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動物(ドウブツ)とは? 意味や使い方 - コトバンク

動物どうぶつみ)ドウブツ英語えいご表記ひょうき)animal
Tier[ドイツ]

デジタル大辞泉だいじせん動物どうぶつ」の意味いみみ・例文れいぶん類語るいご

どう‐ぶつ【動物どうぶつ

生物せいぶつ大別たいべつしたときに、植物しょくぶつたいする一群いちぐんおおくは自由じゆう移動いどうすることができ、植物しょくぶつなどのつくした有機物ゆうきぶつ栄養えいようとして摂取せっしゅする。細胞さいぼうかべがなく、種々しゅじゅ器官きかん分化ぶんかし、神経しんけいけい感覚かんかく器官きかん排出はいしゅつ器官きかん呼吸こきゅう器官きかんなどをもつ。原生動物げんせいどうぶつ分類ぶんるいされるものではほとんど植物しょくぶつ区別くべつできないものもある。生態せいたい分布ぶんぷとして、水生すいせい動物どうぶつ陸生りくせい動物どうぶつとにけられる。
人類じんるい以外いがい動物どうぶつとくに、哺乳類ほにゅうるいをいう。獣類じゅうるい
[類語るいご](1もの生類しょうるいせいるい・しょうるい有情うじょううじょう衆生しゅじょうしゅじょうきとしけるもの生物せいぶつ有情うじょうぶつゆう機体きたい動植物どうしょくぶつ微生物びせいぶつ/(2けものけだものししじゅう獣類じゅうるい畜類ちくるい畜生ちくしょう野獣やじゅう百獣ひゃくじゅう鳥獣ちょうじゅう禽獣きんじゅうきんじゅうアニマルあし猛獣もうじゅう海獣かいじゅう珍獣ちんじゅう

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精選せいせんばん 日本にっぽん国語こくごだい辞典じてん動物どうぶつ」の意味いみみ・例文れいぶん類語るいご

どう‐ぶつ【動物どうぶつ

  1. 名詞めいし
  2. 生物せいぶつをいくつかに大別たいべつしたときのひとつ。これまで、植物しょくぶつ動物どうぶつふたつに大別たいべつされることがおおかったが、現在げんざいでは、それ以外いがいかんがかたもある。これらのあいだ動物どうぶつ定義ていぎ一定いっていではないが、一般いっぱんてき特徴とくちょうは、神経しんけい細胞さいぼうをもち、神経しんけいけい発達はったつし、感覚かんかく運動うんどうせいつことである。また、とくに、人類じんるいふくんだ哺乳類ほにゅうるいあるいはひと以外いがい獣類じゅうるいをいう場合ばあいもある。
    1. [初出しょしゅつ実例じつれい]「有情うじょう非情ひじょう動物どうぶつ植物しょくぶつどう平等びょうどう仏性ぶっしょう」(出典しゅってんせいれいしゅうろく(835ごろため式部しきぶりゅうすすむ願文がんもん)
    2. [その文献ぶんけん]〔しゅうあやかんだいつかさ
  3. うご物体ぶったい
    1. [初出しょしゅつ実例じつれい]「地球ちきゅうもっ不動ふどうなりとすれども、ほしより動物どうぶつならん」(出典しゅってん暦象れきしょう新書しんしょ(1798‐1802)じょう)

うごき‐もの【動物どうぶつ

  1. 名詞めいし 連歌れんが題材だいざいとなる動物どうぶつ総称そうしょう個々ここ動物どうぶつひゃくいんちゅういちだけむことができるが、ししと、その同類どうるいとはへだてなければならないなどの規定きていがある。
    1. [初出しょしゅつ実例じつれい]「いちへだたさんいちもの、〈りゃくむしあずかとりとりあずかしし此非同類どうるいいち動物どうぶつ」(出典しゅってん連理れんりしょう(1349))

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改訂かいてい新版しんぱん 世界せかいだい百科ひゃっか事典じてん動物どうぶつ」の意味いみ・わかりやすい解説かいせつ

動物どうぶつ (どうぶつ)
animal
Tier[ドイツ]

動物どうぶつとは,生物せいぶつべて独立どくりつ生活せいかつをする生物せいぶつ総称そうしょうで,分類ぶんるいがくじょう植物しょくぶつかいたいして動物界どうぶつかいAnimaliaを構成こうせいする。

動物どうぶつ植物しょくぶつもそのからだは,みず無機むきしお炭水化物たんすいかぶつ脂肪しぼうタンパク質たんぱくしつからなるが,消耗しょうもうした成分せいぶんおぎない,あたらしい組織そしきをつくるなど,生活せいかつ必要ひつようなエネルギーをるためには栄養分えいようぶん必要ひつようである。緑色みどりいろ植物しょくぶつ栄養分えいようぶんとしての炭水化物たんすいかぶつを,ひかりのエネルギーをもちいた炭酸たんさん同化どうか光合成こうごうせい)によって大気たいきちゅう二酸化炭素にさんかたんそみずからつくり能力のうりょくをもっている(独立どくりつ栄養えいよう)。これはみどりたいのなかでおこなう。ところが動物どうぶつは,このように無機質むきしつわせて有機ゆうきしつをつくる能力のうりょくをもたないから,栄養分えいようぶんとしての炭水化物たんすいかぶつタンパク質たんぱくしつは,複雑ふくざつ有機物ゆうきぶつ,つまり生物せいぶつ自身じしん生産せいさんぶつというかたちでなければれられない(従属じゅうぞく栄養えいよう)。すなわち動物どうぶつは,きるために植物しょくぶつ動物どうぶつべ,それを分解ぶんかいして自己じこ特有とくゆう物質ぶっしつえなければならない。

 植物しょくぶつ光合成こうごうせいおこなうために,みどりたいのあるえだひろげ,できるだけおおくの日光にっこうけとめるように進化しんかした。二酸化炭素にさんかたんそみず無機むきしおはどこにでもあるから,それらをるために移動いどうする必要ひつようはなく,地中ちちゅうをはって静止せいししていればよかった。ところが動物どうぶつは,食物しょくもつさがもとめてうごまわ必要ひつようがあった。もちろん動物どうぶつにも,サンゴ,カイメン,ウミユリのように移動いどうをしないものもあるが,それらはみずいてただよプランクトンべているためで,動物どうぶつとしては例外れいがいである。

 このように動物どうぶつ運動うんどうする必要ひつようがあるので,からだはやわらかく,自由じゆうげられなければならない。植物しょくぶつ細胞さいぼうつつんでいるのがセルロースからなるかた細胞さいぼうかべであるのにたいして,動物どうぶつ細胞さいぼうがやわらかい原形げんけいしつまくつつまれていることや,からだかべ内臓ないぞうあいだなどに体腔たいこうがあるのは,おそらくこのためであろう。からだは,移動いどう便利べんりたままたは楕円だえんちかかたちとなって,運動うんどう器官きかんすじ組織そしき支持しじ組織そしきなどで形成けいせいされたひれ,きゃくなど)と消化しょうか器官きかんちょうなど)が発達はったつし,それらの組織そしき酸素さんそ供給きょうきゅうするのに必要ひつよう呼吸こきゅうけい(えら,気管きかんはいなど)と循環じゅんかんけいあらわれ,運搬うんぱんやく血液けつえきなどとともに,それらはしだいに効率こうりつのよいものに改良かいりょうされていった。また,代謝たいしゃ最終さいしゅう産物さんぶつ体外たいがい排出はいしゅつする腎臓じんぞうのような排出はいしゅつ器官きかん発達はったつした。一方いっぽう食物しょくもつさがすのに必要ひつよう),触角しょっかくなどの感覚かんかく器官きかん神経しんけいけいおよびその中枢ちゅうすうであるのうあらわれ,のう発達はったつにつれて記憶きおく学習がくしゅう能力のうりょくがしだいにたかまり,直面ちょくめんした事態じたい判断はんだんし,推理すいりもとづいて行動こうどうするものさえもられるようになった。

 以上いじょうのような諸点しょてんで,動物どうぶつ植物しょくぶつ顕著けんちょことなっている。もちろん動物どうぶつ種々しゅじゅ方法ほうほう生殖せいしょくし,特殊とくしゅ生殖せいしょく器官きかん発達はったつするが,このてん基本きほんてきには植物しょくぶつことならない。しかしこのような動物どうぶつ植物しょくぶつちがいは,原生動物げんせいどうぶつ細菌さいきんなど,単細胞たんさいぼう下等かとう生物せいぶつではあきらかでないことがおおい。たとえば,原生動物げんせいどうぶつむち毛虫けむしるいには,植物しょくぶつのように独立どくりつ栄養えいようのものと,動物どうぶつのように従属じゅうぞく栄養えいようのものがみられ,動物どうぶつとも植物しょくぶつともつかないものがすくなくない。

現在げんざい地球ちきゅうじょう生息せいそく棲息せいそく)する動物どうぶつはきわめて多種たしゅ多様たようで,125まん以上いじょうたねられているが,いまだに研究けんきゅう十分じゅうぶんでない分野ぶんやすくなくないので,将来しょうらいその総数そうすうはおそらく200まんしゅ以上いじょうたっするであろう。

 動物どうぶつ化石かせき先カンブリア時代せんかんぶりあじだい末期まっきからも発見はっけんされているが,それらはきわめて不完全ふかんぜんである。しかしカンブリアになると,原生動物げんせいどうぶつゆうあなちゅう放散ほうさんちゅう海綿動物かいめんどうぶつのフツウカイメン(普通ふつう海綿かいめん),腔腸動物こうちょうどうぶつとげ動物どうぶつ)のクラゲ,とげがわ(きよくひ)動物どうぶつのウミユリ,ほしこう(ほしくち)動物どうぶつ軟体動物なんたいどうぶつたまきがた動物どうぶつ多毛たもうるい節足動物せっそくどうぶつさん葉虫はむしやっとこかく(きようかく)るいおよび甲殻こうかくるいなど,形態けいたいてきにはっきりことなったもん突然とつぜんあらわれるので,かくもんあいだ系統けいとうてき関係かんけい化石かせきをたどってたしかめることはほとんど不可能ふかのうである。したがってもんあいだ系統けいとう関係かんけいは,形態けいたい発生はっせいから推定すいていするほかない。このため,系統けいとう関係かんけいにはいくつかのことなったせつがあり,いまだに安定あんていするにいたっていない。以下いかは,動物どうぶつ進化しんか経路けいろ概略がいりゃくしめして,複雑ふくざつきわまりない動物界どうぶつかい単純たんじゅんしてしめそうとこころみたものである。しめしたたねすう現生げんなましゅ概数がいすう

 動物どうぶつかいには,個体こたい単一たんいつ細胞さいぼうからなり,偽足ぎそく(ぎそく)やむち繊毛せんもうなどで運動うんどうする単細胞動物たんさいぼうどうぶつと,からだ複数ふくすう細胞さいぼうからなる細胞さいぼう動物どうぶつがある。前者ぜんしゃ原生動物げんせいどうぶつかい後者こうしゃ後生ごしょう動物どうぶつかい分類ぶんるいされる。最近さいきんでは前者ぜんしゃ原生げんせい生物せいぶつかい後者こうしゃ動物界どうぶつかいとすることもおおい。

原生動物げんせいどうぶつかいには,むち毛虫けむしるい(ミドリムシ,ボルボックス),あしむしるい(アメーバ,ゆうあなちゅう),胞子ほうしむしるい胞子ほうしちゅう),繊毛せんもうむしるい(ゾウリムシ,ツリガネムシ)など多数たすうるいがある(3まんしゅ以上いじょう)。これらはそれぞれ,独立どくりつもんとされることもあるが,すべてをまとめて原生動物げんせいどうぶつもんとするのがふつうである。現在げんざいられる原生動物げんせいどうぶつは,どれも高度こうど進化しんかしたもので,単細胞たんさいぼうとはいえその構造こうぞうはきわめて複雑ふくざつで,後生ごしょう動物どうぶつ祖先そせんらしい原始げんしてきなものは見当みあたらない。

原生動物げんせいどうぶつ以外いがいのすべての動物どうぶつ一括いっかつして後生ごしょう動物どうぶつかいとする。後生ごしょう動物どうぶつは,原生動物げんせいどうぶつ原始げんしてきなものからかれたにちがいないが,どのようなプロセスで細胞さいぼう動物どうぶつになったのかあきらかでない。後生ごしょう動物どうぶつかいには体制たいせいことなったなかなま動物どうぶつがわせい動物どうぶつ真正しんしょう後生ごしょう動物どうぶつの3るいがある。

この範疇はんちゅう(はんちゆう)には,ちゅうせい動物どうぶつ海綿動物かいめんどうぶつふくまれる。

(1)ちゅうせい動物どうぶつもん タコなどの腎臓じんぞう寄生きせいするニハイチュウなど,やく80しゅからなる〈ちゅうせい動物どうぶつ〉は,からだがわ細胞さいぼうあつまってできた表層ひょうそうかんをつくり,そのなか生殖せいしょく細胞さいぼうつつんでいる。しかし食物しょくもつれるくちをもたないだけでなく,細胞さいぼう規則正きそくただしくならんで組織そしき構成こうせいすることもない。原生動物げんせいどうぶつ胞子ほうしむしるいきんえんで,それと真正しんせい後生ごしょう動物どうぶつ中間ちゅうかんのものではないかともいわれるが,寄生きせい生活せいかつのため組織そしき退化たいかした真正しんしょう後生ごしょう動物どうぶつひらたがた動物どうぶつちかい)ともられ,真相しんそうがよくわかっていない。

