直じき官かん引司徒と、太ふとし官かん令れい及進饌者。自じ西にし陛各復位ふくい。諸しょ太ふとし祝しゅく還かえ樽たる所しょ，贊さん者しゃ曰：「太ふとし祝しゅく立りつ茅ちがや苴於沙すな池ち。「禮れい直じき官かん引初獻けんじ官かん詣まい太ふと社しゃ壇だん盥たらい洗あらい位い，樂らく作さく，至いたり位い南みなみ向こう立だて，樂らく止どめ。搢笏，盥たらい手しゅ，帨手，執と笏しゃく詣まい爵洗位い，至いたり位い南みなみ向こう立だて，搢笏，洗あらい爵，拭ぬぐえ爵，以爵授執事しつじ者しゃ，執と笏しゃく詣まい壇だん，樂らく作さく，升ます自じ北きた陛，至いたり壇上だんじょう，樂らく止どめ。詣まい太ふと社しゃ酌しゃく樽だる所しょ，東向こちむき立りつ，執事しつじ者しゃ以爵授初獻けんじ，初はつ獻けんじ搢笏執と爵，司つかさ樽だる者しゃ舉冪，良りょう醞令跪酌太たい樽だる之の泛齊，樂らく作さく。初はつ獻けんじ以爵授執事しつじ者しゃ，執と笏しゃく詣まい太ふと社しゃ神座かんざ前まえ，南みなみ向こう立だて，搢笏跪。執事しつじ者しゃ以爵授初獻けんじ，執と爵三祭さい酒しゅ，奠酒，執と笏しゃく俯伏興きょう，稍やや退すさ立たて，樂らく止どめ。舉祝官かん躊，對たい舉祝版ばん。讀祝官かん西向にしむき跪，讀祝文ぶん。讀訖，俯伏興きょう，舉祝官かん奠祝板ばん於案，興きょう。初はつ獻けんじ再拜さいはい訖，樂らく止どめ。次つぎ詣まい后きさき土ど氏し酌しゃく樽だる所しょ，東向こちむき立りつ。執事しつじ者しゃ以爵授初獻けんじ，初はつ獻けんじ搢笏執と爵，司つかさ樽だる彝つね舉冪，良りょう醞令跪酌著ちょ樽だる之の泛齊，樂らく止どめ。初はつ猷以爵授執事しつじ者しゃ，執と笏しゃく詣まい后きさき土ど神座かんざ前まえ，西向にしむき立りつ，搢笏跪。執事しつじ者しゃ以爵授初獻けんじ，初はつ獻けんじ執と爵三祭さい酒しゅ，奠爵訖，執と笏しゃく俯伏興きょう，少しょう退すさ立たて，樂らく止どめ。舉祝官かん跪，對たい舉祝板ばん。讀祝官かん南みなみ向こう跪，讀祝文ぶん。讀訖。俯伏興きょう，舉祝官かん奠祝板ばん於案，興きょう。初はつ獻けんじ再拜さいはい訖，樂らく止どめ。降くだ自じ北きた陛，詣まい太ふと稷きび壇だん盥たらい洗あらい位い，樂らく作さく，至いたり位い樂らく止どめ。盥たらい洗あらい、升ます獻けんじ。並なみ如太社しゃ后きさき土ど之の儀ぎ。降くだ自じ北きた陛，樂らく作さく，復位ふくい，樂らく止どめ。讀祝、舉祝官かん亦また降くだ復位ふくい。亞あ獻けんじ詣まい兩りょう壇だん盥たらい洗あらい升ます獻けんじ，並なみ如初獻けんじ之の儀ぎ。終おわり獻けんじ盥たらい洗あらい升ます獻けんじ，並なみ如亞獻けんじ之の儀ぎ。終おわり獻けんじ奠獻畢，降くだ復位ふくい，樂らく止やめ，執事しつじ者しゃ亦また復位ふくい。太ふとし祝しゅく各かく進すすむ徹とおる籩豆，樂らく作さく，卒そつ徹てっ，樂らく止どめ。奉たてまつ禮れい曰：「賜たまもの胙，衆しゅう官かん再拜さいはい。」贊さん者しゃ承うけたまわ傳つて，在位ざいい者しゃ皆みな再拜さいはい訖，送おく神樂かぐら作さく，一成いっせい止とめ。禮れい直じき官かん進すすむ初はつ獻けんじ之の左ひだり，曰：「請詣望もち瘞位」，御ご史し、博士はかせ從したがえ，樂らく作さく，至いたり位い北向きたむき立りつ，樂らく止どめ。