日本にっぽんにおけるクィア計量けいりょう社会しゃかい学がくの可能かのう性せい

平森たいらもり 大だい規ぶんまわし  法政大学ほうせいだいがく, グローバル教養きょうよう学部がくぶ, 助じょ教きょう (10965718)

2022年度ねんどは、本ほん研究けんきゅうプロジェクトのうち、特とくに性的せいてきマイノリティに対たいする社会しゃかい意識いしきおよび性的せいてきマイノリティ人口じんこうの複雑ふくざつ性せい・多面ためん性せいに関かんする課題かだいを重点的じゅうてんてきに検討けんとうした。前者ぜんしゃについては、仏教ぶっきょう信仰しんこうと性的せいてきマイノリティに対たいする態度たいどに着目ちゃくもくした上うえで、全国ぜんこく無作為むさくい抽出ちゅうしゅつ調査ちょうさを用もちいてデータ分析ぶんせきおよび論文ろんぶんの投稿とうこうに向むけた原稿げんこう執筆しっぴつを行おこなった。後者こうしゃについては、「日本にっぽんのアロマンティック／アセクシュアル・スペクトラムにおける恋愛れんあい的てき指向しこうの多面ためん性せい」（三宅みやけ大二郎だいじろう氏しとの共著きょうちょ論文ろんぶん）として国内外こくないがいでも研究けんきゅう蓄積ちくせきの少すくないアロマンティック／アセクシュアル・スペクトラムにおける恋愛れんあい的てき指向しこうの多面ためん性せいを明あきらかにした。また、「量的りょうてき調査ちょうさにおける性的せいてきマイノリティの諸しょ課題かだい」（家族かぞく社会しゃかい学会がっかい大会たいかいにて報告ほうこく）として、性的せいてきマイノリティ人口じんこうを研究けんきゅうする際さいの人口じんこう学がく的てきアプローチとクィア理論りろん的てきアプローチ、そしてクィア人口じんこう学がくという分析ぶんせき視点してんの可能かのう性せいについても明あきらかにした。さらに、現在げんざい分析ぶんせきを進すすめている「シスジェンダー異性いせい愛あいを超こえた親密しんみつ関係かんけい・独身どくしん性せいを計量けいりょう的てきに捉とらえるための方法ほうほう論ろん的てき研究けんきゅう」（ドイツ日本にっぽん研究所けんきゅうじょ主催しゅさいの国際こくさいワークショップにて報告ほうこく）についても、高こう年齢ねんれい層そうへの認知にんちインタビューの分析ぶんせき結果けっかを示しめした。これらに加くわえて、As Loop・特定とくてい非ひ営利えいり活動かつどう法人ほうじんにじいろ学校がっこう主催しゅさいのアロマンティック／アセクシュアル・スペクトラム調査ちょうさ2022調査ちょうさ結果けっか概要がいよう報告ほうこく会かいや認定にんていNPO法人ほうじん虹色にじいろダイバーシティ主催しゅさいのniji VOICE 2022（LGBTQの仕事しごとと暮くらしに関かんするアンケート）報告ほうこく会かいに登壇とうだんし、コミュニティ向むけのアウトリーチ活動かつどうも実施じっしした。

現在げんざいまでの達成たっせい度ど (区分くぶん)

2: おおむね順調じゅんちょうに進展しんてんしている

理由りゆう

当初とうしょの研究けんきゅう実施じっし計画けいかくに記しるされている通とおり、2022年度ねんどは性的せいてきマイノリティに対たいする社会しゃかい意識いしきおよび性的せいてきマイノリティ人口じんこうの複雑ふくざつ性せい・多面ためん性せいに関かんする課題かだいについて論文ろんぶん出版しゅっぱん、学会がっかい報告ほうこく、およびコミュニティ向むけのアウトリーチ活動かつどうを行おこなうことができ、おおむね順調じゅんちょうに進展しんてんすることができた。

2023年度ねんどは2022年度ねんどに行いった研究けんきゅうを継続けいぞくするとともに、性的せいてきマイノリティと階層かいそう・不平等ふびょうどうに関かんする課題かだいを重点的じゅうてんてきに検討けんとうする。特とくに、性的せいてき指向しこうに基もとづく教育きょういく達成たっせい、職域しょくいき分離ぶんり、賃金ちんぎん格差かくさに関かんする分析ぶんせきを行おこない、結果けっかをまとめる。性的せいてきマイノリティに関かんする量的りょうてき研究けんきゅうはアメリカをはじめとする諸しょ外国がいこくで盛さかんなことから、アメリカ社会しゃかい学会がっかいや国際こくさい社会しゃかい学会がっかいなどの場ばで学会がっかい報告ほうこくを行おこない、フィードバックを得える。また、国内こくないにおいても性的せいてきマイノリティを専門せんもんとする研究けんきゅう者しゃからコメントを得えることで、さまざまなオーディエンスにとって有意義ゆういぎな研究けんきゅうとなるように努つとめる。

当初とうしょ計上けいじょうしていた消耗しょうもう品ひんの一部いちぶについて、本ほん研究けんきゅう課題かだいは年度ねんど途中とちゅうでの開始かいしであることから2023年度ねんどに購入こうにゅうした方ほうが研究けんきゅうの推進すいしんにあたり合理ごうり的てきであると判断はんだんしたため、次じ年度ねんど使用しよう額がくが生しょうじた。これらの消耗しょうもう品ひんについては2023年度ねんどに購入こうにゅう予定よていであり、2022年度ねんどに請求せいきゅうした助成じょせい金きんと合あわせて使用しようが完了かんりょうする見込みこみである。