(2)がわせい動物どうぶつ 〈海綿動物かいめんどうぶつもん〉(カイメンやく9000しゅ)だけからなり,うみまたは淡水たんすい生息せいそく雌雄しゆう異体いたいまたは同体どうたいからだは2種類しゅるい細胞さいぼう(アメーバじょう細胞さいぼうえり細胞さいぼう)からなり,ふつうつぼじょう下端かたん他物たぶつ着生ちゃくせいする。上端じょうたん1個いっこだいあなたいかべには多数たすうしょうあながあり,中央ちゅうおう腔がある。からだかべは,アメーバじょう細胞さいぼうからなる外側そとがわかわそうと,えり細胞さいぼうからなる内側うちがわそう形成けいせいされ,それら2そう細胞さいぼうそうあいだあいだたかし(かんじゆう)ゲルでたされ,ほねへんがある。えり細胞さいぼうむちをもち,その運動うんどうみずしょうあなから腔にながれこみ,だいあなからそとる。えり細胞さいぼうは,みずとともに腔にはいってきた食物しょくもつをとらえて細胞さいぼうないれ,原生動物げんせいどうぶつのようにそのなか消化しょうかする。したがって,腔はじつでなく,だいあなくちではない。かわそうそう形成けいせいする細胞さいぼうたがいにゆるく集合しゅうごうしているだけで,しん組織そしき形成けいせいしない。かく細胞さいぼう刺激しげき感受性かんじゅせいをもつが,細胞さいぼうあいだ協同きょうどう作業さぎょうはまったくおこなわれず,個体こたいとしてのまとまりが貧弱ひんじゃくで,かたちおおきさが不安定ふあんていである。もちろん筋肉きんにく神経しんけい感覚かんかく細胞さいぼうなどもない。このるいは,原生動物げんせいどうぶつより一段いちだん進化しんかした状態じょうたいにあることはたしかであるが,真正しんしょう後生ごしょう動物どうぶつへの進化しんかいち過程かていしめすものとはかんがえられない。

このような動物どうぶつ真正しんせい後生ごしょう動物どうぶつという。いくつかの組織そしきあつまって,一定いっていはたらきをもつ器官きかん形成けいせいし,寄生きせい生活せいかつ体制たいせい退化たいかしたるいのぞけば,くち消化しょうかかんがある。原生動物げんせいどうぶつちゅうせい動物どうぶつがわせい動物どうぶつ以外いがいのすべての動物どうぶつふくみ,体制たいせいがきわめて変化へんかむが,放射ほうしゃ相称そうしょう動物どうぶつ左右さゆう相称そうしょう動物どうぶつ大別たいべつできる。

(1)からだ放射ほうしゃ相称そうしょう動物どうぶつ このような動物どうぶつ放射ほうしゃ相称そうしょう動物どうぶつという。腔腸動物こうちょうどうぶつもんゆうくし動物どうぶつもんからなり,もっとも原始げんしてき真正しんせい後生ごしょう動物どうぶつで,このるいからのこりのすべてのるいかれたのではないかとかんがえられている。〈腔腸動物こうちょうどうぶつもん〉はとげ動物どうぶつもんともいい,やく9000しゅよりなる。からだ放射ほうしゃ相称そうしょうで,からだかべそと胚葉はいよううち胚葉はいようの2そうからなり,うち胚葉はいようかこまれたはらちょう消化しょうか器官きかんの腔腸となり,うち胚葉はいよう細胞さいぼう細胞さいぼうない消化しょうかおこなう。腔腸は消化しょうかのほか,呼吸こきゅう排出はいしゅつ作用さようもする。原口はらぐち成体せいたいくちとなるが,肛門こうもんはなく,ちゅう胚葉はいようもない。しかしそと胚葉はいよう円柱えんちゅうじょう細胞さいぼうあいだには,感覚かんかく細胞さいぼう神経しんけい細胞さいぼうとげ細胞さいぼうなどがある。うみ,まれに淡水たんすい生息せいそく雌雄しゆう異体いたい。ヒドラ,イソギンチャク,サンゴなどのように海中かいちゅういわなどに固着こちゃくしているものと,クラゲのように浮遊ふゆうせいのものがある。クラゲのうごきをればあきらかなように,いくつかの筋肉きんにく統制とうせいのとれた運動うんどうをし,個体こたいとしてのまとまりがある。〈ゆうくし動物どうぶつもん〉はクシクラゲるいともいい,やく140しゅよりなる。うみせい雌雄しゆう同体どうたいとげ細胞さいぼうがなく,からだ放射ほうしゃ相称そうしょうでないが,そのてん腔腸動物こうちょうどうぶつによくている。

(2)からだ左右さゆう相称そうしょうとなり,一定いってい方向ほうこうすすむのにてきする動物どうぶつ 左右さゆう相称そうしょう動物どうぶつばれ,前記ぜんき以外いがいのすべての動物どうぶつふくみ,ちゅう胚葉はいようがある。からだ相称そうしょうめんひとつしかない左右さゆう相称そうしょうで,前後ぜんごはらべつがあり,ぜんはしには感覚かんかく器官きかんくちあつまっていることがおおく(あたま),一定いってい方向ほうこうすすむのにてきしている。ヒトデやウニの成体せいたい放射ほうしゃ相称そうしょうであるが,幼生ようせい左右さゆう相称そうしょうであるから,成体せいたい体型たいけいてき変形へんけいしたものとかんがえられる。ひらたがた動物どうぶつのぞけばつねにくち肛門こうもんがあり,消化しょうかした食物しょくもつ消化しょうかのものが消化しょうかかんのなかでこんじる不都合ふつごうがない。左右さゆう相称そうしょう動物どうぶつは,発生はっせいさいして放射ほうしゃ相称そうしょう動物どうぶつおな状態じょうたい(囊胚)をかならず経過けいかするので,後者こうしゃからかれて進化しんかしたものとかんがえられている。かれた時代じだいあきらかでないが,およそ10おくねんほどもむかしであったろう。左右さゆう相称そうしょう動物どうぶつには,はい原口はらぐち成体せいたいくちとなり,肛門こうもんべつにできるきゅうくち動物どうぶつと,成体せいたいくち原口はらぐちとはべつくちおちいから形成けいせいされ,肛門こうもん原口はらぐちまたはその付近ふきん形成けいせいされる新口にのくち動物どうぶつがある。これらは,それぞれ別個べっこ腔腸動物こうちょうどうぶつからかれて,たがいにことなった方向ほうこう進化しんかしていったものとかんがえられる。

(1)きゅうくち動物どうぶつ はい原口はらぐち成体せいたいくちになったるいで,先口せんくち動物どうぶつともいう。おおくは中枢ちゅうすう神経しんけいけいからだはらがわにあるので,はら神経しんけいるいともいう。たまきがた動物どうぶつ軟体動物なんたいどうぶつ節足動物せっそくどうぶつなど多数たすうもんふくまれ,の2るい大別たいべつできる。

からだぜんからだちゅうからだからだの3かれないもの 骨格こっかくがある場合ばあいは,そと骨格こっかくである。これは細胞さいぼう分泌ぶんぴつしたかた物質ぶっしつからなり,脊椎動物せきついどうぶつほねのようなきた組織そしきではない。

(a)体腔たいこうがないもの 〈ひらたがた動物どうぶつもん〉は寄生きせい生活せいかつのフタゴムシ,カンテツ,エキノコックス,ジョウチュウなどのほか自由じゆう生活せいかつのウズムシなど,やく1まん7000しゅがある。体制たいせい簡単かんたん肛門こうもんがない。そと胚葉はいよううち胚葉はいようあいだちゅう胚葉はいようからできたあいだたかしがあり,そこにある隙間すきま血液けつえきやリンパにはたらきをする体液たいえきがあるが,体腔たいこう体腔たいこう)はない。血管けっかんけいがないかわり,めくら囊のちょうからだ全体ぜんたいひろがっていて栄養えいようはこぶ。しばしばがある。雌雄しゆう同体どうたい,ときに異体いたい。〈きょくがた動物どうぶつもん〉はうち動物どうぶつともいい,スズコケムシやく150しゅよりなる。くち肛門こうもん排出はいしゅつあな生殖せいしょくあなかこ触手しょくしゅかんむりがあり,ゆうおおくはぐんたいをつくってうみ淡水たんすいにすむ。〈ひもがた動物どうぶつもん〉はヒモムシともばれ,やく1400しゅよりなる。表皮ひょうひ筋肉きんにくそう血管けっかんがあり,おおくは海産かいさん(まれに淡水たんすい陸生りくせい)で伸縮しんしゅく自在じざいな吻(ふん)をながくのばして獲物えもの捕食ほしょくする。この2もんひらたがた動物どうぶつきんえんなものとおもわれる。〈線形せんけい動物どうぶつもんまたはふくろがた動物どうぶつもん〉には寄生きせい生活せいかつギョウチュウ,カイチュウ,糸状いとじょうちゅう(フィラリア),センモウチュウ旋毛せんもうちゅう),ジンチュウ(じんちゅう)などのほか,うみ淡水たんすいりく自由じゆう生活せいかつをするワムシ,イタチムシ,センチュウ(せんちゅう)などやく2まん4000しゅからだながひもじょうで,クチクラのそとかぶとがある。ちょうはまっすぐからだつらぬき,肛門こうもんそう排出はいしゅつこうわり,体腔たいこうは,ひらたがた動物どうぶつあいだたかしられる隙間すきま合一ごういつしてできたいち体腔たいこうで,しん体腔たいこうではない。雌雄しゆう異体いたいである。腔腸動物こうちょうどうぶつちか原始げんしてきなものとも,また体腔たいこう動物どうぶつ退化たいかしたものともいわれ,系統けいとうがはっきりしない。イタチムシをはら動物どうぶつもん,ワムシを輪形りんけい動物どうぶつもんハリガネムシるい線形せんけい動物どうぶつもん,トゲカワをどう動物どうぶつもんなどと細分さいぶんすることがおおい。

(b)ちゅう胚葉はいようかこまれた体腔たいこう体腔たいこう)ができ,からだげやすくなっているもの おおくは外套がいとう(がいとう)まくからの分泌ぶんぴつぶつ形成けいせいされたからがあり,やわらかいからだ保護ほごする。〈軟体動物なんたいどうぶつもん〉はいたるい(ヒザラガイ),腹足類ふくそくるい巻貝まきがい),あしるい(ツノガイ),二枚貝にまいがいるいおのあしるい),とうあしるい(イカ,タコ)など,うみ淡水たんすいろく生息せいそくするやく7まんしゅふくまれる。二枚貝にまいがいるいでは頭部とうぶ退化たいかしているが,のものには頭部とうぶがあり,そこにくち重要じゅうよう感覚かんかく器官きかんがある。開放かいほう血管けっかんけいがあり,心臓しんぞう体腔たいこうかこえこころ腔)にかこまれる。水生すいせいのものはえらで呼吸こきゅうするが,陸生りくせいのものは外套がいとうまく一部いちぶ変化へんかしたはい呼吸こきゅうする。雌雄しゆう異体いたい,または同体どうたいおおくのものではせい細胞さいぼうかこえこころ腔のなかにあり,繊毛せんもうろうと(漏斗ろうと)をとおってそとるが,このてんたまきがた動物どうぶつひとしい。腎臓じんぞうじんかんであること,トロコフォラ幼生ようせいとらせんたまごわりられることもたまきがた動物どうぶつによくているので,これらはきんえん関係かんけいにあるとかんがえられる。あたまあしるいは,脊椎動物せきついどうぶつとしての進化しんかのほとんど頂点ちょうてんたっしている。すなわち,循環じゅんかんけいだい部分ぶぶん閉鎖へいさてきで,食道しょくどうかこおおきなのうがあり,はレンズで,構造こうぞう性能せいのう脊椎動物せきついどうぶつによくている。血管けっかんけいのない〈ほしこう動物どうぶつもん〉(ホシムシるいやく140しゅうみせい)と,閉鎖へいさ血管けっかんけいをもつ〈ユムシ動物どうぶつもん〉(ユムシるいやく145しゅうみせい)は,せい細胞さいぼうはこじんかん幼生ようせい形態けいたいからて,軟体動物なんたいどうぶつたまきがた動物どうぶつ中間ちゅうかん位置いちするものとかんがえられる。

(c)体腔たいこうがあるてん軟体動物なんたいどうぶつひとしいが,からだからだぶしかれ,表面ひょうめんかたそと骨格こっかくでまもられていて,あしはあってもごくみじかいもの 〈たまきがた動物どうぶつもん〉はゴカイ,ミミズ,ヒルなど,やく1まん4000しゅ以上いじょうよりなる。うみ淡水たんすいりく自由じゆう生活せいかつをするものがおおいが,寄生きせいせいのものもある。からだひもじょうながく,からだぶしかれている。頭部とうぶ以外いがいからだぶしは,たがいによくていて,それぞれに1つい体腔たいこう神経しんけいぶしおよびじんかんがある。ちょうはまっすぐなかんで,くち頭部とうぶはらがわに,肛門こうもんからだ後端こうたんにある。血管けっかんけい完全かんぜん閉鎖へいさされ,血液けつえき細胞さいぼうには呼吸こきゅう物質ぶっしつクロロクルオリンまたはヘモグロビン)がある。前進ぜんしんは,表皮ひょうひにある剛毛ごうもうと,体側たいそくにあるいぼじょうあし(いぼあし)でおこなう。雌雄しゆう異体いたいまたは同体どうたい。ミミズは毛細管もうさいかんで,ヒルは皮膚ひふ呼吸こきゅうする。ゴカイにはレンズをもったものがある。このるいは,外形がいけい顕著けんちょことなるが,軟体動物なんたいどうぶつきんえんかんがえられる。水辺みずべのコケのなかなどにすむ微小びしょうなクマムシるいなる動物どうぶつもん〉(やく110しゅ)は,つめをそなえた4ついのごくみじかあしあるく。呼吸こきゅう器官きかん循環じゅんかん器官きかんはない。陸生りくせい肉食にくしょく脊椎動物せきついどうぶつ寄生きせいする〈したがた動物どうぶつもん〉(シタムシるいやく60しゅ)も4ついあしをもつが,そのうちの2ついはふつう退化たいかする。これらはたまきがた動物どうぶつ節足動物せっそくどうぶつ中間ちゅうかんのものであろう。熱帯ねったい湿地しっち生息せいそくする〈ゆうつめ(ゆうそう)動物どうぶつもん〉(カギムシるい,120しゅ)は,だったあたまぶしがなく,からだ分節ぶんせつ同質どうしつてきで,いぼあしふしがないなどのてんたまきがた動物どうぶつひとしいが,いぼあし先端せんたんにはつめがあり,体腔たいこういちがいっしょになった混成こんせい体腔たいこうで,キチンせいのクチクラ(そと骨格こっかく)をもち,原始げんしてき気管きかんがあるなどのてん節足動物せっそくどうぶつひとしく,後者こうしゃ祖先そせんちかいものとかんがえられる。

