新元しんもと史し/卷まき094

姊妹计划: 数かず据すえ项

樂らく四よん

卷まき九きゅう十じゅう四よん·志こころざし第だい六ろく十じゅう一いち

　　○樂らく四よん

　　△大だい樂らく職掌しょくしょう器き之の樂らく宴えん

　　樂隊がくたい大だい樂らく署しょ，令れい一いち人にん，丞すすむ一人ひとり，掌てのひら郊社、宗廟そうびょう之の樂らく。凡樂，郊社、宗廟そうびょう，則のり用よう宮みや縣けん，工こう二に百ひゃく六ろく十じゅう有ゆう一いち人にん；社稷しゃしょく，則のり用よう登とう歌か，工こう五ご十じゅう有ゆう一いち人にん，二に樂らく用よう工こう三さん百ひゃく一いち十じゅう有ゆう二に人にん，代だい事故じこ者しゃ五ご十じゅう。前まえ祭さい之これ月がつ，召工習樂及舞。祀まつ前ぜん一いち曰，宿やど縣けん於庭中ちゅう。東方とうほう、西方せいほう，設しつらえ十じゅう二に鎛鍾，各かく依よ辰たつ位い。編へん鐘がね處しょ其左，編へん磬かおる處しょ其右。黃き鐘がね之の鐘かね起おこり子こ位い，在ざい通つう街がい之の西にし。蕤賓之の鐘かね居きょ午うま位い，在ざい通つう街がい之の東ひがし。每まい辰たつ三さん蘆あし，謂いい之の一いち肆，十じゅう二に辰たつ，凡三さん十じゅう六ろく蘆あし。樹き建けん鞞應於四隅すみ，左ひだり祝しゅく右みぎ敔，設しつらえ縣けん中ちゅう之の北きた。歌うた工こう次じ之の，三さん十じゅう二に人にん，重行しげき相しょう向こう而坐。巢す笙しょう次じ之の，蕭しょう次じ之の，竽次之の，龠次之の，篪次之の，壎次之の，長ちょう笛ふえ又次またじ之これ。夾街之の左右さゆう，瑟翼柷敔之の東西とうざい，在ざい前まえ行ぎょう。路みち鼓こ、路みち鞀次之の。郊祀則そく擂す鼓こ、擂す鞀。閏うるう餘あまり匏ふくべ在ざい蕭しょう之の東ひがし，七星ななえ匏ふくべ在ざい西にし，九曜くよう匏ふくべ次じ之の。一弦琴いちげんきん列れつ路ろ鼓こ之の東西とうざい，東一ひがしいち，西二にしに。三絃さんげん、正弦せいげん、七なな絃、九きゅう弦げん次じ之の。晉すすむ鼓こ一いち，處しょ縣けん中之なかの東南とうなん，以節樂らく。一弦琴いちげんきん三さん，五絃ごげん以下いか皆みな六ろく。凡坐者しゃ，高こう以杌，地ち以氈。立だて四表於橫街之南，稍やや東ひがし。設しつらえ舞まい位い於縣北きた。女郎じょろう左ひだり執と龠，右みぎ秉翟；武郎たけお左ひだり執と幹みき，右みぎ執と戚；皆みな六ろく十じゅう有ゆう四よん人にん。享とおる日び與あずか工こう人じん先入せんにゅう就位しゅうい。舞まい師し二に人にん，執と纛二に人にん，引文舞まい分立ぶんりつ於表南みなみ。武たけ舞まい及執器き者しゃ，俟立於宮縣けん之の左右さゆう。器うつわ：鞀二，雙そう鐸二，單たん鐸二，饒にょう二に，鐓錞二に，二に錞，六ろく人にん。鉦かね二に，相そう鼓こ二に，雅みやび鼓こ二に，凡二に十じゅう人にん。文ぶん舞まえ退ずさ，舞まい師し二に人にん、執と旌二に人にん，引武舞まい進すすむ，立たて其處。文ぶん舞まい還かえ立たて於縣側がわ。又また設しつらえ登とう歌か樂らく於殿之の前ぜん楹，殿しんがり陛之旁つくり，設樂したら牀ゆか一いち，樂らく工こう列れつ於上。搏附二に，歌うた工こう六ろく，柷一，敔一，在ざい門もん內，相あい向こう而坐。鍾一蘆あし，在ざい前ぜん楹之東ひがし。一いち弦げん、三絃さんげん、五絃ごげん、七なな絃、九きゅう絃琴五ご，次じ之の。瑟二，在ざい其東，笛ふえ一いち，龠一，篪一在ざい琴きん之の南みなみ，巢す笙しょう、和かず笙しょう各かく二に，次じ之の。壎一，在ざい笛ふえ之の南みなみ。閏うるう餘あまり誇ほこ匏ふくべ、排はい簫しょう各かく一いち，次じ之の，皆みな西上にしかみ。磬かおる一いち蘆あし，在ざい前ぜん檻おり之の西にし。一いち弦げん、三絃さんげん、五絃ごげん、七なな絃、九きゅう絃琴五ご，次じ之の。壎一，在ざい笛ふえ之の南みなみ。七星ななえ匏ふくべ、九きゅう耀匏、排はい簫しょう各かく一いち，次じ之の，皆みな東上とうじょう。凡宗廟そうびょう之の樂らく九きゅう成なり，舞まい九きゅう變へん。黃き鐘がね之の宮みや，三成みつなり，三さん變へん，大呂おおろ之の角かく，二成ふたなり，二に變へん。太ふと簇むらが之これ微ほろ，二成ふたなり，二に變へん。應おう鐘がね之の羽はね，二成ふたなり二に變へん。圜丘之の樂らく六ろく成なり，舞まい六ろく變へん。夾鍾之の宮みや，三成みつなり，三さん變へん、黃き鐘がね之の角かく，一成いっせい，一變いっぺん。太ふと簇むらが之これ徵ちょう，一成いっせい，一變いっぺん。姑しゅうと洗あらい之の羽はね，一成いっせい，一變いっぺん。社稷しゃしょく之の樂らく八はち成なり：林はやし鐘かね之の宮みや二成ふたなり，太ふと簇むらが之これ角かく二成ふたなり，姑しゅうと洗あらい之の微ほろ二成ふたなり，南みなみ呂りょ之の羽はね二成ふたなり。凡有事ゆうじ於宗廟そうびょう，大だい樂らく令れい位い於殿楹之東ひがし，西向にしむき；丞すすむ位い於縣北きた，通つう街がい之の東ひがし，西向にしむき；以肅樂らく舞まい。

