朝鮮ちょうせん出兵しゅっぺい（読よみ）チョウセンシュッペイ

…この原則げんそくを百姓ひゃくしょう，町人ちょうにんにも適用てきようしたのが〈刀かたな狩かり〉であり，彼かれらは武器ぶきを取とり上あげられることで自力じりき救済きゅうさいの能力のうりょくを欠かく身分みぶんにおとしめられたのであった。　天下てんか統一とういつの完成かんせい後ごに秀吉ひでよしが無謀むぼうな朝鮮ちょうせん出兵しゅっぺい(文ぶん禄ろく･慶長けいちょうの役やく)を行おこなったのは，このようにして戦争せんそうに国民こくみんを動員どういんすることが，そのまま支配しはい体制たいせいの構築こうちく･強化きょうかであったからにほかならない。しかしこの出兵しゅっぺいは現地げんちでは朝鮮ちょうせん人民じんみんの抵抗ていこうに出会であうとともに国内こくないでは深刻しんこくな矛盾むじゅんを引ひき起おこし，敗色はいしょくの濃こいうちに秀吉ひでよしは死しんだ。…

…国内こくないの封建ほうけん的てき統一とういつの達成たっせい後ご，秀吉ひでよしが家臣かしんに知行ちぎょう地ちを給付きゅうふするには，原則げんそくとして自己じこの直轄ちょっかつ領りょうを割さいて与あたえる以外いがいに方法ほうほうは無なく，それには限界げんかいがあった。諸しょ大名だいみょうのなかには海外かいがいに所領しょりょうを希望きぼうする者ものもあり，これらの動うごきを背景はいけいにして，国内こくない統一とういつの延長えんちょう上じょうに朝鮮ちょうせん出兵しゅっぺいが企図きとされた。また，16世紀せいき中ちゅうごろに勘合かんごう貿易ぼうえきが中断ちゅうだんされてから，中国ちゅうごく産さんの生糸きいと(白糸しらいと（しらいと）)はポルトガル船せんを介かいして輸入ゆにゅうされていたが，秀吉ひでよしの意図いとする貿易ぼうえき独占どくせん政策せいさくは明あかり国こくとの直接ちょくせつ取引とりひきを求もとめていた。…