(d)ふしのあるながあしができて歩行ほこう自由じゆうになり,感覚かんかく器官きかん発達はったつするもの 〈節足動物せっそくどうぶつもん〉はからだからだぶし一部いちぶ合一ごういつして,頭部とうぶ胸部きょうぶ腹部ふくぶなどとなり,あしあし)はながくのびておおくの可動かどうせいふしかれ,先端せんたんにはつめがあってあるくのにてきする。からだ表面ひょうめんはキチンせいのクチクラでおおわれる(キチン骨格こっかく)。心臓しんぞうなが管状かんじょうで,感覚かんかく器官きかんとしては,このるい固有こゆうの1つい複眼ふくがん発達はったつするほか,たいてい単眼たんがん触角しょっかくなどがある。のうぜん大脳だいのうちゅう大脳だいのう大脳だいのうかれる。触角しょっかくとあごがないふしこう(せつこう)つな(カブトガニ,やく5しゅうみせい),蛛形(ちゆけい)つな(サソリ,クモ,ダニなど,やく8まん5000しゅ陸生りくせい)およびみなあし(かいきやく)つな(ウミグモ,やく1200しゅうみせい),たいをなしたはさみじょううえあご(だいあご)をもつ甲殻こうかくつな(ミジンコ,フジツボ,エビ,カニなど,やく4まん8000しゅうみ淡水たんすい水辺みずべ),気管きかん呼吸こきゅう多数たすうあしがあるあしじょうつな(ムカデ,ヤスデなど,1まん3500しゅ陸生りくせい),おなじく気管きかん呼吸こきゅうするが,あしが3たい(6ほん)しかない昆虫こんちゅうつなやく95まんしゅ以上いじょう100まんしゅえるともいわれる)がある。昆虫こんちゅうるい地上ちじょうのあらゆる環境かんきょう進出しんしゅつし,そのおおくが2ついの翅を獲得かくとくして空中くうちゅうにまで生活せいかつけんひろげた。またシロアリ,アリ,ハチなどのように,社会しゃかい生活せいかつをするものもられる。気管きかんけいは翅のなかにまでひろがり,全身ぜんしんにくまなく酸素さんそおくるが,そのかわり血管けっかんけい退化たいかしている。節足動物せっそくどうぶつは,種類しゅるいすうにおいてぜん動物どうぶつ半分はんぶん,あるいはそれ以上いじょうめ,うみ淡水たんすいりくのあらゆる環境かんきょうさかえている。

からだぜんからだちゅうからだからだの3かれるもの 細胞さいぼうないにできたうち骨格こっかくられ,このてん原始げんしてき新口にのくち動物どうぶつている。おなじくきゅうくち動物どうぶつである。〈触手しょくしゅ動物どうぶつもん〉がこれにぞくし,うみせいのホウキムシるいホウキムシつなやく10しゅ),コケムシるいそと肛綱,やく5000しゅ)およびシャミセンガイるいうであしつなやく380しゅ)をふくむ。これらはそれぞれ,べつもんとされることもあるが,どれも固着こちゃくせい原始げんしてききゅうくち動物どうぶつで,くち触手しょくしゅたかり(触手しょくしゅかんむり)の外側そとがわ肛門こうもんがある。触手しょくしゅかんむりは,ちゅうたい上皮じょうひ細胞さいぼうちゅうにできる軟骨なんこつじょううち骨格こっかくささえられる。こうからだふくろじょうかんまたはからのなかにぶらがっている。繊毛せんもうをもった触手しょくしゅは,食物しょくもつのプランクトンだけでなく,酸素さんそふくんだみずをもくちおくる。からだが3かれること,うち骨格こっかくができる傾向けいこうられることなどは原始げんしてき新口にのくち動物どうぶつひとしいから,このるいは,きゅうくち動物どうぶつ新口にのくち動物どうぶつ分岐ぶんきてんちかくに位置いちするものとかんがえられる。最古さいこ化石かせきやく6おくねんまえのカンブリア下部かぶからられるが,現在げんざい形態けいたいがほとんどちがっていない。

(2)新口にのくち動物どうぶつ はい原口はらぐち成体せいたい肛門こうもんになり,くちてきにできるるいで,からだは3かれ,しん体腔たいこう体腔たいこう)がある。骨格こっかくができる場合ばあいは,きているかた組織そしき形成けいせいされたうち骨格こっかくで,そと骨格こっかくはない。

血管けっかんけいがないもの ヤムシるいやく110しゅよりなる〈もうあご動物どうぶつもん〉は,からだ左右さゆう相称そうしょう頭部とうぶどうの3からなり,神経しんけいけいはらがわにあり,呼吸こきゅう排出はいしゅつがない。はい原口はらぐち位置いち成体せいたい肛門こうもんがあるが,発生はっせい触手しょくしゅ動物どうぶつている。ヒトデ,ウニ,ウミユリ,ナマコなど,やく7400しゅからなる〈棘皮動物きょくひどうぶつもん〉は,からだ放射ほうしゃ相称そうしょうであるが,腔腸動物こうちょうどうぶつ放射ほうしゃ相称そうしょうとはちがっててきわったもので,幼生ようせいには左右さゆう相称そうしょう時期じきがある。そと胚葉はいようしたにある結合けつごう組織そしきちゅううち骨格こっかくがある。血管けっかんけいはなく,そのかわり呼吸こきゅう循環じゅんかん運動うんどう関係かんけいした特有とくゆうみずかんけいがある。神経しんけいけいには中枢ちゅうすうのう)がない。最古さいこ化石かせきはカンブリアからられる。

血管けっかんけいができ,神経しんけいけいがわにあるもの 〈ゆうひげ(ゆうしゆ)動物どうぶつもん〉はヒゲムシのるいやく160しゅからだは3かれ,ぜんからだ多数たすう触手しょくしゅがあり,呼吸こきゅう食物しょくもつ摂取せっしゅをする。くちちょう発生はっせい初期しょきにはあるが,のちになくなる。血管けっかんけい心臓しんぞうがあり,神経しんけいけいがわにある。体腔たいこうはんさく動物どうぶつおなじく,かくからだかれている。ギボシムシなどやく95しゅからなる〈はんさく動物どうぶつもん〉は,からだぜんからだ(吻),ちゅうたいえり),こうからだはらまたは)の3かれ,ぜんからだにはたいの,ちゅうからだこうからだにはそれぞれ1つい体腔たいこうがある。くちちょうがあり,呼吸こきゅう脊索せきさく動物どうぶつ同様どうようぜんちょうにできたえらきれ(さいれつ)でおこなう。血管けっかんけい心臓しんぞうがあり,主部しゅぶはらがわ位置いちし,神経しんけいけいはらがわにもあるが,主部しゅぶがわのものである。

からだがわからだ左右さゆうにくねらせて運動うんどうするのにてきした脊索せきさくができるもの 〈脊索せきさく動物どうぶつ〉がこれにぞくする。のこりの動物どうぶつ全部ぜんぶふくるいで,ホヤ,ナメクジウオからヒトまでがはいり,すくなくとも発生はっせい途中とちゅうではつぎのような特徴とくちょうしめす。細胞さいぼうでできた弾力だんりょくせいのある棒状ぼうじょう脊索せきさくがあって,中軸ちゅうじく骨格こっかくやくをする。脊索せきさく両側りょうがわには多数たすうすじぶしがあり,これらを収縮しゅうしゅくさせ,からだ左右さゆうにくねらせて前進ぜんしんする。しかし脊索せきさくは,おおくの高等こうとうるいでは,発生はっせい途中とちゅう脊椎せきついえられる。中枢ちゅうすう神経しんけい脊索せきさくがわにあり,中空なかぞら管状かんじょうげやすくわっている。ぜんちょうえらきれちゅう胚葉はいようつつまれた体腔たいこう,ほんとうの肛門こうもんよりうしろの部分ぶぶん)がある。このるいは,このように多数たすう重要じゅうよう特徴とくちょう共有きょうゆうするため,単一たんいつもん脊索せきさく動物どうぶつもん〉とされることがある。しかし,これらをふたつのもんける見解けんかいもあり,ここでは後者こうしゃしたがっておく。

(a)はっきりしたあたまがなく,からだどうかじじょうからなり,軟骨なんこつまたは硬骨こうこつ脊柱せきちゅう頭骨とうこつはないもの 〈はらさく動物どうぶつもん〉がふくまれ,これに脊索せきさく幼生ようせいにしかない囊(ひのう)もんと,脊索せきさく成体せいたいにもあり,からだ全長ぜんちょうにわたっているあたまさく(とうさく)もんがある。囊亜もんはオタマボヤ,ホヤ,サルパのるいで,やく2500しゅがあり,うみせい血管けっかん開放かいほうせいくちからはいったみずえらきれから体外たいがいし,呼吸こきゅうをすると同時どうじにプランクトンをとらえてべるろ過食かしょくしゃである。雌雄しゆう同体どうたいあたまさくもんあたまるいともいい,ナメクジウオやく35しゅがある。うみせい神経しんけいかんぜんはしひろがってのう胞となるが,これはほんとうののうではない。赤血球せっけっきゅうがない。前者ぜんしゃおなじくろ過食かしょくしゃであるが,雌雄しゆう異体いたいで,てんがある。

(b)軟骨なんこつまたは硬骨こうこつ脊柱せきちゅう頭骨とうこつができてのうつつはレンズで,ヘモグロビンをふくんだ赤血球せっけっきゅうができて酸素さんそはこ能率のうりつたかまるもの 〈脊椎動物せきついどうぶつもん〉がこれにぞくする。これにはつぎのような進化しんか段階だんかいことにする現生げんなまつながあり,これらは魚類ぎょるい四足しそく動物どうぶつの2じょうつな整理せいりされる。なお魚類ぎょるい両生類りょうせいるいは,はいひつじまくができないので一括いっかつしてひつじまくるいばれることがあり,ふつう体外たいがい受精じゅせいである。爬虫類はちゅうるい鳥類ちょうるい哺乳類ほにゅうるいの3つなは,はいひつじまく保護ほごされるのでゆうひつじまくるいばれ,終生しゅうせい空気くうき呼吸こきゅうで,体内たいない受精じゅせいである。鳥類ちょうるい哺乳類ほにゅうるい恒温こうおんせいで,心臓しんぞうは2心房しんぼう2心室しんしつよりなる。

(イ)魚類ぎょるい 水生すいせいでひれとえらがあり,あしがない。そのうちあご(むがく)つなヤツメウナギなど,やく45しゅからなる。うみ淡水たんすいせいであごがなく,鼻孔びこう1個いっこたいひれ(ついき)はない。原則げんそくとしてろ過食かしょくせいで,表皮ひょうひせい角質かくしつ以下いかのものには可動かどうせいうえあごとしたあごがあり,真皮しんぴせいをそなえ,鼻孔びこうが2たいひれが2たいある。軟骨なんこつぎょつなはサメ,エイなど,やく900しゅからなる。うみせい骨格こっかく軟骨なんこつせいえらぶた(さいがい)がなくえらきれ露出ろしゅつする。ろ過食かしょくせいでなく,おもに遊泳ゆうえい動物どうぶつ捕食ほしょくする。硬骨魚こうこつぎょつなは,チョウザメ,ウナギ,アユ,シーラカンス肺魚はいぎょなど,やく2まん4000しゅふくまれる。前者ぜんしゃるが骨格こっかく硬骨こうこつわり,えらぶたがある。うみから淡水たんすいまで生息せいそくけんひろげている。

(ロ)四足しそく動物どうぶつ 成体せいたい空気くうき呼吸こきゅうで,四肢ししをもち,あごがある。骨格こっかく硬骨こうこつせいおおくは鼓膜こまくがある。両生りょうせい(棲)つなはイモリ,カエル,アシナシイモリなど,やく4500しゅふくむ。幼生ようせい淡水たんすいせいでえらで呼吸こきゅうするが,成体せいたいおおくは陸生りくせいはい空気くうき呼吸こきゅうし,たいひれ四肢ししわって陸上りくじょう歩行ほこうてきする。爬虫つなはカメ,トカゲ,ヘビ,ワニなど,やく6000しゅからなる。おおくは陸生りくせいだが,淡水たんすいうみにも生息せいそくする。からのあるたまご陸上りくじょうみ,へんゆたかせい中耳ちゅうじ小骨こぼね1個いっこからだ表皮ひょうひせいのうろこでおおわれる。とりつなは,ダチョウ,ペンギン,カモメ,キジ,スズメなど,やく8600しゅふくむ。中耳ちゅうじ小骨こぼね1個いっこうえあごとしたあごがかたこつ(ほうこつ)と関節かんせつこつ関節かんせつし,しもあごが数個すうこほねでできているなど,爬虫類はちゅうるいるが,前肢ぜんしつばさになり,皮膚ひふがうろこの変化へんかしてできたはねでおおわれる。現生げんなまのものにはがない。卵生らんせいで,をつくり,ひなそだてる。哺乳ほにゅうつなは,カモノハシ,カンガルー,サル,ウシなど,やく4500しゅよりなる。したあごはこつだけでできていて,うえあごのうろここつ(りんこつ)と関節かんせつする。かたこつ関節かんせつこつくわわって中耳ちゅうじ小骨こぼねが3になり,内耳ないじほねせい迷路めいろ蝸牛かぎゅうから(かぎゆうかく)となり,コルチ発達はったつして,聴覚ちょうかくするどくなった。コウモリ,トガリネズミ,イルカなどではちょう音波おんぱ声帯せいたいからはっして方向ほうこう探知たんちおこなう。また,鼻腔びこう(びこう)ができ,おおくのものでは嗅覚きゅうかく(きゆうかく)がするどい。ほとんどのものが胎生たいせいで,乳腺にゅうせんから分泌ぶんぴつする乳汁にゅうじゅうそだてる。皮膚ひふには汗腺かんせんにおいせんができる。大脳だいのうからだおおきさにくらべきわめておおきいだけでなく,記憶きおく思考しこうなどの精神せいしん作用さようをつかさどるしん皮質ひしつがその表面ひょうめんをほとんどおおい,いわゆる知能ちのうたかい。分化ぶんかするなど,器官きかんけい極度きょくど発達はったつし,体制たいせい動物どうぶつちゅうもっとも複雑ふくざつである。

