在日ざいにち日本にっぽん社会しゃかいを「分断ぶんだん」するのはなにか?「地方ちほう参政さんせいけん問題もんだいへん

カテゴリー: 政治せいじ | 投稿とうこう: | 投稿とうこうしゃ:
By Jun mishina

在日ざいにちコリアンをめぐる表現ひょうげん日本にっぽんへのぎゃく差別さべつてき、とNIKEのCMが話題わだいになった。賛否さんぴ両論りょうろんあるなか擁護ようごさわぐほどに憎悪ぞうおは「在日ざいにち」にかうがしてならない。「差別さべつ」「分断ぶんだん」という言葉ことばがマスコミやSNSを席巻せっけんするいま日本にっぽん社会しゃかいと「在日ざいにち」を分断ぶんだんするものを検証けんしょうしていく。今回こんかいは11月に突如とつじょっていたような「永住えいじゅう外国がいこくじん地方ちほう参政さんせいけん」をかんがえる。マスコミ、左派さは活動かつどう野党やとうはとにかく「うつ」だ。あたらしい政治せいじ課題かだいきてはわりはやびつくもの。民主党みんしゅとう政権せいけん発足ほっそく前後ぜんこう随分ずいぶんねつめた記憶きおくがあるが…。また在日本大韓民国民団ざいにっぽんだいかんみんこくみんだん民団みんだん)も活動かつどう方針ほうしんに「地方ちほう参政さんせいけん獲得かくとく」をかかげるが具体ぐたいてきうごきはえない。しかしこの運動うんどう自体じたい本当ほんとうに「在日ざいにち悲痛ひつうさけび」なのだろうか。

茂木もき外相がいしょうのHPからこし

先月せんげつからSNSじょうでなぜか「永住えいじゅう外国がいこくじん地方ちほう参政さんせいけん問題もんだい話題わだいになっていた。とく政治せいじてきうごきはなかったはずだがなぜ…。理由りゆうは2000ねん朝日新聞社あさひしんぶんしゃ主催しゅさいの「e-デモクラシー」にたいしてまだ若手わかて議員ぎいんだった茂木もき外国がいこくじん移住いじゅうについて

優秀ゆうしゅう外国がいこくじんむかれるという韓国かんこく姿勢しせい戦略せんりゃくてきすぐれている」とのメールにたいする回答かいとう(4/5)3がつにちけのわたしのメールでも21世紀せいき日本にっぽんを「多様たようせいのある民族みんぞく社会しゃかい」にえることが必要ひつようだとして、よっつの具体ぐたいてき政策せいさく課題かだいなか定住ていじゅう外国がいこくじん地方ちほう参政さんせいけんあたえることも指摘してきしています。この意味いみでご意見いけんには賛成さんせいです。ただし、韓国かんこく日本にっぽんよりすすんでいるかかは、今後こんごうご次第しだいだとおもいます。ハブ空港くうこう建設けんせつでは、日本にっぽん韓国かんこくあきらかにおくれをっていますが、この地方ちほう参政さんせいけん問題もんだいでもおくれをらないようにしなければなりません。

このように回答かいとうしていたことだった。その茂木もき外相がいしょう参政さんせいけんたいするスタンスをえており現在げんざい慎重しんちょう反対はんたいとみられる。20ねんまえ主張しゅちょうをまとめサイトがした典型てんけいてきな「あおり」。いかにも現在げんざいも「推進すいしん」のように拡散かくさんされていた。

このあおりが効果こうかてきだったのはやはり「外相がいしょう」という立場たちばおおきかったかもしれない。さらに11月24にち中国ちゅうごくおうあつし外相がいしょうとの会談かいだんなか尖閣せんかく問題もんだいについて「弱腰よわごし」とほうじられたこともすくなからず影響えいきょうしたことだろう。ただ茂木もき外相がいしょう中国ちゅうごくへのスタンスはともかく「参政さんせいけん問題もんだい」についてえば2000ねん以前いぜん自民党じみんとう要人ようじんは「推進すいしん」がおおかったのだ。

タイトル画像がぞうは2007ねん11月7にち民団みんだん開催かいさいした全国ぜんこく決起けっき集会しゅうかい挨拶あいさつする河村かわむら建夫たけお衆議院しゅうぎいん議員ぎいん

「もともと福田ふくだ赳夫たけお先生せんせいも(参政さんせいけんに)熱心ねっしんで、竹下たけしたのぼる先生せんせいもっと熱心ねっしんだった」

このようにべていた。

福田ふくだ竹下たけしたもと首相しゅしょうらにかぎらずだいくんこと中曽根なかそね康弘やすひろもと首相しゅしょう容認ようにんする発言はつげんをしていた。これは「売国ばいこく」とか「こびかん」という立場たちばではなく、韓国かんこく日本にっぽん保守ほしゅ関係かんけい良好りょうこうころ名残なごりというものだろう。茂木もきが2000ねん当時とうじ推進すいしんだったのも、それほど不思議ふしぎなことではないのだ。その反対はんたい慎重しんちょうてんじたのは「変節へんせつ」というよりも単純たんじゅん韓国かんこくとの外交がいこう関係かんけいによるものではないか。なお茂木もき外相がいしょうのスタンスについてほうじたまとめサイトブログのなかには記事きじ削除さくじょされたものもあった。おそらく現時点げんじてんでの主張しゅちょう誤解ごかいしたとおもわれる。これではフェイクニュースと判断はんだんされても無理むりからぬことだ。

