降ふり積つもれ孤独こどくな死しよ（８）

少年しょうねん少女しょうじょの大量たいりょう監禁かんきん致死ちし事件じけん…いわゆる【灰はい川かわ邸てい事件じけん】の真相しんそうを追おう刑事けいじ・冴木さえき仁ひとし（さえきじん）と、事件じけんの舞台ぶたいとなった屋敷やしきの主おも・灰はい川かわ十じゅう三さん（はいかわじゅうぞう）に育そだてられた娘むすめ・蓮はちす水すい花はな音おん（はすみかのん）。二人ふたりは十じゅう三さんが書かき残のこした古ふるい日誌にっしを読よんでいた。
北海道ほっかいどうの小ちいさな集落しゅうらく「蔵土くろづ（くらつち）」で育そだった十じゅう三さんに初はじめてできた外そとの友達ともだち・志満しま（しま）ひかり。しかし好奇心こうきしん旺盛おうせいなばかりに彼女かのじょは集落しゅうらくの秘密ひみつを知しり過すぎてしまい、ひかりに協力きょうりょくした警察官けいさつかんの祖父そふは事故じこを装よそおって殺ころされてしまう。そして十じゅう三さんは、育そだての父ちちから警告けいこくを受うける。[一族いちぞくの掟おきて]に従したがうことを受うけ入いれねば、ひかりもまた同おなじ運命うんめいをたどることになる…と。彼女かのじょの安全あんぜんを思おもい、突つき放はなすように別わかれる二に人にん。
しかし、1年ねん後ご。集落しゅうらくの[汚よごれ仕事しごと]を請うけ負おっている犬山いぬやま秀二しゅうじ（いぬやましゅうじ）の私物しぶつを偶然ぐうぜん見みてしまった十じゅう三さんは愕然がくぜんとする。[生贄いけにえ（いけにえ）]にした子供こどもたちの形見かたみを、宝物ほうもつのように集あつめていた秀二しゅうじ。その中なかに……彼女かのじょの…ひかりの…腕時計うでどけいが……！