 脊椎動物せきついどうぶつ化石かせきおおく,系統けいとう発生はっせいがほぼ完全かんぜんちかいまで解明かいめいされている。最古さいこあごるいはオルドビス前期ぜんきあらわれ,これから絶滅ぜつめつしたいたがわ(ばんぴ)つな(あごがあり,からだ前半ぜんはん骨質こっしつかぶとでおおわれる。骨格こっかく一部いちぶ骨質こっしつ)がシルルかれ,デボンさかえた。軟骨なんこつ魚類ぎょるい硬骨魚こうこつぎょるいは,まれたばかりのいたかわるいからシルルにほぼ同時どうじかれたと推定すいていされるが,最古さいこ化石かせき硬骨魚こうこつぎょるいがシルル後期こうき軟骨なんこつ魚類ぎょるいはデボン紀中きちゅうにならないとられない。両生類りょうせいるいはデボン後期こうきに,原始げんしてき硬骨魚こうこつぎょるい肺魚はいぎょるい)からかれ,爬虫類はちゅうるい石炭せきたん紀中きちゅうに,原始げんしてき両生類りょうせいるいセイモウリアから,鳥類ちょうるいさんじょう後期こうきに,爬虫類はちゅうるいなか恐竜きょうりゅうとワニの共通きょうつう先祖せんぞからかれたと推定すいていされるが,最古さいこ化石かせきジュラ紀じゅらき後期こうき始祖しそとりられるにすぎない。哺乳類ほにゅうるいさんじょう後期こうき爬虫類はちゅうるいなかたんゆみるいからかれたらしく,さんじょうまつ最古さいこ哺乳類ほにゅうるいエオゾストロドンがあらわれている。しかし,たんゆみるい石炭せきたん後期こうきはやくも爬虫類はちゅうるいかれて別個べっこ進化しんか経路けいろっているから,たんゆみるい原始げんしてき哺乳類ほにゅうるいだとかんがえることもできる。
執筆しっぴつしゃ

いかなる民族みんぞくも,さまざまの動物どうぶつ比喩ひゆ使つかってことわざや寓話ぐうわをつくりあげている。なに種類しゅるいもの動物どうぶつ登場とうじょうする《イソップ物語ものがたり》がそのもっとも代表だいひょうてきれいである。しかしそうした雑多ざった動物どうぶつイメージの使用しようになんらかの法則ほうそくせいはないものだろうか。ヨーロッパにかんするかぎいちおうのような傾向けいこうせいもとづいて,動物どうぶつイメージが変化へんかしていったとかんがえることができる。すなわちまず鹿しかのシンボルであり,いでひつじのシンボル,それから牛馬ぎゅうばのシンボルといった順序じゅんじょでの変化へんかである。そしてそれらのシンボルの移行いこうは,ヨーロッパじん狩猟しゅりょう段階だんかいから牧畜ぼくちく段階だんかいいで農業のうぎょう段階だんかい移行いこうしたことに対応たいおうする。つまり狩猟しゅりょう段階だんかいには鹿しかのイメージが,牧畜ぼくちく段階だんかいにはひつじのイメージが,農業のうぎょう段階だんかいには牛馬ぎゅうばのイメージが対応たいおうするわけである。

 実際じっさい,デンマーク,ゴネスドロブの泥炭でいたんぬまから出土しゅつどしたぎんめっきのどうだいはちにはいろいろのもり動物どうぶつかこまれて鎮座ちんざする〈かくのあるかみ〉がレリーフでえがかれているが,これは鹿しかかくをもつ神像しんぞうであり,ケルトじん崇拝すうはいしていたものである。またパリのノートル・ダムだい聖堂せいどう真下ましたから発掘はっくつされた祭壇さいだんいしにも,Cernunnos(ラテン語らてんごで〈かくあるもの〉の)のめいとともに,やはり2ほん鹿しかかくやした神像しんぞうきざまれている。そしてこれもキリスト教きりすときょう布教ふきょう以前いぜんにケルトじんあいだ崇拝すうはいされていたかみ姿すがたである。そしてこれらのゆうかくしんは,ギリシア神話しんわはんしししんパンなどのイメージとふくあわしながら,やがてキリスト教きりすときょう文化ぶんかした悪魔あくまとして零落れいらくしていくことになる。その場合ばあい鹿しかとともに山羊やぎのイメージも付与ふよされた。

 つぎキリスト教きりすときょうではこのんでひつじのシンボルが使つかわれる。ひつじ主人しゅじん従順じゅうじゅん動物どうぶつとして,かみおよびキリストに信仰しんこうをささげるキリスト教徒きりすときょうとのシンボルとされる。しかしキリスト教きりすときょう文化ぶんかけんではたんひつじ信者しんじゃのシンボルに使つかうだけでなく,ひつじをめぐるさまざまのイメージぐん総動員そうどういんして,キリストきょうてき世界せかい構造こうぞう総体そうたい表現ひょうげんしようとするこころみがなされた。すなわち,ひつじ信者しんじゃのシンボルとすれば,ひつじいは信者しんじゃ保護ほごをつとめとする聖職せいしょくしゃ,そしてその聖職せいしょくしゃつかさまきにんさづけるキリストのシンボルとなる(ひつじ)。キリスト自身じしんしょうひつじにたとえられることもあり,〈かみしょうひつじLamb of God〉はキリストの称号しょうごうひとつである。またひつじまもがこいは教会きょうかいのシンボルとなった。さらにそうしたひつじおそいかかってるオオカミは,キリスト教徒きりすときょうと教会きょうかいから離脱りだつさせ,ことなった教団きょうだんへと誘惑ゆうわくする異端いたんのシンボルとなり,そうしたオオカミと身体しんたいってたたかい,ひつじいおよびひつじたちのために全力ぜんりょくくす牧羊ぼくようけんは,異端いたん撲滅ぼくめつのための説教せっきょう修道しゅうどう十字軍じゅうじぐん戦士せんしのシンボルとなった。そのもっとも典型てんけいてき図像ずぞう表現ひょうげんフィレンツェ,サンタ・マリア・ノベラのフレスコであろう。そこにはカタリ説教せっきょうするドミニクスとともに,ひつじ,オオカミ,牧羊ぼくようけんえがかれている。ひつじキリスト教徒きりすときょうとの,オオカミがカタリの,そして牧羊ぼくようけんがドミニコかい寓意ぐういであることはいうまでもない。

 キリスト教徒きりすときょうとはやがてひつじだけでなく,うし使つかってたとえられるようになる。16世紀せいきころのヨーロッパの絵本えほんには,うし牧場ぼくじょうびはねており,そこに天上てんじょうからかみの2ほんがのばされ,一方いっぽうはむちをにぎり,もう一方いっぽう香油こうゆのつぼをもっているといったたぐいの図柄ずがらがしばしば見受みうけられる。これはむちによるらしめと,香油こうゆによる鎮痛ちんつう,癒(いや)しということを意味いみしており,キリスト教徒きりすときょうとたいするかみ権威けんい慈愛じあい両方りょうほう象徴しょうちょうしたものである。このようにキリスト教徒きりすときょうとをたとえるのに,ひつじよりはうしこのんで使つかわれだしたということは,うしのほうがひつじよりからだおおきくてちからつよく,ときには反抗はんこうてきであることからみて,近代きんだいにおける人間にんげんかみたいする自立じりつ暗示あんじしているのかもしれない。

 つぎにヨーロッパにおけるうまのもつイメージであるが,ヨーロッパ中世ちゅうせいではうま一方いっぽうでは騎士きし乗物のりものであり,それゆえ力強ちからづよく,しかも高貴こうき存在そんざいとされた。しかし他方たほうではうま農民のうみん,とくに富農ふのう所有しょゆうぶつであり,すきこう(りこう)にさいしてはうしくらべてはるかにスピーディでありちからにおいてもっていた。それゆえはまた強力きょうりょくなエネルギーのシンボルだったのである。さてこうした強力きょうりょくうま近代きんだい蒸気じょうき機関きかん出現しゅつげん結果けっか無用むよう存在そんざいとなる。とはいえ,蒸気じょうき機関きかんのみならず電力でんりょく使つかうモーターにいたるまでその出力しゅつりょくなに馬力ばりき馬力ばりき文字もじどおり英語えいごのhorse powerの直訳ちょくやく)であるなどといわれるのは,人間にんげんうまのエネルギーを使つかっていたことの記憶きおくからくるのである。西にしヨーロッパ世界せかい世界中せかいじゅう最初さいしょにしかもスムーズに農業のうぎょう社会しゃかいから工業こうぎょう社会しゃかいへと移行いこうしたのであるが,それは西にしヨーロッパの農業のうぎょう人力じんりきたよらず,牛馬ぎゅうばちからたよっていたからであり,蒸気じょうき機関きかん発明はつめいは,牛馬ぎゅうばよりももっと便利べんり強力きょうりょく動力どうりょくげんつけだそうとした努力どりょくのあらわれだったといえよう。本来ほんらい騎乗きじょう意味いみするrideや,家畜かちくったり馬車ばしゃることを意味いみするdriveが,自動車じどうしゃなどにも使つかわれること,機関きかんしゃをiron horse(てつうま)ということなどにはそのあいだ事情じじょうがうかがえる。なお,うまはプラトンからS.フロイトにいたるまで情欲じょうよくのシンボルとしてもかんがえられてきた。仏教ぶっきょうにも〈意馬心猿いばしんえん〉ということばがあって統制とうせいしがたい私欲しよくのたとえとする。

 ヨーロッパ以外いがい地域ちいきでも,狩猟しゅりょう生活せいかつ牧畜ぼくちく生活せいかつ農業のうぎょう生活せいかつおうじて,それに対応たいおうする動物どうぶつイメージがまれてくる。たとえば中国ちゅうごくでは,狩猟しゅりょうかんしては,〈中原なかはら鹿しかを逐(お)う〉という表現ひょうげんがあり,牧畜ぼくちくかんしては,〈みんまきするはひつじまきするとことならず〉ということばがある。そして日本にっぽんには〈牛馬ぎゅうばこなこつ〉といういいかたがある。しかし中国ちゅうごくはともかくとして日本にっぽん過去かこにおいて牧畜ぼくちくになじみがうすかったので,当然とうぜんのこととして牧畜ぼくちくイメージは皆無かいむちかい。そのかわり日本にっぽんには狩猟しゅりょうイメージがゆたかであり,鹿しかいのしし神格しんかくされたり,使つかわしめとなったりした。しかし鹿しかいのししのイメージも狩猟しゅりょう段階だんかいから農業のうぎょう段階だんかいうつるにつれて変化へんかし,たとえば京都きょうと北桑田きたくわだぐん諏訪すわ神社じんじゃでのかり神事しんじでは,神主かんぬし氏子うじこ実際じっさいりをおこな獲物えものかみそなえるのにたいし,京都きょうと松尾まつお神社じんじゃでの追上おいあげの神事しんじいのしし鹿しかさとからやまかえすだけのものとなっている。
執筆しっぴつしゃ


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日本にっぽんだい百科全書ひゃっかぜんしょ(ニッポニカ)動物どうぶつ」の意味いみ・わかりやすい解説かいせつ

動物どうぶつ
どうぶつ
animal 英語えいご
animal フランス語ふらんすご
Tier ドイツ

生物せいぶつみっつのさかい大別たいべつしたとき、植物しょくぶつかいきんかいたい動物界どうぶつかい構成こうせいする一群いちぐんをいう。現在げんざい地球ちきゅうじょうには100まん~150まんしゅもの動物どうぶつ生存せいぞんしており、形態けいたい生活せいかつ様式ようしき多種たしゅ多様たようである。今後こんごさらに探究たんきゅうされつづければ、すくなくとも100まんしゅ動物どうぶつあらたに発見はっけんされるであろうといわれている。

江上えがみ信雄のぶお島田しまだ義也よしや

動物どうぶつ特性とくせい

動物どうぶつ特徴とくちょうを、植物しょくぶつとの対比たいひでみてみると、つぎのようなものがあげられる。〔1〕栄養えいよう 植物しょくぶつ光合成こうごうせい窒素ちっそ固定こていによって無機むき分子ぶんしから有機物ゆうきぶつをつくりだしエネルギーげんとするが(独立どくりつ栄養えいよう)、動物どうぶつはこのような能力のうりょくをもたず、植物しょくぶつ動物どうぶつのつくりだした有機物ゆうきぶつえさ(えさ)として摂取せっしゅする(従属じゅうぞく栄養えいよう)。〔2〕運動うんどう 動物どうぶつ運動うんどう器官きかんむち(べんもう)、繊毛せんもう筋肉きんにく骨格こっかく)と神経しんけいをもち自由じゆううごくことができる。〔3〕感覚かんかく 動物どうぶつ外界がいかいからの刺激しげきかんずる受容じゅようをもつ。〔4〕器官きかん 動物どうぶつは、からだ各部かくぶ消化しょうか排出はいしゅつ呼吸こきゅう循環じゅんかん運動うんどう内分泌ないぶんぴつ神経しんけい感覚かんかく免疫めんえきなどのしょ器官きかん分化ぶんかしている。〔5〕細胞さいぼうかべ 植物しょくぶつ細胞さいぼうはセルロースの細胞さいぼうかべをもつが、動物どうぶつ細胞さいぼうにはない。〔6〕炭水化物たんすいかぶつ 動物どうぶつ細胞さいぼう炭水化物たんすいかぶつをグリコーゲンのかたちたくわえるが、植物しょくぶつ細胞さいぼうはデンプンのかたちたくわえる。〔7〕細胞さいぼう分裂ぶんれつ 動物どうぶつ細胞さいぼうまわりがくびれて2細胞さいぼう分裂ぶんれつするが、植物しょくぶつ細胞さいぼう細胞さいぼうばんによって仕切しきられる。