　　協きょう律郎りつろう二人ふたり，掌てのひら和かず律ただし呂りょ，以合陰陽いんよう之の聲こえ。陽ひ律りつ六ろく：黃き鐘かね子こ，太ふと簇むらが黃き，姑しゅうと洗あらい辰たつ，蕤賓午うま，夷えびす則そく申さる，無む射い戌いぬ。陰かげ呂りょ六ろく：大だい呂りょ醜みにく，夾鍾卯う，仲なか呂りょ卯う，林はやし鐘かね末まつ，南みなみ呂りょ酉とり，應おう鐘がね亥い。文ぶん之の以宮、商しょう、角すみ、徵ちょう、羽はね、變へん宮みや、變へん徵ちょう，播之以金、石いし、絲いと、竹たけ、匏ふくべ、土ど、革かわ、木き。凡律管かん之の數すう，九きゅう九きゅう相乘そうじょう，八はち十じゅう一いち以爲呂りょ；三さん分ふん去さ一いち，五ご十じゅう四よん以爲徵ちょう；三さん分ふん益えき一いち，七なな十じゅう二に以爲商しょう；三さん分ふん去さ一いち，四よん十じゅう八はち以爲羽わ；三さん分ふん益えき一いち，六ろく十じゅう四よん以爲角かく。如黃鐘がね爲ため宮みや，則のり林りん鐘かね爲ため徵ちょう，太ふと簇むらが爲ため商しょう，南みなみ呂りょ爲ため羽わ，姑しゅうと洗あらい爲ため角かく，應おう鐘がね爲ため變へん宮みや，獲え蕤爲變へん徽，是ぜ爲ため七なな聲こえ十じゅう二に律りつ，還かえ相あい爲ため宮みや，爲ため八はち十じゅう四よん調ちょう。凡大祭祀さいし皆みな法服ほうふく，一人立於殿楹之西，東向こちむき；一人立於縣北通街之酉，東向こちむき；以節樂らく。堂上どうじょう者しゃ主しゅ登とう歌か，堂下どうした者しゃ主ぬし宮みや縣けん。凡樂作さく，則のり跪，俯伏，舉麾以興，工こう鼓こ柷以奏そう；樂土らくど則そく偃麾，工こう戛敔而樂土ど。今いま執と摩ま者しゃ代だい執と之これ，協きょう律郎りつろう特とく拜はい而已。

　　樂らく正せい二に人にん，副ふく二に人にん，掌てのひら肄樂舞まい、展てん樂器がっき、正せい樂らく位い。凡祭，二人立於殿內，二に人にん立りつ於縣間あいだ，以節樂らく。殿しんがり內者視し獻けんじ者しゃ奠獻用よう樂らく作さく上之うえの節ぶし，以笏示しめせ照あきら燭しょく，照あきら燭しょく舉偃以示堂下どうした。若わか作さく登とう歌か，則のり以笏示しめせ柷敔而已。縣けん間あいだ者しゃ示しめせ堂上どうじょう照あきら燭しょく。及引初はつ獻けんじ，照あきら燭しょく動どう，亦また以笏示しめせ柷敔。

