デジタル大辞泉だいじせん 「建物たてもの」の意味いみ・読よみ・例文れいぶん・類語るいご たて‐もの【建物たてもの】 人ひとが住すんだり、物ものを入いれたり、仕事しごとをしたりするために建たてたもの。建築けんちく物ぶつ。[類語るいご]建造けんぞう物ぶつ・建築けんちく物ぶつ・ビルディング 出典しゅってん 小学館しょうがくかんデジタル大辞泉だいじせんについて 情報じょうほう | 凡例はんれい
精選せいせん版ばん 日本にっぽん国語こくご大だい辞典じてん 「建物たてもの」の意味いみ・読よみ・例文れいぶん・類語るいご たて‐もの【建物たてもの】 〘 名詞めいし 〙 人ひとが住すんだり、仕事しごとをしたり、物ものをおさめたりするために、木材もくざい、金属きんぞく、石材せきざいなどを立たてて屋根やねをわたしたもの。建造けんぞう物ぶつ。建築けんちく物ぶつ。[初出しょしゅつの実例じつれい]「立だて物ぶつ 三さん間あいだ檜ひのき板敷いたじき屋や壱いち宇〈略りゃく〉五ご間あいだ板屋いたや弐に宇」(出典しゅってん:東寺とうじ百ひゃく合ごう文書ぶんしょ‐へ・延喜えんぎ一いち二に年ねん(902)七なな月がつ一いち七なな日にち・七なな条令じょうれい解かい)「古風こふうな石造せきぞうの建築けんちく物ぶつ(タテモノ)の外そとへ出でると」(出典しゅってん:春はる(1908)〈島崎しまざき藤村とうそん〉一いち三さん) 出典しゅってん 精選せいせん版ばん 日本にっぽん国語こくご大だい辞典じてん精選せいせん版ばん 日本にっぽん国語こくご大だい辞典じてんについて 情報じょうほう | 凡例はんれい
改訂かいてい新版しんぱん 世界せかい大だい百科ひゃっか事典じてん 「建物たてもの」の意味いみ・わかりやすい解説かいせつ 建物たてもの (たてもの) 居住きょじゅう,営業えいぎょう,工場こうじょう,倉庫そうこなどの目的もくてきで利用りようされる,土地とちに定着ていちゃくした建造けんぞう物ぶつであって,屋根やね,周壁しゅうへきを有ゆうするものをいう。民法みんぽうはこれを土地とちと別個べっこ独立どくりつの不ふ動産どうさんとしている(86条じょう1項こう)。ある建造けんぞう物ぶつをもって民法みんぽう上じょうの建物たてものとみるかどうかの判断はんだんは結局けっきょく社会しゃかい通念つうねんによることになる。ガード下かの店舗てんぽ,地下街ちかがいの建造けんぞう物ぶつ,農耕のうこう用ようの温室おんしつなどは建物たてものとされ,他方たほう,ガスタンク,仮かり小屋こやなどは建物たてものとはみられない。建物たてものについては建物たてもの登記とうき簿ぼが設もうけられ(不動産ふどうさん登記とうき法ほう14条じょう),その登記とうき簿ぼには物理ぶつり的てき現況げんきょうや権利けんり関係かんけいが表示ひょうじされている。また,建物たてもの上じょうの権利けんりの変動へんどうは登記とうきすることではじめて第三者だいさんしゃに主張しゅちょうしうる(民法みんぽう177条じょう)。1個いっこの建物たてものとは通常つうじょう1棟むねのものをいうが,別棟べつむねである湯殿ゆどの,茶室ちゃしつなどを母屋もやに含ふくめて1個いっことして扱あつかう(登記とうきする)ことができ,他方たほう,マンションの場合ばあいのように,1棟むねの建物たてものの中なかに数個すうこの建物たてもの(専有せんゆう部分ぶぶん。〈建物たてものの区分くぶん所有しょゆう〉の項こう参照さんしょう)を内包ないほうすることが認みとめられる(〈建物たてものの区分くぶん所有しょゆう等ひとしに関かんする法律ほうりつ〉1条じょう)。建物たてものを建築けんちくする場合ばあい,建築けんちく基準きじゅん法ほうの規制きせいに服ふくする。