 一般いっぱんにはこのように、栄養えいよう運動うんどう感覚かんかく器官きかんのほか、細胞さいぼうレベルでも〔5〕~〔7〕のような特徴とくちょうみとめられる。しかし例外れいがいすくなくない。オジギソウは感覚かんかくをもち運動うんどうおこなうのにたいし、海綿動物かいめんどうぶつではあまり顕著けんちょではない。また、ミドリムシはむちをもち運動うんどうせいむが、みどりたいをもって独立どくりつ栄養えいようである。

江上えがみ信雄のぶお島田しまだ義也よしや

動物どうぶつ系統けいとう分類ぶんるい

地球ちきゅうじょうおおくの生物せいぶつをいろいろな形質けいしつ差異さい類似るいじせいから区別くべつ整理せいりすることを分類ぶんるいという。分類ぶんるい基本きほん単位たんいたねとよび、これはスウェーデンの博物学はくぶつがくしゃC・リンネによって18世紀せいきなかばに確立かくりつされた。たねとは、どういち祖先そせんから分化ぶんかし、おな形質けいしつそなえた繁殖はんしょく可能かのう個体こたいぐんのことをいう。その、19世紀せいき後半こうはんに、イギリスの博物学はくぶつがくしゃC・ダーウィンによって進化しんかろんとなえられ、生物せいぶつ進化しんかてき類縁るいえん関係かんけいしたがって系統的けいとうてき分類ぶんるいするようになった。すなわち、化石かせき研究けんきゅう比較ひかく形態けいたいがく比較ひかく発生はっせいがくかくがた分析ぶんせきタンパク質たんぱくしつアミノ酸あみのさん配列はいれつ、DNA(デオキシリボ核酸かくさん)の塩基えんき配列はいれつ比較ひかくなどによって系統けいとう関係かんけい調しらべられ、系統けいとうじゅがつくられている。近年きんねん系統けいとうじゅは、分岐ぶんきほうひとつのたねふたつのたね分岐ぶんきし、それがかえされることをしめす)によるもの、あるいはみきえだはなれたものになってきた。これは、たねたねなかあいだてき生物せいぶつ化石かせき存在そんざいしないためで、たとえば、爬虫(はちゅう)るい鳥類ちょうるいなかあいだてき生物せいぶつとされてきた始祖しそとりも、形態けいたいさい検討けんとうから原始げんしてきとり一種いっしゅであるというせつている。この系統けいとう分類ぶんるいによっておのおのの生物せいぶつは、さかいもんつなぞくたねにまとめられている。そのさいつぎしる特徴とくちょう系統けいとう分類ぶんるい基準きじゅんとすることがおおい。

〔1〕細胞さいぼう分化ぶんか 単細胞たんさいぼう原生動物げんせいどうぶつ細胞さいぼう組織そしき分化ぶんかのないなかなま動物どうぶつ組織そしき器官きかん分化ぶんかした後生ごしょう動物どうぶつかれる。〔2〕発生はっせい段階だんかい 個体こたい発生はっせい段階だんかいによりつぎいつつにかれる。受精卵じゅせいらん段階だんかいかんがえられる原生動物げんせいどうぶつくわじつはい(はい)にあたるなかなま動物どうぶつ、胞胚段階だんかい海綿動物かいめんどうぶつ、嚢胚(のうはい)段階だんかいの腔腸(こうちょう)動物どうぶつ、嚢胚以上いじょう発生はっせいし、3胚葉はいようからなる器官きかん分化ぶんかさせたさん胚葉はいよう動物どうぶつがそれである。〔3〕消化しょうかかんのできかた 原口はらぐちがそのまま将来しょうらいくちになる前口まえぐちきゅうくち動物どうぶつひらたがた(へんけい)・ふくろがた(たいけい)・ひもがた(ひもがた)・たまきがた(かんけい)・軟体・ふしあし触手しょくしゅ動物どうぶつ)と、原口はらぐち肛門こうもん(こうもん)となり将来しょうらいくち反対はんたいがわにできる後口あとくち新口にのくち動物どうぶつもうあご(もうがく)・とげがわ(きょくひ)・はんさくはらさく脊椎せきつい(せきつい)動物どうぶつ)にかれる。〔4〕ちゅう胚葉はいようのできかた 原則げんそくてきに、前口まえぐち動物どうぶつでは、たまごわり腔に2原中はらなか胚葉はいよう細胞さいぼうみ、それが増殖ぞうしょくしてちゅう胚葉はいよう形成けいせいする(原中はらなか胚葉はいようみき)。後口あとくち動物どうぶつでは、ちゅう胚葉はいようげんちょうふくらみからされる(はらちょう体腔たいこうみき)。〔5〕幼生ようせい比較ひかく 幼生ようせい類似るいじきんえんせいしめすとかんがえられる。たまきがた動物どうぶつ軟体動物なんたいどうぶつはともにトロコフォラ幼生ようせいる。棘皮動物きょくひどうぶつのナマコのアウリクラリア幼生ようせいは、はんさく動物どうぶつのギボシムシのトルナリア幼生ようせいている。〔6〕体腔たいこう さん胚葉はいようせい動物どうぶつは、体腔たいこうたまごわり腔に由来ゆらいするげん体腔たいこうるいと、ちゅう胚葉はいようかこまれた体腔たいこうをもつ体腔たいこうるいかれる。〔7〕脊索せきさく脊椎せきつい存在そんざい これらの有無うむ分類ぶんるい重要じゅうよう基準きじゅんとなる。〔8〕タンパク分子ぶんしアミノ酸あみのさん配列はいれつ チトクロムcやヘモグロビンなどのアミノ酸あみのさん配列はいれつ比較ひかくによって類縁るいえんせいさい検討けんとうされている。以上いじょうのような基準きじゅんをもとに動物どうぶつやく15から23のもん分類ぶんるいされている。

(1)原生動物げんせいどうぶつもんProtozoa 単細胞たんさいぼうで、収縮しゅうしゅく胞やしょくなどの発達はったつした細胞さいぼうない器官きかんをもつ。ぐんたい形成けいせいするものもある。むち繊毛せんもうかりあし(かそく)により運動うんどうする。アメーバ、ヤコウチュウなどやく5まんしゅ

 なお、分類ぶんるいじょう原生動物げんせいどうぶつ一門いちもんではなく、動物どうぶつ植物しょくぶつ匹敵ひってきする生物せいぶつぐん、あるいはプロチスタぐんぞくする一群いちぐんとするかんがかたもある。

(2)ちゅうなま動物どうぶつもんMesozoa 細胞さいぼうであるが特別とくべつ分化ぶんかした器官きかんをもたない。あるしゅ細胞さいぼう生物せいぶつ退化たいかしたものとかんがえられ、原生動物げんせいどうぶつから後生ごしょう動物どうぶつ進化しんかしたものとはみとめにくい。もんとしないひともいる。ニハイチュウ(タコの腎臓じんぞう(じんぞう)に寄生きせい)などやく50しゅ

(3)海綿動物かいめんどうぶつもんPorifera 胞胚段階だんかい動物どうぶつで、地質ちしつ時代じだいつうじて進化しんかしなかったとかんがえられる。消化しょうかかん筋肉きんにく神経しんけいはないが、ほねへん分化ぶんかしている。えり細胞さいぼうゆうはし細胞さいぼうがあるので、むち毛虫けむしから進化しんかしたものとみなされる。しかし、嚢胚・さん胚葉はいよう動物どうぶつへの進化しんかいち過程かていにあるとはかんがえられていない。カイメンなどやく4500しゅ

(4)腔腸動物こうちょうどうぶつもんCoelenterata 体制たいせい放射ほうしゃ相称そうしょうで、内外ないがいの2胚葉はいようからなる。嚢胞のうほう段階だんかいにある。感覚かんかく筋肉きんにく発達はったつし、中枢ちゅうすうのない散在さんざい神経しんけいをもつ。また、とげ細胞さいぼうをもつのが特徴とくちょうである。クラゲ、サンゴなどやく1まんしゅ

(5)ゆうぐし(ゆうしつ)動物どうぶつもんCtenophora 腔腸動物こうちょうどうぶつ同様どうように、体制たいせい放射ほうしゃ相称そうしょうで、2胚葉はいようからなる。嚢胞のうほう段階だんかいにある。とげ細胞さいぼうをもたず、繊毛せんもうあつまってできたくしばんをもつ。フウセンクラゲ、クシクラゲなどやく100しゅ

(6)ひらたがた動物どうぶつもんPlatyhelminthes はら体腔たいこうをもつが、きわめて不明瞭ふめいりょう(ふめいりょう)である。消化しょうかかん分化ぶんか肛門こうもんをもたない。神経しんけいけいこめ(かご)じょうである。螺旋らせん(らせん)たまごわりおこなうことから、ひもがたたまきがた軟体動物なんたいどうぶつもんとの類縁るいえんせい示唆しさされている。最近さいきんリボゾームRNA研究けんきゅうでは、このもん変化へんかみ、とくにプラナリアるいはすべての細胞さいぼう動物どうぶつのうちもっとも原始げんしてきなものであるといわれている。プラナリア、かんひる(かんてつ)などやく7000しゅ

(7)ひもがた動物どうぶつもんNemertinea ひらたがた動物どうぶつもんおおくのてん類似るいじするが、肛門こうもん閉鎖へいさ血管けっかんけいをもち、一部いちぶ器官きかんちょう生殖せいしょくせん(せん))にからだ節制せっせいがあるてんことなる。排出はいしゅつげんじんかん。ヒモムシなどやく1000しゅ

(8)きょくがた動物どうぶつもんKamptozoa 一見いっけんコケムシるい触手しょくしゅ動物どうぶつ)とている。消化しょうかかんはUじょうがり、くち肛門こうもんをもつ。循環じゅんかんけいはなく、はらじんかん排出はいしゅつする。はら体腔たいこうをもつ。ペディケリナなどやく70しゅ

(9)ふくろがた動物どうぶつもんAschelminthes 従来じゅうらい線形せんけい動物どうぶつ輪形りんけい動物どうぶつをあわせてふくろがた動物どうぶつとよぶ。からだひょうはクチクラでおおわれ、はら体腔たいこうなずらえ体腔たいこう)が発達はったつしている。くち肛門こうもんをもつが、寄生きせいせいのものは消化しょうかけい退化たいかしている。ヘテロゴニーheterogony(異常いじょう生殖せいしょくまたは周期しゅうきせいたんせい生殖せいしょく)をするものがおおい。ワムシ、回虫かいちゅうなどやく1まん3000しゅ

(10)軟体動物なんたいどうぶつもんMollusca 閉鎖へいさ血管けっかんけいであり、じんかんをもつ。からだ頭部とうぶあし内臓ないぞうかたまりの3かれる。中枢ちゅうすう神経しんけいけいちゅうちょうせん発達はったつしている。幼生ようせいはトロコフォラ、ベリジャーをる。二枚貝にまいがいるい、ウミウシ(貝殻かいがら退化たいか)、カタツムリ(はい呼吸こきゅう)、イカ、タコ、アンモナイト(絶滅ぜつめつしゅ)などやく10まんしゅ

(11)たまきがた動物どうぶつもんAnnelida からだは、おなじような構造こうぞうをもった多数たすうからだぶしとうからだぶし)からなる。体腔たいこう発達はったつし、からだかべには環状かんじょうすじ縦走じゅうそうすじがある。排出はいしゅつじんかんからだぶし)で、梯子はしご(はしご)じょう神経しんけいぶし閉鎖へいさ血管けっかんけいをもつ。ゴカイ、ミミズ、ユムシなどやく7000しゅ

(12)ゆうつめ(ゆうそう)動物どうぶつもんOnychophora あし(あし)の末端まったんに2かぎ(かぎ)づめをもつ。粘液ねんえきせんをもち、攻撃こうげき捕食ほしょくもちいる。呼吸こきゅう器官きかんとして気管きかんをもつ。開放かいほう血管けっかんけいで、排出はいしゅつけいじんかんである。カギムシなどやく80しゅ

(13)なる動物どうぶつもんTardigrada 後生ごしょう動物どうぶつとしては最小さいしょうで、体長たいちょうは1ミリをえるものはない。梯子はしごじょう神経しんけいけいをもつ。からだひょうはクチクラでおおわれ、循環じゅんかんけい呼吸こきゅうけいはない。乾燥かんそうさせるとからだ収縮しゅうしゅくし、いぬいねむり状態じょうたいになり、4~7ねんえる。これを湿しめらせると、ただちに回復かいふくし、活動かつどうする。いぬいねむり状態じょうたいでは100℃の高温こうおん零下れいか250℃の低温ていおんにもえ、放射線ほうしゃせん照射しょうしゃこうあつ真空しんくう状態じょうたいにもつよい。クマムシなどやく280しゅ

(14)したがた(したがた)動物どうぶつもんLinguatulida 脊椎動物せきついどうぶつ内部ないぶ寄生きせいする。からだひょうはクチクラでおおわれ、循環じゅんかんき、神経しんけいけい発達はったつわるい。シタムシなどやく60しゅ

(15)節足動物せっそくどうぶつもんArthropoda 動物界どうぶつかい最大さいだいもんで、ぜん動物どうぶつしゅの7、8わりめる。からだは、部分ぶぶんにより分化ぶんかしたからだぶし不等ふとうからだぶし)からなる。キチンしつそと骨格こっかくがあり、梯子はしごじょう神経しんけいかん開放かいほう血管けっかんけいをもつ。じんかんまたはマルピーギかん排出はいしゅつする。脱皮だっぴ変態へんたいをするものがおおい。エビ・カニの甲殻こうかくるい幼生ようせいはノープリウス、ゾエアなどをる)、クモ・ダニ・トンボなどの昆虫こんちゅう、サンヨウチュウ(絶滅ぜつめつしゅ)などやく100まんしゅ