初はつ在位ざいい官かん將はた拜おがめ，諸しょ太ふとし祝しゅく各かく執と篚進於神廢はい前まえ，取と瘞玉及幣，齋とき郎ろう以俎載の牲體並なみ黍きび稷きび爵酒，各かく由よし其陛降，置おけ於坎訖，贊さん者しゃ曰：「可か瘞」，東西とうざい各かく二に人にん且置半はん坎。禮れい直じき官かん進すすむ初はつ獻けんじ之の左ひだり，曰：「禮れい畢」，禮れい直じき官かん各かく引獻官かん以次出で。禮れい直じき官かん引監祭さい、太ふとし祝しゅく以下いか執事しつじ官かん，俱復於壇北きた墉下，南みなみ向こう立たて定じょう。奉たてまつ禮れい曰：「再拜さいはい」，監かん祭さい以下いか皆みな再拜さいはい訖，出だし。祝しゅく史し、齋とき郎ろう及工人じん以次出で。祝しゅく板ばん燔於齋とき所しょ。光ひかり祿ろく卿きょう、監かん祭さい、監かん禮れい展てん視し酒さけ胙訖，乃退。

　　其告祭儀さいぎ，告つげ前まえ三さん日にち，三獻官以下諸執事官，各かく具ぐ公こう眼め赴中書しょ省しょう受誓戒。告つげ前まえ一いち日にち，省しょう牲器，告つげ日び質しつ明あきら，三獻官以下諸執事各服其服，禮れい直じき官かん引監祭さい、監かん禮れい以下いか諸しょ執事しつじ官かん入いれ自じ北きた墉下，南みなみ向こう立たて定じょう。奉たてまつ禮れい郎ろう贊さん曰：「再拜さいはい。」在位ざいい官かん皆みな再拜さいはい訖，奉たてまつ禮れい郎ろう貧ひん曰：「各かく就位しゅうい」，「立たて定じょう」。監かん祭さい、監かん禮れい梘煉設しつらえ畢，復位ふくい立りつ定じょう。禮れい直じき官かん引三獻けんじ、司つかさ徒と、太ふとし常つね卿きょう、光ひかり祿ろく卿きょう、入にゅう就位しゅうい，立たて定じょう。禮れい直じき官かん贊さん「有司ゆうし謹具，請行事ぎょうじ。」降くだ神樂かぐら作さく，八はち成なり止どめ。太ふと常つね卿きょう瘞血，復位ふくい立りつ定じょう。奉たてまつ禮れい郎ろう贊さん「再拜さいはい。」皆みな再拜さいはい訖，禮れい直じき官かん引初獻けんじ宵よい詣まい盥たらい洗あらい位い，盥たらい手しゅ訖，詣まい社しゃ壇だん正ただし位い神座かんざ前ぜん南みなみ向むこう，搢笏跪，三上みかみ香かおり，奠玉幣ぬさ，執と笏しゃく俯伏興きょう。再拜さいはい訖，詣まい配はい位い神座かんざ前ぜん西向にしむき，搢笏跪，三上みかみ香かおり，奠幣，執と笏しゃく俯伏興きょう。再拜さいはい訖，詣まい稷きび壇だん盥たらい洗あらい位い，盥たらい手しゅ訖，升しょう壇だん，並なみ如上じょじょう儀ぎ。俱畢，降くだ復位ふくい。司つかさ徒と率りつ齋とき郎ろう進しん饌，奠訖，降くだ復位ふくい。禮れい直じき官かん引初秋しょしゅう官かん詣まい盥たらい洗あらい位い，盥たらい手しゅ訖，詣まい爵洗位い，洗あらい爵訖，詣まい酒樽さかだる所しょ酌しゃく酒しゅ訖，詣まい社しゃ壇だん神位しんい座ざ前まえ，南みなみ向こう立だて，搢笏跪，三上みかみ香かおり，執と冉，三祭酒於茅苴，爵技執事しつじ者しゃ，執と笏しゃく俯伏興きょう。俟讀祝しゅく官かん讀文訖，再拜さいはい興きょう，詣まい酒樽さかだる所しょ酌しゃく酒しゅ訖，詣まい配はい位い神座かんざ前まえ，西向にしむき搢笏跪，三上みかみ香かおり，執と爵。三祭酒於茅苴，爵授執事しつじ者しゃ，執と笏しゃく俯伏興きょう。