在日ざいにちからも悲観ひかんろん

きゅう民主党みんしゅとう集会しゅうかいやパーティーでは民団みんだんのノボリ散見さんけんされた。事実じじつじょう政治せいじ参加さんかだ。

ではとう在日ざいにちコリアンたちはいま参政さんせいけんについてどのようなアクションをこしているのか。2がつ民団みんだんだい74かい中央ちゅうおう委員いいんかい採択さいたく 2020年度ねんど基調きちょう」をると、政策せいさく課題かだいとして地方ちほう参政さんせいけんかかげていた。

地方ちほう参政さんせいけん市民しみん権利けんりとして必要ひつよう不可欠ふかけつ

 わたしたち永住えいじゅう外国がいこくじん住民じゅうみん地方ちほう参政さんせいけん付与ふよしないのは、人権じんけん問題もんだいであり「差別さべつ」だと国連こくれん人種じんしゅ差別さべつ撤廃てっぱい委員いいんかい日本にっぽん政府せいふ是正ぜせい勧告かんこくしている。参政さんせいけん人権じんけん象徴しょうちょうであり、もっと重要じゅうよう権益けんえきである。運動うんどう長期ちょうきにわたっているが、わたしたち自身じしんつよ気持きもちでしんあらたにし、正当せいとう市民しみんてき権利けんりとして運動うんどうげていかねばならない。日本にっぽん社会しゃかい情勢じょうせいとき困難こんなんかべ意識いしきするが、わたしたちがあきらめたら、そのかべこわすことができない。本年ほんねんもよりおおくの地域ちいき勉強べんきょうかい自治体じちたいへの要望ようぼう活動かつどうすすめ、3かいとなる国連こくれんへの要望ようぼう活動かつどう裁判さいばん闘争とうそう視野しやれた運動うんどう講究こうきゅうしていく。

しかしよくれば自発じはつてき活動かつどうというよりも「3かいとなる国連こくれんへの要望ようぼう活動かつどう」とあるように国連こくれんへのロビー活動かつどう中心ちゅうしんのようだ。2018ねん国連こくれん人種じんしゅ差別さべつ撤廃てっぱい委員いいんかいたいにち審査しんさ報告ほうこくしょ地方ちほう参政さんせいけん付与ふよするよう日本にっぽん政府せいふ勧告かんこくがあった。また今後こんごもこのような勧告かんこくつづくとられる。

11月14にちだい5かい選挙せんきょマルシェ」で外国がいこく人参にんじん政権せいけん(地球ちきゅう市民しみん会議かいぎ)をテーマに講演こうえんしたこう敬一けいいち《コキョンイル》在日ざいにちコリアン・マイノリティー人権じんけん研究けんきゅうセンター事務じむ局長きょくちょうは「きゅう植民しょくみん出身しゅっしんしゃとその子孫しそんとしての権利けんり回復かいふく」として参政さんせいけん付与ふようったえた。また「日本にっぽん戦後せんご問題もんだいそう決算けっさん」というてん強調きょうちょうしていた。

しかしこのてん違和感いわかんがあるのはたとえば戦後せんご密航みっこうしゃ、あるいは自発じはつてきわたりしたひとも「総決算そうけっさん」の対象たいしょうなのか、というてんだ。補足ほそくすると朝鮮総連ちょうせんそうれんがわ参政さんせいけんについて「内政ないせい不干渉ふかんしょう原則げんそく」と同化どうか促進そくしんとの観点かんてんから「不要ふよう」の立場たちばっている。「在日ざいにちとしてのアイデンティティ」という意味いみでは総連そうれんほうすじかよっている。

それからおなじ「在日ざいにち」であっても韓国かんこくせき朝鮮総連ちょうせんそうれん支持しじ)に限定げんていして付与ふよというのも厄介やっかいだ。というのは推進すいしんは「納税のうぜい」を前提ぜんてい参政さんせいけん付与ふよいている。朝鮮総連ちょうせんそうれんがわ在日ざいにちであっても納税のうぜいしゃにはわりない。