　　樂師がくし一いち人にん，運うん譜ふ一いち人にん，掌てのひら以樂教きょう工こう人じん，凡祭，立たて於縣間あいだ，皆みな北上ほくじょう，相あい向こう而立じりつ。

　　舞まい師し四よん人にん，皆みな執と挺てい，挺てい，牙きば仗也。執と纛二に人にん，執と旌二に人にん，祭まつり則そく前ぜん舞まい以爲舞まい容よう。舞まい人じん從したがえ南みなみ表ひょう向こう第だい一いち表ひょう，爲ため一成いっせい，則のり一變いっぺん。從したがえ第だい二に至いたり第だい三さん，爲ため二成ふたなり。從したがえ第だい三さん至いたり北きた第だい四よん表ひょう，爲ため三さん成なり。舞まい人じん各かく轉身てんしん南みなみ向こう於北表ひょう之の北きた，還かえ從したがえ第だい一いち至いたり第だい二に，爲ため因いん成なり，從したがえ第だい二に至いたり第だい三さん，爲ため五ご成なり。從したがえ第だい三さん至いたり南みなみ第だい一いち表ひょう，爲ため六ろく成なり，若わか八はち變へん者しゃ，更さら從したがえ南北なんぼく向こう第だい二に，爲ため七なな成なり。又また從したがえ第だい二に至いたり第だい三さん，爲ため八はち成なり。若わか九きゅう變へん者しゃ，又また從したがえ第だい三さん至いたり北きた第だい一いち，爲ため九きゅう變へん。

　　執と靡一いち人にん，從したがえ協きょう律郎りつろう以麾舉偃而節樂らく。

　　照あきら燭しょく二に人にん，掌てのひら執と籠かご燭しょく而節樂らく。凡樂作さく止とめ，皆みな舉偃其籠燭しょく。一人立於堂上門東，視し殿どの內獻官かん禮節れいせつ，麾燭以示縣けん間あいだ。一人ひとり立りつ於堂下か縣けん間あいだ，俟三獻入導初獻至位，立たて於左。初はつ獻けんじ行くだり，皆みな前まえ導みちびけ，亞あ、終おわり則そく否いな。凡殿下か禮節れいせつ，則のり麾其燭しょく以示上下じょうげ。初はつ獻けんじ詣まい盥たらい洗あらい位い，乃偃其燭，止とめ亦また如之。俟初獻けんじ動どう爲ため節ぶし，宮みや縣けん樂らく作さく，詣まい盥たらい洗あらい位い，洗あらい拭ぬぐえ瓚訖，樂らく止やめ，詣まい階かい，登とう歌か樂らく作さく，升ます自じ東ひがし階かい，至いたる殿どの門もん，樂土らくど，乃立於階側がわ以俟。晨裸訖，初はつ獻けんじ出で殿どの，登とう歌か樂らく作さく，至いたり板いた位い，樂土らくど，司つかさ徒と迎むかえ饌至橫よこ街がい，轉身てんしん北向きたむき，宮みや縣けん樂らく作さく，司つかさ徒と奉たてまつ俎まないた至いたり各室かくしつ遍へん奠訖，樂らく止どめ。酌しゃく獻けんじ，初はつ獻けんじ詣まい盥たらい洗あらい位い，宮みや縣けん樂らく作さく，詣まい爵洗位い，洗あらい拭ぬぐえ爵訖，樂土らくど，出で笏しゃく，登とう歌か樂らく作さく，升ます自じ東ひがし階かい，至いたる殿どの門もん，樂土らくど，初はつ獻けんじ至いたり酒樽さかだる所しょ，酌しゃく訖，宮みや縣けん樂らく作さく，詣まい神位しんい前まえ，祭まつり酒しゅ訖，拜はい、興きょう、讀祝，樂らく止どめ。讀訖，樂らく作さく，再拜さいはい訖，樂らく止どめ，次じ詣まい每まい室しつ，作さく止とめ如初。每まい室しつ各かく奏そう本ほん室しつ樂曲がっきょく，俱獻畢，還かえ至いたる殿どの門もん，登とう歌か樂らく作さく，降くだ自じ東ひがし階かい，至いたり板いた位い，樂らく止どめ。文ぶん舞まえ退ずさ，武たけ舞まい進すすむ，宮みや縣けん樂らく作さく，舞まい者しゃ立たて定じょう，樂らく止どめ。亞あ獻けんじ行くだり禮れい，無む市し步ふ之の樂らく，至いたり酒樽さかだる所しょ，酌しゃく酒しゅ訖，出で笏しゃく，宮みや縣けん樂らく作さく，詣まい神位しんい前まえ，奠獻畢，樂らく止どめ。次つぎ詣まい每まい室しつ，作さく止とめ如初。俱畢，還かえ至いたり板いた位い，皆みな無む樂らく。終おわり獻けんじ樂らく作さく同どう亞あ獻けんじ，助じょ奠以下か升ます殿どの，奠馬湩，至いたり神位しんい，蒙こうむ古こ巫祝ふしゅく致詞訖，宮みや縣けん樂らく作さく，同どう司つかさ徒と進しん饌之曲きょく，禮れい畢，樂らく止やめ，出いずる殿どの，登とう歌か樂らく作さく，各かく復位ふくい，樂らく止どめ。太ふとし祝しゅく撤籩豆まめ，登とう歌か樂らく作さく，卒そつ撤，樂らく止やめ，奉たてまつ禮讚らいさん拜はい，衆しゅう官かん皆みな再拜さいはい訖，送おく神かみ，宮みや縣けん樂らく作さく，一成いっせい而止。