(16)ほしこう(ほしぐち)動物どうぶつもんSipunculoidea 細長ほそながい吻(ふん)をもつ。からだ節制せっせいはない。排出はいしゅつ一対いっついじんかんである。トロコフォラ幼生ようせいる。ホシムシなどやく280しゅ

(17)触手しょくしゅ動物どうぶつもんTentaculata はらちょう体腔たいこうみきであるが前口まえぐち動物どうぶつ。あるしゅうであしるい古生代こせいだい繁栄はんえいしたきた化石かせき)の幼生ようせいもうあご動物どうぶつている。コケムシるい、シャミセンガイやホオズキガイなどのうであしるいなど現存げんそんやく5000しゅ化石かせきにはやく2まんしゅ以上いじょうある。

(18)もうあご動物どうぶつもんChaetognatha や、剛毛ごうもうえたくちをもつ。循環じゅんかん排出はいしゅつけいはないが、体腔たいこうのできかた棘皮動物きょくひどうぶつはらさく動物どうぶつる。プランクトンのヤムシなどやく60しゅ

(19)ゆうひげ(ゆうしゅ)動物どうぶつもんPogonophora 左右さゆう相称そうしょうで、からだぜんからだちゅうからだこうからだの3かれる。ぜんからだには触手しょくしゅかんむりのうがある。クダヒゲムシなどやく70しゅ

(20)はんさく動物どうぶつもんHemichordata 脊索せきさくあいどうかんがえられるめくらかんと、咽頭いんとう(いんとう)にえらきれ(さいれつ)をもつ。神経しんけいけいがわにあり、前述ぜんじゅつ(1)~(19)の脊椎動物せきついどうぶつことなる。幼生ようせいのトルナリアは、ナマコの幼生ようせいアウリクラリアにる。ギボシムシなどやく100しゅ

(21)棘皮動物きょくひどうぶつもんEchinodermata 幼生ようせい左右さゆう相称そうしょうであるが、成体せいたい放射ほうしゃ相称そうしょうとなる。みずかんけいうち骨格こっかくをもち、かんあし移動いどうする。ヒトデ(ピピンナリア幼生ようせいる)、ウニ(プルテウス幼生ようせい)、ナマコ(アウリクラリア幼生ようせい)などやく6500しゅ

(22)はらさく脊索せきさく動物どうぶつもんProchordata 発生はっせいのある時期じきまたは一生いっしょう脊索せきさくをもつ。えらきれうちはしらがあり、神経しんけいかん発達はったつする。ホヤなどのさくつなと、脊椎動物せきついどうぶつ原型げんけいかんがえられる体制たいせい発達はったつした脊索せきさく神経しんけいかん)をもつナメクジウオのあたまさくつなかれる。やく1600しゅ

(23)脊椎動物せきついどうぶつもんVertebrata 発生はっせい初期しょき脊索せきさくしょうじ、のちに脊椎せきついわる。のう分化ぶんかしている。消化しょうかけい循環じゅんかんけい呼吸こきゅうけいなどの器官きかんけい発達はったつする。はい水中すいちゅう発生はっせいする魚類ぎょるい両生類りょうせいるいでは、はいひつじまくつつまれていない(ひつじまくるい)。はい陸上りくじょう発生はっせいする爬虫類はちゅうるい鳥類ちょうるい哺乳ほにゅう(ほにゅう)るいはいひつじまくつつまれて保護ほごされている(ひつじまくるい)。鳥類ちょうるい哺乳類ほにゅうるい恒温動物こうおんどうぶつで、カモノハシなど一部いちぶのぞいて哺乳類ほにゅうるい胎生たいせいである。やく4まん3000しゅ

 なお、分類ぶんるいじょうはらさく動物どうぶつ脊椎動物せきついどうぶつについてはそれぞれをもんとせず、脊索せきさく動物どうぶつを1もんとし、さく動物どうぶつあたまさく動物どうぶつ脊椎動物せきついどうぶつを3もんとしてこのもんふくめるかんがかたや、このうち脊椎動物せきついどうぶつもんもうけず、あごるいあごこうるいの2もんくわえて合計ごうけい4もんとする研究けんきゅうしゃもある。

江上えがみ信雄のぶお島田しまだ義也よしや

動物どうぶつ起源きげん進化しんか

地球ちきゅうじょう最初さいしょ生物せいぶつあらわれたのは30おく~35おくねんまえのことである。みなみアフリカではそのころの岩石がんせきから、細菌さいきん細菌さいきん祖先そせんであるエオバクテリウムの化石かせきがみつかっている。原始げんし大気たいきちゅうのメタン、水素すいそ、アンモニア、水蒸気すいじょうきなどが、紫外線しがいせん空中くうちゅう放電ほうでんによってアミノ酸あみのさんとなり、さらにタンパク質たんぱくしつがつくられた。それに脂質ししつなどのコロイド粒子りゅうし結合けつごうし、周囲しゅうい海水かいすいから独立どくりつしたコアセルベートになった。コアセルベートが酵素こうそ核酸かくさんんで代謝たいしゃ自己じこ増殖ぞうしょくのう獲得かくとくすることにより、生物せいぶつまれたとかんがえられている。そのかくをもった細胞さいぼうかく細胞さいぼう)があらわれ、菌類きんるい植物しょくぶつ動物どうぶつ分化ぶんかしていったとおもわれる。また、単細胞動物たんさいぼうどうぶつむち毛虫けむしぐんたいをつくり、一部いちぶ分化ぶんかして細胞さいぼう動物どうぶつ進化しんかしてきたとかんがえられている。

 地質ちしつ時代じだいは、化石かせきをもとにした生物せいぶつ進化しんか過程かていおおきな段階だんかいみとめられるところをさかいにして、先カンブリア時代せんかんぶりあじだいやく46おく~5おく7500まんねんまえ)、古生代こせいだい(5おく7500まん~2おく4700まんねんまえ)、中生代ちゅうせいだい(2おく4700まん~6500まんねんまえ)、新生代しんせいだい(6500まんねんまえ現在げんざい)のよっつにけられる。先カンブリア時代せんかんぶりあじだいには、あい(らんそう)るい増加ぞうかし、末期まっきには海産かいさん脊椎動物せきついどうぶつ出現しゅつげんした。古生代こせいだいはいると、動物どうぶつ化石かせき豊富ほうふにみつかっている。古生代こせいだい前半ぜんはんには、節足動物せっそくどうぶつさん葉虫はむし触手しょくしゅ動物どうぶつうであしるい軟体動物なんたいどうぶつのオウムガイ、腔腸動物こうちょうどうぶつのサンゴ、棘皮動物きょくひどうぶつのウミユリなど、海産かいさん脊椎せきついのほとんどのもん動物どうぶつ繁栄はんえいし、やがて魚類ぎょるい出現しゅつげんした。さん葉虫はむし世界せかいひろ分布ぶんぷじゅん化石かせきとなっている(現在げんざいのカブトガニはさん葉虫はむし体制たいせいをもつきた化石かせきである)。古生代こせいだい中期ちゅうきには魚類ぎょるい繁栄はんえいし、陸地りくち拡大かくだい高温こうおん多湿たしつ気候きこうにより植物しょくぶつ上陸じょうりくした。つづいて魚類ぎょるいのなかに、肺魚はいぎょそうひれ(そうき)るい(シーラカンス)などのように、直接ちょくせつはい空気くうきおくることができ、じょうぶなひれであるくことのできるものが出現しゅつげんし、進化しんかして両生類りょうせいるいとなった。古生代こせいだい後半こうはんには、陸生りくせい昆虫こんちゅう繁栄はんえいとともに、ひつじまくをもつたまご爬虫類はちゅうるい出現しゅつげんした。また原生動物げんせいどうぶつのフズリナも急激きゅうげき増加ぞうかした。古生代こせいだい末期まっきには、地殻ちかく変動へんどう氷河ひょうが発達はったつによっておおくの生物せいぶつ絶滅ぜつめつしてしまった。しかし、のこった生物せいぶつ中生代ちゅうせいだい温暖おんだん乾燥かんそうした気候きこうのなかできゅう発展はってんした。とくに爬虫類はちゅうるい全盛ぜんせいとなり恐竜きょうりゅう繁栄はんえいした。つづいて哺乳類ほにゅうるい鳥類ちょうるい始祖しそとり)もあらわれた。海中かいちゅうには、しめせじゅん化石かせきとなっている軟体動物なんたいどうぶつのアンモナイトが爆発ばくはつてき進化しんかした。しかしおおくの生物せいぶつ新生代しんせいだいには絶滅ぜつめつした。新生代しんせいだいには、現存げんそんのすべての生物せいぶつ祖先そせんあらわれ、とくに哺乳類ほにゅうるいひろ適応てきおう放散ほうさんし、やがて人類じんるい出現しゅつげん発展はってんするようになった。

江上えがみ信雄のぶお島田しまだ義也よしや

動物どうぶつ組織そしき構造こうぞう機能きのう

動物どうぶつは、従属じゅうぞく栄養えいよう、すなわち生物せいぶつ合成ごうせいした有機物ゆうきぶつ栄養えいようとするため、消化しょうかけい循環じゅんかんけい排出はいしゅつけい体内たいない発達はったつし、高等こうとう動物どうぶつではさらに運動うんどうけい感覚かんかくけい神経しんけいけい発達はったつしている。これらの器官きかんけいは、上皮じょうひ組織そしき結合けつごう組織そしき筋肉きんにく組織そしき神経しんけい組織そしきからなる。〔1〕上皮じょうひ組織そしき からだそと表面ひょうめん消化しょうかかん血管けっかんうち表面ひょうめんおおっていて、内部ないぶ組織そしき保護ほごや、吸収きゅうしゅう分泌ぶんぴつ感覚かんかく生殖せいしょく細胞さいぼう形成けいせいなどのはたらきをおこなっている。〔2〕結合けつごう組織そしき 組織そしき器官きかんあいだたし、それらを結合けつごうしたり支持しじしたりし、多量たりょう細胞さいぼうあいだ物質ぶっしつふくむ。けん(けん)や靭帯じんたい(じんたい)、ちょうあいだまく軟骨なんこつほね組織そしき血液けつえき、リンパなどを構成こうせいしている。〔3〕筋肉きんにく組織そしき 収縮しゅうしゅくせいみ、よこもんすじ平滑へいかつすじがある。よこもんすじ骨格こっかくすじ心筋しんきんにみられ、節足動物せっそくどうぶつ運動うんどう器官きかんにもあり、急激きゅうげき運動うんどうてきする。二枚貝にまいがい貝柱かいばしらよこもんななめでありはすもんすじとよばれる。〔4〕神経しんけい組織そしき 神経しんけい細胞さいぼう神経しんけいにかわ(こう)から構成こうせいされ、刺激しげき伝達でんたつおこなう。一般いっぱん脊椎動物せきついどうぶつ神経しんけい突起とっきは、ずいさや(ずいしょう)と神経しんけいさやというじゅうさや(さや)につつまれ(ゆうずい神経しんけい)、刺激しげき伝達でんたつはやい。脊椎動物せきついどうぶつ神経しんけいおおくはずいさやがなく(ずい神経しんけい)、刺激しげき伝達でんたつおそい。

 以上いじょうよっつの組織そしきわさって、いくつかの器官きかんをつくっている。高等こうとう動物どうぶつでは、多数たすう器官きかんあつまって、つぎのような器官きかんけいをつくり、全体ぜんたいとしてまとまったはたらきをする。

(1)消化しょうかけい 高等こうとう動物どうぶつ細胞さいぼうがい消化しょうかおこなうが、原生動物げんせいどうぶつ海綿動物かいめんどうぶつえり細胞さいぼうは、細胞さいぼうないしょく胞をつくり細胞さいぼうない消化しょうかおこなう。腔腸動物こうちょうどうぶつひらたがた動物どうぶつ肛門こうもんがない。ひらたがた動物どうぶつより高等こうとう動物どうぶつでは消化しょうか器官きかん発達はったつし、ある動物どうぶつ特有とくゆう器官きかんをもつ。たとえば、ミミズは嗉嚢(そのう)や砂嚢さのう、カタツムリはした(しぜつ)をもつ。寄生きせい共生きょうせいによって消化しょうか器官きかん退行たいこうするれいおおい。

(2)呼吸こきゅうけい 下等かとう動物どうぶつからだひょうとおしてガス交換こうかんおこなうが、体制たいせい複雑ふくざつ高等こうとう動物どうぶつでは呼吸こきゅう器官きかん発達はったつしている。原生げんせい海綿かいめん・腔腸・ひらたがた陸生りくせいたまきがた動物どうぶつは、からだひょうから酸素さんそんでいる。水生すいせいたまきがた・軟体・ふしあし甲殻こうかくるい)・はらさく動物どうぶつ、そして脊椎動物せきついどうぶつのうち魚類ぎょるい両生類りょうせいるい幼生ようせい(オタマジャクシ)は、えら呼吸こきゅうをする。トンボの幼虫ようちゅうのヤゴやドジョウはちょう呼吸こきゅうもできる。肺魚はいぎょ乾期かんきになるとうきぶくろで呼吸こきゅうができる。一方いっぽう陸生りくせい節足動物せっそくどうぶつ気管きかん呼吸こきゅうをする。昆虫こんちゅうるいは、脊椎動物せきついどうぶつことなり、ガスの運搬うんぱん気管きかんけい栄養分えいようぶん血管けっかんけいという分業ぶんぎょう確立かくりつしている。はい呼吸こきゅう脊椎動物せきついどうぶつにみられる。