後日ごじつこう事務じむ局長きょくちょうにこのてんについていてみた。

たしかにわたり理由りゆうについては様々さまざまです。まずは戦前せんぜんに(徴用ちょうようなどで)わたりしたひとからじゅん付与ふよすることでしょうね。朝鮮総連ちょうせんそうれん反対はんたい立場たちばだけど、朝鮮ちょうせん学校がっこう無償むしょう問題もんだいなどはむしろ地方ちほう参政さんせいけん獲得かくとくして要求ようきゅうしたほう効果こうかてきおもいますが。しかしどちらにしてもいま政権せいけんであるかぎりはむずかしいです。たとえばしろくん参議院さんぎいん議員ぎいんのように帰化きかして政治せいじ活動かつどうおこなうというのも現実げんじつてきかもしれません。あるいは国籍こくせき日本人にっぽんじんだけど、アイデンティティは韓国かんこくじんたもてるじゅう国籍こくせきほうがまだ政治せいじてきにも実現じつげん可能かのうだし、自民党じみんとうないでも理解りかいする議員ぎいんはいるのではないでしょうか」

民団みんだん活動かつどうまえ演説えんぜつするしろくん参議院さんぎいん議員ぎいん

参政さんせいけん運動うんどう自体じたいはポジティブな姿勢しせいだが、実現じつげんせいについてはかなり悲観ひかんてきだった。ただ同氏どうし戦前せんぜんに「徴用ちょうようてき意味合いみあいで来日らいにちした住民じゅうみん選別せんべつするという作業さぎょう相当そうとう困難こんなんだ。

また韓国かんこくでは2009ねんがつ12にち在外ざいがい選挙せんきょ制度せいど導入どうにゅうされ在日ざいにち韓国かんこくじんでも大統領だいとうりょうせん国会こっかい議員ぎいんせん選挙せんきょけん行使こうしできるようになった。ところが

本国ほんごく国政こくせい選挙せんきょけんたことで、反対はんたいから“くに韓国かんこくで、地方ちほうせん日本にっぽんというのはおかしい ”という言質げんちあたえかねない。あまり在日ざいにちあいだでは評判ひょうばんがよくない」

なげ在日ざいにち韓国かんこくじんもいた。

日本にっぽん議員ぎいん選挙せんきょ活動かつどう手伝てつだ民団みんだん活動かつどうたち。
むしろ民団みんだん運動うんどう主眼しゅがんは「はんヘイト」に移行いこうしたかも。

今後こんご在日ざいにちコリアンたちは在日ざいにちよんせいせいろくせいじゅうせいつづけていくのだろうか。選挙せんきょけんもとめるならば「帰化きか」というのが一番いちばん早道はやみちだとおもうが…。しかも民団みんだん活動かつどうたちもモチベーションが低下ていかしているのはありありとうかがえた。とは民団みんだん在日ざいにち韓国かんこくじん地位ちい向上こうじょうのために「いつつの基本きほん」として参政さんせいけん旗印はたじるしにしている。

それでもこだわるのはつよいてえば「伝統でんとう」というないようだ。以前いぜん民団みんだん活動かつどう熱心ねっしんだった在日ざいにち韓国かんこくじんややかにる。

在日ざいにち韓国かんこくじん牧師ぼくしちぇあきらはな《チェシャンファ》さんが指紋しもん押捺おうなつ拒否きょひ運動うんどうをやってこれが日本にっぽんのマスコミに評価ひょうかされ一大いちだい運動うんどうになったのです。そこでひきのドジョウをねらって参政さんせいけん獲得かくとくしたけども、運動うんどうとしておおきなひろがりになりませんでした。しかし“げたこぶし ”を簡単かんたんおさめられません。これからも形式けいしきてきに(参政さんせいけん運動うんどうは)つづくとおもいますよ」

在日ざいにちコリアン、あるいは同和どうわもそうかもしれない。こうした人々ひとびとにとって要求ようきゅう闘争とうそうはアイデンティティと直結ちょっけつする。「要求ようきゅうしてる」というてんみずからの存在そんざい価値かち見出みいだしてすらいるのだ。そんなかれらにとっていちかかげた「参政さんせいけん獲得かくとく」という旗印はたじるしめるわけにはいかない。

茂木もき外相がいしょう過去かこ記事きじによってひさしぶりに参政さんせいけん問題もんだい話題わだい盛況せいきょうだったが、すでに収束しゅうそく。またこういうタイミングをきっかけに推進すいしんこえげるかとえばそうでもなかった。

なによりとう在日ざいにちたちがすでに内的ないてき動機どうきうしなっているがしてならない。それでも一部いちぶ活動かつどう、また日本人にっぽんじん左派さはからも「在日ざいにち」としての要求ようきゅう闘争とうそうをまるでいられているかんすらある。共生きょうせい社会しゃかいしん国際こくさい文字もじめんうつくしい参政さんせいけん運動うんどうだがむしろ「分断ぶんだん」を扇動せんどうしているとしかおもえないが…。

Jun mishina について

フリーライター。法政大学ほうせいだいがく法学部ほうがくぶ法律ほうりつ学科がっかそつ月刊げっかん週刊しゅうかんなどで外国がいこく人参にんじん政権せいけん人権じんけん擁護ようご法案ほうあん公務員こうむいん問題もんだいなどをテーマに執筆しっぴつ。「平和へいわ人権じんけん環境かんきょう」にひそ利権りけん構造こうぞう暴力ぼうりょくせい偽善ぎぜんせい取材しゅざいする。

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