　　興隆こうりゅう笙しょう，制せい以楠木き，形かたち如夾屏へい，上うえ銳するど而面平ひらめ，縷金雕鏤批祀、寶たから相しょう、孔雀くじゃく、竹たけ木き、雲氣うんき，兩りょう旁つくり側がわ立花りっか板ばん，居きょ背せ三さん之の一いち。中ちゅう爲ため虛きょ櫃ひつ，如笙之の匏ふくべ。上うえ豎紫竹ちく管かん九きゅう十じゅう，管かん端はし實じつ以木蓮はちす苞つと。櫃ひつ外出がいしゅつ小しょう撅十じゅう五ご，上じょう豎小管かん，管かん端はし實じつ以銅杏あんず葉は。下した有座ありざ，獅象繞にょう之の，座ざ上じょう櫃ひつ前ぜん立花りっか板ばん一いち，雕摟如背，板間いたのま出で二に皮かわ風口かざくち，用よう則そく設しつらえ朱しゅ漆うるし小しょう架か於座前まえ，系けい風ふう囊於風口かざくち，囊面如琵琶びわ，朱しゅ漆うるし雜ざつ花はな，有ゆう柄え，一人ひとり挼小管かん，一人ひとり鼓こ風ふう囊，則のり簧自隨ずい調ちょう而鳴。中なか統みつる間あいだ，回かい回國かいこく所しょ進すすむ，以竹爲ため簧，有ゆう聲ごえ而無律りつ。玉たま宸樂院いん判官ほうがん鄭てい秀しげる乃考音律おんりつ，分ふん定じょう清濁せいだく。增ぞう改あらため如今制せい。其在殿上てんじょう者しゃ，盾たて頭あたま兩りょう旁つくり立りつ刻こく木き孔雀くじゃく二に，飾かざり以真孔雀くじゃく羽わ，中ちゅう設しつらえ機き。每まい春はる，工こう三さん人にん，一人ひとり鼓こ風ふう囊，一人ひとり按律，一人ひとり運動うんどう其機，則のり孔雀くじゃく飛ひ舞まい應おう節ぶし。

　　殿しんがり庭にわ笙しょう十じゅう，延のべ祐ゆう間あいだ增ぞう制せい，不用ふよう孔雀くじゃく。興隆こうりゅう笙しょう，世せい祖そ所作しょさ。或ある曰西域せいいき所しょ獻けんじ，而世祖そ損益そんえき之の。凡宴會かい之これ日にち，此笙一いち鳴な，衆しゅう樂らく皆みな作さく，笙しょう止どめ，衆しゅう樂たのし亦また止とめ。

　　琵琶びわ，制せい以木，曲きょく首くび，長ちょう頸，四よん珍ちん，頸有品ひん，闊面，四よん弦げん，面めん飾かざり雜ざつ花はな。

　　箏そう，如瑟，兩頭りょうとう微ほろ垂たれ，有ゆう柱ばしら十じゅう三絃さんげん。

　　火ひ不ふ思おもえ，制せい如琵琶びわ，直ちょく頸，無品むほん，有ゆう小しょう槽ふね，圓えん腹はら如年瓶びん榼，以皮爲ため面めん，四よん弦げん，皮かわ糹並同一どういつ孤こ柱ばしら。

　　胡えびす琴きん，制せい如火不ふ思おもえ，卷かん頸，龍りゅう首くび，二に絃，用よう弓ゆみ捩もじ之これ，弓之ゆみの弦つる以馬尾ばび。

　　方ほう響ひびき，制せい以鐵，十じゅう六ろく枚まい，懸かか於磬蘆あし，小角おがく槌づち二に。廷中設しつらえ，下した施ほどこせ小しょう交足幾いく，黃き羅ら綃金農のう。

　　龍りゅう笛ふえ，制せい如笛，七なな孔あな，橫吹よこぶき之の，管かん首くび制せい龍頭りゅうず，銜同心こころ結ゆい帶たい。

　　頭あたま管かん，制せい以竹爲ため管かん，卷かん蘆あし葉は爲ため首くび，竅七。

　　笙しょう，制せい以匏爲ため底そこ，列れつ管かん於上，管かん十じゅう三さん，簧。

　　箜篌くご，制せい以木，闊腹，腹はら下か施ほどこせ橫木よこぎ，而加軫二に十じゅう四よん，柱頭ちゅうとう及首，並なみ如鳳喙。

　　雲くも敖，制せい以銅，爲ため小しょう鑼十じゅう三さん，同どう一木ひとつき架か，下しも有ゆう長柄ながえ，左ひだり手持てもち，而右手しゅ以小槌づち擊げき之の。

　　蕭しょう，制せい如笛，五ご孔あな。

　　戲おどけ竹ちく，制せい如薽，長ちょう二に尺しゃく餘あまり，上うえ系けい流りゅう蘇そ香かおり囊執而偃之の，以上いじょう樂らく。

　　鼓つづみ，制せい以木爲ため框かまち，冒おかせ以革，朱しゅ漆うるし雜ざつ花はな，面めん繪え復ふく身み龍りゅう，長竿ながさお二に。廷中設しつらえ，則のり有ゆう大木たいぼく架か，又また有ゆう擊げき撾高座ざ。