俟讀祝しゅく文ぶん訖，再拜さいはい興きょう，詣まい稷きび壇だん盥たらい洗あらい位い，盥たらい手しゅ，洗あらい爵，酌しゃく獻けんじ，並なみ如上じょじょう儀ぎ。俱畢，降くだ復位ふくい。禮れい直じき官かん引亞獻けんじ，並なみ如初獻けんじ之の儀ぎ，惟おもんみ不ふ讀祝。俱畢，降くだ復位ふくい。禮れい直じき官かん引終獻けんじ，並なみ如亞獻けんじ之の儀ぎ。俱畢，降くだ復位ふくい。太ふとし祝ほうり徹とおる籩豆訖，奉たてまつ禮れい郎ろう贊さん「賜たまもの胙」。衆しゅう官かん再拜さいはい訖，禮れい直じき官かん引三獻けんじ、司つかさ徒と、太ふとし常つね卿きょう詣まい瘞坎位い，南みなみ向こう立たて定じょう。禮れい直じき官かん贊さん「可か瘞」，禮れい畢出。禮れい直ちょく引監祭さい、監かん禮れい、太ふとし祝しゅく、齋とき郎ろう至いたり北きた墉下，南みなみ向こう立たて定じょう。奉たてまつ禮讚らいさん「再拜さいはい。」皆みな再拜さいはい訖，出だし。

　　至いたり郡こおり縣けん之の社稷しゃしょく：至いたり元もと十じゅう年ねん八はち月がつ甲かぶと辰たつ朔ついたち，頒諸路ろ立たて社稷しゃしょく壇だん壝儀式しき。十じゅう六ろく年ねん春はる三さん月がつ，中書ちゅうしょ省しょう下太しもふと常つね禮れい官かん定てい郡ぐん縣けん社稷しゃしょく壇だん壝祭器き制度せいど、祀まつ祭儀さいぎ式しき，圖ず寫うつし成なり書しょ，名めい《至いたり元もと州しゅう郡ぐん通どおり禮れい》。二に十じゅう五ご年ねん八はち月がつ，浙東海とうかい右みぎ道どう廉れん訪おとずれ司し監かん治ち官かん王おう博ひろし文獻ぶんけん議ぎ曰：「社稷しゃしょく起おこり於上古じょうこ，祀まつ共きょう工こう氏し之の子こ勾龍爲ため社しゃ，厲山氏し之の子こ柱ばしら爲ため稷きび。至いたり商しょう湯ゆ，因いん旱ひでり遷社，以周棄代之の。成なる周しゅう之これ制せい，天子てんし立りつ五ご社しゃ，諸侯しょこう三さん社しゃ，皆みな以勾龍りゅう配はい社しゃ，周しゅう棄配稷きび。社しゃ壇だん在ざい東ひがし，稷きび壇だん在ざい西にし。天子てんし用よう太ふとし牢ろう，諸侯しょこう用よう少しょう牢ろう，皆みな黝色。幣ぬさ用よう黑くろ，日用にちよう甲かぶと。王おう服ふく絺冕，樂らく用よう大だい簇むらが歌うた應おう鐘かね舞まい咸池，用よう三獻さんこん。後こう漢かん建けん武中たけなか，立大りつだい社稷しゃしょく。二に月がつ八はち日にち及臘日び一いち歲さい三さん祠ほこら，皆みな用よう太ふとし牢ろう。郡ぐん縣けん置おけ社稷しゃしょく。太守たいしゅ令れい長ちょう侍さむらい祠ほこら。魏ぎ立りつ二に社しゃ、一いち稷きび。粱以二に十じゅう五ご家いえ爲ため社しゃ，春秋しゅんじゅう祠ほこら，水みず旱ひでり禱祈祠ほこら。隋ずい開ひらき皇すめらぎ初はつ，用よう戊つちのえ日び。至いたり唐とう，社しゃ以勾龍りゅう配はい，稷きび以后土ど配はい。亡ほろび宋そう因いん唐から舊制きゅうせい，社しゃ壇だん廣こう五ご尺しゃく，高こう四よん尺しゃく。以五色しょく土ど爲之ためゆき。稷きび壇だん在ざい西にし，如社之これ制せい。社しゃ以石爲ため主ぬし，形かたち如鍾，長五ちょうご尺じゃく，方ぽう二に尺しゃく，剡其上じょう象ぞう天方あまがた，其下象ぞう地ち，埋うめ其半於地。