建築けんちく基準きじゅん法ほう上じょうは建築けんちく物ぶつという用語ようごが用もちいられており,法ほうの目的もくてきの相違そういから建物たてもの概念がいねんと少すこしのずれがある(建築けんちく物ぶつのほうがやや広ひろい概念がいねんである)。地方ちほう税法ぜいほうは家屋かおくという用語ようごを用もちい,家屋かおくに対たいし固定こてい資産しさん税ぜいを課かしているが,これは,住じゅう家か,店舗てんぽ,工場こうじょう(発電はつでん所しょおよび変電へんでん所しょを含ふくむ),倉庫そうこその他たの建物たてものをいうとされる(341条じょう3号ごう)。建物たてもの登記とうき簿ぼは家屋かおく課税かぜい台帳だいちょうの基礎きそになるので(同どう条じょう12号ごう),基本きほん的てきには建物たてものと重かさなりあう概念がいねんであるといえよう。→不動産ふどうさん執筆しっぴつ者しゃ:安永やすなが 正ただし昭あきら 出典しゅってん 株式会社かぶしきがいしゃ平凡社へいぼんしゃ「改訂かいてい新版しんぱん 世界せかい大だい百科ひゃっか事典じてん」改訂かいてい新版しんぱん 世界せかい大だい百科ひゃっか事典じてんについて 情報じょうほう
日本にっぽん大だい百科全書ひゃっかぜんしょ(ニッポニカ) 「建物たてもの」の意味いみ・わかりやすい解説かいせつ 建物たてものたてもの 建物たてものは土地とちの定着ていちゃく物ぶつであるが、欧米おうべい諸国しょこくの法ほうの下したでは、土地とちと一体いったいをなすものとされているのに対たいし、わが国くにの民法みんぽうの下したでは、土地とちとは別個べっこの不動産ふどうさんとされている。その個数こすうは、土地とちとは異ことなり登記とうき簿ぼによって定さだまるのではなく、社会しゃかい通念つうねんによって定さだめられる。一般いっぱん的てきには、物理ぶつり的てきな連続れんぞく性せいが基準きじゅんとされて、一棟ひとむね、二に棟むねという数かぞえ方かたをする。もっとも、「建物たてものの区分くぶん所有しょゆう等とうに関かんする法律ほうりつ」第だい1条じょうは、一棟ひとむねの建物たてものに構造こうぞう上じょう区分くぶんされた数個すうこの部分ぶぶんで独立どくりつして住居じゅうきょ、店舗てんぽ、事務所じむしょまたは倉庫そうこその他た建物たてものとしての用途ようとに供きょうすることができるものがあるときは、その各かく部分ぶぶんをそれぞれ独立どくりつの所有しょゆう権けん(区分くぶん所有しょゆう権けんという)の客体かくたいとなることを認みとめている。建物たてものは元来がんらい、動産どうさんである複数ふくすうの物ものが一定いっていの構造こうぞう物ぶつを形成けいせいして土地とちに定着ていちゃくしているものであるから、その建築けんちく過程かていのどの段階だんかいから土地とちとは独立どくりつの不動産ふどうさんたる建物たてものとなるかが問題もんだいとなる。この点てんについては、工事こうじ中ちゅうの建物たてものであっても、すでに屋根やねおよび囲かこえ壁かべを有ゆうし、土地とちに定着ていちゃくした1個いっこの建造けんぞう物ぶつとして存在そんざいするに至いたれば足たり、床ゆかおよび天井てんじょうなどはこれを備そなえていなくてもよいとした判例はんれい(大審院だいしんいん判決はんけつ昭和しょうわ10年ねん10月がつ1日にち)が参考さんこうとなる。[竹内たけうち俊雄としお] 出典しゅってん 小学館しょうがくかん 日本にっぽん大だい百科全書ひゃっかぜんしょ(ニッポニカ)日本にっぽん大だい百科全書ひゃっかぜんしょ(ニッポニカ)について 情報じょうほう | 凡例はんれい