　　杖つえ鼓こ，制せい以木爲ため框かまち，細腰さいよう，以皮冒おかせ之これ，上うえ施ほどこせ五彩ごさい繡帶，右みぎ擊げき以杖，左ひだり拍はく以手。

　　札さつ鼓こ，制せい如杖鼓こ而小，左ひだり持じ而右擊げき之の。

　　和わ鼓こ，制せい如大鼓こ而小，左ひだり持じ而右擊げき之の。制せい如箏而七なな絃，有ゆう柱ばしら，用よう竹ちく軋きし之これ。

　　羌笛，制せい如笛而長，三さん孔あな。

　　拍板びんざさら，制せい以木爲ため板ばん，以繩聯れん之の。

　　水みず盞，制せい以銅，凡十有二ゆうじ，擊げき以鐵誓ちかい。

　　樂音がくおん王おう隊たい：元旦がんたん用よう之の。引隊大だい樂らく禮れい官かん二に員いん，冠かん展てん角かく襆頭，紫むらさき袍ほう塗ぬり金きん帶たい，執と笏しゃく。次つぎ執と戲おどけ竹ちく二に人にん，同前どうぜん服ふく。次つぎ樂らく工こう八はち人にん，冠かんむり花はな襆頭，紫むらさき窄衫，銅どう束帶そくたい。龍りゅう笛ふえ三さん，杖つえ鼓こ，三さん，金きん鞚小鼓こ一いち，板いた一いち，奏そう《萬まん年ねん歡》之これ曲きょく。從したがえ東ひがし階かい升ます，至いたり御前ごぜん，以次而西，折おり繞にょう而南；北向きたむき立りつ。後こう隊たい進すすむ，皆みな仿此。次つぎ二に隊たい，婦女ふじょ十じゅう大だい，冠かん展てん角かく襆頭，紫むらさき袍ほう，隨ずい樂らく聲ごえ進しん至いたり御前ごぜん，分ふん左右さゆう相しょう向こう立だて。次つぎ婦女ふじょ一いち人にん，冠かん唐とう帽ぼう，黃き袍ほう，進しん北向きたむき立りつ定じょう，樂らく止やめ，念ねん致語畢，樂らく作さく，奏そう《長春ちょうしゅん柳やなぎ》之これ曲きょく。次つぎ三さん隊たい，男子だんし三さん人にん，戴紅髮かみ青あお面めん具ぐ，雜ざつ綵衣，次じ一人ひとり，冠かん唐とう帽ぼう，綠みどり棉わた袍ほう角帶かくおび，舞まい蹈而進すすむ，立たて於前隊たい之の右みぎ。次つぎ四よん隊たい，男子だんし一いち人にん，戴孔雀くじゃく明王みょうおう像ぞう面めん具ぐ，披金甲かぶと，執と叉また，從者じゅうしゃ二に人にん，戴毗沙すな神像しんぞう面めん具ぐ，紅べに袍ほう，執と斧おの。次つぎ五ご隊たい，男子だんし王おう人じん，冠かん五ご梁はり冠かんむり，戴龍王りゅうおう面めん具ぐ，繡氅，執と圭けい，與あずか前ぜん隊たい同時どうじ進すすむ，北向きたむき立りつ。次つぎ六ろく隊たい，男子だんし五ご人にん，爲ため飛天ひてん夜よる又また之これ像ぞう，舞まい蹈以進しん。次つぎ七なな隊たい，樂らく工こう大人おとな，冠かん霸王冠おうかん，青あお面めん具ぐ，錦にしき繡衣，龍りゅう笛ふえ三さん，觱慄三さん，杖つえ鼓こ二に，與あずか前ぜん大だい樂らく合奏がっそう《吉利よしとし牙きば》之これ曲きょく。次つぎ大隊だいたい，婦女ふじょ二に十じゅう人にん，冠かんむり廣ひろ翠みどり冠かんむり，銷金綠みどり衣ころも，執と牡丹ぼたん花はな，舞まい唱前曲きょく，與樂ようらく聲ごえ相しょう和わ，進しん至いたり御前ごぜん，北向きたむき，列れつ爲ため九きゅう重じゅう，重じゅう因いん人じん，曲きょく終おわり，再起さいき，與あずか後のち隊たい相しょう和わ。次つぎ九きゅう隊たい，婦女ふじょ二に十じゅう人にん，冠かん金きん梳くしけず翠みどり花はな鈿，繡衣，執と花はな鞚稍子こ鼓こ，舞まい唱前曲きょく，與あずか前ぜん隊たい相しょう和わ。次つぎ十じゅう隊たい，婦女ふじょ大人おとな，花はな髻たぶさ，服ふく銷金桃もも紅べに衣ころも，搖ゆら日月じつげつ金きん鞚稍子こ鼓こ，舞まい唱同前まえ。次つぎ男子だんし五ご人にん，作さく正方せいほう菩薩ぼさつ焚像，搖ゆら日月じつげつ鼓こ，次じ一人ひとり，作さく樂音がくおん王おう菩薩ぼさつ梵像，執と花はな鞋稍子こ鼓こ，齊ひとし聲こえ舞まい前ぜん曲きょく一いち闋，樂らく止どめ。次つぎ婦女ふじょ三さん人にん，歌うた《新しん水みず令れい》、《沽美酒しゅ》、《太平たいへい令れい》之これ曲きょく終おわり，念ねん口こう號ごう畢，舞まい唱相和わ，以次而出。