其坦飾かざり以方色しょく，屋や用よう三さん門もん四よん十じゅう戟，其中植うえ槐えんじゅ。元もと符ふ二に年ねん，郡こおり縣けん壇だん社しゃ方かた二に丈たけ五ご尺しゃく，高こう三さん尺しゃく四よん，出で陛主高だか二に尺しゃく五ご寸すん，方ぽう一いち尺しゃく餘あまり，如舊制せい，一いち壝二に十じゅう五ご步ほ。紹興しょうこう式しき。社しゃ以后土ど勾龍氏し配はい，稷きび以後いご稷きび氏し配はい。先さき儒之說せつ，謂いい社稷しゃしょく皆みな土ど祗，有ゆう生育せいいく之の功こう，勾龍、周しゅう棄能平水へいすい土ど，故こ用よう爲ため后きさき土ど及田おいた正之まさゆき神しん。又また曰社爲ため土地とち之の神かみ，稷きび爲ため五穀ごこく之の神かみ，故こ報ほう而祭之の。祭まつり法ほう當とう依よ漢かん、唐とう制せい，郡ぐん縣けん各かく用よう羊ひつじ一いち、豕いのこ一いち，先さき瘞血首くび，餘あまり以骨體たい薦こも。黑くろ幣ぬさ二に、樽たる二に，籩、豆まめ各かく八はち，蘆あし、簋各一いち，俎まないた八はち。每歲まいさい仲なか舂うす、仲秋ちゅうしゅう戊つちのえ日び黎明れいめい，郡ぐん縣けん官かん各かく三獻さんこん，以公服ふく從事じゅうじ。至いたり元もと貞さだ二に年ねん冬ふゆ，太ふとし常つね寺てら始はじめ議ぎ準なずらえ，置おけ壇だん於垃西南せいなん，二壇方廣視太社、太ふとし稷きび殺ころせ其半。壺つぼ樽だる二に，籩豆皆みな八はち，而無樂らく。牲用羊ひつじ豕いのこ，餘あまり皆みな與太よた社しゃ、太ふとし稷きび同どう。三獻官以州長貳爲之。

　　先さき農のう之の記き，始はじめ自じ至いたり元もと九きゅう年ねん二に月がつ，命いのち祭さい先さき農のう如祭社しゃ之の儀ぎ。七なな年ねん六ろく月がつ，立たて籍せき田た大だい都と東ひがし南郊なんこう。至いたり是ぜ，始はじめ祭さい先さき農のう。十じゅう四よん年ねん二に月がつ戊つちのえ辰たつ，祀まつ先せん農のう東郊とうこう。十じゅう五ご年ねん二に月がつ戊つちのえ午うま，祀まつ先せん農のう，以蒙古こ胄子代だい耕こう籍せき田でん。二に十じゅう一いち年ねん二に月がつ丁ちょう亥い，又また命いのち翰林かんりん學士がくし承うけたまわ旨むね撒裏蠻祀先さき農のう於籍田でん。武たけ宗はじめ至大しだい三さん年ねん夏なつ四よん月がつ，從したがえ大だい司つかさ農みのり請，建たて農みのり、蠶かいこ二に壇だん。博士はかせ議ぎ：二壇之式與社稷同，縱たて廣こう一いち十じゅう步ほ，高こう五ご尺しゃく，四よん出で陛，外そと壝相去あいさり二に十じゅう五ご步ほ，每まい方ほう有ゆう櫺星門もん。今こん先さき農のう、先さき蠶かいこ壇だん位い在籍ざいせき田でん內，若わか內外壝，恐おそれ妨さまたげ千せん畝うね，其外壝勿築ちく。是これ歲さい命めいじ祀まつ先せん農のう如社稷しゃしょく，禮樂れいがく用よう登とう歌か，日用にちよう仲春ちゅうしゅう上丁うえてい，後ご或ある用よう上じょう辛つら或ある甲かぶと日び。祝しゅく文ぶん曰：「維某年月日ねんがっぴ。皇帝こうてい敬けい遣や某ぼう官かん，璁告於帝神かみ農みのり氏し。」配はい神しん曰：「於後稷きび氏し。」祀まつ前ぜん一いち日にち未ひつじ後ご，禮れい直じき官かん引三獻けんじ、監かん祭さい、禮れい以下いか省しょう牲饌如常儀ぎ。