(3)循環じゅんかんけい 栄養分えいようぶん運搬うんぱんやガス交換こうかんおこなう。温度おんどしお濃度のうど一定いってい海中かいちゅうにすむしょう動物どうぶつ循環じゅんかんけいをもたないことがおおい。からだおおきくなるにつれ、体内たいない海水かいすいれるみずかんけい発達はったつさせ(クラゲ)、さらに進化しんかして体液たいえき体内たいないめる体制たいせい確立かくりつし、陸上りくじょう生活せいかつ可能かのうとした。血管けっかんけいには、開放かいほう血管けっかんけいふしあし軟体動物なんたいどうぶつ)と閉鎖へいさ血管けっかんけいたまきがた脊椎動物せきついどうぶつ)がある。脊椎動物せきついどうぶつ循環じゅんかんけい進化しんかおうじてすこしずつことなる。魚類ぎょるい心臓しんぞうは1心房しんぼう・1心室しんしつ両生類りょうせいるい爬虫類はちゅうるいは2心房しんぼう・1心室しんしつで、はい循環じゅんかんからだ循環じゅんかん区別くべつがある。鳥類ちょうるい哺乳類ほにゅうるいは2心房しんぼう・2心室しんしつで、はい循環じゅんかんできれいになった血液けつえきからだ循環じゅんかんする。酸素さんそはこ呼吸こきゅう色素しきそには、てつふくあかいヘモグロビン(脊椎動物せきついどうぶつ、ナマコ、ミミズ)やどうふくむヘモシアニン(甲殻こうかくるい軟体動物なんたいどうぶつ)などがある。

(4)排出はいしゅつけい みず老廃ろうはいぶつ排出はいしゅつする器官きかんけいで、おおくは浸透しんとうあつ調節ちょうせつねる。原生動物げんせいどうぶつでは細胞さいぼうない器官きかん収縮しゅうしゅく胞が、はら体腔たいこうをもつ動物どうぶつではげんじんかんが、体腔たいこうをもつ動物どうぶつではじんかん排出はいしゅつである。軟体動物なんたいどうぶつのボヤヌス甲殻こうかくるい触角しょっかくせんはともにじんかん変化へんかしたものである。昆虫こんちゅうはマルピーギかんせんむしるい側線そくせんかん発達はったつさせている。脊椎動物せきついどうぶつ排出はいしゅつ器官きかん腎臓じんぞうで、高等こうとうになるほど、ぜんじんちゅうじんこうじん分化ぶんかしてゆく。タンパクの分解ぶんかいぶつ細胞さいぼう有害ゆうがいなアンモニアは、脊椎動物せきついどうぶつ硬骨魚こうこつぎょるいではそのままのかたちで、軟骨なんこつ魚類ぎょるい両生類りょうせいるい哺乳類ほにゅうるいはアンモニアを尿素にょうそえて、爬虫類はちゅうるい鳥類ちょうるい昆虫こんちゅう尿にょうさんえて排出はいしゅつする。

(5)内分泌ないぶんぴつけい 脊椎動物せきついどうぶつ場合ばあい下垂かすいたい甲状腺こうじょうせん副腎ふくじん生殖せいしょくせんなどの内分泌ないぶんぴつ器官きかんから分泌ぶんぴつされた種々しゅじゅのホルモンは、エネルギー生産せいさん調節ちょうせつ成長せいちょう変態へんたい促進そくしん生殖せいしょく活動かつどうおよび体内たいない環境かんきょう調節ちょうせつなどの恒常こうじょうせい維持いじおこなう。脊椎動物せきついどうぶつには、せいホルモンのほか、からだしょく変化へんか脱皮だっぴ調節ちょうせつのホルモン(甲殻こうかくるいのサイナスせん)、変態へんたい調節ちょうせつのホルモン(昆虫こんちゅうのアラタたいぜん胸腺きょうせん)がみつかっている。

(6)神経しんけいけい 神経しんけいけい海綿動物かいめんどうぶつにはないが、腔腸動物こうちょうどうぶつより高等こうとう動物どうぶつにある。腔腸動物こうちょうどうぶつのヒドラの神経しんけい細胞さいぼう全身ぜんしん散在さんざいし、散在さんざい神経しんけいとよばれる。伝達でんたつ速度そくどおそい。ひらたがた動物どうぶつ以上いじょう神経しんけい細胞さいぼう神経しんけいぶしをつくっている(集中しゅうちゅう神経しんけいけい)。クラゲや棘皮動物きょくひどうぶつ神経しんけいぶし環状かんじょうにつながっているので環状かんじょう神経しんけいぶしたまきがた節足動物せっそくどうぶつ神経しんけいぶしたい(つい)になっていて、梯子はしごじょう神経しんけいぶしという。はらさく動物どうぶつ脊椎動物せきついどうぶつ神経しんけいけいは、神経しんけいぶし管状かんじょうからだ中軸ちゅうじくあつまり、管状かんじょう神経しんけいぶしとよばれ、のう発達はったつしている。

(7)感覚かんかくけい ひかりおと重力じゅうりょく化学かがく成分せいぶん温度おんど圧力あつりょくなどの刺激しげき受容じゅようする。視覚しかくれいにとると、ミドリムシには色素しきそあつまったてんがあり、ミミズはからだひょう細胞さいぼうひかりかんじる。アワビはピンホールしきはいじょうを、タコはカメラをもつ。節足動物せっそくどうぶつ複眼ふくがん単眼たんがんをもつ。

(8)免疫めんえきけい 個体こたい維持いじのため、細菌さいきん老朽ろうきゅう細胞さいぼうたいする防御ぼうぎょ反応はんのうをつかさどる器官きかんけい脊椎動物せきついどうぶつでは、骨髄こつづい胸腺きょうせん哺乳類ほにゅうるい)、ファブリキウス嚢(鳥類ちょうるい)、脾臓ひぞう(ひぞう)や腎臓じんぞう脊椎動物せきついどうぶつでは、腎臓じんぞうちょうあいだまく消化しょうかかんなどのしょ器官きかん付随ふずいする造血ぞうけつやリンパ組織そしきで、マクロファージや高等こうとう動物どうぶつでは特殊とくしゅされたリンパだま免疫めんえき担当たんとう細胞さいぼうとして分化ぶんかする。脊椎動物せきついどうぶつではレクチン、たい、あるしゅ抗菌こうきん物質ぶっしつ防御ぼうぎょ因子いんしとしてはたらき、脊椎動物せきついどうぶつでは免疫めんえきグロブリンがあらわれる。海綿動物かいめんどうぶつ同種どうしゅ細胞さいぼう凝集ぎょうしゅう反応はんのう、腔腸・たまきがたとげがわはらさく動物どうぶつ異種いしゅおよび同種どうしゅ移植いしょくへん拒絶きょぜつ反応はんのう免疫めんえき反応はんのう一種いっしゅである。

 そのほか、運動うんどう生殖せいしょく骨格こっかくけい器官きかんかく動物どうぶつ発達はったつしている。特殊とくしゅ器官きかんとしては、よこもんすじ変化へんかしたシビレエイの発電はつでん求愛きゅうあいのシグナルとなるホタルの発光はっこうなどがある。

江上えがみ信雄のぶお島田しまだ義也よしや

生殖せいしょく発生はっせい

生殖せいしょくとはあたらしい個体こたいをつくりだすことで、無性むしょう生殖せいしょく有性ゆうせい生殖せいしょくがある。無性むしょう生殖せいしょく下等かとう動物どうぶつ一部いちぶにみられ、だい部分ぶぶん動物どうぶつ有性ゆうせい生殖せいしょくおこなう。しかし、クラゲやウミタルは、有性ゆうせい生殖せいしょく無性むしょう生殖せいしょく交互こうごかえすメタゲネシスmetagenesis(真正しんしょう世代せだい交代こうたい)をおこなう。分裂ぶんれつによる増殖ぞうしょく原生動物げんせいどうぶつやイソギンチャク、出芽しゅつがによる増殖ぞうしょくはカイメン、ゴカイ、コケムシ、胞子ほうしにより増殖ぞうしょくする方法ほうほうはマラリア原虫げんちゅうにみられる。有性ゆうせい生殖せいしょく確立かくりつによって、遺伝子いでんしあたらしい組合くみあわせをもつ個体こたい発生はっせいし、変化へんかする環境かんきょうによりひろ適応てきおうできる可能かのうせいまれた。ゾウリムシはふたつの個体こたい接合はぎあわかく交換こうかんする。高等こうとう動物どうぶつでは、たまご精子せいし合体がったいによってしん個体こたいまれる。おおくの動物どうぶつ雌雄しゆう異体いたいであるが、ミミズやカタツムリは、ひとつの個体こたいないたまご精子せいしをつくる雌雄しゆう同体どうたいである(しかし、自家じか受精じゅせい一般いっぱんおこなわない)。ミツバチやワムシでは、有性ゆうせい生殖せいしょくのほか、たまご受精じゅせいをしないでたんため発生はっせいしてしん個体こたいしょうじ、タマバエやかんひるは、幼生ようせい体内たいないたまごたんため発生はっせいはじめる幼生ようせい生殖せいしょくおこなう。ワムシのように有性ゆうせい生殖せいしょくたんため生殖せいしょくかえすことをヘテロゴニー、タマバエのように有性ゆうせい生殖せいしょく幼生ようせい生殖せいしょくかえすことをアロイオゲネシスalloiogenesis(混合こんごう生殖せいしょく)とよぶ。

 有性ゆうせい生殖せいしょくおこな動物どうぶつでは、配偶はいぐうしゃをうまくみつけるためのいろいろの仕組しくみがある。たとえば、昆虫こんちゅうでは一般いっぱんゆうだつ色彩しきさい形態けいたいをもち、めすせいフェロモンを分泌ぶんぴつするものがおおい。あるしゅとりは、求愛きゅうあいのさえずりやダンスなど一連いちれん配偶はいぐう行動こうどうをする。

 一方いっぽう発生はっせいとは、受精卵じゅせいらん細胞さいぼう分裂ぶんれつかえし、分化ぶんかし、組織そしき器官きかん形成けいせいし、はい幼生ようせい成体せいたいとなる過程かていをいい、はい発生はっせいにはかく動物どうぶつ共通きょうつうてんおおい。受精卵じゅせいらんは、たまごわりとよばれる細胞さいぼう分裂ぶんれつをして細胞さいぼうすうやす。たまごわりつづけたたまごは、内部ないぶおおきなそらしょたまごわり腔)をもつ胞胚になる。その一部いちぶ内側うちがわかっておちいにゅうげんちょうをつくり、嚢胚となる。はらちょうはのちに消化しょうかかんとなる。嚢胚をつくるかべ胚葉はいようといい、外側そとがわそと胚葉はいよう内側うちがわうち胚葉はいようかれ、腔腸動物こうちょうどうぶつより高等こうとう動物どうぶつでは、さらにちゅう胚葉はいよう分化ぶんかする。そと胚葉はいよう表皮ひょうひ神経しんけいに、ちゅう胚葉はいよう脊索せきさくほね筋肉きんにく腎臓じんぞう生殖せいしょくに、うち胚葉はいよう消化しょうかかん内分泌腺ないぶんぴつせんはいやえらに分化ぶんかしてゆく。

 発生はっせいちゅうはい環境かんきょう変化へんか外敵がいてきよわいので、下等かとう動物どうぶつおおくのたまごみ、たねぞく維持いじしている。脊椎動物せきついどうぶつ爬虫類はちゅうるい鳥類ちょうるいなどの陸上りくじょう産卵さんらんするものは乾燥かんそうふせぐため、はい保護ほごするはいまく形成けいせいされている。哺乳類ほにゅうるいでは、はい発生はっせい母体ぼたいない進行しんこうし、胎盤たいばんとおして直接ちょくせつ母体ぼたいから栄養えいよう胎生たいせい発達はったつしている。このようなはいまく形成けいせい胎生たいせい発達はったつが、動物どうぶつ生活せいかつけん水中すいちゅうから陸上りくじょうひろげたとかんがえられる。

江上えがみ信雄のぶお島田しまだ義也よしや

動物どうぶつ分布ぶんぷ

動物どうぶつ地理ちりてき分布ぶんぷは、哺乳類ほにゅうるい鳥類ちょうるいをもとにして、きゅうきた(ヨーロッパ、アジアのだい部分ぶぶん、アフリカ北部ほくぶ)、新北しんきたきたアメリカ大陸あめりかたいりくとグリーンランド)、エチオピアサハラ砂漠さはらさばく以南いなんのアフリカ、アラビア半島はんとう)、オーストラリア(オーストラリア、ニューギニアとう)、しん熱帯ねったいみなみアメリカ、中央ちゅうおうアメリカ、西にしインド諸島しょとう)、東洋とうよう中国ちゅうごく南部なんぶ、インド、東南とうなんアジア)に区分くぶんされている。

 エチオピア東洋とうようには、サイ、ゾウ、きゅう世界せかいザル、大形おおがたのネコ動物どうぶつなどるいおおい。これは、新生代しんせいだいだいさんまではアフリカ大陸たいりくとインドが陸続りくつづきであったことと関係かんけいしている。オーストラリアには、カンガルー、コアラなどのゆうぶくろるい、カモノハシ、ハリモグラなどのたんあなるい、ゴクラクチョウなど特異とくいてき動物どうぶつおおい。大陸たいりく移動いどうせつによれば、古生代こせいだいにはいちつづきであった陸地りくち(ゴンドワナ大陸たいりく)が中生代ちゅうせいだい移動いどうはじめ、たんあなるいゆうぶくろるい以外いがい哺乳類ほにゅうるいさかえていない新生代しんせいだいだいさんにオーストラリア大陸たいりく分離ぶんりした。そのきた大陸たいりくではより高等こうとう動物どうぶつ進化しんか前述ぜんじゅつ動物どうぶつ絶滅ぜつめつしたが、大陸たいりくからはなれたオーストラリアではほろびることなくのこったとかんがえられる。もうすこしはや大陸たいりくから分離ぶんりしたマダガスカルとうやガラパゴス諸島しょとう特異とくいてき生物せいぶつがみられることも進化しんかかんがえれば理解りかいできる。東洋とうようとオーストラリア境界きょうかいをワラスせん(ウォーレスせん)とよぶ。