　　壽ことぶき星ほし隊たい：天壽てんじゅ節用せつよう之の。引隊禮れい官かん樂らく工大こうだい樂らく冠かんむり服ふく。並なみ同どう樂音がくおん王おう隊たい。次つぎ二に隊たい，婦女ふじょ十じゅう人にん，冠かんむり唐から巾はば，服ふく銷金紫衣しえ，銅どう束帶そくたい。次つぎ婦女ふじょ一いち人にん，冠かん平たいら天たかし冠かんむり，服ふく繡鶴氅，方ぽう心しん曲きょく領りょう，執と圭けい，以次進しん至いたり御前ごぜん，立たて定じょう，樂らく止やめ，念ねん致語畢，樂らく作さく，奏そう《長春ちょうしゅん柳やなぎ》之これ曲きょく。次つぎ三さん隊たい，男子だんし三さん人にん，冠かん服ふく舞まい蹈，並なみ同どう樂音がくおん王おう隊たい。次つぎ四よん隊たい，男子だんし一いち人にん，冠かん金きん漆うるし弁べん冠かんむり，服ふく緋ひ袍ほう，塗ぬり金きん帶たい，執と笏しゃく；從者じゅうしゃ二に人にん，錦にしき帽ぼう，繡衣，執と金字こんじ福ぶく祿ろく牌ぱい。次つぎ五ご隊たい，男子だんし一いち人にん，冠かん捲めく雲くも冠かんむり，青あお面めん具ぐ，綠みどり袍ほう，塗ぬり金きん帶たい，分ふん執と梅うめ、竹たけ、鬆す、樁、石同いしどう前ぜん隊たい而進，北向きたむき立りつ次じ六ろく隊たい，男子だんし王おう人じん，爲ため烏鴉うがらす之これ像ぞう，作さく飛ひ舞まい之の態たい。進すすむ立たて於前隊たい之の左ひだり，樂らく止どめ。次つぎ七なな隊たい，樂らく工こう十じゅう有ゆう二に人にん，冠かん雲くも頭あたま冠かんむり，銷金緋ひ袍ほう，白しろ裙，龍りゅう笛ふえ三さん，觱慄三さん，札さつ鼓こ三さん，和わ鼓こ一いち，板いた一いち，與あずか前ぜん大だい樂らく合奏がっそう《山やま荊子》帶たい《襖ふすま神しん急きゅう》之これ曲きょく，次じ八はち隊たい，婦女ふじょ二に十じゅう人にん，冠かん風ふう翹冠，翠みどり花はな鈕ぼたん，服ふく寬ひろし袖そで衣ころも，加か雲くも肩かた、霞かすみ緩なる、玉たま佩，各かく執と寶たから蓋ぶた，舞まい唱前曲きょく，次じ九きゅう隊たい，婦女ふじょ三さん十じゅう人にん，冠かんむり玉たま女じょ冠かんむり，翠みどり花はな鈕ぼたん，服ふく黃き銷金寬ひろし袖そで衣ころも，加か雲くも肩かた、霞かすみ緩なる、玉たま佩，各かく執と棕毛日月じつげつ扇おうぎ，舞まい唱前曲きょく，與あずか前ぜん隊たい相しょう和わ。次つぎ十じゅう隊たい，婦女ふじょ八はち人にん，服ふく雜ざつ綵衣，被ひ懈たゆ葉は、魚さかな鼓こ、簡子。次つぎ男子だんし八はち人にん，冠かん束髮そくはつ冠かんむり，金きむ掩心甲かぶと，銷金緋ひ袍ほう，執と戟。次つぎ爲ため龜鶴きかく之これ像ぞう各かく一いち。次つぎ男子だんし五ご人にん，冠かん黑くろ紗しゃ帽ぼう，服ふく繡鶴氅，朱しゅ履くつ，策さく龍頭りゅうず藜あかざ杖つえ，齊ひとし舞まい唱前曲きょく一いち闋，樂らく止どめ，次じ婦女ふじょ三さん人にん，歌うた《新しん水みず令れい》、《沽美酒しゅ》、《太平たいへい令れい》之これ曲きょく終おわり，念ねん口こう號ごう畢；舞まい唱相和わ，以次而出。

