新型しんがたコロナウイルス肺炎はいえん感染かんせん拡大かくだい封鎖ふうさされた中国ちゅうごく武漢ぶかん(2020ねん1がつ27にち写真しゃしん:AP/アフロ)

福島ふくしま 香織かおり:ジャーナリスト)

 中国ちゅうごく武漢ぶかん発生はっせいした新型しんがたコロナウイルスは、すでに確認かくにんされているだけで感染かんせんしゃは6000にん規模きぼ疑似ぎじ感染かんせん1まんにん規模きぼ、6まんにんちかくが感染かんせんしゃ接触せっしょくしゃとして医学いがくてき観察かんさつけている。死者ししゃは1がつ28にち24時点じてんで132にん治癒ちゆ退院たいいん患者かんじゃの103にんえてしまった。

 このままつづけるのか、感染かんせんのピークはいつになるのか。そして中国ちゅうごく当局とうきょくすべき情報じょうほうをきちんとしているのだろうか。たとえば、このウイルスが本当ほんとう自然しぜん発生はっせいてきなものなのか、といううたがいは、一部いちぶ専門せんもんたちもひそかにおもっている。

4~5がつにピーク、減退げんたいは6~7がつか?

 ピークについて、中国ちゅうごく中央ちゅうおう専門せんもんチームのリーダーでもある呼吸こきゅう感染かんせんしょう権威けんいかね南山なんざんは「(ウイルスへの対策たいさくがうまくいけば)10にちか1週間しゅうかん以内いないにピークをむかえ、スーパースプレッダー(感染かんせん拡大かくだい感染かんせんげんとなる患者かんじゃ)も登場とうじょうせず、だい爆発ばくはつてき感染かんせんにいたらない」との見方みかた新華社通信しんかしゃつうしんなどをつうじてしめした。

 一方いっぽう香港ほんこん大学だいがく医学いがくいんりょうたくえら院長いんちょう研究けんきゅうモデリング分析ぶんせきをもとに予測よそくしたところでは、目下もっか新型しんがたコロナウイルス感染かんせんしゃは6.2にちごとに倍増ばいぞうしており、武漢ぶかんではすでに4.4まんにん感染かんせん全体ぜんたいとして4~5がつにピークをむかえ6~7がつごろにゆっくり減退げんたいしていく、と1がつ27にち記者きしゃ会見かいけんかたっている。

 しんじたいのはかね南山なんざん意見いけんだが、説得せっとくりょくがあるのはりょうたくえら見立みたてだ。素人目しろうとめにみても今回こんかいのコロナウイルスの感染かんせんりょくはただごとではない。はつ症例しょうれいたのは12月はじめで、わずか2カ月かげつまえなのだ。SARSはスーパースプレッダーの登場とうじょう世界せかいひろがったが、通常つうじょう感染かんせんりつはさほどたかくなかった。おかげで4カ月かげつ以上いじょう隠蔽いんぺいのあとでも感染かんせん経路けいろ比較的ひかくてきかりやすく、だからこそふう作戦さくせん効果こうかてきだった。