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日本にっぽん動物どうぶつ

日本にっぽんだい部分ぶぶんきゅうきたで、沖縄おきなわ以南いなん東洋とうようぞくす。この境界きょうかい渡瀬わたせ(わたせ)せん種子島たねがしま(たねがしま)と奄美あまみ(あまみ)大島おおしまあいだかれる。本州ほんしゅう北海道ほっかいどうもブレーキストンせんかれる。北海道ほっかいどうにはヒグマ、ナキウサギ、エゾライチョウなどシベリアと同種どうしゅ動物どうぶつがいる。本州ほんしゅう中国ちゅうごく動物どうぶつしょうていて、ツキノワグマ、シカ、キジがいる。また、両生類りょうせいるい脊椎動物せきついどうぶつ分布ぶんぷから宗谷そうや(そうや)海峡かいきょう境界きょうかい八田はった(はった)せんもある。対馬つしま(つしま)は、アカネズミやツシマテンなどの日本にっぽん本土ほんど共通きょうつうたねと、チョウセンモグラ、キタタキなど朝鮮半島ちょうせんはんとう共通きょうつうたねがいることで、動物どうぶつ分布ぶんぷてんから興味深きょうみぶかい。最近さいきん、DNAの塩基えんき配列はいれつ酵素こうそかた調しらべることによって、本州ほんしゅう動物どうぶつ(ネズミ、メダカ)もきたがたみなみがたかれるものがあることがあきらかとなった。

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動物どうぶつ行動こうどう

動物どうぶつ特性とくせいひとつは、環境かんきょうからの刺激しげきかんじ、反応はんのうし、行動こうどうすることである。刺激しげきたい一定いってい方向ほうこう行動こうどうすることをはしせいという。刺激しげきには、ひかり重力じゅうりょく水流すいりゅう温度おんど化学かがく物質ぶっしつなどがある。ゾウリムシは重力じゅうりょく反対はんたい方向ほうこうへ、また電気でんきたいしては陰極いんきょく移動いどうする。昆虫こんちゅうさかなおおくはひかり方向ほうこうへ、ミミズはひかりけるように移動いどうする。高等こうとう動物どうぶつでは、のう発達はったつし、その行動こうどう本能ほんのう行動こうどう学習がくしゅう行動こうどう知能ちのう行動こうどうなどにけられる。経験けいけん学習がくしゅうなしにまれつきの性質せいしつとして遺伝いでんてきまった行動こうどう本能ほんのう行動こうどうという。たとえばミツバチは分業ぶんぎょうしてづくりと育児いくじをする。また、しり(しり)りダンスをしてえさ所在しょざいらせる。カイコガのゆうは、めす分泌ぶんぴつするせいフェロモンにひかれてめすちかづく。サケは、まれたかわをさかのぼって産卵さんらんする。トゲウオのゆうをつくり求愛きゅうあいのダンスをするが、これも本能ほんのう行動こうどうである。またガチョウのひな(ひな)は、最初さいしょ出会であうごくものをおや認知にんちし、ついてあるく。この認知にんち能力のうりょく孵化ふか(ふか)直後ちょくご特定とくてい時期じきにのみみられ、みという。のう発達はったつした動物どうぶつでは、さらに経験けいけんもとづく行動こうどう、すなわち条件じょうけん反射はんしゃ学習がくしゅう知能ちのう行動こうどう可能かのうとなる。条件じょうけん反射はんしゃは、イヌを使つかった当時とうじソ連それん生理学せいりがくしゃパブロフの実験じっけん有名ゆうめいであるが、タコでも条件じょうけんづけの実験じっけん成功せいこうしている。学習がくしゅうでは、経験けいけんしたことを記憶きおくすることが重要じゅうようである。マウス、タコ、ミツバチ、ミミズなどひろ動物どうぶつぐん学習がくしゅう効果こうかがみられる。大脳皮質だいのうひしつ発達はったつした哺乳類ほにゅうるいは、経験けいけん学習がくしゅうをもとに、経験けいけんのことにたいして、その事態じたいてきしたあたらしい行動こうどうをする能力のうりょく知能ちのう)をもっている。

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動物どうぶつ環境かんきょう

生物せいぶつ自然しぜん環境かんきょうたがいに作用さようしあい、また生物せいぶつあいだ捕食ほしょく寄生きせい共生きょうせいなどの関係かんけいむすいている。

 おおくの動物どうぶつ普通ふつうおな仲間なかま群集ぐんしゅうをつくって生活せいかつをしている。いつもは単独たんどく生活せいかつしていても、生殖せいしょく(ウニ、ヒトデ)、移動いどう(バッタ)、冬眠とうみん(ヘビ、コウモリ)に群集ぐんしゅうをつくるものがいる。個体こたいぐん移動いどうぶし依存いぞんし、えさ生殖せいしょくなどの環境かんきょうもとめておこなう。一定いってい地域ちいきない個体こたいぐん動物どうぶつでは、個体こたいあいだ優劣ゆうれつ順位じゅんいがあったり(サル、カラス、メダカ)、リーダーがいて秩序ちつじょのある社会しゃかい集団しゅうだん形成けいせいする場合ばあい(ニホンザル、アリ、ミツバチ)がある。また、縄張なわばり(テリトリー)があってえさ捕獲ほかく繁殖はんしょくやくだつ。

 一方いっぽうおな環境かんきょうないにすむことなった動物どうぶつあいだに、おたがいに影響えいきょうあたっているれいがある。その場合ばあい利害りがい関係かんけい食物しょくもつとすみ場所ばしょ獲得かくとくであることがおおい。生存せいぞん競争きょうそう結果けっかおおくの場合ばあい一方いっぽうえていく。しかし、さかなのイワナとヤマメはおながわでも上流じょうりゅう下流かりゅうかれて生活せいかつし、えさ競争きょうそうけている(すみけ)。カワウとヒメウはおな場所ばしょにすむが、とるえさことなり競争きょうそう回避かいひしている(け)。そのほか、個体こたいぐん相互そうご作用さようには、おたがいまたは一方いっぽう利益りえきける共生きょうせい関係かんけいがある。アリとアブラムシはともに利益りえきけるあい共生きょうせい、サメとコバンザメは後者こうしゃのみ利益りえきけるかた共生きょうせいをしている。ダニや回虫かいちゅう動物どうぶつ寄生きせいしている。生物せいぶつあいだでもっとも重要じゅうよう関係かんけい捕食ほしょく関係かんけいである。捕食ほしょくしゃしょくしゃ関係かんけいあみのように複雑ふくざつである。植物しょくぶつ草食そうしょく動物どうぶつべられ、草食そうしょく動物どうぶつ肉食にくしょく動物どうぶつべられる。その肉食にくしょく動物どうぶつはさらに大形おおがた肉食にくしょく動物どうぶつべられるというような食物しょくもつ連鎖れんさがみられる。動物どうぶつ死体したい排出はいしゅつぶつは、カビや細菌さいきんによって分解ぶんかいされて、食物しょくもつ連鎖れんさみなもとである植物しょくぶつ養分ようぶんとなり、生態せいたいけいのなかでは栄養えいよう物質ぶっしつ循環じゅんかん関係かんけいがみられる。普通ふつう生態せいたいけい構成こうせいしている生物せいぶつ種類しゅるい組成そせい個体こたいすうなどはつりいがとれている。

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動物どうぶつ文明ぶんめい

安定あんていしている生態せいたいけいも、火山かざん噴火ふんか台風たいふうなどの自然しぜん災害さいがいによって平衡へいこうれる。しかし、もっとも影響えいきょうおおきいのは人間にんげんによる人為じんいてき破壊はかいである。大気たいき水質すいしつ土壌どじょう汚染おせん、ダム建設けんせつによる生息せいそく破壊はかい乱獲らんかくによって絶滅ぜつめつした動物どうぶつすくなくない。最近さいきん400年間ねんかんにオーロックスやニホンオオカミなど30~40しゅ哺乳類ほにゅうるい、リョコウバトやドードーなど100しゅ鳥類ちょうるいほろび、さらにすうひゃくしゅ動物どうぶつ(ジャワサイ、イリオモテヤマネコ、トキなど)がほろびつつあるといわれる。また、ウシガエルのえさとして輸入ゆにゅうしたアメリカザリガニのように、原産地げんさんちから移動いどうし、地区ちく適応てきおう繁殖はんしょくした帰化きか生物せいぶつ生態せいたいけいやぶることがおおい。これは天敵てんてきがいないため、急激きゅうげきかずえ、植物しょくぶつ下位かい動物どうぶつらすからである。

 近年きんねん自然しぜん生態せいたいけい安定あんていはかるため、環境かんきょう保全ほぜん自然しぜん保護ほごたいする要求ようきゅうたかまってきた。その結果けっか自然しぜん公園こうえん設定せってい野生やせい動物どうぶつ捕獲ほかく禁止きんし法律ほうりつ制定せいていし、絶滅ぜつめつ危機ききひん(ひん)している動物どうぶつ天然記念物てんねんきねんぶつ指定していして保護ほごしている。

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石田いしだ寿ひさしろうちょ現代げんだい動物どうぶつがく』(1972・はなぼう)』江上えがみ信雄のぶお飯野いいの徹雄てつおちょ生物せいぶつがく上下じょうげ(1984・東京とうきょう大学だいがく出版しゅっぱんかい)』『アテンボローちょ日高ひだか敏隆としたかやく地球ちきゅうきものたち』(1983・早川書房はやかわしょぼう)』江上えがみ信雄のぶおちょ『UPバイオロジー・シリーズ』(1975~ ・東京とうきょう大学だいがく出版しゅっぱんかい)』内田うちだとおる監修かんしゅう動物どうぶつ系統けいとう分類ぶんるいがくぜん10かん、17さつ(1961~ ・中山なかやま書店しょてん)』内田うちだとおる監修かんしゅう現代げんだい生物せいぶつがく大系たいけいぜん14かん(1965~ ・中山なかやま書店しょてん)』


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百科ひゃっか事典じてんマイペディア動物どうぶつ」の意味いみ・わかりやすい解説かいせつ

動物どうぶつ【どうぶつ】

植物しょくぶつとともに生物せいぶつかい代表だいひょうする一群いちぐん植物しょくぶつ無機物むきぶつ栄養えいようとするのにたいし,しゅとして有機物ゆうきぶつ摂取せっしゅ従属じゅうぞく栄養えいよう)すること,運動うんどう感覚かんかく機能きのうがすぐれること,さらに吸収きゅうしゅう消化しょうか排出はいしゅつ循環じゅんかんなどの分化ぶんか程度ていどたかいこと,また細胞さいぼうはセルロースを主成分しゅせいぶんとする細胞さいぼうまくをもたないことなどが特徴とくちょうとされる。単細胞たんさいぼう原生動物げんせいどうぶつから人間にんげんまで,さまざまな段階だんかい体制たいせいをもつものが存在そんざいする。現生げんなま既知きちしゅやく100まん〜150まんしゅといわれ,発見はっけんしゅくわえると200まんしゅえるとされる。
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動物どうぶつ
どうぶつ
animal

植物しょくぶつとともに生物せいぶつかいもっと有力ゆうりょくさかいひとつ。従属じゅうぞく栄養えいよういとな生物せいぶつぐんで,高等こうとうになるにつれて,運動うんどうけい感覚かんかくけい神経しんけいけい発達はったつし,消化しょうか排出はいしゅつ呼吸こきゅう循環じゅんかんなどの器官きかん分化ぶんかし,その細胞さいぼう細胞さいぼうかべをもたないなどの特徴とくちょうをもつ。しかし下等かとうなものでは,動物どうぶつ植物しょくぶつ厳密げんみつ区別くべつすることはできない。現生げんなま既知きちぜん動物どうぶつ種類しゅるいやく 140まんしゅといわれ,やく 20ほどのもんけられる。

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普及ふきゅうばん どおり動物どうぶつ」のみ・字形じけい画数かくすう意味いみ

動物どうぶつ】どうぶつ

鳥獣ちょうじゅうむしぎょ

どおりどう」の項目こうもく

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世界せかいだい百科ひゃっか事典じてん旧版きゅうばんうち動物どうぶつ言及げんきゅう

植物しょくぶつ】より

生物せいぶつかい動物どうぶつ植物しょくぶつ大別たいべつするのは,常識じょうしき範囲はんいでは当然とうぜんのようにおもえるが,厳密げんみつ区別くべつをしようとするとさまざまな問題もんだいがでてくる。かつては生物せいぶつ世界せかい動物界どうぶつかい植物しょくぶつかい大別たいべつするのが常識じょうしきだったが,菌類きんるいだいさんさかい認識にんしきすると,それに対応たいおうするのは狭義きょうぎ動物どうぶつ(後生ごしょう動物どうぶつ),狭義きょうぎ植物しょくぶつ(陸上りくじょう植物しょくぶつ)ということになり,原生動物げんせいどうぶつおおくの藻類そうるいなどは原生げんせい生物せいぶつというでひとまとめにされ,また,これらかく生物せいぶつして,細菌さいきんるいやラン藻類そうるい原核げんかくせいで,原核げんかく生物せいぶつべつぐんにまとめることができる。…

生物せいぶつ】より

…いずれにせよ,エネルギー転換てんかんにかかわるエネルギーのシステムと,それの方向ほうこう指示しじし,自己じこ保存ほぞん自己じこ増殖ぞうしょくおこな情報じょうほうのシステムとがわさったとき,はじめて,生物せいぶつしょうじたことはたしかである。
生物せいぶつ分類ぶんるい
 生物せいぶつ動物どうぶつ植物しょくぶつ大別たいべつされるが,これは外界がいかいからの物質ぶっしつやエネルギーのとりこみかたちがいにもとづくものである。すなわち,主要しゅようなエネルギーげんとして太陽たいようエネルギーを,からだ構成こうせいする物質ぶっしつげんとしては無機むき物質ぶっしつをとりこむ方式ほうしききるものが植物しょくぶつであり,エネルギーげん物質ぶっしつげん有機ゆうき物質ぶっしつたよるのが動物どうぶつであるとかんがえてよい。…

※「動物どうぶつ」について言及げんきゅうしている用語ようご解説かいせつ一部いちぶ掲載けいさいしています。

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