　　禮樂れいがく隊たい：朝會ちょうかい用よう之の。引隊禮れい官かん樂らく工大こうだい樂らく冠かんむり服ふく，並なみ同どう樂音がくおん王おう隊たい。次つぎ二に隊たい，婦女ふじょ十じゅう大だい，冠かん黑くろ漆うるし弁べん冠かんむり，服ふく青あお素袍すおう，方ぽう心しん曲きょく領りょう，白しろ裙，束帶そくたい，執と圭けい；次じ婦女ふじょ一いち人にん，冠かん九きゅう龍りゅう冠かんむり，服ふく繡紅袍ほう，五ご束帶そくたい，進しん至いたり御前ごぜん，立たて定じょう，樂らく止やめ，念ねん致語畢，樂らく作さく，奏そう《長春ちょうしゅん柳やなぎ》之これ曲きょく。次つぎ三さん隊たい，男子だんし三さん人にん，冠かん服ふく舞まい蹈同樂音がくおん王おう隊たい。次つぎ四よん隊たい，男子だんし三さん人にん，皆みな冠かんむり捲めく雲くも冠かんむり，服ふく黃き袍ほう，塗ぬり金きん帶たい，執と圭けい。次つぎ五ご隊たい，男子だんし王おう人じん，皆みな冠かんむり三さん龍りゅう冠かんむり，服ふく紅べに袍ほう，各かく執と劈王金きん斧おの，同前どうぜん隊たい而進，北向きたむき立りつ。次つぎ六ろく隊たい，童子どうじ五ご人にん，三さん髻たぶさ，素す農のう，各かく執と香花こうばな，舞まい蹈而進すすむ，樂らく止どめ。次つぎ七なな隊たい，樂らく工こう八はち人にん，皆みな冠かんむり束髮そくはつ冠かんむり，服ふく錦にしき衣ころも白しろ袍ほう，龍りゅう笛ふえ三さん，觱慄三さん，杖つえ鼓こ二に，與あずか前ぜん大だい樂らく各かく奏そう《新しん水みず令れい》、《水仙すいせん子こ》之これ曲きょく。次つぎ大隊だいたい，婦女ふじょ二に十じゅう人にん，冠かん籠かご巾はば，服ふく紫むらさき袍ほう，金かね帶たい，執と笏しゃく，歌うた《新しん水みず令れい》之これ曲きょく，與樂ようらく聲ごえ相しょう和わ，進しん至いたり御前ごぜん，分ふん爲ため四よん行ぎょう，北向きたむき立りつ，鞠きく躬拜，興きょう，舞まい蹈，叩頭こうとう，山やま呼よび，就拜，再拜さいはい畢，復ふく趁聲歌か《水仙すいせん子こ》之これ曲きょく一いち闋，再さい歌うた《青山あおやま口こう》之これ曲きょく，與あずか後のち隊たい相しょう和わ，次じ九きゅう隊たい，婦女ふじょ二に十じゅう人にん，冠かん車しゃ髻たぶさ冠かんむり，服ふく銷金藍あい衣ころも，雲くも肩かた，佩綬，執と孔雀くじゃく幢，舞まい唱與前ぜん隊たい相しょう和わ，次じ十じゅう隊たい，婦女ふじょ大人おとな，冠かんむり翠みどり花はな唐から巾はば，服ふく錦にしき繡衣，執と寶たから蓋ぶた，舞まい唱前曲きょく。次つぎ男子だんし八はち人にん，冠かん風ふう翅兜牟，披金甲かぶと，執と金きむ戟。次つぎ男子だんし一いち人にん，冠かん平たいら天たかし冠かんむり，服ふく繡鶴產さん氅，執と圭けい，齊ひとし舞まい唱前曲きょく一いち闋，樂らく止どめ，次じ婦女ふじょ三さん人にん，歌うた《新しん水みず令れい》、《沽美酒しゅ》、《太平たいへい令れい》之これ曲きょく終おわり，念ねん口こう號ごう畢，舞まい唱相和わ，以次而出。