祀まつ日ひ醜みにく前まえ五ご刻こく，有司ゆうし陳ひね燈とう燭しょく，設しつらえ祝しゅく幣ぬさ，太ふとし官かん令れい帥そち其屬入いれ實じつ籩豆樽だる罍。醜みにく正ただし，禮れい直じき官かん引先班はん入にゅう就位しゅうい，立たて定じょう，次じ引監祭さい監かん禮れい按視壇だん之の上下じょうげ，糾察不ふ如儀者しゃ。畢，退すさ復位ふくい，東向こちむき立りつ。奉たてまつ禮れい曰：「再拜さいはい」。贊さん者しゃ承うけたまわ傳つて再拜さいはい訖，奉たてまつ禮れい又また贊さん「諸しょ執事しつじ者しゃ各かく就位しゅうい」。禮れい直じき官かん各かく引執事しつじ官かん各かく就位しゅうい，立たて定じょう。次つぎ引三獻官並與祭等官以次入就位，西向にしむき立りつ。禮れい直じき官かん於獻官かん之の右みぎ，贊さん「請行事ぎょうじ」，樂らく作さく三成みなり止どめ。奉たてまつ禮讚らいさん「再拜さいはい」。在位ざいい者しゃ皆みな再拜さいはい。太ふとし祝しゅく跪取幣ぬさ於篚，立たて於樽所しょ。禮れい直じき官かん引初獻けんじ官かん詣まい盥たらい洗あらい位い，北向きたむき立りつ，盥たらい手しゅ帨手畢，升ます自じ東ひがし階かい，詣まい神位しんい前ぜん北向きたむき立りつ，搢笏跪。三上みかみ香かおり，受幣奠幣，執と笏しゃく俯伏興きょう，少しょう退すさ。再拜さいはい訖，降くだ復位ふくい，立たて定じょう。太たい官かん令れい率りつ齋とき郎ろう設しつらえ饌於神位しんい前ぜん畢，俯伏興きょう，退すさ復位ふくい。禮れい直じき官かん引初獻けんじ再さい詣まい盥たらい洗あらい位い，北向きたむき立りつ，盥たらい手しゅ、帨手，詣まい爵洗位い，洗あらい爵、拭ぬぐえ爵，詣まい酒樽さかだる所しょ酌しゃく酒しゅ畢，詣まい正せい位い神位しんい前ぜん北向きたむき立りつ。搢笏跪，三上みかみ香かおり，三さん祭さい酒しゅ於沙池ち，爵授執事しつじ者しゃ，執と笏しゃく俯伏興きょう，北向きたむき立りつ。俟讀祝しゅく畢，再拜さいはい興きょう。次つぎ詣まい配はい位い酒樽さかだる所しょ，酌しゃく酒しゅ訖，詣まい神位しんい前ぜん東向こちむき立りつ。搢笏跪，三上みかみ香かおり，三さん祭さい酒しゅ於沙池ち，爵授執事しつじ者しゃ，執と笏しゃく俯伏興きょう，東向こちむき立りつ。俟讀祝しゅく畢，再拜さいはい，退すさ復位ふくい。次つぎ引亞終おわり獻けんじ行くだり禮れい，並なみ如初獻けんじ之の儀ぎ，惟おもんみ不ふ讀祝，退すさ復位ふくい，立たて定じょう。禮れい直じき官かん贊さん撤籩豆まめ，樂らく作さく，卒そつ撤，樂らく止どめ。禮讚らいさん「賜たまもの胙」，衆しゅう官かん再拜さいはい贊さん者しゃ承うけたまわ傳つて，在位ざいい者しゃ皆みな再拜さいはい訖，樂らく作さく送おく神かみ之の曲きょく，一成いっせい止とめ。禮れい直じき官かん引齋郎ろう升ます自じ東ひがし階かい，太ふとし祝しゅく跪取幣ぬさ祝しゅく，齋とき郎ろう捧ささげ俎まないた載の牲體及籩豆まめ蘆あし簋。各かく由よし其階至いたり坎位。北向きたむき立りつ。俟三獻さんこん畢，至いたり立りつ定じょう。各かく跪奠訖，執と笏しゃく俯休興きょう。禮れい直じき官かん贊さん「可か瘞」，乃瘞。焚瘞畢，三獻以次詣耕地所，耕こう訖而退。此其儀ぎ也。先さき蠶かいこ之の祀まつ未聞みもん。