改訂かいてい新版しんぱん 世界せかい大だい百科ひゃっか事典じてん 「おやま」の意味いみ・わかりやすい解説かいせつ おやま (1)人形浄瑠璃にんぎょうじょうるりで女おんな役やくの人形にんぎょうのこと。語源ごげんはいろいろ説せつがあるが,承うけたまわ応おう(1652-55)ごろ活躍かつやくした女おんな役やくの人形遣にんぎょうつかい小山こやま次郎じろう三郎さぶろうの〈小山こやま人形にんぎょう〉から出でたとするのが有力ゆうりょく。(2)遊女ゆうじょの別称べっしょう。〈おやまぐるい〉ということばは,遊女ゆうじょにうつつを抜ぬかすことである。(3)歌舞伎かぶきの女方おざかた(おんながた)の別称べっしょう。女方おざかたはまず遊女ゆうじょの役やくを得意とくいとしたところから,この呼称こしょうが生うまれたという。昔むかしは〈やまやま〉という掛声かけごえがあって,この掛声かけごえから女方おざかたの名優めいゆう岩井いわい半四郎はんしろうの屋号やごう大和やまと屋やができたという伝説でんせつがある。執筆しっぴつ者しゃ:渡辺わたなべ 保たもつ 出典しゅってん 株式会社かぶしきがいしゃ平凡社へいぼんしゃ「改訂かいてい新版しんぱん 世界せかい大だい百科ひゃっか事典じてん」改訂かいてい新版しんぱん 世界せかい大だい百科ひゃっか事典じてんについて 情報じょうほう
日本にっぽん大だい百科全書ひゃっかぜんしょ(ニッポニカ) 「おやま」の意味いみ・わかりやすい解説かいせつ おやま 江戸えど時代じだいに、遊女ゆうじょ、美女びじょをさしていった。そのもとは、小山こやま(おやま)次郎じろう三郎さぶろうという人形遣にんぎょうつかいが女おんなの人形にんぎょうを巧たくみに遣つかったことから出でたという説せつがあるが、明あきらかでない。遊女ゆうじょや美女びじょの姿すがたをこしらえた人形にんぎょうを「おやま人形にんぎょう」といい、またそれを描えがいた絵えを「おやま絵え」とよんだ。遊女ゆうじょのいた茶店ちゃみせを「おやま茶屋ちゃや」ともいった。歌舞伎かぶき(かぶき)では、女方おざかた(おんながた)のことを別べつに「おやま」ともいい、一座いちざの最高さいこう位いの女方おざかたを「立たて女方おざかた(たておやま)」とよぶ。[服部はっとり幸雄ゆきお][参照さんしょう項目こうもく] | 女方おざかた 出典しゅってん 小学館しょうがくかん 日本にっぽん大だい百科全書ひゃっかぜんしょ(ニッポニカ)日本にっぽん大だい百科全書ひゃっかぜんしょ(ニッポニカ)について 情報じょうほう | 凡例はんれい
世界せかい大だい百科ひゃっか事典じてん(旧版きゅうばん)内うちのおやまの言及げんきゅう 【女方おざかた(女形おんながた)】より …歌舞伎かぶきの女性じょせいの役やくの総称そうしょう,および女性じょせいの役やくをつとめる俳優はいゆうをいう。〈おやま〉ともいう。1629年ねん(寛永かんえい6)に徳川とくがわ幕府ばくふが歌舞伎かぶきに女優じょゆうが出演しゅつえんすることを禁きんじたため,能のう以来いらいの伝統でんとうによって男性だんせいが女おんなの役やくをつとめ,現在げんざいに至いたる。… ※「おやま」について言及げんきゅうしている用語ようご解説かいせつの一部いちぶを掲載けいさいしています。 出典しゅってん|株式会社かぶしきがいしゃ平凡社へいぼんしゃ「世界せかい大だい百科ひゃっか事典じてん(旧版きゅうばん)」