　　說法せっぽう隊たい：引隊禮れい官かん樂らく工大こうだい樂らく冠かんむり服ふく，並なみ同どう樂音がくおん王おう隊たい。次つぎ二に隊たい，婦女ふじょ十じゅう大だい，冠かん僧そう伽とぎ帽ぼう，服ふく紫むらさき禪ぜん衣ころも，皁絛；次じ婦女ふじょ一いち人にん，服ふく錦にしき袈裟けさ，餘あまり如前，持もち數珠じゅず，進しん至いたり御前ごぜん，北向きたむき立りつ定じょう，樂らく止やめ，念ねん致語畢，樂らく作さく，奏そう《長春ちょうしゅん柳やなぎ》之これ曲きょく。次つぎ三さん隊たい，男子だんし三さん人にん，冠かん、服ふく、舞まい蹈，並なみ同どう樂音がくおん王おう隊たい。次つぎ四よん隊たい，男子だんし一いち人にん，冠かん隱かくれ土ど冠かんむり，服ふく自じ紗しゃ道どう袍ほう，皁絛，執と塵ちり拂はらい；從者じゅうしゃ二に人にん，冠かん黃き包つつみ巾はば，服ふく錦にしき繡衣，執と令れい字じ旗き。次つぎ五ご隊たい，男子だんし王おう人じん，冠かん金冠きんかん，披金甲かぶと，錦にしき袍ほう，執と戟，同前どうぜん隊たい而進，北向きたむき立りつ。次つぎ六ろく隊たい。男子だんし五ご人にん，爲ため金きん翅雕之これ像ぞう，舞まい蹈而進すすむ，樂らく止どめ。次つぎ七なな隊たい，樂らく工こう十じゅう六ろく人にん，冠かん五福ごふく冠かんむり，服ふく錦にしき繡衣，龍りゅう笛ふえ六ろく，觱慄六ろく，杖つえ鼓こ四よん，與あずか前ぜん大だい樂らく合奏がっそう《金字こんじ西番にしのばん經けい》之これ曲きょく。次つぎ八はち隊たい，婦女ふじょ二に十じゅう人にん，冠かんむり珠子たまこ菩薩ぼさつ冠かんむり，服ふく銷金黃き衣ころも，纓えい絡からま，佩綬，執と金きむ浮屠ふと白しろ傘かさ蓋ぶた，舞まい唱前曲きょく，與樂ようらく聲ごえ相しょう和わ，進しん至いたり御前ごぜん，分ふん爲ため五ご重じゅう，重じゅう因いん人じん，曲きょく終おわり，再起さいき，與あずか後のち隊たい相しょう和わ。次つぎ九きゅう隊たい，婦女ふじょ二に十じゅう人にん，冠かん金きむ翠みどり菩薩ぼさつ冠かんむり，服ふく銷金紅べに衣ころも，執と寶たから蓋ぶた，舞まい唱與前ぜん隊たい相しょう和わ。次つぎ十じゅう隊たい，婦女ふじょ八はち人にん，冠かん青あお螺にし髻たぶさ冠かんむり，服ふく白しろ銷金農のう，執と金きむ蓮れん花はな。次つぎ男子だんし八はち人にん，披金甲かぶと，爲ため大金おおかね剛つよし像ぞう。次つぎ一いち人にん，爲ため文殊もんじゅ像ぞう，執と如意にょい；一いち人爲じんい普ひろし賢けん像ぞう，執と西番にしのばん蓮花れんげ；一いち人爲じんい如來にょらい像ぞう；齊ひとし舞まい唱前曲きょく一いち闋，樂らく止どめ。次つぎ婦女ふじょ三さん人にん，歌うた《新しん水みず令れい》、《沽美酒しゅ》、《太平たいへい令れい》之これ曲きょく終おわり，念ねん口こう號ごう畢，舞まい唱相和わ，以次而出。

　　至いたり正せい十じゅう四よん年ねん，制せい天魔てんま舞まい，亦また宴樂えんらく之の樂隊がくたい也。以宮女おんな三さん聖せい奴やつ、妙みょう樂らく奴やつ、文殊もんじゅ奴やつ等とう十じゅう六ろく人にん，按舞あんぶ名めい爲ため十じゅう六ろく天魔てんま，首しゅ垂髮たれがみ數すう辮，載の象牙ぞうげ佛ふつ冠かんむり，身み披瓔珞ようらく，大だい紅べに銷金長短ちょうたん裙，金きむ雜ざつ襖ふすま，雲くも肩かた，合ごう袖そで天てん衣ころも，綬帶，鞋襪，各かく執と噶布喇完之の器うつわ。內一いち人にん，執と鈴すず、杵きね奏樂そうがく。又また宮みや女おんな十じゅう一いち人にん，練ねり槌づち髻たぶさ，勒帕常つね服ふく，或ある用よう唐とう帽ぼう、窄衫，所しょ奏樂そうがく用よう龍りゅう笛ふえ、頭あたま管かん、小鼓こつづみ、■〈秦はた〉、箏そう、琵琶びわ、笙しょう、胡えびす琴きん、響ひびき板いた、拍板びんざさら，以宦者しゃ長壽ちょうじゅ、拜はい布ぬの哈管領りょう。遇ぐう宮中きゅうちゅう贊さん佛ふつ，則のり按舞あんぶ奏樂そうがく。宦官かんがん受祕密ひみつ戒者得とく入いれ，餘よ不ふ得え預あずか。

　　達いたる達たち樂曲がっきょく。大だい麴：曰哈大凡おおよそ圖ず，曰口溫あつし，曰也葛かずら儻兀，曰畏幾いく兒じ，曰閔古こ裏うら，曰起土ど苦く裏うら，曰跋四よん土ど魯海，曰舍舍しゃ彈だん，曰搖落四，曰蒙古こ搖ゆら落四，曰閃彈だん搖ゆら落四，曰阿耶兒虎とら，曰桑歌か兒じ苦く不ふ幹みき，江南こうなん渭之孔雀くじゃく，雙手そうしゅ彈だん。曰答罕，江南こうなん謂いい之の自じ翎雀，雙手そうしゅ彈だん。曰苦只ただ把わ失しつ。品しな弦つる小曲しょうきょく：曰阿思おもえ蘭らん扯弼，同どう盞曲，雙手そうしゅ彈だん。阿おもね林はやし揀花紅べに，曰哈兒じ火ひ赤あか哈赤，黑くろ雀すずめ兒じ叫さけべ。曰洞洞ほら伯はく，曰曲買かい，曰者歸き，曰牝疇兀兒じ，曰祀擔葛失しつ，曰削浪なみ沙すな，曰馬哈，曰相公こう，曰仙鶴づる，曰河下水げすい花はな。